[インデックス 15407] ファイルの概要
このコミットは、Go言語のツールである cmd/vet の print.go ファイルにおける軽微な修正("nits")を適用するものです。具体的には、isErrorMethodCall 関数のコメントの誤りを訂正し、同関数のロジックにおける誤った return ステートメントを修正しています。これにより、cmd/vet が Error() メソッドのシグネチャを正しく識別し、Goの標準 error インターフェースに準拠しない Error() string メソッドを適切にチェックできるようになります。
コミット
commit 1174a18c3d2c61466db60feb3919288b1dd8a548
Author: Rob Pike <r@golang.org>
Date: Sun Feb 24 13:18:36 2013 -0800
cmd/vet: fix up some nits in print.go found by kamil.kisiel@gmail.com
R=golang-dev, kamil.kisiel, bradfitz
CC=golang-dev
https://golang.org/cl/7369049
GitHub上でのコミットページへのリンク
https://github.com/golang/go/commit/1174a18c3d2c61466db60feb3919288b1dd8a548
元コミット内容
このコミットは、src/cmd/vet/print.go ファイルに対して以下の変更を加えています。
isErrorMethodCall関数のコメントの修正:func Error() errorをfunc Error() stringに変更。where "error" is the universe's error type.をwhere "string" is the universe's string type.に変更。
isErrorMethodCall関数のロジックの修正:if types.IsIdentical(result, types.Typ[types.String]) { return true }の直後のreturn trueをreturn falseに変更。
変更の背景
この変更は、kamil.kisiel@gmail.com によって発見された cmd/vet の print.go 内の軽微な問題("nits")を修正するために行われました。cmd/vet はGoコードの静的解析ツールであり、一般的なプログラミングエラーや疑わしい構成を検出することを目的としています。
特に、Go言語では error インターフェースを実装するために Error() string メソッドを持つ型を定義するのが一般的です。しかし、このメソッドが error インターフェースの要件(Error() string シグネチャ)を満たしているにもかかわらず、実際には error インターフェースを実装していない、あるいは意図しない形で実装しているケースを vet が検出できるようにする必要があります。
元のコードでは、isErrorMethodCall 関数が Error() string シグネチャを持つメソッドを検出した際に、コメントが誤解を招く記述になっており、さらにロジックが不正確でした。具体的には、Error() string メソッドが検出された場合に、無条件に true を返してしまうというバグがありました。これは、isErrorMethodCall が「error インターフェースに準拠しない Error() メソッド呼び出し」を報告するための関数であると仮定すると、論理的に矛盾していました。この修正は、vet がこれらのケースを正しく識別し、開発者に適切な警告を提供できるようにするために不可欠でした。
前提知識の解説
cmd/vet: Go言語に付属する静的解析ツールの一つです。Goのソースコードを分析し、潜在的なバグや疑わしい構成を報告します。例えば、Printfフォーマット文字列と引数の不一致、ロックの誤用、構造体タグの誤りなどを検出します。開発者がコードの品質を維持し、一般的な落とし穴を避けるのに役立ちます。- Go言語の
errorインターフェース: Go言語では、エラー処理は組み込みのerrorインターフェースを通じて行われます。このインターフェースは非常にシンプルで、Error() stringという単一のメソッドを定義しています。
任意の型がこのtype error interface { Error() string }Error() stringメソッドを実装していれば、その型はerrorインターフェースを満たしていると見なされます。 - 静的解析: プログラムを実行せずにソースコードを分析し、潜在的なエラー、バグ、セキュリティ脆弱性、コーディング規約違反などを検出するプロセスです。
cmd/vetは静的解析ツールの一例です。 - AST (Abstract Syntax Tree): 抽象構文木。ソースコードの構文構造を木構造で表現したものです。コンパイラや静的解析ツールは、ソースコードをASTに変換し、その木構造を走査することでコードの意味を理解し、分析を行います。
cmd/vetも内部的にGoのASTを操作しています。 typesパッケージ: Goのコンパイラが使用する型システムに関する情報を提供するパッケージです。ASTノードに対応する型情報を取得する際に利用されます。types.IsIdenticalは二つの型が同一であるかをチェックする関数です。types.Typ[types.String]はGoの組み込み型であるstringの型情報を表します。
