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[インデックス 15747] ファイルの概要

このコミットは、Go言語の標準ライブラリ unicode/utf8 パッケージ内のテストファイル utf8_test.go における軽微なタイプミスを修正するものです。具体的には、テスト失敗時に出力されるエラーメッセージ内の関数名が、実際のテスト対象関数と一致するように修正されています。

コミット

commit ea75ada36ba410c437ab21a62900d8436fadafa1
Author: Jeff R. Allen <jra@nella.org>
Date:   Wed Mar 13 07:45:31 2013 -0700

    unicode/utf8: fix insignificant typos in tests
    
    Fixes #4972.
    
    R=golang-dev, bradfitz
    CC=golang-dev
    https://golang.org/cl/7649044

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/ea75ada36ba410c437ab21a62900d8436fadafa1

元コミット内容

このコミットは、src/pkg/unicode/utf8/utf8_test.go ファイル内のテストコードにおいて、エラーメッセージ中に誤って記述されていた関数名を修正しています。具体的には、DecodeRuneInString 関数をテストしている箇所で、エラーメッセージが DecodeRune を参照しているというタイプミスがありました。このコミットは、その参照を正しい DecodeRuneInString に修正することで、テストの出力がより正確になるようにしています。

変更の背景

この変更の背景は、Go言語の unicode/utf8 パッケージのテストコードにおける、エラーメッセージの正確性を向上させることにあります。コミットメッセージに「Fixes #4972」とあることから、この修正はGoのIssueトラッカーで報告された問題 #4972 に対応するものであることがわかります。

通常、テストコードは、テスト対象の機能が期待通りに動作するかを確認するだけでなく、テストが失敗した場合に開発者が問題を特定しやすいように、明確で正確なエラーメッセージを出力することが重要です。このコミットでは、テスト対象の関数名とエラーメッセージ中の関数名が一致していないという軽微なタイプミスが発見され、それが修正されました。これにより、テストが失敗した際に、どの関数に関するエラーであるかがより明確になり、デバッグ作業の効率化に寄与します。

前提知識の解説

このコミットを理解するためには、以下のGo言語に関する基本的な知識が必要です。

Go言語の unicode/utf8 パッケージ

unicode/utf8 パッケージは、UTF-8エンコーディングされたテキストを扱うためのユーティリティ関数を提供します。UTF-8は、Unicode文字を可変長バイトシーケンスで表現するエンコーディング方式であり、Go言語の文字列は内部的にUTF-8でエンコードされています。

このパッケージには、以下のような主要な関数が含まれます。

  • DecodeRune(p []byte) (r rune, size int): バイトスライス p の先頭から1つのUTF-8エンコードされたUnicodeコードポイント(rune)をデコードし、そのコードポイントと、デコードに消費されたバイト数(size)を返します。
  • DecodeRuneInString(s string) (r rune, size int): 文字列 s の先頭から1つのUTF-8エンコードされたUnicodeコードポイント(rune)をデコードし、そのコードポイントと、デコードに消費されたバイト数(size)を返します。

DecodeRune はバイトスライスを、DecodeRuneInString は文字列を引数にとる点で異なりますが、どちらもUTF-8デコードの機能を提供します。

Go言語のテストフレームワーク

Go言語には、標準でテストをサポートする testing パッケージが組み込まれています。テストファイルは通常、テスト対象のGoファイルと同じディレクトリに _test.go というサフィックスを付けて配置されます。

  • func TestXxx(t *testing.T): テスト関数は Test で始まり、*testing.T 型の引数を取ります。
  • t.Errorf(format string, args ...interface{}): *testing.T 型のメソッドで、テストが失敗したことを報告し、指定されたフォーマット文字列と引数を使ってエラーメッセージを出力します。このメソッドが呼び出されると、テストは失敗とマークされますが、テスト関数の実行は継続されます。

タイプミス(Typo)

タイプミスとは、文字の入力間違いや誤植のことです。プログラミングにおいては、変数名、関数名、キーワードなどのスペルミスがこれに該当します。今回のコミットでは、テストのエラーメッセージ内で参照されている関数名が、実際にテストされている関数名と異なっているというタイプミスが修正されました。

技術的詳細

このコミットは、src/pkg/unicode/utf8/utf8_test.go ファイル内の TestDecodeRune および TestDecodeSurrogateRune 関数における t.Errorf の呼び出しを修正しています。

元のコードでは、DecodeRuneInString 関数をテストしているにもかかわらず、エラーメッセージ内で DecodeRune を参照していました。これは、エラーメッセージがテスト対象の関数と一致していないため、テストが失敗した場合に誤解を招く可能性がありました。

修正は非常にシンプルで、t.Errorf のフォーマット文字列内の DecodeRuneDecodeRuneInString に変更するだけです。これにより、エラーメッセージが実際のテスト内容と同期され、テストの可読性とデバッグ時の有用性が向上します。

