[インデックス 15966] ファイルの概要
このコミットは、Go言語のバージョン1.1のリリースノートである doc/go1.1.html
ファイル内の誤字(typo)を修正し、記述の正確性と可読性を向上させることを目的としています。具体的には、encoding/json
パッケージの Decoder
型のメソッド名に関する誤記の訂正と、パッケージ名やメソッド名がHTMLドキュメント内で適切にコードとして強調表示されるよう、<code>
タグを追加する整形作業が含まれています。
コミット
commit 0657e7df9fcd703f02332cb5495584ad869c0e01
Author: Jonathan Rudenberg <jonathan@titanous.com>
Date: Wed Mar 27 11:09:14 2013 -0700
doc: fix go1.1.html typos
R=golang-dev, bradfitz
CC=golang-dev
https://golang.org/cl/7635049
---
doc/go1.1.html | 10 +++++-----
1 file changed, 5 insertions(+), 5 deletions(-)
diff --git a/doc/go1.1.html b/doc/go1.1.html
index efefc06e58..8a2d10ef75 100644
--- a/doc/go1.1.html
+++ b/doc/go1.1.html
@@ -655,7 +655,7 @@ may implement to improve performance.
The <a href="/pkg/encoding/json/"><code>encoding/json</code></a> package's
<a href="/pkg/encoding/json/#Decoder"><code>Decoder</code></a>
has a new method
-<a href="/pkg/encoding/json/#Decoder.Reader"><code>Reader</code></a>
+<a href="/pkg/encoding/json/#Decoder.Buffered\"><code>Buffered</code></a>
to provide access to the remaining data in its buffer,
as well as a new method
<a href="/pkg/encoding/json/#Decoder.UseNumber"><code>UseNumber</code></a>
@@ -702,12 +702,12 @@ to format arbitrary Go source code.
<li>
The undocumented and only partially implemented "noescape" feature of the
-<a href="/pkg/html/template/">html/template</a>
+<a href="/pkg/html/template/"><code>html/template</code></a>
package has been removed; programs that depend on it will break.
</li>
<li>
-The <a href="/pkg/io/">io</a> package now exports the
+The <a href="/pkg/io/"><code>io</code></a> package now exports the
<a href="/pkg/io/#ByteWriter"><code>io.ByteWriter</code></a> interface to capture the common
functionality of writing a byte at a time.
</li>
@@ -834,7 +834,7 @@ being fully consumed.
</li>
<li>
-The new <a href="/pkg/net/http/cookiejar/">net/http/cookiejar</a> package provides the basics for managing HTTP cookies.\n+The new <a href="/pkg/net/http/cookiejar/"><code>net/http/cookiejar</code></a> package provides the basics for managing HTTP cookies.\n </li>
<li>
-The new method <a href="/pkg/os/#FileMode.IsRegular"><code>os.FileMode.IsRegular</code> </a> makes it easy to ask if a file is a plain file.\n+The new method <a href="/pkg/os/#FileMode.IsRegular"><code>os.FileMode.IsRegular</code></a> makes it easy to ask if a file is a plain file.\n </li>
