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[インデックス 15522] ファイルの概要

このコミットは、Go言語の標準ライブラリである html/template パッケージのドキュメントにおけるタイポ(誤字)を修正するものです。具体的には、構造体の初期化の例で、スライス([])が不要な箇所から削除されています。

コミット

commit df60c0a3b8128db948ee3bac6e7e69bb8832faea
Author: Andrew Gerrand <adg@golang.org>
Date:   Fri Mar 1 14:57:59 2013 +1100

    html/template: fix doc typo
    
    Fixes #4950.
    
    R=golang-dev, peter
    CC=golang-dev
    https://golang.org/cl/7415046

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/df60c0a3b8128db948ee3bac6e7e69bb8832faea

元コミット内容

html/template: fix doc typo

Fixes #4950.

R=golang-dev, peter
CC=golang-dev
https://golang.org/cl/7415046

変更の背景

このコミットは、html/template パッケージの doc.go ファイル内のコメントに存在する小さな誤りを修正することを目的としています。ドキュメント内のコード例が、実際のGo言語の構文と一致していなかったため、読者に誤解を与える可能性がありました。具体的には、構造体の初期化の例で、不要なスライス([])の記述が含まれていました。この修正は、ドキュメントの正確性を向上させ、Go言語のテンプレートエンジンを学習する開発者にとってより明確な情報を提供します。

Fixes #4950 という記述がありますが、Go言語の公式リポジトリのIssueトラッカーでこの番号のIssueを直接特定することは困難でした。これは、非常に古いIssueであるか、あるいはGo言語の他の関連プロジェクトのIssueである可能性が考えられます。しかし、コミットメッセージとコードの変更内容から、この修正がドキュメントのタイポ修正に限定されていることは明らかです。

前提知識の解説

Go言語の html/template パッケージ

html/template パッケージは、Go言語におけるHTMLテンプレートエンジンです。このパッケージの主な目的は、WebアプリケーションでHTMLコンテンツを安全に生成することです。特に、クロスサイトスクリプティング(XSS)攻撃を防ぐための自動エスケープ機能が組み込まれています。

Webアプリケーションにおいて、ユーザーからの入力やデータベースから取得したデータを直接HTMLに出力すると、悪意のあるスクリプトが埋め込まれてしまう可能性があります。html/template は、このようなリスクを軽減するために、デフォルトでHTML特殊文字(<, >, &, ', " など)を自動的にエスケープします。これにより、開発者はセキュリティ上の懸念をあまり意識することなく、動的なHTMLコンテンツを生成できます。

Go言語のテンプレート構文

Go言語のテンプレートは、text/template パッケージの構文をベースにしており、html/template はそれに加えてセキュリティ機能を提供します。テンプレートは、{{...}} で囲まれたアクションによって動的なコンテンツを埋め込みます。

主なアクションには以下のようなものがあります。

  • {{.FieldName}} または {{.MethodName}}: 渡されたデータ構造のフィールドやメソッドの値を表示します。
  • {{.}}: 現在のコンテキストの値を表示します。これは、構造体全体、スライス、マップ、または単純な変数など、あらゆる型の値になり得ます。
  • {{range .}}...{{end}}: スライス、配列、マップを反復処理します。
  • {{if .Condition}}...{{else}}...{{end}}: 条件分岐を行います。
  • {{with .Value}}...{{end}}: コンテキストを一時的に変更します。

Go言語の構造体と初期化

Go言語の構造体(struct)は、異なる型のフィールドをまとめた複合データ型です。構造体の初期化にはいくつかの方法がありますが、一般的な方法の一つは、フィールド名と値を指定して初期化する方法です。

例:

type Person struct {
    Name string
    Age  int
}

// 構造体の初期化
p := Person{Name: "Alice", Age: 30}

スライス([])は、同じ型の要素のシーケンスです。スライスを初期化する際には、[]Type{...} のように記述します。

例:

// 文字列スライスの初期化
s := []string{"apple", "banana", "cherry"}

// 構造体のスライスの初期化
people := []Person{
    {Name: "Alice", Age: 30},
    {Name: "Bob", Age: 25},
}

今回のコミットで修正されたのは、単一の構造体を初期化する際に、誤ってスライスの初期化構文 []struct{...}{...} を使用していた点です。単一の構造体であれば、struct{...}{...} と記述するのが正しい構文です。

技術的詳細

このコミットの技術的な詳細は、Go言語のドキュメンテーションにおけるコード例の正確性に関するものです。html/template パッケージの doc.go ファイルは、パッケージの機能や使用方法を説明するコメントを含んでいます。このファイル内のコメントは、GoDocツールによって自動的にドキュメントとして生成され、開発者が参照する公式ドキュメントの一部となります。

修正された箇所は、html/template が非文字列値をJavaScriptコンテキストでどのように扱うかを示す例の一部です。元のドキュメントでは、以下のように記述されていました。

  []struct{A,B string}{ "foo", "bar" }

これは、匿名構造体のスライスを初期化する構文です。しかし、この例が意図していたのは、単一の匿名構造体の値を示すことでした。単一の構造体の初期化では、スライスを示す [] は不要です。

正しい構文は以下の通りです。

  struct{A,B string}{ "foo", "bar" }

この修正は、Go言語の構文規則に厳密に従うことで、ドキュメントの正確性を保証し、特にGo言語の初心者にとっての学習障壁を低減します。ドキュメントのコード例は、実際に動作するコードとして理解されるべきであり、このような小さなタイポであっても、読者の混乱を招く可能性があります。

コアとなるコードの変更箇所

変更は src/pkg/html/template/doc.go ファイルの1箇所のみです。

--- a/src/pkg/html/template/doc.go
+++ b/src/pkg/html/template/doc.go
@@ -119,7 +119,7 @@ If {{.}} is the innocuous word, `left`, then it can appear more widely,
 Non-string values can be used in JavaScript contexts.
 If {{.}} is
 
-  []struct{A,B string}{ "foo", "bar" }\n
+  struct{A,B string}{ "foo", "bar" }\n
 
 in the escaped template
 

コアとなるコードの解説

変更された行は、doc.go ファイル内のコメントの一部であり、html/template が非文字列値をJavaScriptコンテキストでどのように扱うかを示すコード例です。

元の行: []struct{A,B string}{ "foo", "bar" }

修正後の行: struct{A,B string}{ "foo", "bar" }

この変更は、匿名構造体の初期化構文の修正です。

  • []struct{A,B string}: これは、AB という2つの文字列フィールドを持つ匿名構造体のスライスの型定義です。その後に続く { "foo", "bar" } は、このスライスを初期化しようとしていますが、スライスには複数の要素が含まれるべきであるにもかかわらず、単一の要素(この場合は構造体)しか提供されていません。さらに、このコンテキストではスライスである必要がありませんでした。
  • struct{A,B string}: これは、AB という2つの文字列フィールドを持つ匿名構造体の単一のインスタンスの型定義です。その後に続く { "foo", "bar" } は、この単一の匿名構造体を初期化しており、これはGo言語の正しい構文です。

この修正により、ドキュメント内のコード例がGo言語の正しい構文に合致するようになり、読者がこの例を参考にコードを記述する際に誤った構文を学習するリスクがなくなりました。これは、ドキュメントの品質と正確性を維持するための重要な修正です。

関連リンク

参考にした情報源リンク

  • Go言語の公式ドキュメント
  • Go言語の構造体とスライスの初期化に関する一般的な情報
  • GitHubのGo言語リポジトリのコミット履歴
  • Go言語のテンプレートに関するチュートリアルや解説記事(一般的な知識として)