例えば、以下のような変更が行われています。

--- a/src/pkg/unicode/utf8/utf8_test.go
+++ b/src/pkg/unicode/utf8/utf8_test.go
@@ -124,7 +124,7 @@ func TestDecodeRune(t *testing.T) {
 		s := m.str
 		r, size = DecodeRuneInString(s)
 		if r != m.r || size != len(b) {
-			t.Errorf("DecodeRune(%q) = %#04x, %d want %#04x, %d", s, r, size, m.r, len(b))
+			t.Errorf("DecodeRuneInString(%q) = %#04x, %d want %#04x, %d", s, r, size, m.r, len(b))
 		}

この変更は、機能的な動作には影響を与えませんが、テストの出力の正確性を高めることで、開発体験を向上させます。

コアとなるコードの変更箇所

変更は src/pkg/unicode/utf8/utf8_test.go ファイルに集中しています。

--- a/src/pkg/unicode/utf8/utf8_test.go
+++ b/src/pkg/unicode/utf8/utf8_test.go
@@ -124,7 +124,7 @@ func TestDecodeRune(t *testing.T) {
 		s := m.str
 		r, size = DecodeRuneInString(s)
 		if r != m.r || size != len(b) {
-			t.Errorf("DecodeRune(%q) = %#04x, %d want %#04x, %d", s, r, size, m.r, len(b))
+			t.Errorf("DecodeRuneInString(%q) = %#04x, %d want %#04x, %d", s, r, size, m.r, len(b))
 		}
 
 		// there's an extra byte that bytes left behind - make sure trailing byte works
@@ -164,7 +164,7 @@ func TestDecodeRune(t *testing.T) {
 			t.Errorf("DecodeRune(%q) = %#04x, %d want %#04x, %d", b, r, size, RuneError, 1)
 		}
 		s = string(b)
-		r, size = DecodeRune(b)
+		r, size = DecodeRuneInString(s)
 		if r != RuneError || size != 1 {
 			t.Errorf("DecodeRuneInString(%q) = %#04x, %d want %#04x, %d", s, r, size, RuneError, 1)
 		}
@@ -182,7 +182,7 @@ func TestDecodeSurrogateRune(t *testing.T) {
 		s := m.str
 		r, size = DecodeRuneInString(s)
 		if r != RuneError || size != 1 {
-			t.Errorf("DecodeRune(%q) = %x, %d want %x, %d", b, r, size, RuneError, 1)
+			t.Errorf("DecodeRuneInString(%q) = %x, %d want %x, %d", b, r, size, RuneError, 1)
 		}
 	}
 }

コアとなるコードの解説

上記の差分が示すように、変更は主に t.Errorf 関数の第一引数であるフォーマット文字列にあります。

  1. TestDecodeRune 関数内、最初の変更点:

    • 元のコード: t.Errorf("DecodeRune(%q) = %#04x, %d want %#04x, %d", s, r, size, m.r, len(b))
    • 修正後: t.Errorf("DecodeRuneInString(%q) = %#04x, %d want %#04x, %d", s, r, size, m.r, len(b))
    • ここでは DecodeRuneInString(s) の結果を検証しているにもかかわらず、エラーメッセージが DecodeRune と表示されていました。これを DecodeRuneInString に修正することで、メッセージがテスト対象と一致するようになりました。
  2. TestDecodeRune 関数内、二番目の変更点:

    • 元のコード: r, size = DecodeRune(b)
    • 修正後: r, size = DecodeRuneInString(s)
    • この行は、DecodeRune を呼び出している箇所を DecodeRuneInString に変更しています。これは、その直前の s = string(b) でバイトスライス b を文字列 s に変換しているため、文字列を引数にとる DecodeRuneInString を使用するのが自然であるという整合性の修正です。これにより、テストの意図がより明確になります。
  3. TestDecodeSurrogateRune 関数内:

    • 元のコード: t.Errorf("DecodeRune(%q) = %x, %d want %x, %d", b, r, size, RuneError, 1)
    • 修正後: t.Errorf("DecodeRuneInString(%q) = %x, %d want %x, %d", b, r, size, RuneError, 1)
    • ここでも同様に、DecodeRuneInString(s) の結果を検証しているにもかかわらず、エラーメッセージが DecodeRune と表示されていました。これを DecodeRuneInString に修正することで、メッセージがテスト対象と一致するようになりました。

これらの変更は、コードのロジックや機能に影響を与えるものではなく、あくまでテストが失敗した際のエラーメッセージの正確性を高めるためのものです。これにより、テストの出力がより分かりやすくなり、デバッグ作業がスムーズになります。

関連リンク

参考にした情報源リンク

  • Go言語の公式ドキュメント
  • GitHubのコミット履歴
  • Go言語のIssueトラッカー (Issue #4972)