[インデックス 16182] ファイルの概要
このコミットは、Go言語の公式ドキュメントの一部である doc/reference.html
ファイルを更新し、Goプロジェクトのサブリポジトリのリストに新しいエントリを追加するものです。具体的には、go.text
, go.exp
, go.talks
, go.blog
の4つのサブリポジトリへのリンクが追加されています。
コミット
commit 80de7ab19098ca925c00c314aa5a5c77e6076b82
Author: Shenghou Ma <minux.ma@gmail.com>
Date: Tue Apr 16 04:31:25 2013 +0800
doc/reference.html: update list of sub-repositories.
R=golang-dev, bradfitz, r
CC=golang-dev
https://golang.org/cl/8766043
GitHub上でのコミットページへのリンク
https://github.com/golang/go/commit/80de7ab19098ca925c00c314aa5a5c77e6076b82
元コミット内容
doc/reference.html: update list of sub-repositories.
変更の背景
Go言語プロジェクトでは、標準ライブラリに含まれないものの、Goチームによって公式にメンテナンスされている追加のパッケージやツールが「サブリポジトリ」として提供されています。これらのサブリポジトリは、Goのコア開発とは独立して進化し、特定の機能領域(例:暗号化、画像処理、ネットワーク関連、テキスト処理、実験的な機能、トーク、ブログなど)をカバーしています。
このコミットが行われた2013年4月時点では、Goエコシステムが急速に拡大しており、新しいサブリポジトリが継続的に追加されていました。doc/reference.html
は、Goの公式ドキュメントの一部として、これらの重要なサブリポジトリへの参照を提供していました。新しいサブリポジトリが作成された際に、ユーザーがそれらを容易に発見し、利用できるようにするためには、このドキュメントを最新の状態に保つ必要がありました。
したがって、この変更の背景には、Goエコシステムの成長と、ユーザーが最新の公式パッケージにアクセスできるようにするためのドキュメントの正確性維持という目的があります。
前提知識の解説
Go言語のサブリポジトリ (Sub-repositories)
Go言語のプロジェクトは、単一の巨大なリポジトリとしてではなく、複数の独立したリポジトリに分割されています。これらは「サブリポジトリ」または「エクストラリポジトリ」と呼ばれ、Goの標準ライブラリには含まれないものの、Goチームによって公式に開発・メンテナンスされています。
主な目的は以下の通りです。
- モジュール性: Goの標準ライブラリを肥大化させずに、特定の機能領域(例:画像処理、ネットワークプロトコル、暗号化など)に特化したパッケージを提供します。
- 独立した開発: 各サブリポジトリは独立してバージョン管理され、開発サイクルを持つことができます。これにより、コアGoのリリーススケジュールに縛られずに、特定のパッケージを迅速に更新・改善できます。
- 実験的な機能:
go.exp
のようなリポジトリは、将来的に標準ライブラリに取り込まれる可能性のある実験的なAPIや実装を試す場として機能します。 - ツールとユーティリティ:
go.talks
やgo.blog
のように、Goコミュニティ向けのコンテンツやツールを提供するリポジトリもあります。
これらのサブリポジトリは、go get
コマンドを使用して簡単にインストールできます。例えば、go.text
リポジトリのパッケージをインストールするには、go get golang.org/x/text
のように実行します(コミット当時のパスは code.google.com/p/go.text
でしたが、後に golang.org/x/
以下に移行しました)。
doc/reference.html
doc/reference.html
は、Go言語の公式ウェブサイト(golang.org)の一部として提供されるドキュメントファイルです。このファイルは、Go言語の参照情報、特にGoのツール、パッケージ、および関連リソースへのリンク集として機能します。ユーザーがGoの学習や開発を進める上で、必要な情報に素早くアクセスできるようにするための重要なエントリポイントの一つです。
HTML形式で記述されており、ウェブブラウザを通じて閲覧されます。このファイルは、Goプロジェクトのソースコードリポジトリ内に存在し、Goのリリースプロセスの一部としてウェブサイトにデプロイされます。
技術的詳細
このコミットは、HTMLドキュメントである doc/reference.html
の内容を直接編集するものです。変更は非常にシンプルで、既存のHTMLリスト (<ul>
タグ内の <li>
要素) に新しいリストアイテムを追加しています。
具体的には、以下の4つの新しい <li>
要素が追加されています。
<li><a href="http://code.google.com/p/go/source/browse?repo=text"><code>code.google.com/p/go.text</code></a> [<a href="http://godoc.org/code.google.com/p/go.text">docs</a>]
<li><a href="http://code.google.com/p/go/source/browse?repo=exp"><code>code.google.com/p/go.exp</code></a> [<a href="http://godoc.org/code.google.com/p/go.exp">docs</a>]
<li><a href="http://code.google.com/p/go/source/browse?repo=talks"><code>code.google.com/p/go.talks</code></a> [<a href="http://godoc.org/code.google.com/p/go.talks">docs</a>]
<li><a href="http://code.google.com/p/go/source/browse?repo=blog"><code>code.google.com/p/go.blog</code></a> [<a href="http://godoc.org/code.google.com/p/go.blog">docs</a>]
これらの各エントリは、以下の情報を含んでいます。
- リポジトリのソースコードへのリンク:
http://code.google.com/p/go/source/browse?repo=...
