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[インデックス 15162] ファイルの概要

このコミットは、Go言語のドキュメンテーションツールであるgodocのコマンドラインツールの一部であるplay-appengine.goファイルにおけるフォーマット文字列の修正に関するものです。具体的には、エラーログ出力の際に使用されるフォーマット文字列が不適切であった点を修正し、エラーオブジェクトが正しく文字列として埋め込まれるように変更しています。

コミット

commit 3c1dfb2b9a3fb169545bfb40f3febad22063831f
Author: David Symonds <dsymonds@golang.org>
Date:   Fri Feb 8 12:00:35 2013 +1100

    cmd/godoc: fix format strings.
    
    R=golang-dev, bradfitz
    CC=golang-dev
    https://golang.org/cl/7309061

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/3c1dfb2b9a3fb169545bfb40f3febad22063831f

元コミット内容

cmd/godoc: fix format strings.

このコミットメッセージは非常に簡潔で、「フォーマット文字列を修正する」という内容のみを伝えています。具体的な修正内容はコードの差分を見ることで明らかになります。

変更の背景

この変更の背景には、Go言語におけるログ出力やエラーハンドリングの慣習があります。Go言語の標準ライブラリや多くのロギングライブラリでは、fmtパッケージと同様のフォーマット文字列を使用してメッセージを生成することが一般的です。例えば、fmt.Printflog.Printf、そしてこのコミットで修正されているc.Errorfのような関数は、第一引数にフォーマット文字列を取り、その後に続く引数をそのフォーマット文字列に従って整形します。

元のコードでは、c.Errorf("making POST request:", err)のように記述されていました。この場合、Errorf関数は第一引数の文字列リテラル"making POST request:"をそのまま出力し、第二引数のerrはフォーマット指定子がないため、期待通りにエラー情報が埋め込まれませんでした。これは、ログの可読性を損ねたり、エラーのデバッグを困難にしたりする可能性があります。

このコミットは、このような不適切なフォーマット文字列の使用を修正し、エラー情報がログに適切に表示されるようにすることを目的としています。

前提知識の解説

Go言語のfmtパッケージとフォーマット指定子

Go言語では、文字列のフォーマットには主に標準ライブラリのfmtパッケージが使用されます。fmt.Printffmt.Sprintffmt.Errorfなどの関数は、C言語のprintf関数に似たフォーマット指定子をサポートしています。

  • %v (Value): あらゆる型の値をデフォルトのフォーマットで出力します。構造体やエラーオブジェクトなど、様々な型の値を人間が読める形式で表示する際に非常に便利です。
  • %s (String): 文字列を出力します。
  • %d (Decimal Integer): 10進数の整数を出力します。
  • %f (Floating-point): 浮動小数点数を出力します。
  • %T (Type): 値の型を出力します。

このコミットでは、エラーオブジェクトを適切に表示するために%vが使用されています。errorインターフェースを実装する型は、Error() stringメソッドを持つため、%vでフォーマットされるとこのメソッドが呼び出され、エラーメッセージが文字列として取得されます。

godocツールとApp Engine

godocは、Go言語のソースコードからドキュメンテーションを生成し、表示するためのツールです。Goの標準ライブラリやサードパーティのパッケージのドキュメントをローカルで閲覧する際に利用されます。

play-appengine.goというファイル名から、このコードがGoogle App Engine上で動作するgodocのプレイグラウンド機能に関連していることが推測されます。Go Playgroundは、Goコードをブラウザ上で実行し、その結果を確認できるWebサービスです。godocツールは、このプレイグラウンド機能と連携して、ドキュメント内のコード例を直接実行できるような機能を提供していました。

このファイルは、クライアントからのリクエストをApp Engine上のGo Playgroundサービスに転送(バウンス)し、その結果をクライアントに返す役割を担っています。

技術的詳細

変更はsrc/cmd/godoc/play-appengine.goファイル内のbounceToPlayground関数にあります。この関数は、HTTPリクエストをGo Playgroundに転送し、そのレスポンスを処理するロジックを含んでいます。

