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[インデックス 16064] ファイルの概要

このコミットは、Go言語のバージョン1.1のリリースノートである doc/go1.1.html ファイルに対するドキュメントの微調整("additional tweaks")です。具体的には、Go 1.1が実験的にサポートするプラットフォームに関する記述の可読性を向上させるために、HTMLの段落構造が変更されています。

コミット

commit 839c4f015933ce1291778fc1fd1778b1cb8cf0e41
Author: Dave Cheney <dave@cheney.net>
Date:   Wed Apr 3 16:49:17 2013 +1100

    doc/go1.1.html: additional tweaks

    R=r, adg, minux.ma
    CC=golang-dev
    https://golang.org/cl/8250043

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/839c4f015933ce1291778fc1fd178b1cb8cf0e41

元コミット内容

doc/go1.1.html: additional tweaks

このコミットメッセージは、doc/go1.1.html ファイルに対して追加の微調整が行われたことを示しています。R=, CC=, https://golang.org/cl/ は、Goプロジェクトで一般的に使用されるコードレビューシステム(Gerrit)に関連するメタデータであり、レビュー担当者、CCリスト、およびGerrit上の変更リスト(Change-ID)を示しています。

変更の背景

Go 1.1のリリースノートである doc/go1.1.html の「Portability」セクションにおいて、Go 1.1ツールチェーンが実験的にサポートする新しいプラットフォームに関する記述がありました。元の記述では、以下の3つの情報が1つのHTML段落(<p>タグ)内に混在していました。

  1. Go 1.1が実験的にサポートする新しいOS/アーキテクチャの組み合わせ(freebsd/arm, netbsd/386, netbsd/amd64, netbsd/arm, openbsd/386, openbsd/amd64)。
  2. freebsd/arm および netbsd/arm でARMv6以降のプロセッサが必要であるという要件。
  3. linux/arm における cgo の実験的サポート。

これらの情報が1つの長い段落にまとめられていたため、読者にとっては情報の区切りが不明瞭で、理解しにくい可能性がありました。このコミットの目的は、ドキュメントの可読性と構造を改善し、各情報を独立した段落に分割することで、より明確に伝えることにあります。

前提知識の解説

  • Go言語 (Golang): Googleによって開発されたオープンソースのプログラミング言語です。静的型付け、ガベージコレクション、並行処理のサポートが特徴で、シンプルさと効率性を重視しています。システムプログラミング、Webサービス、CLIツールなど幅広い分野で利用されています。
  • Go 1.1: Go言語の特定のメジャーバージョンです。Go言語は定期的に新しいバージョンがリリースされ、それぞれに新機能、パフォーマンス改善、バグ修正などが含まれます。go1.1.html は、このバージョンの変更点や新機能をまとめた公式ドキュメント(リリースノート)です。
  • クロスコンパイル: あるコンピュータアーキテクチャ(例: x86-64)上で動作するコンパイラを使用して、別のアーキテクチャ(例: ARM)向けの実行可能ファイルを生成するプロセスです。Go言語は、GOOS(ターゲットOS)とGOARCH(ターゲットアーキテクチャ)の環境変数を設定するだけで簡単にクロスコンパイルができる強力な機能を備えています。
  • OS/アーキテクチャの組み合わせ (GOOS/GOARCH): Go言語のビルドターゲットを指定するための環境変数です。
    • freebsd/arm: FreeBSDオペレーティングシステムとARMプロセッサアーキテクチャの組み合わせ。
    • netbsd/386: NetBSDオペレーティングシステムとIntel 32ビット(i386)プロセッサアーキテクチャの組み合わせ。
    • netbsd/amd64: NetBSDオペレーティングシステムとAMD 64ビット(x86-64)プロセッサアーキテクチャの組み合わせ。
    • netbsd/arm: NetBSDオペレーティングシステムとARMプロセッサアーキテクチャの組み合わせ。
    • openbsd/386: OpenBSDオペレーティングシステムとIntel 32ビット(i386)プロセッサアーキテクチャの組み合わせ。
    • openbsd/amd64: OpenBSDオペレーティングシステムとAMD 64ビット(x86-64)プロセッサアーキテクチャの組み合わせ。
    • linux/arm: LinuxオペレーティングシステムとARMプロセッサアーキテクチャの組み合わせ。
  • ARMv6: ARMアーキテクチャのバージョンの一つです。ARMプロセッサは、スマートフォン、タブレット、組み込みシステムなど、低消費電力デバイスで広く使用されています。ARMv6は、特定の命令セットと機能を持つ古いバージョンですが、多くのデバイスでまだ利用されています。
  • cgo: Go言語の機能の一つで、GoプログラムからC言語のコードを呼び出すことを可能にします。これにより、既存のCライブラリを利用したり、パフォーマンスが重要な部分をCで記述したりすることができます。cgoを使用するには、Cコンパイラ(通常はGCCやClang)がシステムにインストールされている必要があります。

技術的詳細

このコミットは、doc/go1.1.html ファイル内のHTML構造を修正することで、Go 1.1のリリースノートの「Portability」セクションの記述を改善しています。

