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[インデックス 15681] ファイルの概要

このコミットは、Go言語の標準ライブラリの一部である lib/time ディレクトリ内の README ファイルを更新するものです。具体的には、タイムゾーンデータベースに関する参照リンクが、ドラフト版のIETFドキュメントから正式なRFC（Request For Comments）へと変更されています。これは、参照されている仕様が標準化されたことを示しています。

コミット

commit be262ce28b9d9ab248c8f16723f021177c284117
Author: Russ Cox <rsc@golang.org>
Date:   Mon Mar 11 12:34:55 2013 -0400

    lib/time: update link in README; draft now an RFC

    R=golang-dev, minux.ma, bradfitz
    CC=golang-dev
    https://golang.org/cl/7704043

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/be262ce28b9d9ab248c8f16723f021177c284117

元コミット内容

lib/time: update link in README; draft now an RFC

このコミットメッセージは、lib/time ディレクトリの README ファイル内のリンクが更新されたことを示しています。更新の理由は、以前参照されていたドラフト版のドキュメントが、正式なRFCとして公開されたためです。

変更の背景

Go言語の time パッケージは、日付と時刻の操作、特にタイムゾーンの処理において重要な役割を果たします。タイムゾーン情報は、IANA (Internet Assigned Numbers Authority) が管理するタイムゾーンデータベース（tz database）に依存しています。このデータベースは、世界中のタイムゾーン規則（夏時間、標準時など）を定義しており、正確な時刻計算には不可欠です。

以前の lib/time/README ファイルでは、このIANAタイムゾーンデータベースに関する情報源として、IETF (Internet Engineering Task Force) のドラフトドキュメント draft-lear-iana-timezone-database-05 が参照されていました。IETFのドラフトは、標準化プロセスにおける初期段階の文書であり、まだ変更される可能性があります。

このコミットが行われた背景には、参照されていたドラフトがIETFの標準化プロセスを経て、正式なRFC（Request For Comments）として公開されたという事実があります。RFCは、インターネット標準やベストプラクティスを記述する公式文書であり、ドラフトよりも安定性と権威があります。そのため、Go言語のドキュメントも最新かつ最も権威のある情報源を参照するように更新する必要がありました。

前提知識の解説

IANAタイムゾーンデータベース (tz database)

IANAタイムゾーンデータベースは、世界中のタイムゾーン情報（UTCからのオフセット、夏時間の開始・終了日、歴史的な変更など）を網羅した公開データベースです。このデータベースは、オペレーティングシステムやプログラミング言語が正確な時刻とタイムゾーン変換を行うために広く利用されています。Go言語の time パッケージも、このデータベースのデータを利用してタイムゾーン関連の機能を提供しています。

IETF (Internet Engineering Task Force)

IETFは、インターネットの技術標準を開発・推進する国際的な組織です。インターネットプロトコルや関連技術の仕様を策定し、RFCとして公開しています。

RFC (Request For Comments)

RFCは、IETFによって公開される技術文書のシリーズです。インターネットプロトコル、手順、ベストプラクティス、実験的な研究など、インターネットに関する様々な情報が含まれます。RFCは、インターネットコミュニティによってレビューされ、合意形成を経て公開されるため、インターネット技術の事実上の標準として広く認識されています。

ドラフト (Internet-Draft)

IETFの標準化プロセスにおける初期段階の文書です。RFCとして公開される前に、コミュニティからのフィードバックやレビューを受けるために公開されます。ドラフトは変更される可能性があり、公式な標準ではありません。

Go言語の time パッケージ

Go言語の標準ライブラリに含まれる time パッケージは、時刻の表現、時刻の加算・減算、時刻のフォーマット、タイムゾーン変換など、日付と時刻に関する包括的な機能を提供します。このパッケージは、内部的にIANAタイムゾーンデータベースのデータを利用して、正確なタイムゾーン処理を実現しています。

技術的詳細

このコミットの技術的な変更は非常にシンプルで、lib/time/README ファイル内の単一のURLを更新するものです。

変更前: http://tools.ietf.org/html/draft-lear-iana-timezone-database-05 変更後: http://tools.ietf.org/html/rfc6557

draft-lear-iana-timezone-database-05 は、"Procedures for Maintaining the Time Zone Database" というタイトルのIETFドラフトのバージョン05を指していました。このドラフトは、IANAタイムゾーンデータベースの維持管理手順について記述したものです。

rfc6557 は、"Procedures for Maintaining the Time Zone Database" という同じタイトルのRFCを指します。これは、以前のドラフトがIETFの標準化プロセスを完了し、正式なRFCとして公開されたことを意味します。RFC 6557は、2012年3月に公開されました。コミットの日付が2013年3月11日であることから、RFCの公開から約1年後にGo言語のリポジトリのドキュメントが更新されたことになります。

この変更は、Go言語の time パッケージの動作に直接的な影響を与えるものではありません。これはあくまでドキュメントの更新であり、参照されている情報源がより公式で安定したバージョンになったことを反映しています。しかし、開発者やユーザーがタイムゾーンデータベースの維持管理手順について詳細を知りたい場合に、最新かつ正確な情報源にアクセスできるようになるという点で重要です。

コアとなるコードの変更箇所

--- a/lib/time/README
+++ b/lib/time/README
@@ -5,6 +5,6 @@ The IANA asserts that the database is in the public domain.
 For more information, see
 http://www.iana.org/time-zones
 ftp://ftp.iana.org/tz/code/tz-link.htm
-http://tools.ietf.org/html/draft-lear-iana-timezone-database-05
+http://tools.ietf.org/html/rfc6557

 To rebuild the archive, read and run update.bash.

コアとなるコードの解説

変更は lib/time/README ファイルの7行目です。

  • -http://tools.ietf.org/html/draft-lear-iana-timezone-database-05 この行は削除されたもので、以前参照されていたIETFドラフトのURLです。
  • +http://tools.ietf.org/html/rfc6557 この行は追加されたもので、正式なRFC 6557のURLです。

この変更により、README ファイルを読んだユーザーは、IANAタイムゾーンデータベースの維持管理手順に関する最新かつ公式な情報源に誘導されることになります。これは、ドキュメントの正確性と信頼性を向上させるための、小さくも重要な更新です。

関連リンク

参考にした情報源リンク