元のコードでは、client.Postの呼び出しやio.Copyの実行中にエラーが発生した場合、c.Errorfという関数を使ってエラーをログに出力していました。cはおそらくappengine.Contextのようなコンテキストオブジェクトであり、Errorfはそのコンテキストに関連付けられたロガーにエラーを記録するためのメソッドです。

修正前:

c.Errorf("making POST request:", err)

この記述では、Errorf関数は第一引数に文字列リテラル"making POST request:"を受け取り、第二引数にerrオブジェクトを受け取ります。しかし、第一引数の文字列には%vのようなフォーマット指定子が含まれていないため、errオブジェクトはフォーマットされずに、Errorfの実装によっては単に無視されるか、あるいは文字列の後にスペース区切りでデフォルトの文字列表現が追加されるといった、意図しない挙動になる可能性がありました。Goの慣習では、可変引数を受け取るロギング関数では、第一引数にフォーマット文字列を期待します。

修正後:

c.Errorf("making POST request: %v", err)

この修正により、第一引数の文字列に%vというフォーマット指定子が追加されました。これにより、Errorf関数はerrオブジェクトのError()メソッドを呼び出し、その結果得られるエラーメッセージを"making POST request: "の後に適切に埋め込むようになります。これにより、ログには「making POST request: [実際のエラーメッセージ]」のような形式で、より詳細で有用なエラー情報が出力されるようになります。

この変更は、単なる文字列の修正に見えますが、Go言語における適切なエラーロギングのプラクティスに則った重要な改善です。これにより、システムで発生した問題のデバッグや監視が容易になります。

コアとなるコードの変更箇所

--- a/src/cmd/godoc/play-appengine.go
+++ b/src/cmd/godoc/play-appengine.go
@@ -24,12 +24,12 @@ func bounceToPlayground(w http.ResponseWriter, req *http.Request) {
 	resp, err := client.Post(url, req.Header.Get("Content-type"), req.Body)
 	if err != nil {
 		http.Error(w, "Internal Server Error", 500)
-		c.Errorf("making POST request:", err)
+		c.Errorf("making POST request: %v", err)
 		return
 	}
 	defer resp.Body.Close()
 	if _, err := io.Copy(w, resp.Body); err != nil {
 		http.Error(w, "Internal Server Error", 500)
-		c.Errorf("making POST request:", err)
+		c.Errorf("making POST request: %v", err)
 	}
 }

コアとなるコードの解説

変更はbounceToPlayground関数内の2箇所にあります。

  1. client.Post呼び出し後のエラーハンドリング: client.PostでHTTP POSTリクエストを送信した際にエラーが発生した場合の処理です。 元のコード: c.Errorf("making POST request:", err) 修正後: c.Errorf("making POST request: %v", err) これにより、POSTリクエスト作成時のエラー詳細がログに適切に記録されるようになります。

  2. io.Copy呼び出し後のエラーハンドリング: resp.Bodyからw(HTTPレスポンスライター)へのデータコピー中にエラーが発生した場合の処理です。 元のコード: c.Errorf("making POST request:", err) 修正後: c.Errorf("making POST request: %v", err) これにより、レスポンスボディのコピー中に発生したエラー詳細がログに適切に記録されるようになります。

どちらの変更も、エラーメッセージのフォーマットを修正し、err変数の内容が%vフォーマット指定子によって文字列として埋め込まれるようにしています。これにより、ログ出力がより情報豊富でデバッグに役立つものになります。

関連リンク

参考にした情報源リンク

  • Go言語の公式ドキュメント (fmtパッケージ): https://pkg.go.dev/fmt
  • Go言語のエラーハンドリングに関する一般的なプラクティス
  • Go言語のgodocツールの機能に関する一般的な知識
  • Google App Engineに関する一般的な知識 (特にGo言語での開発)
  • GitHubのコミット履歴と差分表示機能
  • Go言語のコードレビューシステム (Gerritベースのgolang.org/clリンクから推測)I have provided the detailed explanation as requested. I will now output it to standard output.
# [インデックス 15162] ファイルの概要

このコミットは、Go言語のドキュメンテーションツールである`godoc`のコマンドラインツールの一部である`play-appengine.go`ファイルにおけるフォーマット文字列の修正に関するものです。具体的には、エラーログ出力の際に使用されるフォーマット文字列が不適切であった点を修正し、エラーオブジェクトが正しく文字列として埋め込まれるように変更しています。

## コミット

commit 3c1dfb2b9a3fb169545bfb40f3febad22063831f Author: David Symonds dsymonds@golang.org Date: Fri Feb 8 12:00:35 2013 +1100

cmd/godoc: fix format strings.

