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[インデックス 15833] ファイルの概要

このコミットは、Go言語の標準ライブラリ src/pkg/unicode/letter.go 内のコメントを、Goの公式なドキュメンテーション規約(Godoc)に準拠するように修正するものです。具体的には、Is 関数のコメントの冒頭を「Is tests whether...」から「Is reports whether...」に変更し、より慣用的な表現に統一しています。

コミット

d8714ca49f974d6117b443bfe90c0cc3511dc138

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/d8714ca49f974d6117b443bfe90c0cc3511dc138

元コミット内容

unicode: modify a comment to the convention format.

R=golang-dev, r, rsc
CC=golang-dev
https://golang.org/cl/7869043

変更の背景

Go言語には、コードの可読性とドキュメンテーションの自動生成を促進するための厳格なコメント規約が存在します。特に、エクスポートされた(大文字で始まる)関数、変数、型、定数などの宣言の直前に記述されるコメントは「ドキュメンテーションコメント(Doc Comments)」として扱われ、go doc コマンドや pkg.go.dev などのツールによって自動的にドキュメントが生成されます。

このドキュメンテーションコメントには、いくつかの慣例があります。その一つが、関数やメソッドのコメントの冒頭は、その関数名で始まり、その関数の動作を簡潔に説明する動詞(例: Is の場合は Is reportsIs returns など)を使用するというものです。元のコメント「// Is tests whether rune is in the specified table of ranges.」は、この慣例に完全に準拠していませんでした。「tests」という動詞は、Goのドキュメンテーションコメントではあまり一般的ではなく、「reports」や「returns」といった動詞が好まれます。

このコミットは、このようなGoのコメント規約への準拠を徹底し、標準ライブラリ全体のドキュメンテーションの一貫性と品質を向上させることを目的としています。

前提知識の解説

Goのドキュメンテーションコメント (Godoc)

Go言語では、コードのドキュメンテーションはソースコード内に直接記述されます。特に、エクスポートされた(パッケージ外からアクセス可能な)識別子(関数、変数、型、定数など)の直前に記述されたコメントは、go doc ツールによって解析され、HTML形式のドキュメントとして生成されます。このシステムはGodocと呼ばれます。

Godocの主な特徴は以下の通りです。

  • 配置: ドキュメンテーションコメントは、対象となる宣言の直前に、間に空行を挟まずに記述されます。
  • 内容:
    • コメントの最初の文は、対象となる識別子の名前で始まり、その識別子の目的や動作を簡潔に説明します。
    • 関数やメソッドの場合、その動作を説明する動詞(例: reports, returns, sets, computes など)を使用することが推奨されます。
    • 完全な文で記述し、句読点で終わらせるべきです。
    • パッケージコメントの場合、最初の文は「Package <パッケージ名> ...」で始まります。
  • フォーマット: GodocはMarkdownのような軽量なマークアップをサポートしており、コードブロック、リスト、リンクなどを記述できます。
  • 自動生成: go doc コマンドを実行すると、これらのコメントから自動的にドキュメントが生成されます。また、pkg.go.dev などのオンラインドキュメントサイトもGodocの仕組みを利用しています。

このコミットは、Is 関数に対するドキュメンテーションコメントが、Godocの慣例に沿うように修正された典型的な例です。

技術的詳細

このコミットの技術的な変更は非常に小さいですが、Go言語のコードベースにおける品質と一貫性へのこだわりを示しています。

変更点は src/pkg/unicode/letter.go ファイル内の Is 関数のドキュメンテーションコメントの一行のみです。

  • 変更前: // Is tests whether rune is in the specified table of ranges.
  • 変更後: // Is reports whether the rune is in the specified table of ranges.

tests」から「reports」への変更は、Goのドキュメンテーションコメントの慣例に沿ったものです。Goの標準ライブラリでは、ブール値を返す関数(この場合、Is 関数はルーンが指定された範囲テーブル内にあるかどうかを真偽値で返します)のドキュメンテーションコメントの冒頭には、「reports」や「returns」といった動詞が頻繁に使用されます。これは、関数の動作をより直接的かつ明確に表現するためです。

この変更は、コードの機能には一切影響を与えません。純粋にドキュメンテーションの品質と一貫性を向上させるためのものです。このような細かい修正が積み重なることで、Go言語の標準ライブラリは非常に高品質で一貫性のあるドキュメントを提供しています。

コアとなるコードの変更箇所

--- a/src/pkg/unicode/letter.go
+++ b/src/pkg/unicode/letter.go
@@ -151,7 +151,7 @@ func is32(ranges []Range32, r uint32) bool {
 	return false
 }
 
-// Is tests whether rune is in the specified table of ranges.
+// Is reports whether the rune is in the specified table of ranges.
 func Is(rangeTab *RangeTable, r rune) bool {
 	r16 := rangeTab.R16
 	if len(r16) > 0 && r <= rune(r16[len(r16)-1].Hi) {

コアとなるコードの解説

変更された行は src/pkg/unicode/letter.go ファイルの154行目です。

// Is reports whether the rune is in the specified table of ranges.
func Is(rangeTab *RangeTable, r rune) bool {
	// ... 関数の実装 ...
}

このコメントは、Is 関数が何を行うかを説明しています。Is 関数は、与えられたルーン(Unicodeコードポイント)が、rangeTab で指定されたUnicode範囲テーブル内に含まれているかどうかを判定し、その結果をブール値で返します。

変更前は「Is tests whether...」となっていましたが、Goのドキュメンテーション規約では、ブール値を返す関数のコメントの冒頭には「Is reports whether...」や「Is returns true if...」のような表現が好まれます。これは、関数の「テスト」という行為よりも、その関数が「報告する」結果に焦点を当てるためです。この修正により、Is 関数のドキュメンテーションコメントは、Goの標準ライブラリ全体で採用されている慣用的なスタイルに完全に合致するようになりました。

関連リンク

参考にした情報源リンク