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[インデックス 15500] ファイルの概要

このコミットは、Go言語のcgoツールに関するドキュメント内のコメントの誤りを修正するものです。具体的には、src/cmd/cgo/doc.goファイル内の実装コメントにおいて、参照されているC関数名が間違っていた箇所を修正しています。これは機能的な変更ではなく、ドキュメントの正確性を向上させるための修正です。

コミット

f82ea304f067249c435e1bf78be458f3ff44fa43

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/f82ea304f067249c435e1bf78be458f3ff44fa43

元コミット内容

cgo: fix reference to puts in implementation comment.

R=golang-dev, r
CC=golang-dev
https://golang.org/cl/7431046

変更の背景

この変更は、cgoツールの内部動作を説明するドキュメントコメント内の誤字を修正することを目的としています。cgoはGoプログラムからCコードを呼び出すためのメカニズムを提供しますが、その過程でGoとCの間のインターフェースを橋渡しするコードが自動生成されます。src/cmd/cgo/doc.goファイルは、この自動生成されるコードの構造や命名規則について説明しています。

元のコメントでは、例として挙げられている生成されたC関数の名前が、本来puts関数を参照すべき箇所で誤ってflush関数を参照していました。これは単なるタイプミスであり、cgoの機能自体に影響を与えるものではありませんでしたが、ドキュメントの正確性を損なうものでした。開発者がcgoの内部実装を理解しようとした際に、この誤ったコメントが混乱を招く可能性があったため、修正が必要とされました。

前提知識の解説

cgoとは

cgoは、Go言語のプログラムからC言語のコードを呼び出す(またはその逆)ためのGoツールです。Goは通常、完全に独立した環境で動作しますが、既存のCライブラリを利用したい場合や、C言語で書かれた高性能なコードをGoから利用したい場合にcgoが用いられます。

cgoを使用するには、Goのソースファイル内でimport "C"という擬似パッケージをインポートし、Cの関数や変数にアクセスします。cgoツールは、GoとCの間の呼び出し規約の違いを吸収し、必要なグルーコード(橋渡しコード)を自動生成します。このグルーコードは、Goの関数呼び出しをCの関数呼び出しに変換したり、Cのデータ型をGoのデータ型に変換したりする役割を担います。

_Cfunc_ 命名規則

cgoが生成するグルーコードには、特定の命名規則があります。GoコードからC関数を呼び出す場合、cgoは通常、_Cfunc_というプレフィックスを持つC関数を生成します。例えば、GoからCのputs関数を呼び出す場合、cgoは内部的に_Cfunc_putsのような名前のC関数を生成し、これが実際のCライブラリのputs関数を呼び出します。この命名規則は、生成されたコードの可読性とデバッグのしやすさを向上させるために重要です。

doc.goファイル

Goのパッケージには、そのパッケージのドキュメントを記述するためのdoc.goという慣習的なファイルが存在します。このファイルは、パッケージの概要、使用方法、重要な概念、内部実装の詳細などを説明するために使用されます。src/cmd/cgo/doc.goは、cgoツールの動作原理、特にGoとCの間のインターフェースがどのように生成されるかについて詳細に記述されています。

技術的詳細

このコミットの技術的詳細は、cgoがGoとCの間の関数呼び出しをどのように橋渡しするかという、その内部メカニズムのドキュメントに関するものです。

cgoは、GoのコードからCの関数を呼び出す際に、中間的なCコードを生成します。この生成されたCコードは、GoのランタイムとCのランタイムの間で引数の受け渡しや戻り値の処理を行います。src/cmd/cgo/doc.goの該当箇所は、この生成されるCコードの例を示しており、特に_Cfunc_プレフィックスを持つ関数がどのように定義されるかを説明しています。

元のコメントでは、例として_cgo_be59f0f25121_Cfunc_flushという関数名が挙げられていました。ここで、be59f0f25121cgoの入力のハッシュ値であり、生成される関数名の一部となります。しかし、この例が説明しようとしていたのはC標準ライブラリのputs関数への参照であり、flush関数ではありませんでした。

puts関数は、C言語において文字列を標準出力に出力するための基本的な関数です。一方、flushは通常、バッファリングされたI/Oストリームをフラッシュする操作に関連する概念です。この文脈では、putsが適切な例であり、flushは誤りでした。

この修正は、cgoの内部動作を理解しようとする開発者にとって、ドキュメントの正確性を保証し、誤解を避ける上で重要です。

コアとなるコードの変更箇所

--- a/src/cmd/cgo/doc.go
+++ b/src/cmd/cgo/doc.go
@@ -300,7 +300,7 @@ For example, here is the definition of _Cfunc_puts:
 
 The hexadecimal number is a hash of cgo's input, chosen to be
 deterministic yet unlikely to collide with other uses. The actual
-function _cgo_be59f0f25121_Cfunc_flush is implemented in a C source
+function _cgo_be59f0f25121_Cfunc_puts is implemented in a C source
 file compiled by gcc, the file x.cgo2.c:
 
 	void

コアとなるコードの解説

変更はsrc/cmd/cgo/doc.goファイルの1箇所のみです。

  • - function _cgo_be59f0f25121_Cfunc_flush is implemented in a C source: これは修正前の行です。ここで、cgoが生成する関数名の例として_Cfunc_flushが挙げられていますが、これは文脈上誤りでした。このコメントは、GoからCのputs関数を呼び出す際のグルーコードの例を説明しているセクションに属しています。

  • + function _cgo_be59f0f25121_Cfunc_puts is implemented in a C source: これが修正後の行です。_Cfunc_flush_Cfunc_putsに修正されました。これにより、コメントが説明している内容(puts関数の呼び出し)と、例として挙げられている生成関数名が一致するようになりました。

この変更は、cgoのドキュメントの整合性を保ち、読者がcgoの内部動作を正確に理解できるようにするために行われました。

関連リンク

参考にした情報源リンク