技術的詳細
このコミットの技術的な核心は、cmd/vet が Error() という名前のメソッド呼び出しをどのように分析し、それがGoの標準 error インターフェースに準拠しているかどうかを判断するかのロジックの修正にあります。
src/cmd/vet/print.go 内の isErrorMethodCall 関数は、特定のメソッド呼び出しが Error() という名前であり、かつそのシグネチャが func Error() error(つまり、戻り値が error 型)であるかどうかをチェックすることを意図していました。しかし、元のコードには以下の問題がありました。
-
コメントの誤り:
// isErrorMethodCall reports whether the call is of a method with signature // func Error() error // where "error" is the universe's error type. We know the method is called "Error" // and f.pkg is set.このコメントは、
isErrorMethodCallがError() errorシグネチャを持つメソッドを報告すると述べていますが、実際にはその後のコードでError() stringシグネチャを持つメソッドをチェックしていました。修正後のコメントは、この関数の実際の意図に合わせてfunc Error() stringに変更されました。これは、vetがerrorインターフェースを実装していないがError() stringメソッドを持つ型を検出するための準備段階であったと考えられます。 -
ロジックの誤り:
if types.IsIdentical(result, types.Typ[types.String]) { return true } return true // <-- ここが修正されたこの部分では、メソッドの戻り値の型が
stringであるかをtypes.IsIdenticalでチェックしています。もしstringであればtrueを返しますが、そうでなかった場合(つまり、戻り値がstringではない場合)でも、その直後に無条件でreturn trueがありました。これは、isErrorMethodCallが常にtrueを返す可能性があり、その結果、vetがError()メソッドのシグネチャを正しく区別できないという論理的な欠陥を抱えていました。修正後は、
if types.IsIdentical(result, types.Typ[types.String])の条件が満たされない場合(つまり、戻り値がstringではない場合)にはreturn falseとなります。これにより、isErrorMethodCall関数は、戻り値がstring型であるError()メソッドのみをtrueと報告し、それ以外のシグネチャを持つError()メソッドはfalseと報告するようになります。これは、vetがerrorインターフェースの規約に違反する可能性のあるError()メソッドを正確に特定するために必要な修正です。
この修正により、cmd/vet は、Goの error インターフェースの要件(Error() string)を満たしているにもかかわらず、実際には error インターフェースを実装していない、あるいは意図しない形で実装している型をより正確に検出できるようになります。これは、Goの型システムと静的解析の深い理解に基づいた、ツールの精度向上に貢献する変更です。
コアとなるコードの変更箇所
src/cmd/vet/print.go ファイルの以下の部分が変更されました。
--- a/src/cmd/vet/print.go
+++ b/src/cmd/vet/print.go
@@ -415,8 +415,8 @@ func (f *File) numArgsInSignature(call *ast.CallExpr) int {
}
// isErrorMethodCall reports whether the call is of a method with signature
-// func Error() error
-// where "error" is the universe's error type. We know the method is called "Error"
+// func Error() string
+// where "string" is the universe's string type. We know the method is called "Error"
// and f.pkg is set.
func (f *File) isErrorMethodCall(call *ast.CallExpr) bool {
// Is it a selector expression? Otherwise it's a function call, not a method call.
@@ -457,7 +457,7 @@ func (f *File) isErrorMethodCall(call *ast.CallExpr) bool {
if types.IsIdentical(result, types.Typ[types.String]) {
return true
}
- return true
+ return false
}
// Error methods that do not satisfy the Error interface and should be checked.