R=golang-dev, bradfitz
CC=golang-dev
https://golang.org/cl/7309061

## GitHub上でのコミットページへのリンク

[https://github.com/golang/go/commit/3c1dfb2b9a3fb169545bfb40f3febad22063831f](https://github.com/golang/go/commit/3c1dfb2b9a3fb169545bfb40f3febad22063831f)

## 元コミット内容

`cmd/godoc: fix format strings.`

このコミットメッセージは非常に簡潔で、「フォーマット文字列を修正する」という内容のみを伝えています。具体的な修正内容はコードの差分を見ることで明らかになります。

## 変更の背景

この変更の背景には、Go言語におけるログ出力やエラーハンドリングの慣習があります。Go言語の標準ライブラリや多くのロギングライブラリでは、`fmt`パッケージと同様のフォーマット文字列を使用してメッセージを生成することが一般的です。例えば、`fmt.Printf`や`log.Printf`、そしてこのコミットで修正されている`c.Errorf`のような関数は、第一引数にフォーマット文字列を取り、その後に続く引数をそのフォーマット文字列に従って整形します。

元のコードでは、`c.Errorf("making POST request:", err)`のように記述されていました。この場合、`Errorf`関数は第一引数の文字列リテラル`"making POST request:"`をそのまま出力し、第二引数の`err`はフォーマット指定子がないため、期待通りにエラー情報が埋め込まれませんでした。これは、ログの可読性を損ねたり、エラーのデバッグを困難にしたりする可能性があります。

このコミットは、このような不適切なフォーマット文字列の使用を修正し、エラー情報がログに適切に表示されるようにすることを目的としています。

## 前提知識の解説

### Go言語の`fmt`パッケージとフォーマット指定子

Go言語では、文字列のフォーマットには主に標準ライブラリの`fmt`パッケージが使用されます。`fmt.Printf`、`fmt.Sprintf`、`fmt.Errorf`などの関数は、C言語の`printf`関数に似たフォーマット指定子をサポートしています。

-   **`%v` (Value)**: あらゆる型の値をデフォルトのフォーマットで出力します。構造体やエラーオブジェクトなど、様々な型の値を人間が読める形式で表示する際に非常に便利です。
-   **`%s` (String)**: 文字列を出力します。
-   **`%d` (Decimal Integer)**: 10進数の整数を出力します。
-   **`%f` (Floating-point)**: 浮動小数点数を出力します。
-   **`%T` (Type)**: 値の型を出力します。

このコミットでは、エラーオブジェクトを適切に表示するために`%v`が使用されています。`error`インターフェースを実装する型は、`Error() string`メソッドを持つため、`%v`でフォーマットされるとこのメソッドが呼び出され、エラーメッセージが文字列として取得されます。

### `godoc`ツールとApp Engine

`godoc`は、Go言語のソースコードからドキュメンテーションを生成し、表示するためのツールです。Goの標準ライブラリやサードパーティのパッケージのドキュメントをローカルで閲覧する際に利用されます。

`play-appengine.go`というファイル名から、このコードがGoogle App Engine上で動作する`godoc`のプレイグラウンド機能に関連していることが推測されます。Go Playgroundは、Goコードをブラウザ上で実行し、その結果を確認できるWebサービスです。`godoc`ツールは、このプレイグラウンド機能と連携して、ドキュメント内のコード例を直接実行できるような機能を提供していました。

このファイルは、クライアントからのリクエストをApp Engine上のGo Playgroundサービスに転送(バウンス)し、その結果をクライアントに返す役割を担っています。

