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[インデックス 15733] ファイルの概要

このコミットは、Go言語プロジェクトのリポジトリ内のmisc/bbeditおよびmisc/notepadplusディレクトリに存在する特定のファイルから、実行可能ビット(executable bits)を削除することを目的としています。具体的には、Go.plistREADMEgo.xmluserDefineLang.xmlといった設定ファイルやドキュメントファイルが対象です。これらのファイルは本来実行可能である必要がないため、誤って設定されていた実行権限を通常の読み書き権限に戻す変更が行われました。

コミット

commit f878b67b0f9f3e66ec96f7c48f40e8a02fbd3ac0
Author: Benny Siegert <bsiegert@gmail.com>
Date:   Tue Mar 12 14:29:25 2013 -0700

    misc/bbedit, misc/notepadplus: remove executable bits from files.
    
    R=golang-dev, dave, iant
    CC=golang-dev
    https://golang.org/cl/7765043

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/f878b67b0f9f3e66ec96f7c48f40e8a02fbd3ac0

元コミット内容

misc/bbeditおよびmisc/notepadplusディレクトリ内のファイルから実行可能ビットを削除する。

変更の背景

この変更の背景には、ファイルパーミッションの適切な管理と、バージョン管理システム(Git)におけるファイル属性の取り扱いに関するベストプラクティスがあります。

  1. 不必要な実行権限の削除: Go.plistgo.xmluserDefineLang.xmlといったファイルは、それぞれBBEditやNotepad++といったエディタの設定ファイルや言語定義ファイルであり、READMEは単なるテキストドキュメントです。これらはプログラムとして実行されることを意図しておらず、データや設定情報として扱われるべきものです。したがって、実行可能ビットが設定されているのは不適切であり、セキュリティ上の懸念や、単にファイルシステム上の混乱を招く可能性があります。
  2. Gitにおけるファイルパーミッションの追跡: Gitは、ファイルのコンテンツだけでなく、実行可能ビットの変更も追跡します。これは、スクリプトやバイナリファイルが実行可能であるべきかどうかを正確に管理するために重要です。しかし、テキストファイルや設定ファイルに誤って実行可能ビットが設定されていると、異なるOS環境(特にWindowsとUnix/Linux間)でリポジトリをクローンしたり作業したりする際に、パーミッションの不一致による警告や問題が発生する可能性があります。例えば、Windowsでは実行可能ビットの概念がUnix系OSとは異なるため、Gitがパーミッションの変更を検出しても、実際の動作に影響がないにもかかわらず、ユーザーに混乱を与えることがあります。
  3. クリーンなリポジトリの維持: 不必要なパーミッションの変更をコミット履歴から排除することで、リポジトリの履歴をよりクリーンに保ち、本当に意味のある変更(コードの機能変更など)に集中できるようになります。

これらの理由から、本来実行可能であるべきではないファイルから実行可能ビットを削除することは、リポジトリの健全性を保つ上で重要なメンテナンス作業となります。

前提知識の解説

このコミットを理解するためには、以下の前提知識が必要です。

  1. Unix系ファイルパーミッション (chmod):

    • Unix/Linux系OSでは、ファイルやディレクトリには「読み取り (read: r)」「書き込み (write: w)」「実行 (execute: x)」の3種類の権限が、それぞれ「所有者 (owner)」「グループ (group)」「その他 (others)」に対して設定されます。
    • これらの権限は通常、3桁の8進数で表現されます。各桁が所有者、グループ、その他の権限に対応し、各桁はr=4, w=2, x=1の合計で表されます。
    • 755 (rwxr-xr-x):
      • 所有者: 読み取り、書き込み、実行 (4+2+1=7)
      • グループ: 読み取り、実行 (4+0+1=5)
      • その他: 読み取り、実行 (4+0+1=5)
      • これは、スクリプトやプログラムなど、実行されることを意図したファイルによく使われるパーミッションです。
    • 644 (rw-r--r--):
      • 所有者: 読み取り、書き込み (4+2+0=6)
      • グループ: 読み取り (4+0+0=4)
      • その他: 読み取り (4+0+0=4)
      • これは、テキストファイル、設定ファイル、ドキュメントなど、読み書きはされるが実行はされないファイルによく使われるパーミッションです。
    • このコミットでは、ファイルモードが100755から100644に変更されています。先頭の100は通常のファイルであることを示し、続く3桁が上記のパーミッションを表します。
  2. Gitにおけるファイルモードの追跡:

    • Gitは、ファイルのコンテンツの変更だけでなく、実行可能ビット(パーミッションのxビット)の変更も追跡します。これは、git diffコマンドの出力でold modenew modeとして表示されます。
    • Gitは、ファイルのパーミッションのすべてのビットを追跡するわけではありません。主に実行可能ビット(x)のみを追跡し、読み取り(r)や書き込み(w)のビットは通常無視されます。これは、異なるOS間でリポジトリを共有する際に、パーミッションの不一致による問題を避けるためです。
    • Gitがファイルモードの変更を検出するのは、git addコマンドでステージングする際です。
  3. BBEditとNotepad++:

    • BBEdit: macOS向けのプロフェッショナルなテキストエディタおよびHTMLエディタです。Go.plistは、BBEditがGo言語のファイルをどのように扱うか(シンタックスハイライトなど)を定義するプロパティリストファイルである可能性があります。
    • Notepad++: Windows向けのフリーなソースコードエディタです。go.xmluserDefineLang.xmlは、Notepad++でGo言語のシンタックスハイライトやユーザー定義言語を扱うための設定ファイルであると考えられます。READMEは、これらの設定ファイルの使用方法などを説明するドキュメントでしょう。

これらのエディタの設定ファイルは、あくまでデータファイルであり、実行されるものではないため、実行可能ビットが設定されているのは誤りです。

技術的詳細

このコミットの技術的詳細は、Gitがファイルモードの変更をどのように扱うか、そしてそれがリポジトリの健全性にどのように寄与するかという点に集約されます。

Gitは、ファイルの内容のハッシュだけでなく、そのファイルの「モード」(パーミッションの一部)もオブジェクトとして保存します。具体的には、実行可能ビット(x)が設定されているかどうかが重要視されます。

  • old mode 100755: これは、変更前のファイルが通常のファイル(100)であり、かつ実行可能権限(755)を持っていたことを示します。つまり、所有者には読み書き実行、グループとその他には読み取りと実行の権限がありました。
  • new mode 100644: これは、変更後のファイルが通常のファイル(100)であり、実行可能権限が削除され、読み書き権限のみ(644)になったことを示します。つまり、所有者には読み書き、グループとその他には読み取りのみの権限があります。

この変更は、chmod -x <filename>コマンドを実行し、その変更をgit addでステージングし、git commitでコミットすることで実現されます。Gitは、このモードの変更を差分として認識し、リポジトリに記録します。

なぜこれが重要かというと、以下のような技術的な影響があるためです。

  1. クロスプラットフォーム互換性: WindowsのようなOSでは、Unix系の実行可能ビットの概念が直接適用されません。GitリポジトリをWindowsマシンにクローンすると、Gitは実行可能ビットの情報を保持しようとしますが、Windowsのファイルシステムはそれをネイティブにサポートしないため、混乱が生じることがあります。不必要な実行可能ビットを削除することで、このようなクロスプラットフォーム環境での潜在的な問題を回避し、よりスムーズな開発体験を提供できます。
  2. セキュリティの向上: 実行可能であるべきではないファイルに実行権限が付与されていると、誤って実行しようとしたり、悪意のあるスクリプトとして扱われたりするリスクがわずかながら存在します。特に、Webサーバーなどでこれらのファイルが公開される場合、不適切なパーミッションはセキュリティホールにつながる可能性があります。このコミットは、そのような潜在的なリスクを排除します。
  3. リポジトリの整合性: Gitは、リポジトリ内のすべてのファイルがその意図された目的と一致するパーミッションを持つことを期待します。設定ファイルやドキュメントが実行可能であることは、その意図に反します。この修正は、リポジトリの論理的な整合性を保ち、開発者がファイルの役割を直感的に理解できるようにします。

このコミットは、コードの機能には直接影響を与えませんが、リポジトリのメンテナンスと健全性、そして開発者の体験を向上させるための重要な「クリーンアップ」作業と言えます。

コアとなるコードの変更箇所

このコミットでは、コードの内容自体は変更されていません。変更されたのは、以下のファイルのファイルパーミッション(モード)のみです。

diff --git a/misc/bbedit/Go.plist b/misc/bbedit/Go.plist
old mode 100755
new mode 100644
diff --git a/misc/notepadplus/README b/misc/notepadplus/README
old mode 100755
new mode 100644
diff --git a/misc/notepadplus/go.xml b/misc/notepadplus/go.xml
old mode 100755
new mode 100644
diff --git a/misc/notepadplus/userDefineLang.xml b/misc/notepadplus/userDefineLang.xml
old mode 100755
new mode 100644

具体的には、以下の4つのファイルが対象です。

  • misc/bbedit/Go.plist
  • misc/notepadplus/README
  • misc/notepadplus/go.xml
  • misc/notepadplus/userDefineLang.xml

これらのファイルはすべて、以前は100755(実行可能)モードでしたが、このコミットによって100644(読み書きのみ、実行不可)モードに変更されました。

コアとなるコードの解説

このコミットには、Go言語のソースコードの変更は含まれていません。代わりに、Gitの差分表示が示すように、ファイルの「モード」が変更されています。

  • old mode 100755: これは、変更前のファイルがUnix系ファイルシステムにおいて、所有者には読み取り・書き込み・実行権限、グループとその他には読み取り・実行権限が与えられていたことを意味します。Gitは、この755の部分、特に実行可能ビット(x)が設定されていることを追跡していました。
  • new mode 100644: これは、変更後のファイルが、所有者には読み取り・書き込み権限、グループとその他には読み取り権限のみが与えられていることを意味します。実行可能ビットは削除されています。

この変更は、git diffコマンドの出力で表示されるものであり、実際のファイルの内容が変更されたわけではありません。Gitは、ファイルのコンテンツの変更だけでなく、このようなメタデータ(特に実行可能ビット)の変更もバージョン管理の対象とします。

このコミットの「コアとなるコードの解説」は、Go言語のコードではなく、Gitがファイルパーミッションをどのように管理し、なぜ特定のファイルから実行可能ビットを削除することが重要であるかという、バージョン管理システムとファイルシステムに関する概念の解説になります。

関連リンク

参考にした情報源リンク