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[インデックス 15267] ファイルの概要

このコミットは、Go言語の標準ライブラリであるmimeパッケージにおいて、Windows環境での.wavファイルのMIMEタイプテストに関する変更を導入しています。具体的には、テスト用のMIMEタイプ初期化関数から、.wavファイルのMIMEタイプエントリを削除することで、ビルド環境における不整合を解消しています。

コミット

  • コミットハッシュ: d8440016011147ac62a5e532021f3cceffa77065
  • 作者: Alex Brainman alex.brainman@gmail.com
  • コミット日時: 2013年2月15日 金曜日 16:55:51 +1100
  • コミットメッセージ:
    mime: do not test for .wav on windows
    
    Even builders don't have that mime type
    
    R=golang-dev, dave, rsc
    CC=golang-dev
    https://golang.org/cl/7314106
    

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/d8440016011147ac62a5e532021f3cceffa77065

元コミット内容

commit d8440016011147ac62a5e532021f3cceffa77065
Author: Alex Brainman <alex.brainman@gmail.com>
Date:   Fri Feb 15 16:55:51 2013 +1100

    mime: do not test for .wav on windows
    
    Even builders don't have that mime type
    
    R=golang-dev, dave, rsc
    CC=golang-dev
    https://golang.org/cl/7314106
---
 src/pkg/mime/type_windows.go | 1 -\
 1 file changed, 1 deletion(-)

diff --git a/src/pkg/mime/type_windows.go b/src/pkg/mime/type_windows.go
index ce538678ff..180f948d16 100644
--- a/src/pkg/mime/type_windows.go
+++ b/src/pkg/mime/type_windows.go
@@ -58,7 +58,6 @@ func initMime() {
 
 func initMimeForTests() map[string]string {
 	return map[string]string{\n-\t\t\".wav\": \"audio/wav\",\n \t\t\".png\": \"image/png\",\n \t}\
 }\

変更の背景

この変更の背景には、Go言語のmimeパッケージがWindows環境で.wavファイルのMIMEタイプを正しく検出できない、あるいはテスト環境(特にGoの公式ビルド環境である"builders")において、.wavファイルのMIMEタイプが期待通りに登録されていないという問題がありました。

mimeパッケージは、ファイル拡張子に基づいてMIMEタイプを推測する機能を提供します。これは通常、システムのレジストリや設定ファイルからMIMEタイプ情報を取得することで実現されます。しかし、Windows環境では、特定のMIMEタイプがシステムに登録されていない場合があり、特に自動化されたビルド環境では、一般的なデスクトップ環境とは異なる設定になっていることがあります。

コミットメッセージの「Even builders don't have that mime type」という記述は、GoのCI/CDシステム(builders)で実行されるテストが、.wavファイルのMIMEタイプが見つからないために失敗していたことを示唆しています。テストが失敗すると、開発者はその原因を調査し、修正する必要があります。この場合、テストが依存しているMIMEタイプ情報が、テスト実行環境に存在しないことが問題の根源でした。

この問題に対処するため、開発者はテストコード自体を調整し、特定の環境で利用できないMIMEタイプに対するテストをスキップする、あるいはそのMIMEタイプへの依存を取り除くことを選択しました。このコミットでは、後者のアプローチが取られ、Windows環境でのテスト時に.wavのMIMEタイプを期待しないようにコードが変更されました。これにより、テストの信頼性が向上し、ビルドの失敗が回避されます。

前提知識の解説

MIMEタイプ (Multipurpose Internet Mail Extensions)

MIMEタイプは、インターネット上でやり取りされる様々な種類のデータ(ファイル、電子メールの添付ファイルなど)の形式を識別するための標準的な方法です。例えば、テキストファイルはtext/plain、HTMLファイルはtext/html、JPEG画像はimage/jpegといったMIMEタイプを持ちます。これにより、受信側のアプリケーションは、データの内容を適切に解釈し、表示したり処理したりすることができます。

