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[インデックス 1578] ファイルの概要

このコミットは、Go言語の初期開発段階におけるバグ修正を記録したものです。具体的には、「bug135」として識別されていたコンパイル時の問題が解決され、それに関連するテストファイルが適切なディレクトリに移動されました。また、テストの期待出力が記録されているgolden.outファイルから、修正されたバグに関する記述が削除されています。

コミット

  • コミットハッシュ: 712522a6d83c018cbf6eb4f8e30812e3fdd3b1e1
  • 作者: Rob Pike r@golang.org
  • コミット日時: 2009年1月27日 火曜日 19:30:44 -0800

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/712522a6d83c018cbf6eb4f8e30812e3fdd3b1e1

元コミット内容

bug135 is fixed

TBR=ken
OCL=23650
CL=23650

変更の背景

このコミットの背景には、Go言語のコンパイラが特定のコードパターンに対して誤ったコンパイルエラーを報告していた「bug135」という問題が存在していました。golden.outの差分から、「assignment count mismatch: 2 = 1」というエラーが誤って発生し、「BUG: should compile」とコメントされていたことが読み取れます。これは、本来コンパイルが成功すべきコードが、コンパイラのバグによって失敗していたことを示しています。

このコミットは、そのコンパイラのバグが修正されたことを反映しています。バグが修正されたため、関連するテストケース(bug135.go)は、もはや「バグを再現するテスト」ではなく、「修正されたバグのテスト」として扱われるべきです。そのため、テストファイルがtest/bugsディレクトリからtest/fixedbugsディレクトリへ移動され、golden.outからそのバグに関する記述が削除されました。

前提知識の解説

  • Go言語の初期開発: このコミットは2009年1月に行われており、Go言語がまだ活発に開発されていた初期段階にあたります。この時期は、言語仕様やコンパイラの安定性が確立されておらず、多くのバグ修正や機能追加が行われていました。
  • test/bugstest/fixedbugsディレクトリ: Go言語のテストスイートでは、既知のバグを再現するテストケースをtest/bugsディレクトリに配置する慣習がありました。これらのテストは、バグが修正されるまではコンパイルエラーや実行時エラーを意図的に発生させるものです。バグが修正された後、そのテストケースはtest/fixedbugsディレクトリに移動されます。これは、そのバグが修正されたことを確認するための回帰テストとして機能します。
  • golden.outファイル: golden.outは、Go言語のテストスイートにおいて、特定のテストの期待される出力(コンパイルエラーメッセージ、実行結果など)を記録するためのファイルです。テストが実行されると、その出力がgolden.outに記録されている内容と比較されます。もし出力が一致しない場合、テストは失敗とみなされます。これは、テストの出力が意図せず変更された場合にそれを検知するための重要なメカニズムです。
  • assignment count mismatch: これはGo言語のコンパイラが報告するエラーメッセージの一つで、代入文の左辺と右辺の要素数が一致しない場合に発生します。例えば、a, b = 1 のように左辺が2つで右辺が1つの場合にこのエラーが出ます。bug135では、本来このエラーが発生しないはずの状況で誤って報告されていたと考えられます。

技術的詳細

このコミットの技術的詳細は、Goコンパイラの内部的なバグ修正に集約されます。golden.outの差分から、bug135.goが原因で「assignment count mismatch: 2 = 1」というコンパイルエラーが誤って発生していたことがわかります。このエラーは、Go言語の多値代入や関数の戻り値の処理において、コンパイラが代入される値の数と受け取る変数の数を正しく評価できていなかったことに起因すると推測されます。

コミットメッセージには具体的なコード変更は含まれていませんが、このコミットが「bug135 is fixed」と明言していることから、Goコンパイラのソースコード(おそらくは型チェックやAST解析、コード生成のフェーズ)において、この代入カウントの不一致を誤って検出していたロジックが修正されたと考えられます。

修正の結果、bug135.goはもはやコンパイルエラーを発生させなくなり、期待通りにコンパイルが成功するようになりました。これにより、golden.outからbug135.goに関するエラーメッセージの記述が不要となり、削除されました。また、テストファイル自体もバグが修正されたことを示すfixedbugsディレクトリへ移動されました。

コアとなるコードの変更箇所

このコミットで直接変更されたファイルは以下の2つです。

  1. test/bugs/bug135.go から test/fixedbugs/bug135.go へのファイル名変更(similarity index 100%は内容が変更されていないことを示す)
  2. test/golden.out の変更
--- a/test/golden.out
+++ b/test/golden.out
@@ -181,10 +181,6 @@ BUG: should not compile
 =========== bugs/bug132.go
 BUG: compilation succeeds incorrectly
 
-=========== bugs/bug135.go
-bugs/bug135.go:13: assignment count mismatch: 2 = 1
-BUG: should compile
-
 =========== fixedbugs/bug016.go
 fixedbugs/bug016.go:7: overflow converting constant to uint
 

コアとなるコードの解説

  • test/bugs/bug135.go から test/fixedbugs/bug135.go への移動: このファイル移動は、bug135が修正されたことを明確に示しています。Goのテストスイートの慣習として、bugsディレクトリ内のテストは「まだ修正されていないバグ」を再現するためのものであり、fixedbugsディレクトリ内のテストは「既に修正されたバグ」に対する回帰テストとして機能します。この移動により、bug135.goはGoコンパイラの安定性を保証するための永続的なテストケースとなりました。

  • test/golden.out の変更: golden.outからの以下の行の削除は、bug135.goがもはやコンパイルエラーを発生させなくなったことを直接的に示しています。

    -=========== bugs/bug135.go
    -bugs/bug135.go:13: assignment count mismatch: 2 = 1
    -BUG: should compile
    

    これらの行は、以前はbug135.goがコンパイルされた際に期待されるエラーメッセージとしてgolden.outに記録されていました。しかし、コンパイラのバグが修正されたことで、bug135.goは正常にコンパイルされるようになり、これらのエラーメッセージはもはや期待されなくなりました。したがって、golden.outから削除されたのです。この変更は、Goコンパイラの動作が修正され、特定のコードパターンが正しく処理されるようになったことの直接的な証拠となります。

関連リンク

このコミットはGo言語の初期のバグ修正に関するものであり、直接的な関連リンクはコミットメッセージに記載されているOCLCL番号(おそらく内部的な変更リスト番号)以外には見当たりません。GoのIssue Trackerが整備される前のコミットであるため、公開されたIssueへのリンクは存在しない可能性が高いです。

参考にした情報源リンク

  • Go言語のGitリポジトリ: https://github.com/golang/go
  • Go言語のテストディレクトリ構造に関する一般的な知識
  • Gitのコミットログと差分の読み方に関する一般的な知識
  • Go言語のコンパイラエラーメッセージに関する一般的な知識