<li>
GitHub上でのコミットページへのリンク
https://github.com/golang/go/commit/0657e7df9fcd703f02332cb5495584ad869c0e01
元コミット内容
doc: fix go1.1.html typos
R=golang-dev, bradfitz
CC=golang-dev
https://golang.org/cl/7635049
変更の背景
このコミットは、Go言語の重要なマイルストーンであるGo 1.1のリリースノート (doc/go1.1.html
) における軽微な誤りや表記の不整合を修正するために行われました。リリースノートは、ユーザーが新しいバージョンで導入された変更点、新機能、非互換性などを理解するための主要な情報源です。そのため、その内容は正確かつ明確である必要があります。
具体的には、以下の点が背景にあります。
- 誤記の訂正:
encoding/json
パッケージのDecoder
型に新しく追加されたメソッドの名前が、ドキュメント内で誤ってReader
と記載されていたのを、正しいBuffered
に修正する必要がありました。これは、APIの正確な情報伝達のために不可欠です。 - 可読性の向上: Goのパッケージ名やメソッド名がHTMLドキュメント内で通常のテキストとして表示されている箇所があり、これらを
<code>
タグで囲むことで、コード要素として視覚的に区別し、ドキュメント全体の可読性と理解度を高めることが目的でした。これは、技術ドキュメントにおける一般的なベストプラクティスです。
Go 1.1は、Go言語の安定性とパフォーマンスを大きく向上させた重要なリリースであり、そのドキュメントの品質を維持することは、ユーザー体験にとって非常に重要でした。
前提知識の解説
Go言語のリリースサイクルとドキュメンテーション
Go言語は、通常6ヶ月ごとにメジャーリリースを行います。各リリースには、新機能、パフォーマンス改善、バグ修正、非互換な変更などが含まれます。これらの変更は、公式のリリースノート(goX.Y.html
のような形式で提供されることが多い)に詳細に記述されます。リリースノートは、Goユーザーが新しいバージョンに移行する際に参照する最も重要なドキュメントの一つです。
encoding/json
パッケージ
encoding/json
パッケージは、Goの標準ライブラリの一部であり、JSON(JavaScript Object Notation)データのエンコード(Goのデータ構造からJSONへ)およびデコード(JSONからGoのデータ構造へ)機能を提供します。
json.Decoder
: JSONストリームを読み込み、Goのデータ構造にデコードするための型です。通常、io.Reader
からJSONデータを読み込みます。Decoder.Buffered()
メソッド: Go 1.1で導入されたこのメソッドは、json.Decoder
の内部バッファに残っている、まだ処理されていないバイト列をio.Reader
として返します。これにより、JSONデータの後に続く追加のデータを効率的に処理したり、デコードエラーが発生した際に残りのデータを検査したりすることが可能になります。
html/template
パッケージ
html/template
パッケージは、Goの標準ライブラリの一部であり、HTML出力の生成を安全に行うためのテンプレートエンジンを提供します。クロスサイトスクリプティング(XSS)攻撃などのセキュリティ脆弱性を防ぐために、自動的にエスケープ処理を行います。
io
パッケージ
io
パッケージは、Goの標準ライブラリの一部であり、I/Oプリミティブ(入力/出力操作の基本的なインターフェース)を提供します。Reader
、Writer
、Closer
などのインターフェースが定義されており、これらはGoにおけるI/O操作の基盤となります。
io.ByteWriter
インターフェース: Go 1.1で導入されたこのインターフェースは、単一のバイトを書き込む機能 (WriteByte(c byte) error
) をカプセル化します。これは、bufio.Writer
やbytes.Buffer
など、バイト単位の書き込みを効率的に行う型が実装する一般的なインターフェースです。
net/http/cookiejar
パッケージ
net/http/cookiejar
パッケージは、Goの標準ライブラリの一部であり、HTTPクッキーを管理するための機能を提供します。HTTPクライアントがWebサーバーとの間でクッキーをやり取りする際に、クッキーの保存、取得、有効期限の管理などを行います。
os
パッケージ
os
パッケージは、Goの標準ライブラリの一部であり、オペレーティングシステム(OS)の機能へのプラットフォーム非依存なインターフェースを提供します。ファイルシステム操作、プロセス管理、環境変数へのアクセスなどが含まれます。
os.FileMode.IsRegular()
メソッド: Go 1.1で導入されたこのメソッドは、os.FileMode
型(ファイルのパーミッションと種類を表す)のレシーバーに対して呼び出され、そのファイルが通常のファイル(ディレクトリ、シンボリックリンク、デバイスファイルなどではない)であるかどうかを判定します。
HTMLと <code>
タグ