MIMEタイプは通常、「タイプ/サブタイプ」の形式で表現されます。

  • タイプ: データの一般的なカテゴリ(例: text, image, audio, video, application
  • サブタイプ: そのカテゴリ内の具体的な形式(例: plain, jpeg, wav, mp4, json

Go言語の mime パッケージ

Go言語の標準ライブラリには、mimeパッケージが含まれています。このパッケージは、ファイル名やファイルの内容からMIMEタイプを検出するための機能を提供します。主な機能としては、以下のようなものがあります。

  • mime.TypeByExtension(ext string): ファイル拡張子(例: .txt, .html)に基づいてMIMEタイプを返します。
  • mime.AddExtensionType(ext, typ string): 新しい拡張子とMIMEタイプのマッピングを追加します。
  • mime.ParseMediaType(v string): Content-Typeヘッダーのようなメディアタイプ文字列を解析します。

mimeパッケージは、内部的にオペレーティングシステム(OS)のMIMEタイプデータベース(Windowsのレジストリ、Unix系システムのmime.typesファイルなど)を参照してMIMEタイプを解決しようとします。

WindowsにおけるMIMEタイプとレジストリ

Windowsオペレーティングシステムでは、ファイル拡張子とMIMEタイプの関連付けは、主にレジストリに保存されています。特定のファイル拡張子に対応するMIMEタイプがレジストリに登録されていない場合、アプリケーションはそのMIMEタイプを認識できません。

GoのmimeパッケージがWindowsでMIMEタイプを検出する際、このレジストリ情報を利用します。しかし、すべてのWindowsシステム、特に最小限の構成を持つサーバーやビルドエージェントでは、一般的なデスクトップ環境に存在するすべてのMIMEタイプが登録されているわけではありません。これが、今回のコミットで問題となった「builders don't have that mime type」という状況を引き起こす原因となります。

テスト駆動開発とテスト環境の重要性

ソフトウェア開発において、テストはコードの品質と信頼性を保証するために不可欠です。テスト駆動開発(TDD)では、機能の実装前にテストを書き、そのテストがパスするようにコードを開発します。

テストは、開発者のローカル環境だけでなく、継続的インテグレーション(CI)システム(Goの"builders"のような)でも実行されます。CIシステムは、コードが変更されるたびに自動的にテストを実行し、問題がないことを確認します。

テストが特定の環境に依存する場合、その環境がテスト実行環境と一致しないと、テストが失敗する可能性があります。今回のケースでは、.wavのMIMEタイプがWindowsのビルド環境に存在しないという環境依存性が、テストの失敗を引き起こしていました。このような場合、テストのロジックを調整するか、テスト環境を統一するかのいずれかの対応が必要になります。このコミットでは、テストのロジックを調整するアプローチが取られました。

技術的詳細

このコミットは、src/pkg/mime/type_windows.goファイル内のinitMimeForTests()関数に対する変更です。

initMimeForTests()関数は、Goのmimeパッケージがテスト目的で使用するMIMEタイプマッピングを初期化するために存在します。この関数は、テストの実行時に特定のMIMEタイプが確実に利用可能であることを保証するために、ハードコードされた拡張子とMIMEタイプのペアをマップとして返します。これは、実際のシステム設定に依存せずに、テストが独立して実行できるようにするための一般的なパターンです。

変更前は、initMimeForTests()関数が返すマップに、以下のエントリが含まれていました。

".wav": "audio/wav",

これは、テストにおいて.wav拡張子がaudio/wavというMIMEタイプを持つことを期待していることを意味します。しかし、前述の通り、Windowsのビルド環境ではこのMIMEタイプがシステムに登録されていないことが判明しました。その結果、mimeパッケージがシステムから.wavのMIMEタイプを取得しようとした際に、期待される値が得られず、テストが失敗する原因となっていました。

