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[インデックス 16561] ファイルの概要

コミット

  • コミットハッシュ: e59a09fb1aa386aa7e9258cd1bf8a7c7ed03d6fe
  • Author: Andrew Gerrand adg@golang.org
  • Date: Thu Jun 13 12:52:02 2013 +1000
  • コミットメッセージ:
    tag go1.1.1
    
    R=golang-dev, dave, iant
    CC=golang-dev
    https://golang.org/cl/10254043
    

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/e59a09fb1aa386aa7e9258cd1bf8a7c7ed03d6fe

元コミット内容

tag go1.1.1

R=golang-dev, dave, iant
CC=golang-dev
https://golang.org/cl/10254043

変更の背景

このコミットは、Go言語のバージョン1.1.1を正式にタグ付けするために行われました。Goのリリースプロセスにおいて、特定のコミットを安定版としてマークするためにタグが使用されます。Go 1.1.1は、Go 1.1のリリース後に発見されたバグや問題に対する修正を含む、マイナーなポイントリリースでした。このようなポイントリリースは、主要な機能追加ではなく、安定性と信頼性の向上を目的としています。このタグ付けにより、開発者やユーザーはGo 1.1.1の安定版を容易に識別し、取得できるようになります。

前提知識の解説

Goのリリースサイクルとセマンティックバージョニング

Go言語は、通常6ヶ月ごとのリリースサイクルを採用しており、セマンティックバージョニング(Semantic Versioning: SemVer)に従ってバージョン管理が行われます。SemVerは「MAJOR.MINOR.PATCH」の形式でバージョンを表現します。

  • MAJOR (例: Go 1): 後方互換性のない大きな変更が含まれる場合に増加します。Go言語はGo 1以降、後方互換性を非常に重視しています。
  • MINOR (例: Go 1.1): 後方互換性のある新機能の追加やAPIの変更が含まれる場合に増加します。
  • PATCH (例: Go 1.1.1): 後方互換性のあるバグ修正のみが含まれる場合に増加します。

Go 1.1.1はPATCHバージョンであるため、Go 1.1からのバグ修正のみが含まれており、既存のGo 1.1コードとの互換性が維持されています。

バージョン管理システムとタグ

このコミットが作成された2013年当時、Goプロジェクトは主にMercurialという分散型バージョン管理システムを使用していました。Gitと同様に、Mercurialも特定のコミットに「タグ」を付ける機能を持っています。タグは、リリースの時点や重要なマイルストーンを示すために使用され、特定のバージョンのソースコードを簡単に参照できるようにします。

.hgtagsファイルは、Mercurialリポジトリでタグ情報を管理するために使用される特別なファイルです。このファイルには、タグ名とそのタグが指すコミットのハッシュが記述されています。このコミットでは、Go 1.1.1のリリースを示す新しいタグエントリがこのファイルに追加されています。

技術的詳細

このコミットは、Go 1.1.1の公式リリースを宣言するものです。具体的には、バージョン管理システム(当時はMercurial)のタグ機能を利用して、特定のコミットを「go1.1.1」としてマークしています。

Go 1.1.1は、Go 1.1のリリース後に発見されたいくつかの重要なバグを修正するためにリリースされたポイントリリースです。これには、コンパイラやランタイムの修正が含まれていました。ポイントリリースは、ユーザーが安定した環境でGoを使用し続けるために不可欠であり、重大な問題が迅速に解決されることを保証します。

このタグ付けの技術的な意味合いは以下の通りです。

  1. 公式なリリースポイントの確立: go1.1.1というタグが特定のコミットに付与されることで、そのコミットがGo 1.1.1の公式なソースコードであることを示します。
  2. 安定版の提供: ユーザーは、このタグを使用してGo 1.1.1のソースコードをチェックアウトし、安定したバージョンのGoツールチェインをビルドできます。
  3. リリース管理: Go開発チームは、このタグを通じてリリース履歴を管理し、過去の特定のバージョンの状態を正確に把握できます。
  4. releaseタグの更新: releaseタグもgo1.1.1と同じコミットハッシュに更新されています。これは、その時点での最新の安定版リリースがGo 1.1.1であることを示しています。

コアとなるコードの変更箇所

変更は.hgtagsファイルに対して行われています。

--- a/.hgtags
+++ b/.hgtags
@@ -117,4 +117,5 @@ dc5e410f0b4c32ab11dc992593a2bcf5f607381b weekly
 35da6063e57f8cefc82ba1ea542c4d9393ea9dfd go1.1rc2
 5a15f0dae37931da46f0356cf4cffe775a061c12 go1.1rc3
 e570c2daeaca10663d36d6dee7f8d1d76e8f7b92 go1.1
-e570c2daeaca10663d36d6dee7f8d1d76e8f7b92 release
+a7bd9a33067b3537351276e0178a045748ad046a go1.1.1
+a7bd9a33067b3537351276e0178a045748ad046a release

コアとなるコードの解説

この変更は、Goプロジェクトのバージョン管理における重要なマイルストーンを示しています。

  1. -e570c2daeaca10663d36d6dee7f8d1d76e8f7b92 release の行が削除されています。これは、以前のreleaseタグが指していたコミット(Go 1.1のコミットハッシュ)が、もはや最新の安定版ではないことを示しています。
  2. +a7bd9a33067b3537351276e0178a045748ad046a go1.1.1 の行が追加されています。これは、コミットハッシュ a7bd9a33067b3537351276e0178a045748ad046ago1.1.1 という新しいタグを関連付けています。このコミットハッシュは、Go 1.1.1に含まれるすべての修正が適用された時点のコードベースを指します。
  3. +a7bd9a33067b3537351276e0178a045748ad046a release の行が追加されています。これは、releaseタグが新しい go1.1.1 のコミットハッシュと同じものを指すように更新されたことを意味します。これにより、releaseタグを追跡しているユーザーは、自動的にGo 1.1.1のコードベースを取得できるようになります。

この変更は、Go 1.1.1が正式にリリースされ、それが当時の最新の安定版リリースであることを明確に示しています。

関連リンク

参考にした情報源リンク