コアとなるコードの解説
変更された isErrorMethodCall 関数は、cmd/vet がGoコード内のメソッド呼び出しを分析する際に使用されます。この関数は、特定のメソッド呼び出しが Error() という名前であり、かつその戻り値の型が string であるかどうかを判断します。
-
コメントの変更: 元のコメントは
func Error() errorと記述されていましたが、これはerrorインターフェースそのもののシグネチャを指しているように見え、関数の実際の動作と一致していませんでした。修正後はfunc Error() stringとなり、この関数がstringを返すError()メソッドを識別しようとしていることが明確になりました。これは、Goのerrorインターフェースの定義と一致するシグネチャであり、vetがerrorインターフェースに準拠しないError()メソッドを検出するための前提となります。 -
ロジックの変更:
if types.IsIdentical(result, types.Typ[types.String]) { return true } return false // 変更点この部分が関数の核心的なロジックです。
types.IsIdentical(result, types.Typ[types.String]): これは、callで表されるメソッド呼び出しの戻り値の型 (result) が、Goの組み込みstring型と完全に同一であるかをチェックします。return true: もし戻り値の型がstringであれば、このメソッドはError() stringシグネチャを持つと判断され、trueが返されます。return false(変更後): もし戻り値の型がstringでなければ、元のコードでは無条件にtrueが返されていましたが、修正後はfalseが返されるようになりました。これにより、isErrorMethodCallは、Error()という名前のメソッドであっても、その戻り値がstringでない場合にはfalseを返すようになり、関数の意図が正しく反映されるようになりました。
この修正により、cmd/vet は、Error() string シグネチャを持つメソッドを正確に識別し、その後の解析で、それが実際に error インターフェースを実装しているかどうか、あるいは他の問題がないかをチェックするための基盤を強化しました。
関連リンク
- Go言語の
cmd/vetドキュメント: https://pkg.go.dev/cmd/vet - Go言語の
errorインターフェースに関する公式ドキュメント: https://go.dev/blog/errors-are-values - Go言語の
go/astパッケージ: https://pkg.go.dev/go/ast - Go言語の
go/typesパッケージ: https://pkg.go.dev/go/types
参考にした情報源リンク
- GitHub: golang/go commit 1174a18c3d2c61466db60feb3919288b1dd8a548: https://github.com/golang/go/commit/1174a18c3d2c61466db60feb3919288b1dd8a548
- Go Code Review 7369049:
cmd/vet: fix up some nits in print.go found by kamil.kisiel@gmail.com: https://golang.org/cl/7369049 (コミットメッセージに記載されているGo Code Reviewのリンク) - Go言語の静的解析に関する一般的な情報源(例:
go vetの使い方に関するブログ記事やチュートリアル) - Go言語の型システムに関するドキュメント# [インデックス 15407] ファイルの概要
このコミットは、Go言語のツールである cmd/vet の print.go ファイルにおける軽微な修正("nits")を適用するものです。具体的には、isErrorMethodCall 関数のコメントの誤りを訂正し、同関数のロジックにおける誤った return ステートメントを修正しています。これにより、cmd/vet が Error() メソッドのシグネチャを正しく識別し、Goの標準 error インターフェースに準拠しない Error() string メソッドを適切にチェックできるようになります。
コミット
commit 1174a18c3d2c61466db60feb3919288b1dd8a548
Author: Rob Pike <r@golang.org>
Date: Sun Feb 24 13:18:36 2013 -0800
cmd/vet: fix up some nits in print.go found by kamil.kisiel@gmail.com
R=golang-dev, kamil.kisiel, bradfitz
CC=golang-dev
https://golang.org/cl/7369049
GitHub上でのコミットページへのリンク
https://github.com/golang/go/commit/1174a18c3d2c61466db60feb3919288b1dd8a548
元コミット内容
このコミットは、src/cmd/vet/print.go ファイルに対して以下の変更を加えています。
isErrorMethodCall関数のコメントの修正:func Error() errorをfunc Error() stringに変更。where "error" is the universe's error type.をwhere "string" is the universe's string type.に変更。
isErrorMethodCall関数のロジックの修正:if types.IsIdentical(result, types.Typ[types.String]) { return true }の直後のreturn trueをreturn falseに変更。
変更の背景
この変更は、kamil.kisiel@gmail.com によって発見された cmd/vet の print.go 内の軽微な問題("nits")を修正するために行われました。cmd/vet はGo言語のツールであり、一般的なプログラミングエラーや疑わしい構成を検出することを目的としています。
特に、Go言語では error インターフェースを実装するために Error() string メソッドを持つ型を定義するのが一般的です。しかし、このメソッドが error インターフェースの要件(Error() string シグネチャ)を満たしているにもかかわらず、実際には error インターフェースを実装していない、あるいは意図しない形で実装しているケースを vet が検出できるようにする必要があります。