このコミットでは、この問題に対処するため、".wav": "audio/wav"のエントリがinitMimeForTests()関数から削除されました。

この変更の技術的な意味合いは以下の通りです。

  1. テストの堅牢性向上: 特定の環境に依存するMIMEタイプのエントリをテスト初期化から削除することで、テストがより堅牢になり、環境の違いによる不必要なテスト失敗を防ぎます。
  2. 現実との整合性: ビルド環境の現実(.wavのMIMEタイプが登録されていない)に合わせてテストの期待値を調整することで、テストが実際の動作をより正確に反映するようになります。
  3. テストのスコープ: initMimeForTests()は、あくまでテストのためにMIMEタイプを「モック」するような役割を担っています。この変更は、Windows環境で.wavのMIMEタイプがシステムレベルでサポートされていない場合でも、mimeパッケージの他の機能(例えば、image/pngのような確実に存在するMIMEタイプに対するテスト)は引き続き実行されることを保証します。

この変更は、mimeパッケージのコアなMIMEタイプ検出ロジック自体を変更するものではなく、あくまでテストの初期化ロジックに限定された修正です。これにより、Windows環境でのGoのビルドとテストの安定性が向上しました。

コアとなるコードの変更箇所

変更はsrc/pkg/mime/type_windows.goファイルにあります。

--- a/src/pkg/mime/type_windows.go
+++ b/src/pkg/mime/type_windows.go
@@ -58,7 +58,6 @@ func initMime() {
 
 func initMimeForTests() map[string]string {
 	return map[string]string{
-\t\t".wav": "audio/wav",
 \t\t".png": "image/png",
 	}
 }

コアとなるコードの解説

変更されたのは、initMimeForTests()関数です。

この関数は、map[string]string型を返します。このマップは、ファイル拡張子(キー)とその対応するMIMEタイプ(値)のペアを格納しています。この関数は、主にmimeパッケージのテストスイート内で使用され、テストの実行前に既知のMIMEタイプマッピングをセットアップするために呼び出されます。これにより、テストがOSのMIMEタイプ設定に過度に依存することなく、予測可能な結果を生成できるようになります。

変更前は、このマップには以下の2つのエントリが含まれていました。

  • ".wav": "audio/wav"
  • ".png": "image/png"

このコミットでは、".wav": "audio/wav"のエントリが削除されました。

この削除により、Windows環境でのmimeパッケージのテストにおいて、.wav拡張子に対するaudio/wavというMIMEタイプの存在が、initMimeForTests()によって保証されなくなります。これは、Goのビルド環境("builders")において、.wavのMIMEタイプがシステムに登録されていないという現実に対応するためのものです。

".png": "image/png"のエントリは残されており、これは.pngファイルに対するimage/pngというMIMEタイプが、Windows環境のテストにおいても引き続き期待され、テストの初期化時に利用可能であることが保証されることを意味します。image/pngは非常に一般的なMIMEタイプであり、ほとんどの環境で問題なく利用できると想定されているため、削除の対象とはなりませんでした。

この変更は、テストの初期化ロジックを調整することで、特定の環境依存の問題を回避し、テストの安定性と信頼性を向上させることを目的としています。

関連リンク

  • Go Change-Id (CL): https://golang.org/cl/7314106
    • このリンクは、GoのコードレビューシステムであるGerritにおける、このコミットに対応する変更リスト(Change List)を示しています。通常、ここにはコミットに至るまでの議論や、関連するバグトラッキング情報などが含まれています。

参考にした情報源リンク

  • MIMEタイプに関する一般的な情報:

  • Go言語の mime パッケージのドキュメント:

  • WindowsレジストリとMIMEタイプに関する情報:

  • Go言語のビルドシステムとテストに関する一般的な情報:

  • Gerrit (Goのコードレビューシステム):

    (注: 上記のリンクは、このコミットの背景や関連技術を理解するために一般的に参照される情報源であり、このコミットが直接的にこれらの情報源を参照したことを意味するものではありません。)

    (注: golang.org/cl/7314106への直接的なアクセスは、GoのGerritインスタンスへのアクセスが必要となる場合があります。)# [インデックス 15267] ファイルの概要

