Keyboard shortcuts

Press or to navigate between chapters

Press S or / to search in the book

Press ? to show this help

Press Esc to hide this help

[インデックス 16128] ファイルの概要

コミット

commit f4de042e2c22dcd64c667e3196d27a8b551410a4
Author: Alexei Sholik <alcosholik@gmail.com>
Date:   Sun Apr 7 16:50:23 2013 -0700

    go/ast: fix typo in Fprint documentation

    R=golang-dev, bradfitz
    CC=golang-dev
    https://golang.org/cl/8499043

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/f4de042e2c22dcd64c667e3196d27a8b551410a4

元コミット内容

このコミットは、go/astパッケージ内のFprint関数のドキュメンテーションにおけるタイプミスを修正するものです。具体的には、「are are printed」という重複した「are」を削除し、「printed」に修正しています。

変更の背景

ソフトウェア開発において、コードのドキュメンテーションは非常に重要です。特に、公開されるAPIやライブラリのドキュメンテーションは、その機能や使い方を正確に伝えるための唯一の情報源となることが多いため、誤字脱字や不明瞭な表現はユーザーの混乱を招く可能性があります。

このコミットは、Go言語の標準ライブラリの一部であるgo/astパッケージのFprint関数のコメントに存在する単純なタイプミスを修正することを目的としています。このような小さな修正であっても、公式ドキュメンテーションの品質を維持し、開発者が正確な情報を得られるようにすることは、プロジェクト全体の健全性を保つ上で不可欠です。

前提知識の解説

Go言語のgo/astパッケージ

go/astパッケージは、Go言語のソースコードを抽象構文木(Abstract Syntax Tree, AST)として表現するためのデータ構造と、それを操作するための関数を提供します。ASTは、プログラムの構造を木構造で表現したもので、コンパイラ、リンタ、コードフォーマッタ、静的解析ツールなど、Goコードを解析・変換する様々なツールで利用されます。

  • AST (Abstract Syntax Tree): ソースコードの構文構造を抽象的に表現した木構造のデータです。例えば、x + yという式は、+演算子をルートとし、その左右の子ノードにxyという識別子を持つASTとして表現されます。
  • go/astの役割: Goコンパイラがソースコードを解析する際に内部的にASTを構築しますが、go/astパッケージはそのASTをプログラムから操作できるように公開しています。これにより、開発者はGoコードをプログラム的に読み込み、解析し、変更することが可能になります。

Fprint関数

go/astパッケージには、ASTを整形して出力するためのFprint関数が存在します。この関数は、io.Writerインターフェースを実装する任意の出力先に、指定されたAST構造を人間が読める形式で書き出すために使用されます。デバッグ目的や、ASTの構造を視覚的に確認したい場合などに便利です。

Fprint関数のシグネチャは以下のようになっています(コミット時点のバージョンに基づく):

func Fprint(w io.Writer, fset *token.FileSet, x interface{}, f FieldFilter) (err error)
  • w io.Writer: 出力先。ファイル、標準出力、バッファなど、io.Writerインターフェースを満たすものなら何でも指定できます。
  • fset *token.FileSet: ソースコードの位置情報(行番号、列番号など)を管理するtoken.FileSetオブジェクト。ASTノードが参照する位置情報を解決するために使用されます。
  • x interface{}: 出力したいASTノード。通常はast.Fileast.ExprなどのAST型が渡されます。
  • f FieldFilter: オプションのフィルタ関数。ASTノードのフィールドを出力するかどうかを制御するために使用されます。

ドキュメンテーションの重要性

Go言語では、コードコメントを特定の形式で記述することで、go docコマンドやGo言語の公式ドキュメンテーションサイト(pkg.go.devなど)で自動的にドキュメントが生成されます。これにより、開発者はコードとドキュメントを密接に連携させ、常に最新の状態に保つことができます。