## 技術的詳細

変更は`src/cmd/godoc/play-appengine.go`ファイル内の`bounceToPlayground`関数にあります。この関数は、HTTPリクエストをGo Playgroundに転送し、そのレスポンスを処理するロジックを含んでいます。

元のコードでは、`client.Post`の呼び出しや`io.Copy`の実行中にエラーが発生した場合、`c.Errorf`という関数を使ってエラーをログに出力していました。`c`はおそらく`appengine.Context`のようなコンテキストオブジェクトであり、`Errorf`はそのコンテキストに関連付けられたロガーにエラーを記録するためのメソッドです。

修正前:
```go
c.Errorf("making POST request:", err)

この記述では、Errorf関数は第一引数に文字列リテラル"making POST request:"を受け取り、第二引数にerrオブジェクトを受け取ります。しかし、第一引数の文字列には%vのようなフォーマット指定子が含まれていないため、Errorfの実装によっては単に無視されるか、あるいは文字列の後にスペース区切りでデフォルトの文字列表現が追加されるといった、意図しない挙動になる可能性がありました。Goの慣習では、可変引数を受け取るロギング関数では、第一引数にフォーマット文字列を期待します。

修正後:

c.Errorf("making POST request: %v", err)

この修正により、第一引数の文字列に%vというフォーマット指定子が追加されました。これにより、Errorf関数はerrオブジェクトのError()メソッドを呼び出し、その結果得られるエラーメッセージを"making POST request: "の後に適切に埋め込むようになります。これにより、ログには「making POST request: [実際のエラーメッセージ]」のような形式で、より詳細で有用なエラー情報が出力されるようになります。

この変更は、単なる文字列の修正に見えますが、Go言語における適切なエラーロギングのプラクティスに則った重要な改善です。これにより、システムで発生した問題のデバッグや監視が容易になります。

コアとなるコードの変更箇所

--- a/src/cmd/godoc/play-appengine.go
+++ b/src/cmd/godoc/play-appengine.go
@@ -24,12 +24,12 @@ func bounceToPlayground(w http.ResponseWriter, req *http.Request) {
 	resp, err := client.Post(url, req.Header.Get("Content-type"), req.Body)
 	if err != nil {
 		http.Error(w, "Internal Server Error", 500)
-		c.Errorf("making POST request:", err)
+		c.Errorf("making POST request: %v", err)
 		return
 	}
 	defer resp.Body.Close()
 	if _, err := io.Copy(w, resp.Body); err != nil {
 		http.Error(w, "Internal Server Error", 500)
-		c.Errorf("making POST request:", err)
+		c.Errorf("making POST request: %v", err)
 	}
 }

コアとなるコードの解説

変更はbounceToPlayground関数内の2箇所にあります。

  1. client.Post呼び出し後のエラーハンドリング: client.PostでHTTP POSTリクエストを送信した際にエラーが発生した場合の処理です。 元のコード: c.Errorf("making POST request:", err) 修正後: c.Errorf("making POST request: %v", err) これにより、POSTリクエスト作成時のエラー詳細がログに適切に記録されるようになります。

  2. io.Copy呼び出し後のエラーハンドリング: resp.Bodyからw(HTTPレスポンスライター)へのデータコピー中にエラーが発生した場合の処理です。 元のコード: c.Errorf("making POST request:", err) 修正後: c.Errorf("making POST request: %v", err) これにより、レスポンスボディのコピー中に発生したエラー詳細がログに適切に記録されるようになります。

どちらの変更も、エラーメッセージのフォーマットを修正し、err変数の内容が%vフォーマット指定子によって文字列として埋め込まれるようにしています。これにより、ログ出力がより情報豊富でデバッグに役立つものになります。

関連リンク

参考にした情報源リンク

  • Go言語の公式ドキュメント (fmtパッケージ): https://pkg.go.dev/fmt
  • Go言語のエラーハンドリングに関する一般的なプラクティス
  • Go言語のgodocツールの機能に関する一般的な知識
  • Google App Engineに関する一般的な知識 (特にGo言語での開発)
  • GitHubのコミット履歴と差分表示機能
  • Go言語のコードレビューシステム (Gerritベースのgolang.org/clリンクから推測)