このコミットは、Go言語の標準ライブラリであるmimeパッケージにおいて、Windows環境での.wavファイルのMIMEタイプテストに関する変更を導入しています。具体的には、テスト用のMIMEタイプ初期化関数から、.wavファイルのMIMEタイプエントリを削除することで、ビルド環境における不整合を解消しています。

コミット

  • コミットハッシュ: d8440016011147ac62a5e532021f3cceffa77065
  • 作者: Alex Brainman alex.brainman@gmail.com
  • コミット日時: 2013年2月15日 金曜日 16:55:51 +1100
  • コミットメッセージ:
    mime: do not test for .wav on windows
    
    Even builders don't have that mime type
    
    R=golang-dev, dave, rsc
    CC=golang-dev
    https://golang.org/cl/7314106
    

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/d8440016011147ac62a5e532021f3cceffa77065

元コミット内容

commit d8440016011147ac62a5e532021f3cceffa77065
Author: Alex Brainman <alex.brainman@gmail.com>
Date:   Fri Feb 15 16:55:51 2013 +1100

    mime: do not test for .wav on windows
    
    Even builders don't have that mime type
    
    R=golang-dev, dave, rsc
    CC=golang-dev
    https://golang.org/cl/7314106
---
 src/pkg/mime/type_windows.go | 1 -\
 1 file changed, 1 deletion(-)

diff --git a/src/pkg/mime/type_windows.go b/src/pkg/mime/type_windows.go
index ce538678ff..180f948d16 100644
--- a/src/pkg/mime/type_windows.go
+++ b/src/pkg/mime/type_windows.go
@@ -58,7 +58,6 @@ func initMime() {
 
 func initMimeForTests() map[string]string {
 	return map[string]string{\n-\t\t".wav": "audio/wav",\n \t\t".png": "image/png",\n \t}\
 }\

変更の背景

この変更の背景には、Go言語のmimeパッケージがWindows環境で.wavファイルのMIMEタイプを正しく検出できない、あるいはテスト環境(特にGoの公式ビルド環境である"builders")において、.wavファイルのMIMEタイプが期待通りに登録されていないという問題がありました。

mimeパッケージは、ファイル拡張子に基づいてMIMEタイプを推測する機能を提供します。これは通常、システムのレジストリや設定ファイルからMIMEタイプ情報を取得することで実現されます。しかし、Windows環境では、特定のMIMEタイプがシステムに登録されていない場合があり、特に自動化されたビルド環境では、一般的なデスクトップ環境とは異なる設定になっていることがあります。

コミットメッセージの「Even builders don't have that mime type」という記述は、GoのCI/CDシステム(builders)で実行されるテストが、.wavファイルのMIMEタイプが見つからないために失敗していたことを示唆しています。テストが失敗すると、開発者はその原因を調査し、修正する必要があります。この場合、テストが依存しているMIMEタイプ情報が、テスト実行環境に存在しないことが問題の根源でした。

この問題に対処するため、開発者はテストコード自体を調整し、特定の環境で利用できないMIMEタイプに対するテストをスキップする、あるいはそのMIMEタイプへの依存を取り除くことを選択しました。このコミットでは、後者のアプローチが取られ、Windows環境でのテスト時に.wavのMIMEタイプを期待しないようにコードが変更されました。これにより、テストの信頼性が向上し、ビルドの失敗が回避されます。

前提知識の解説

MIMEタイプ (Multipurpose Internet Mail Extensions)

MIMEタイプは、インターネット上でやり取りされる様々な種類のデータ(ファイル、電子メールの添付ファイルなど)の形式を識別するための標準的な方法です。例えば、テキストファイルはtext/plain、HTMLファイルはtext/html、JPEG画像はimage/jpegといったMIMEタイプを持ちます。これにより、受信側のアプリケーションは、データの内容を適切に解釈し、表示したり処理したりすることができます。