元のコードでは、isErrorMethodCall 関数が Error() string シグネチャを持つメソッドを検出した際に、コメントが誤解を招く記述になっており、さらにロジックが不正確でした。具体的には、Error() string メソッドが検出された場合に、無条件に true を返してしまうというバグがありました。これは、isErrorMethodCall が「error インターフェースに準拠しない Error() メソッド呼び出し」を報告するための関数であると仮定すると、論理的に矛盾していました。この修正は、vet がこれらのケースを正しく識別し、開発者に適切な警告を提供できるようにするために不可欠でした。
前提知識の解説
cmd/vet: Go言語に付属する静的解析ツールの一つです。Goのソースコードを分析し、潜在的なバグや疑わしい構成を報告します。例えば、Printfフォーマット文字列と引数の不一致、ロックの誤用、構造体タグの誤りなどを検出します。開発者がコードの品質を維持し、一般的な落とし穴を避けるのに役立ちます。- Go言語の
errorインターフェース: Go言語では、エラー処理は組み込みのerrorインターフェースを通じて行われます。このインターフェースは非常にシンプルで、Error() stringという単一のメソッドを定義しています。
任意の型がこのtype error interface { Error() string }Error() stringメソッドを実装していれば、その型はerrorインターフェースを満たしていると見なされます。 - 静的解析: プログラムを実行せずにソースコードを分析し、潜在的なエラー、バグ、セキュリティ脆弱性、コーディング規約違反などを検出するプロセスです。
cmd/vetは静的解析ツールの一例です。 - AST (Abstract Syntax Tree): 抽象構文木。ソースコードの構文構造を木構造で表現したものです。コンパイラや静的解析ツールは、ソースコードをASTに変換し、その木構造を走査することでコードの意味を理解し、分析を行います。
cmd/vetも内部的にGoのASTを操作しています。 typesパッケージ: Goのコンパイラが使用する型システムに関する情報を提供するパッケージです。ASTノードに対応する型情報を取得する際に利用されます。types.IsIdenticalは二つの型が同一であるかをチェックする関数です。types.Typ[types.String]はGoの組み込み型であるstringの型情報を表します。
技術的詳細
このコミットの技術的な核心は、cmd/vet が Error() という名前のメソッド呼び出しをどのように分析し、それがGoの標準 error インターフェースに準拠しているかどうかを判断するかのロジックの修正にあります。
src/cmd/vet/print.go 内の isErrorMethodCall 関数は、特定のメソッド呼び出しが Error() という名前であり、かつそのシグネチャが func Error() error(つまり、戻り値が error 型)であるかどうかをチェックすることを意図していました。しかし、元のコードには以下の問題がありました。
-
コメントの誤り:
// isErrorMethodCall reports whether the call is of a method with signature // func Error() error // where "error" is the universe's error type. We know the method is called "Error" // and f.pkg is set.このコメントは、
isErrorMethodCallがError() errorシグネチャを持つメソッドを報告すると述べていますが、実際にはその後のコードでError() stringシグネチャを持つメソッドをチェックしていました。修正後のコメントは、この関数の実際の意図に合わせてfunc Error() stringに変更されました。これは、vetがerrorインターフェースを実装していないがError() stringメソッドを持つ型を検出するための準備段階であったと考えられます。 -
ロジックの誤り:
if types.IsIdentical(result, types.Typ[types.String]) { return true } return true // <-- ここが修正されたこの部分では、メソッドの戻り値の型が
stringであるかをtypes.IsIdenticalでチェックしています。もしstringであればtrueを返しますが、そうでなかった場合(つまり、戻り値がstringではない場合)でも、その直後に無条件でtrueがありました。これは、isErrorMethodCallが常にtrueを返す可能性があり、その結果、vetがError()メソッドのシグネチャを正しく区別できないという論理的な欠陥を抱えていました。修正後は、
if types.IsIdentical(result, types.Typ[types.String])の条件が満たされない場合(つまり、戻り値がstringではない場合)にはreturn falseとなります。これにより、isErrorMethodCall関数は、戻り値がstring型であるError()メソッドのみをtrueと報告し、それ以外のシグネチャを持つError()メソッドはfalseと報告するようになります。これは、vetがerrorインターフェースの規約に違反する可能性のあるError()メソッドを正確に特定するために必要な修正です。
この修正により、cmd/vet は、Goの error インターフェースの要件(Error() string)を満たしているにもかかわらず、実際には error インターフェースを実装していない、あるいは意図しない形で実装している型をより正確に検出できるようになります。これは、Goの型システムと静的解析の深い理解に基づいた、ツールの精度向上に貢献する変更です。
コアとなるコードの変更箇所
src/cmd/vet/print.go ファイルの以下の部分が変更されました。
--- a/src/cmd/vet/print.go
+++ b/src/cmd/vet/print.go
@@ -415,8 +415,8 @@ func (f *File) numArgsInSignature(call *ast.CallExpr) int {
}
// isErrorMethodCall reports whether the call is of a method with signature
-// func Error() error
-// where "error" is the universe's error type. We know the method is called "Error"
+// func Error() string
+// where "string" is the universe's string type. We know the method is called "Error"
// and f.pkg is set.
