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[インデックス 16190] ファイルの概要

コミット

go/token: 優先順位定数の文法を修正

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/d00a646e707e0014800ff2fd115f36b5cc9eb635

元コミット内容

commit d00a646e707e0014800ff2fd115f36b5cc9eb635
Author: Alexei Sholik <alcosholik@gmail.com>
Date:   Wed Apr 17 11:46:30 2013 -0700

    go/token: fix grammar for precedence consts
    
    R=golang-dev, r
    CC=golang-dev
    https://golang.org/cl/8662045

変更の背景

このコミットは、Go言語の標準ライブラリの一部である go/token パッケージ内のコメントにおける文法的な誤りを修正することを目的としています。具体的には、演算子の優先順位に関する定数を説明するコメントにおいて、「corresponds serves」という不自然な表現を「serves」という正しい表現に修正しています。

このような修正は、コードの機能そのものには影響を与えませんが、ドキュメントやコメントの品質を向上させ、コードを理解しようとする開発者にとっての明確性を高める上で重要です。特に、Go言語のようなオープンソースプロジェクトでは、世界中の開発者がコードベースを読み書きするため、正確で分かりやすい英語のコメントは不可欠です。

前提知識の解説

go/token パッケージ

go/token パッケージは、Go言語のコンパイラやツールチェインにおいて、ソースコードを解析する際に使用されるトークン(字句)と位置情報(ファイル、行、列)を定義するGo言語の標準ライブラリです。

  • トークン: プログラミング言語のソースコードは、コンパイラによってまず意味のある最小単位に分割されます。これらがトークンです。例えば、if=+、変数名、数値リテラルなどがトークンに該当します。go/token パッケージは、これらのトークンの種類(例: token.ADD+ 演算子、token.IDENT は識別子)を定義しています。
  • 優先順位 (Precedence): プログラミング言語において、複数の演算子が含まれる式がどのように評価されるかを決定する規則です。例えば、1 + 2 * 3 という式では、乗算 (*) が加算 (+) よりも優先順位が高いため、2 * 3 が先に計算され、結果は 1 + 6 = 7 となります。コンパイラやインタプリタは、この優先順位の規則に基づいて式の構文木を構築します。
  • 字句解析 (Lexical Analysis): ソースコードをトークンのストリームに変換するプロセスです。go/token パッケージは、この字句解析の段階で生成されるトークンを表現するために利用されます。
  • 構文解析 (Parsing): 字句解析によって得られたトークンのストリームを、言語の文法規則に従って構文木(Abstract Syntax Tree: AST)に変換するプロセスです。演算子の優先順位は、この構文解析の段階で重要な役割を果たします。

このコミットで修正されたコメントは、go/token パッケージ内で定義されている、演算子の優先順位を表す定数群に関する説明の一部です。これらの定数は、Go言語のパーサーが式を正しく解釈するために内部的に使用されます。

技術的詳細

このコミットは、src/pkg/go/token/token.go ファイル内のコメントの修正のみを行っています。具体的な変更は以下の通りです。

--- a/src/pkg/go/token/token.go
+++ b/src/pkg/go/token/token.go
@@ -243,8 +243,8 @@ func (tok Token) String() string {
 // A set of constants for precedence-based expression parsing.
 // Non-operators have lowest precedence, followed by operators
 // starting with precedence 1 up to unary operators. The highest
-// precedence corresponds serves as "catch-all" precedence for
-// selector, indexing, and other operator and delimiter tokens.
+// precedence serves as "catch-all" precedence for selector,
+// indexing, and other operator and delimiter tokens.
 //
 const (
  	LowestPrec  = 0 // non-operators

変更前は、コメントの該当箇所が「The highest precedence corresponds serves as "catch-all" precedence for...」となっていました。ここで「corresponds serves」という表現は文法的に誤りであり、意味が重複しています。

変更後は、「The highest precedence serves as "catch-all" precedence for...」となり、「corresponds」が削除され、より自然で正しい英語の表現になっています。

この修正は、コードの実行には全く影響を与えません。これは純粋にドキュメントの品質向上、特にコメントの可読性と正確性を高めるための変更です。このような細かい修正も、大規模なオープンソースプロジェクトにおいては、コードベース全体の品質とメンテナンス性を維持するために重要視されます。

コアとなるコードの変更箇所

--- a/src/pkg/go/token/token.go
+++ b/src/pkg/go/token/token.go
@@ -243,8 +243,8 @@ func (tok Token) String() string {
 // A set of constants for precedence-based expression parsing.
 // Non-operators have lowest precedence, followed by operators
 // starting with precedence 1 up to unary operators. The highest
-// precedence corresponds serves as "catch-all" precedence for
-// selector, indexing, and other operator and delimiter tokens.
+// precedence serves as "catch-all" precedence for selector,
+// indexing, and other operator and delimiter tokens.
 //
 const (
  	LowestPrec  = 0 // non-operators

コアとなるコードの解説

変更されたのは、src/pkg/go/token/token.go ファイル内の246行目と247行目にあたるコメント部分です。

  • 変更前:

    // precedence corresponds serves as "catch-all" precedence for
    // selector, indexing, and other operator and delimiter tokens.
    

    この行では、「最高優先順位は、セレクタ、インデックス付け、その他の演算子や区切り文字トークンに対する「キャッチオール」優先順位として対応し機能する」というような意味合いになりますが、「corresponds serves」という二つの動詞が並列に使われており、文法的に不自然です。

  • 変更後:

    // precedence serves as "catch-all" precedence for selector,
    // indexing, and other operator and delimiter tokens.
    

    変更後は、「最高優先順位は、セレクタ、インデックス付け、その他の演算子や区切り文字トークンに対する「キャッチオール」優先順位として機能する」という明確な意味になります。「serves as」は「〜として機能する」という意味で、ここでは適切です。

このコメントは、go/token パッケージ内で定義されている LowestPrec などの優先順位定数群の役割を説明しています。Go言語のパーサーが、式を解析する際に、セレクタ(例: obj.field)、インデックス付け(例: arr[index])、その他の演算子や区切り文字(例: .[]())の優先順位をどのように扱うかについて言及しています。最高優先順位が「キャッチオール」として機能するという記述は、これらの要素が他の一般的な演算子よりも高い優先順位を持つことを示唆しています。

関連リンク

参考にした情報源リンク