元のHTMLコードでは、Go 1.1が実験的にサポートする新しいプラットフォーム、特定のARMプラットフォームでのプロセッサ要件、およびlinux/armでのcgoサポートに関する情報が、すべて単一の<p>タグ内に記述されていました。これは、情報の論理的な区切りを曖昧にし、読者が各情報を個別に把握するのを難しくしていました。

この変更では、元の1つの段落を3つの独立した段落に分割しています。

  1. 最初の段落: Go 1.1が実験的にサポートする新しいOS/アーキテクチャの組み合わせ(freebsd/arm, netbsd/386, netbsd/amd64, netbsd/arm, openbsd/386, openbsd/amd64)のみを記述。
  2. 二番目の段落: freebsd/arm および netbsd/arm でARMv6以降のプロセッサが必要であるという要件に特化。
  3. 三番目の段落: linux/arm における cgo の実験的サポートに特化。

これにより、各情報が明確に区切られ、読者はそれぞれの情報を独立して理解しやすくなります。これは、ドキュメントの品質とユーザーエクスペリエンスを向上させるための、典型的かつ効果的なHTML構造の改善です。

コアとなるコードの変更箇所

--- a/doc/go1.1.html
+++ b/doc/go1.1.html
@@ -358,9 +358,15 @@ to convert the code to Go 1.0 first.
 The Go 1.1 tool chain adds experimental support for <code>freebsd/arm</code>,
 <code>netbsd/386</code>, <code>netbsd/amd64</code>, <code>netbsd/arm</code>, 
 <code>openbsd/386</code> and <code>openbsd/amd64</code> platforms.
-<code>freebsd/arm</code> and <code>netbsd/arm</code> require an ARMv6 or
-better processor. Go 1.1 adds experimental support for <code>cgo</code> on
-<code>linux/arm</code>.
-</p>
+<code>freebsd/arm</code> and <code>netbsd/arm</code> require an ARMv6 or
+better processor. Go 1.1 adds experimental support for <code>cgo</code> on
+<code>linux/arm</code>.
+</p>
+
+<p>
+An ARMv6 or later processor is required for <code>freebsd/arm</code> or
+<code>netbsd/arm</code>.
+</p>
+
+<p>
+Go 1.1 adds experimental support for <code>cgo</code> on <code>linux/arm</code>.
+</p>

コアとなるコードの解説

上記のdiffは、doc/go1.1.html ファイルの358行目から363行目にかけての変更を示しています。

  • - で始まる行: 削除された行を示します。
  • + で始まる行: 追加された行を示します。

元のコードでは、以下の部分が1つの段落として存在していました。

The Go 1.1 tool chain adds experimental support for <code>freebsd/arm</code>,
<code>netbsd/386</code>, <code>netbsd/amd64</code>, <code>netbsd/arm</code>, 
<code>openbsd/386</code> and <code>openbsd/amd64</code> platforms.
<code>freebsd/arm</code> and <code>netbsd/arm</code> require an ARMv6 or
better processor. Go 1.1 adds experimental support for <code>cgo</code> on
<code>linux/arm</code>.
</p>

このコミットでは、この1つの段落を以下のように3つの独立した段落に分割しています。

  1. 最初の段落の終了:

    The Go 1.1 tool chain adds experimental support for <code>freebsd/arm</code>,
    <code>netbsd/386</code>, <code>netbsd/amd64</code>, <code>netbsd/arm</code>, 
    <code>openbsd/386</code> and <code>openbsd/amd64</code> platforms.
    </p>
    

    元の段落の途中で</p>タグが挿入され、最初の情報ブロック(新しいプラットフォームサポート)がここで閉じられます。

  2. 二番目の段落の追加:

    <p>
    An ARMv6 or later processor is required for <code>freebsd/arm</code> or
    <code>netbsd/arm</code>.
    </p>
    

    新しい<p>タグが追加され、ARMv6プロセッサの要件に関する情報が独立した段落として記述されます。

  3. 三番目の段落の追加:

    <p>
    Go 1.1 adds experimental support for <code>cgo</code> on <code>linux/arm</code>.
    </p>
    

    さらに新しい<p>タグが追加され、linux/armでのcgo実験的サポートに関する情報が独立した段落として記述されます。

この変更により、HTMLドキュメントの構造が改善され、各情報がより明確に区別されるようになりました。これは、コンテンツの論理的な分離と、それによる読者の理解促進を目的とした、典型的なドキュメント改善の手法です。

関連リンク

  • Go言語公式サイト: https://go.dev/
  • Go 1.1リリースノート (最終版): このコミットが適用された後のGo 1.1の公式リリースノートは、Go言語の公式ドキュメントサイトで確認できます。正確なURLはGoのバージョン管理によって変わる可能性がありますが、通常は go.dev/doc/go1.1 のようなパスになります。
  • Go言語のクロスコンパイル: Go言語の公式ドキュメントには、クロスコンパイルに関する詳細な情報が記載されています。
  • cgoのドキュメント: Go言語の公式ドキュメントには、cgoの使用方法と制約に関する詳細な情報が記載されています。

参考にした情報源リンク