の形式で、Google Code(当時のGoプロジェクトのホスティングプラットフォーム)上のソースコードブラウザへのリンクを提供しています。 - リポジトリのインポートパス:
<code>...</code>
タグで囲まれた部分が、Goのパッケージインポートパス(例:code.google.com/p/go.text
)を示しています。これはgo get
コマンドでパッケージを取得する際に使用されるパスです。 - godocドキュメントへのリンク:
http://godoc.org/...
の形式で、godoc.org(当時のGoパッケージの自動生成ドキュメントサービス)上のドキュメントページへのリンクを提供しています。
この変更は、Goプロジェクトのドキュメント管理プロセスの一部であり、新しいサブリポジトリが公式に利用可能になった際に、その存在をユーザーに知らせるための標準的な手順です。HTMLファイルを直接編集することで、ウェブサイトのコンテンツを更新しています。
コアとなるコードの変更箇所
--- a/doc/reference.html
+++ b/doc/reference.html
@@ -51,6 +51,10 @@ Install them with "<code><a href="/cmd/go/#Download_and_install_packages_and_dep\
<li><a href="http://code.google.com/p/go/source/browse?repo=crypto"><code>code.google.com/p/go.crypto</code></a> [<a href="http://godoc.org/code.google.com/p/go.crypto">docs</a>]
<li><a href="http://code.google.com/p/go/source/browse?repo=image"><code>code.google.com/p/go.image</code></a> [<a href="http://godoc.org/code.google.com/p/go.image">docs</a>]
<li><a href="http://code.google.com/p/go/source/browse?repo=net"><code>code.google.com/p/go.net</code></a> [<a href="http://godoc.org/code.google.com/p/go.net">docs</a>]
+<li><a href="http://code.google.com/p/go/source/browse?repo=text"><code>code.google.com/p/go.text</code></a> [<a href="http://godoc.org/code.google.com/p/go.text">docs</a>]
+<li><a href="http://code.google.com/p/go/source/browse?repo=exp"><code>code.google.com/p/go.exp</code></a> [<a href="http://godoc.org/code.google.com/p/go.exp">docs</a>]
+<li><a href="http://code.google.com/p/go/source/browse?repo=talks"><code>code.google.com/p/go.talks</code></a> [<a href="http://godoc.org/code.google.com/p/go.talks">docs</a>]
+<li><a href="http://code.google.com/p/go/source/browse?repo=blog"><code>code.google.com/p/go.blog</code></a> [<a href="http://godoc.org/code.google.com/p/go.blog">docs</a>]
</ul>
<p>
コアとなるコードの解説
上記のdiffは、doc/reference.html
ファイルの変更を示しています。
--- a/doc/reference.html
は変更前のファイルを示します。+++ b/doc/reference.html
は変更後のファイルを示します。@@ -51,6 +51,10 @@
は、変更がファイルの51行目から始まり、変更前は6行、変更後は10行になることを示しています。
具体的には、既存のサブリポジトリのリスト(go.crypto
, go.image
, go.net
)の直後に、以下の4つの新しい <li>
要素が追加されています。
go.text
: テキスト処理、Unicode、国際化に関するパッケージを含むサブリポジトリ。go.exp
: 実験的なパッケージやAPIを含むサブリポジリ。将来的に標準ライブラリに取り込まれる可能性のある機能がここで試されます。go.talks
: Goに関するプレゼンテーションやトークの資料を含むサブリポジトリ。go.blog
: Go公式ブログのコンテンツを含むサブリポジトリ。
これらの追加により、doc/reference.html
を参照するユーザーは、Goプロジェクトが提供する最新の公式サブリポジトリの存在を認識し、それぞれのソースコードやドキュメントにアクセスできるようになります。これは、Goエコシステムの成長を反映し、ユーザーエクスペリエンスを向上させるための重要なドキュメント更新です。
関連リンク
- Go言語公式ウェブサイト: https://golang.org/
- Go言語のサブリポジトリに関する情報 (現在のパス): https://pkg.go.dev/golang.org/x
- Go Code Review (CL 8766043): https://golang.org/cl/8766043
参考にした情報源リンク
- コミット情報:
/home/orange/Project/comemo/commit_data/16182.txt
- Go言語のドキュメント構造に関する一般的な知識
- Go言語のサブリポジトリの概念に関する一般的な知識
- Google Code (当時のGoプロジェクトのホスティングプラットフォーム) のURL構造に関する一般的な知識
- godoc.org (当時のGoパッケージドキュメントサービス) のURL構造に関する一般的な知識