MIMEタイプは通常、「タイプ/サブタイプ」の形式で表現されます。

  • タイプ: データの一般的なカテゴリ(例: text, image, audio, video, application
  • サブタイプ: そのカテゴリ内の具体的な形式(例: plain, jpeg, wav, mp4, json

Go言語の mime パッケージ

Go言語の標準ライブラリには、mimeパッケージが含まれています。このパッケージは、ファイル名やファイルの内容からMIMEタイプを検出するための機能を提供します。主な機能としては、以下のようなものがあります。

  • mime.TypeByExtension(ext string): ファイル拡張子(例: .txt, .html)に基づいてMIMEタイプを返します。
  • mime.AddExtensionType(ext, typ string): 新しい拡張子とMIMEタイプのマッピングを追加します。
  • mime.ParseMediaType(v string): Content-Typeヘッダーのようなメディアタイプ文字列を解析します。

mimeパッケージは、内部的にオペレーティングシステム(OS)のMIMEタイプデータベース(Windowsのレジストリ、Unix系システムのmime.typesファイルなど)を参照してMIMEタイプを解決しようとします。

WindowsにおけるMIMEタイプとレジストリ

Windowsオペレーティングシステムでは、ファイル拡張子とMIMEタイプの関連付けは、主にレジストリに保存されています。特定のファイル拡張子に対応するMIMEタイプがレジストリに登録されていない場合、アプリケーションはそのMIMEタイプを認識できません。

GoのmimeパッケージがWindowsでMIMEタイプを検出する際、このレジストリ情報を利用します。しかし、すべてのWindowsシステム、特に最小限の構成を持つサーバーやビルドエージェントでは、一般的なデスクトップ環境に存在するすべてのMIMEタイプが登録されているわけではありません。これが、今回のコミットで問題となった「builders don't have that mime type」という状況を引き起こす原因となります。

テスト駆動開発とテスト環境の重要性

ソフトウェア開発において、テストはコードの品質と信頼性を保証するために不可欠です。テスト駆動開発(TDD)では、機能の実装前にテストを書き、そのテストがパスするようにコードを開発します。

テストは、開発者のローカル環境だけでなく、継続的インテグレーション(CI)システム(Goの"builders"のような)でも実行されます。CIシステムは、コードが変更されるたびに自動的にテストを実行し、問題がないことを確認します。

テストが特定の環境に依存する場合、その環境がテスト実行環境と一致しないと、テストが失敗する可能性があります。今回のケースでは、.wavのMIMEタイプがWindowsのビルド環境に存在しないという環境依存性が、テストの失敗を引き起こしていました。このような場合、テストのロジックを調整するか、テスト環境を統一するかのいずれかの対応が必要になります。このコミットでは、テストのロジックを調整するアプローチが取られました。

技術的詳細

このコミットは、src/pkg/mime/type_windows.goファイル内のinitMimeForTests()関数に対する変更です。

initMimeForTests()関数は、Goのmimeパッケージがテスト目的で使用するMIMEタイプマッピングを初期化するために存在します。この関数は、テストの実行時に特定のMIMEタイプが確実に利用可能であることを保証するために、ハードコードされた拡張子とMIMEタイプのペアをマップとして返します。これは、実際のシステム設定に依存せずに、テストが独立して実行できるようにするための一般的なパターンです。

変更前は、initMimeForTests()関数が返すマップに、以下のエントリが含まれていました。

".wav": "audio/wav",

これは、テストにおいて.wav拡張子がaudio/wavというMIMEタイプを持つことを期待していることを意味します。しかし、前述の通り、Windowsのビルド環境ではこのMIMEタイプがシステムに登録されていないことが判明しました。その結果、mimeパッケージがシステムから.wavのMIMEタイプを取得しようとした際に、期待される値が得られず、テストが失敗する原因となっていました。

