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[インデックス 15626] ファイルの概要

このコミットは、Go言語の標準ライブラリである net パッケージ内のテストファイル protoconn_test.go におけるtypo(タイプミス)の修正に関するものです。具体的には、テストをスキップする際のメッセージに含まれる誤字を修正し、より汎用的な表現に変更しています。

コミット

commit 48fa4a10fbbc235f334a0a2d34f188799b95a3ae
Author: Mikio Hara <mikioh.mikioh@gmail.com>
Date:   Thu Mar 7 19:17:18 2013 +0900

    net: fix typo in skip message

    R=golang-dev, akumar
    CC=golang-dev
    https://golang.org/cl/7523044

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/48fa4a10fbbc235f334a0a2d34f188799b95a3ae

元コミット内容

--- a/src/pkg/net/protoconn_test.go
+++ b/src/pkg/net/protoconn_test.go
@@ -163,7 +163,7 @@ func TestUDPConnSpecificMethods(t *testing.T) {
 func TestIPConnSpecificMethods(t *testing.T) {
 	switch runtime.GOOS {
 	case "plan9":
-		t.Skipf("skipping read test on %q", runtime.GOOS)
+		t.Skipf("skipping test on %q", runtime.GOOS)
 	}
 	if os.Getuid() != 0 {
 		t.Skipf("skipping test; must be root")
@@ -220,7 +220,7 @@ func TestIPConnSpecificMethods(t *testing.T) {
 func TestUnixListenerSpecificMethods(t *testing.T) {
 	switch runtime.GOOS {
 	case "plan9", "windows":
-		t.Skipf("skipping read test on %q", runtime.GOOS)
+		t.Skipf("skipping test on %q", runtime.GOOS)
 	}

変更の背景

このコミットの背景は、Go言語の標準ライブラリ net パッケージのテストコードにおける、特定のオペレーティングシステム(Plan 9およびWindows)上でのテストスキップメッセージの正確性を向上させることです。

元のコードでは、TestIPConnSpecificMethods および TestUnixListenerSpecificMethods というテスト関数内で、runtime.GOOS の値が "plan9" または "windows" の場合に t.Skipf("skipping read test on %q", runtime.GOOS) というメッセージでテストをスキップしていました。しかし、これらのテストがスキップされる理由は必ずしも「read test」に限定されるものではなく、より一般的な「test」のスキップであるべきでした。

このtypoの修正は、テストの意図をより正確に反映させ、将来的なコードの可読性やメンテナンス性を向上させるためのものです。小さな修正ですが、コードベース全体の品質を維持する上で重要な役割を果たします。

前提知識の解説

  • Go言語の net パッケージ: Go言語の標準ライブラリの一部であり、ネットワークI/O機能を提供します。TCP/IP、UDP、Unixドメインソケットなど、様々なネットワークプロトコルを扱うためのAPIが含まれています。
  • Go言語のテスト: Go言語には、go test コマンドと testing パッケージを用いた組み込みのテストフレームワークがあります。テスト関数は Test で始まり、*testing.T 型の引数を取ります。
  • testing.T.Skipf: testing パッケージのメソッドの一つで、テストをスキップするために使用されます。t.Skipf(format string, args ...interface{}) の形式で呼び出され、指定されたフォーマット文字列と引数を使ってスキップ理由のメッセージを出力します。テストがスキップされると、そのテストは実行されず、テスト結果には「SKIP」として表示されます。これは、特定の環境や条件でのみ実行可能なテストや、まだ実装されていない機能のテストなどで利用されます。
  • runtime.GOOS: Go言語の runtime パッケージで提供される定数で、Goプログラムが実行されているオペレーティングシステムの名前を表す文字列です。例えば、Linuxでは "linux"、macOSでは "darwin"、Windowsでは "windows"、Plan 9では "plan9" となります。これにより、OSに依存する処理を条件分岐させることができます。
  • Plan 9: ベル研究所で開発された分散オペレーティングシステムです。Go言語の開発者の一部はPlan 9の設計思想に影響を受けており、Go言語の標準ライブラリにはPlan 9固有の処理が含まれることがあります。
  • Windows: マイクロソフトが開発した広く普及しているオペレーティングシステムです。ネットワーク関連のテストでは、Windows特有の挙動やAPIの違いにより、他のOSとは異なるテストロジックやスキップ条件が必要になることがあります。