HTML(HyperText Markup Language)は、Webページの構造を定義するためのマークアップ言語です。<code>
タグはHTML要素の一つで、プログラムのコード、ファイル名、変数名など、コンピュータコードの一部であることを示すために使用されます。これにより、ブラウザは通常、等幅フォントでテキストを表示し、読者に対してそれがコードであることを視覚的に伝えます。技術ドキュメントでは、コード要素を明確に区別するために広く利用されます。
技術的詳細
このコミットの技術的詳細は、主にGo 1.1のリリースノートの正確性と表現の改善に焦点を当てています。
-
encoding/json.Decoder.Buffered
の正確な記述: Go 1.1では、encoding/json.Decoder
にBuffered()
メソッドが追加されました。このメソッドは、デコーダの内部バッファに残っている未処理のデータをio.Reader
として提供します。これにより、例えば複数のJSONオブジェクトが連結されたストリームを処理する際に、一つのJSONオブジェクトのデコードが完了した後、残りのデータを次のデコード処理に渡す、あるいはエラー発生時に残りのデータを検査するといった高度なストリーム処理が可能になります。 元のドキュメントでは、このメソッドが誤ってReader
と記載されていました。このコミットは、これを正しいBuffered
に修正することで、APIの正確な情報を提供し、ユーザーが混乱することなく新しい機能を利用できるようにしました。 -
HTMLドキュメントにおけるコード要素の強調: Goの公式ドキュメントはHTML形式で提供されており、Goのパッケージ名、型名、メソッド名などは、コードの一部として認識されるべきです。このコミットでは、
html/template
、io
、net/http/cookiejar
、os.FileMode.IsRegular
といった要素が、単なるテキストとしてではなく、<code>
タグで囲まれるように修正されました。 この変更は、技術的な正確性だけでなく、ドキュメントのユーザビリティと可読性を向上させる上で重要です。<code>
タグを使用することで、これらの要素がコードの一部であることが視覚的に明確になり、読者はドキュメントをより迅速かつ正確に理解できるようになります。これは、技術ドキュメントの品質を保つための標準的な慣行です。
これらの変更は、Go 1.1のリリースが近づく中で、ドキュメントの最終的な品質チェックの一環として行われたと考えられます。Goプロジェクトでは、コードだけでなく、ドキュメントの品質も非常に重視されており、このような細かな修正も継続的に行われています。
コアとなるコードの変更箇所
--- a/doc/go1.1.html
+++ b/doc/go1.1.html
@@ -655,7 +655,7 @@ may implement to improve performance.
The <a href="/pkg/encoding/json/"><code>encoding/json</code></a> package's
<a href="/pkg/encoding/json/#Decoder"><code>Decoder</code></a>
has a new method
-<a href="/pkg/encoding/json/#Decoder.Reader"><code>Reader</code></a>
+<a href="/pkg/encoding/json/#Decoder.Buffered\"><code>Buffered</code></a>
to provide access to the remaining data in its buffer,
as well as a new method
<a href="/pkg/encoding/json/#Decoder.UseNumber"><code>UseNumber</code></a>
@@ -702,12 +702,12 @@ to format arbitrary Go source code.
<li>
The undocumented and only partially implemented "noescape" feature of the
-<a href="/pkg/html/template/">html/template</a>
+<a href="/pkg/html/template/"><code>html/template</code></a>
package has been removed; programs that depend on it will break.
</li>
<li>
-The <a href="/pkg/io/">io</a> package now exports the
+The <a href="/pkg/io/"><code>io</code></a> package now exports the
<a href="/pkg/io/#ByteWriter"><code>io.ByteWriter</code></a> interface to capture the common
functionality of writing a byte at a time.
</li>
@@ -834,7 +834,7 @@ being fully consumed.