このため、コード内のコメント、特にエクスポートされた関数や型のコメントは、Goエコシステムにおける公式ドキュメントの一部と見なされ、その正確性と明瞭性が非常に重視されます。

技術的詳細

このコミットの技術的詳細は、src/pkg/go/ast/print.goファイル内のFprint関数のドキュメンテーションコメントにおける、非常に単純なタイプミスに集約されます。

元のコメントは以下のようになっていました。

// struct fields for which f(fieldname, fieldvalue) is true are
// are printed; all others are filtered from the output. Unexported

ここで、「are are printed」という部分に注目してください。「are」が二重に記述されており、文法的に誤っています。これは、おそらく記述者が一度「are」と書き、その後「printed」という単語を追加する際に、誤って「are」を削除し忘れたために生じたものと推測されます。

このコミットでは、この冗長な「are」を削除し、コメントを以下のように修正しています。

// struct fields for which f(fieldname, fieldvalue) is true
// printed; all others are filtered from the output. Unexported

これにより、コメントは「struct fields for which f(fieldname, fieldvalue) is true printed; all others are filtered from the output.」となり、より自然で正確な英語表現になりました。

このような小さなタイプミスであっても、公式ドキュメンテーションに含まれる場合、以下のような影響が考えられます。

  1. 読者の混乱: 英語を母国語としない開発者にとっては、このような文法的な誤りが理解の妨げになる可能性があります。
  2. プロフェッショナリズムの欠如: 公式のドキュメンテーションに誤字脱字が多いと、プロジェクト全体の品質に対する信頼性が損なわれる可能性があります。
  3. 誤解の可能性: 今回のケースでは意味が大きく変わることはありませんが、他の文脈ではタイプミスが機能の誤解につながることもあります。

したがって、このコミットは、コードの機能には直接影響を与えませんが、ドキュメンテーションの品質と正確性を向上させる上で重要な修正であると言えます。

コアとなるコードの変更箇所

変更はsrc/pkg/go/ast/print.goファイルの一箇所のみです。

diff --git a/src/pkg/go/ast/print.go b/src/pkg/go/ast/print.go
index 4a1ce480f4..f15dc11dc0 100644
--- a/src/pkg/go/ast/print.go
+++ b/src/pkg/go/ast/print.go
@@ -34,7 +34,7 @@ func NotNilFilter(_ string, v reflect.Value) bool {
 //
 // A non-nil FieldFilter f may be provided to control the output:
 // struct fields for which f(fieldname, fieldvalue) is true are
-// are printed; all others are filtered from the output. Unexported
+// printed; all others are filtered from the output. Unexported
 // struct fields are never printed.
 //
 func Fprint(w io.Writer, fset *token.FileSet, x interface{}, f FieldFilter) (err error) {

コアとなるコードの解説

変更された行は、Fprint関数のドキュメンテーションコメントの一部です。

元の行: // are printed; all others are filtered from the output. Unexported

修正後の行: // printed; all others are filtered from the output. Unexported

この変更は、Fprint関数の動作自体には一切影響を与えません。これは純粋に、関数の振る舞いを説明するコメントの文法的な誤りを修正するものです。

コメントの目的は、FieldFilter関数がtrueを返す構造体フィールドがどのように扱われるかを説明することです。修正前は「f(fieldname, fieldvalue)がtrueである構造体フィールドはare are printed」となっていましたが、修正後は「f(fieldname, fieldvalue)がtrueである構造体フィールドはprinted」となり、より自然な英語表現になりました。

このコメントは、Fprint関数がASTを整形して出力する際に、FieldFilterによって特定のフィールドの出力が制御できることを示しています。FieldFiltertrueを返したフィールドは出力され、それ以外はフィルタリングされる、という動作を説明しています。また、エクスポートされていない(小文字で始まる)構造体フィールドは、フィルタリング設定に関わらず常に出力されないことも明記されています。

関連リンク

参考にした情報源リンク