このコミットでは、この問題に対処するため、".wav": "audio/wav"のエントリが削除されました。

この変更の技術的な意味合いは以下の通りです。

  1. テストの堅牢性向上: 特定の環境に依存するMIMEタイプのエントリをテスト初期化から削除することで、テストがより堅牢になり、環境の違いによる不必要なテスト失敗を防ぎます。
  2. 現実との整合性: ビルド環境の現実(.wavのMIMEタイプが登録されていない)に合わせてテストの期待値を調整することで、テストが実際の動作をより正確に反映するようになります。
  3. テストのスコープ: initMimeForTests()は、あくまでテストのためにMIMEタイプを「モック」するような役割を担っています。この変更は、Windows環境で.wavのMIMEタイプがシステムレベルでサポートされていない場合でも、mimeパッケージの他の機能(例えば、image/pngのような確実に存在するMIMEタイプに対するテスト)は引き続き実行されることを保証します。

この変更は、mimeパッケージのコアなMIMEタイプ検出ロジック自体を変更するものではなく、あくまでテストの初期化ロジックに限定された修正です。これにより、Windows環境でのGoのビルドとテストの安定性が向上しました。

コアとなるコードの変更箇所

変更はsrc/pkg/mime/type_windows.goファイルにあります。

--- a/src/pkg/mime/type_windows.go
+++ b/src/pkg/mime/type_windows.go
@@ -58,7 +58,6 @@ func initMime() {
 
 func initMimeForTests() map[string]string {
 	return map[string]string{
-\t\t".wav": "audio/wav",
 \t\t".png": "image/png",
 	}
 }

コアとなるコードの解説

変更されたのは、initMimeForTests()関数です。

この関数は、map[string]string型を返します。このマップは、ファイル拡張子(キー)とその対応するMIMEタイプ(値)を格納しています。この関数は、主にmimeパッケージのテストスイート内で使用され、テストの実行前に既知のMIMEタイプマッピングをセットアップするために呼び出されます。これにより、テストがOSのMIMEタイプ設定に過度に依存することなく、予測可能な結果を生成できるようになります。

変更前は、このマップには以下の2つのエントリが含まれていました。

  • ".wav": "audio/wav"
  • ".png": "image/png"

このコミットでは、".wav": "audio/wav"のエントリが削除されました。

この削除により、Windows環境でのmimeパッケージのテストにおいて、.wav拡張子に対するaudio/wavというMIMEタイプの存在が、initMimeForTests()によって保証されなくなります。これは、Goのビルド環境("builders")において、.wavのMIMEタイプがシステムに登録されていないという現実に対応するためのものです。

".png": "image/png"のエントリは残されており、これは.pngファイルに対するimage/pngというMIMEタイプが、Windows環境のテストにおいても引き続き期待され、テストの初期化時に利用可能であることが保証されることを意味します。image/pngは非常に一般的なMIMEタイプであり、ほとんどの環境で問題なく利用できると想定されているため、削除の対象とはなりませんでした。

この変更は、テストの初期化ロジックを調整することで、特定の環境依存の問題を回避し、テストの安定性と信頼性を向上させることを目的としています。

関連リンク

  • Go Change-Id (CL): https://golang.org/cl/7314106
    • このリンクは、GoのコードレビューシステムであるGerritにおける、このコミットに対応する変更リスト(Change List)を示しています。通常、ここにはコミットに至るまでの議論や、関連するバグトラッキング情報などが含まれています。

参考にした情報源リンク

  • MIMEタイプに関する一般的な情報:

  • Go言語の mime パッケージのドキュメント:

  • WindowsレジストリとMIMEタイプに関する情報:

  • Go言語のビルドシステムとテストに関する一般的な情報:

  • Gerrit (Goのコードレビューシステム):

    (注: 上記のリンクは、このコミットの背景や関連技術を理解するために一般的に参照される情報源であり、このコミットが直接的にこれらの情報源を参照したことを意味するものではありません。)

    (注: golang.org/cl/7314106への直接的なアクセスは、GoのGerritインスタンスへのアクセスが必要となる場合があります。)