</li>
<li>
-The new <a href="/pkg/net/http/cookiejar/">net/http/cookiejar</a> package provides the basics for managing HTTP cookies.\n+The new <a href="/pkg/net/http/cookiejar/"><code>net/http/cookiejar</code></a> package provides the basics for managing HTTP cookies.\n </li>
<li>
-The new method <a href="/pkg/os/#FileMode.IsRegular"><code>os.FileMode.IsRegular</code> </a> makes it easy to ask if a file is a plain file.\n+The new method <a href="/pkg/os/#FileMode.IsRegular"><code>os.FileMode.IsRegular</code></a> makes it easy to ask if a file is a plain file.\n </li>
<li>
コアとなるコードの解説
このコミットは、doc/go1.1.html
ファイルに対して以下の修正を行っています。
-
encoding/json
パッケージのDecoder
メソッド名の修正:-<a href="/pkg/encoding/json/#Decoder.Reader"><code>Reader</code></a> +<a href="/pkg/encoding/json/#Decoder.Buffered"><code>Buffered</code></a>
encoding/json.Decoder
に追加された新しいメソッドの名前が、誤ってReader
と記載されていたのを、正しいBuffered
に修正しています。これは、Go 1.1で導入されたDecoder.Buffered()
メソッドに関するドキュメントの正確性を確保するための重要な修正です。 -
html/template
パッケージ名の整形:-<a href="/pkg/html/template/">html/template</a> +<a href="/pkg/html/template/"><code>html/template</code></a>
html/template
パッケージ名が、HTMLドキュメント内で<code>
タグで囲まれていなかったのを修正し、コード要素として適切に強調表示されるようにしました。これにより、可読性が向上します。 -
io
パッケージ名の整形:-<a href="/pkg/io/">io</a> package now exports the +The <a href="/pkg/io/"><code>io</code></a> package now exports the
io
パッケージ名が、HTMLドキュメント内で<code>
タグで囲まれていなかったのを修正し、コード要素として適切に強調表示されるようにしました。 -
net/http/cookiejar
パッケージ名の整形:-<a href="/pkg/net/http/cookiejar/">net/http/cookiejar</a> package provides the basics for managing HTTP cookies. +The new <a href="/pkg/net/http/cookiejar/"><code>net/http/cookiejar</code></a> package provides the basics for managing HTTP cookies.
net/http/cookiejar
パッケージ名が、HTMLドキュメント内で<code>
タグで囲まれていなかったのを修正し、コード要素として適切に強調表示されるようにしました。 -
os.FileMode.IsRegular
メソッド名の整形:-<a href="/pkg/os/#FileMode.IsRegular"><code>os.FileMode.IsRegular</code> </a> makes it easy to ask if a file is a plain file. +The new method <a href="/pkg/os/#FileMode.IsRegular"><code>os.FileMode.IsRegular</code></a> makes it easy to ask if a file is a plain file.
os.FileMode.IsRegular
メソッド名が、HTMLドキュメント内で<code>
タグで囲まれていなかったのを修正し、コード要素として適切に強調表示されるようにしました。また、末尾の不要なスペースも削除されています。
これらの変更はすべて、Go 1.1のリリースノートの正確性、一貫性、および可読性を向上させるためのドキュメント修正であり、Go言語の機能自体には影響を与えません。
関連リンク
- Go言語公式サイト: https://go.dev/
- Go 1.1 Release Notes (公式): https://go.dev/doc/go1.1
encoding/json
パッケージドキュメント: https://pkg.go.dev/encoding/jsonhtml/template
パッケージドキュメント: https://pkg.go.dev/html/templateio
パッケージドキュメント: https://pkg.go.dev/ionet/http/cookiejar
パッケージドキュメント: https://pkg.go.dev/net/http/cookiejaros
パッケージドキュメント: https://pkg.go.dev/os
参考にした情報源リンク
- Go 1.1 Release Notes (公式ドキュメント): https://go.dev/doc/go1.1
- Goのパッケージドキュメント (pkg.go.dev): 上記の各パッケージへのリンク
- HTML
<code>
タグに関する情報 (MDN Web Docsなど): https://developer.mozilla.org/ja/docs/Web/HTML/Element/code - GoのGerritコードレビューシステム (CL 7635049): https://golang.org/cl/7635049 (現在はGoのGerritインスタンスは廃止され、GitHubに移行しているため、このリンクは直接機能しない可能性がありますが、当時の変更リクエストIDを示しています。)