func (f *File) isErrorMethodCall(call *ast.CallExpr) bool {
// Is it a selector expression? Otherwise it's a function call, not a method call.
@@ -457,7 +457,7 @@ func (f *File) isErrorMethodCall(call *ast.CallExpr) bool {
if types.IsIdentical(result, types.Typ[types.String]) {
return true
}
- return true
+ return false
}
// Error methods that do not satisfy the Error interface and should be checked.
コアとなるコードの解説
変更された isErrorMethodCall 関数は、cmd/vet がGoコード内のメソッド呼び出しを分析する際に使用されます。この関数は、特定のメソッド呼び出しが Error() という名前であり、かつその戻り値の型が string であるかどうかを判断します。
-
コメントの変更: 元のコメントは
func Error() errorと記述されていましたが、これはerrorインターフェースそのもののシグネチャを指しているように見え、関数の実際の動作と一致していませんでした。修正後はfunc Error() stringとなり、この関数がstringを返すError()メソッドを識別しようとしていることが明確になりました。これは、Goのerrorインターフェースの定義と一致するシグネチャであり、vetがerrorインターフェースに準拠しないError()メソッドを検出するための前提となります。 -
ロジックの変更:
if types.IsIdentical(result, types.Typ[types.String]) { return true } return false // 変更点この部分が関数の核心的なロジックです。
types.IsIdentical(result, types.Typ[types.String]): これは、callで表されるメソッド呼び出しの戻り値の型 (result) が、Goの組み込みstring型と完全に同一であるかをチェックします。return true: もし戻り値の型がstringであれば、このメソッドはError() stringシグネチャを持つと判断され、trueが返されます。return false(変更後): もし戻り値の型がstringでなければ、元のコードでは無条件にtrueが返されていましたが、修正後はfalseが返されるようになりました。これにより、isErrorMethodCallは、Error()という名前のメソッドであっても、その戻り値がstringでない場合にはfalseを返すようになり、関数の意図が正しく反映されるようになりました。
この修正により、cmd/vet は、Error() string シグネチャを持つメソッドを正確に識別し、その後の解析で、それが実際に error インターフェースを実装しているかどうか、あるいは他の問題がないかをチェックするための基盤を強化しました。
関連リンク
- Go言語の
cmd/vetドキュメント: https://pkg.go.dev/cmd/vet - Go言語の
errorインターフェースに関する公式ドキュメント: https://go.dev/blog/errors-are-values - Go言語の
go/astパッケージ: https://pkg.go.dev/go/ast - Go言語の
go/typesパッケージ: https://pkg.go.dev/go/types
参考にした情報源リンク
- GitHub: golang/go commit 1174a18c3d2c61466db60feb3919288b1dd8a548: https://github.com/golang/go/commit/1174a18c3d2c61466db60feb3919288b1dd8a548
- Go Code Review 7369049:
cmd/vet: fix up some nits in print.go found by kamil.kisiel@gmail.com: https://golang.org/cl/7369049 (コミットメッセージに記載されているGo Code Reviewのリンク) - Go言語の静的解析に関する一般的な情報源(例:
go vetの使い方に関するブログ記事やチュートリアル) - Go言語の型システムに関するドキュメント