技術的詳細

このコミットは、Go言語のテストフレームワークにおける t.Skipf の使用方法と、runtime.GOOS を用いたOSごとの条件分岐の典型的な例を示しています。

protoconn_test.go ファイルは、net パッケージ内のプロトコルコネクションに関するテストを定義しています。TestIPConnSpecificMethodsTestUnixListenerSpecificMethods は、それぞれIPコネクションとUnixドメインソケットリスナーの特定のメソッドの動作を検証するテストです。

これらのテスト関数内では、switch runtime.GOOS 文を使って現在のOSを判定しています。

  • TestIPConnSpecificMethods では、runtime.GOOS"plan9" の場合にテストをスキップしています。
  • TestUnixListenerSpecificMethods では、runtime.GOOS"plan9" または "windows" の場合にテストをスキップしています。

元のコードでは、これらのスキップメッセージが t.Skipf("skipping read test on %q", runtime.GOOS) となっていました。これは、これらのテストが「read test」であるという特定の理由でスキップされていることを示唆していました。しかし、実際にはこれらのテストがスキップされる理由は、特定のOS上での機能の非サポート、あるいはテスト環境の制約など、より一般的な「テスト」の実行が困難であるためです。

このコミットでは、メッセージを t.Skipf("skipping test on %q", runtime.GOOS) に変更することで、スキップの理由をより汎用的にし、テストの実際の意図と合致させています。これは、コードのコメントやメッセージが、そのコードの振る舞いを正確に反映しているべきであるという、ソフトウェア開発における良いプラクティスの一例です。

コアとなるコードの変更箇所

変更は src/pkg/net/protoconn_test.go ファイルの2箇所です。

  1. TestIPConnSpecificMethods 関数内、runtime.GOOS が "plan9" の場合の t.Skipf の呼び出し。

    • 変更前: t.Skipf("skipping read test on %q", runtime.GOOS)
    • 変更後: t.Skipf("skipping test on %q", runtime.GOOS)
  2. TestUnixListenerSpecificMethods 関数内、runtime.GOOS が "plan9" または "windows" の場合の t.Skipf の呼び出し。

    • 変更前: t.Skipf("skipping read test on %q", runtime.GOOS)
    • 変更後: t.Skipf("skipping test on %q", runtime.GOOS)

コアとなるコードの解説

// src/pkg/net/protoconn_test.go

func TestIPConnSpecificMethods(t *testing.T) {
	switch runtime.GOOS {
	case "plan9":
		// 変更前: t.Skipf("skipping read test on %q", runtime.GOOS)
		// 変更後:
		t.Skipf("skipping test on %q", runtime.GOOS) // Plan 9上ではIPコネクションの特定のテストをスキップ
	}
	if os.Getuid() != 0 {
		t.Skipf("skipping test; must be root") // root権限がない場合はテストをスキップ
	}
	// ... テスト本体 ...
}

func TestUnixListenerSpecificMethods(t *testing.T) {
	switch runtime.GOOS {
	case "plan9", "windows":
		// 変更前: t.Skipf("skipping read test on %q", runtime.GOOS)
		// 変更後:
		t.Skipf("skipping test on %q", runtime.GOOS) // Plan 9またはWindows上ではUnixリスナーの特定のテストをスキップ
	}
	// ... テスト本体 ...
}

このコードは、Go言語のテストにおけるクロスプラットフォーム対応の一例を示しています。runtime.GOOS を使用することで、特定のOSでのみ発生する問題や、そのOSではサポートされていない機能に関連するテストを適切にスキップできます。

変更された行は、t.Skipf メソッドに渡されるフォーマット文字列のみです。"skipping read test on %q" から "skipping test on %q" への変更は、スキップの理由をより抽象的かつ正確にすることで、テストコードの意図を明確にしています。これは、テストが「読み取り」に特化した問題でスキップされているわけではなく、より広範な理由(例えば、OSの機能制限やテスト環境の制約)でスキップされていることを示唆しています。

このような小さな修正は、コードベース全体の整合性と可読性を高める上で重要です。特に大規模なプロジェクトでは、このような細部の正確性が長期的なメンテナンスコストに影響を与えます。

関連リンク

参考にした情報源リンク

  • Go言語の公式ドキュメント
  • Go言語のソースコード (GitHub)
  • t.Skipf の使用例に関するGoコミュニティの議論
  • Plan 9 オペレーティングシステムに関する情報
  • Windowsにおけるネットワークプログラミングの特性に関する情報
  • コミットメッセージと差分情報 (./commit_data/15626.txt)
  • GitHub上のコミットページ: https://github.com/golang/go/commit/48fa4a10fbbc235f334a0a2d34f188799b95a3ae
  • Go CL 7523044: https://golang.org/cl/7523044 (Goのコードレビューシステム)