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[インデックス 16835] ファイルの概要

このコミットは、Go言語の公式ドキュメントの一部である doc/articles/wiki/index.html ファイルに対する修正です。このファイルは、Go言語でシンプルなWikiアプリケーションを構築するチュートリアル「Writing Web Applications」の一部であり、特に loadPage 関数の説明におけるコンテンツエラーを修正することを目的としています。

コミット

  • コミットハッシュ: 01cc462bfcfe805ea86723b0c7553dfbe63a3464
  • Author: Andrew Gerrand adg@golang.org
  • Date: Mon Jul 22 12:22:14 2013 +1000

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/01cc462bfcfe805ea86723b0c7553dfbe63a3464

元コミット内容

doc: fix wiki content error

Fixes #5898.

R=golang-dev, r
CC=golang-dev
https://golang.org/cl/11556043

変更の背景

このコミットは、Go言語の公式Wikiチュートリアル「Writing Web Applications」内の説明文に存在した誤りを修正するために行われました。具体的には、loadPage 関数が何を返すかについての記述が、実際の関数の振る舞いやチュートリアルの文脈と完全に一致していなかったため、その記述をより正確なものに修正することが目的でした。

元の記述では、loadPage 関数が Page 構造体へのポインタと「エラー値として nil」を返すと説明されていました。しかし、チュートリアルの初期段階で提示される loadPage 関数の実装では、エラーを明示的に返すようなシグネチャになっておらず、成功時には nil エラーが暗黙的に返されるというよりは、単に Page 構造体へのポインタのみを返すかのように読める可能性がありました。この曖昧さや不正確さを解消し、読者がチュートリアルのコードをより正確に理解できるようにするために、記述が修正されました。

この修正は、Issue #5898 に対応するものです。

前提知識の解説

Go言語の関数と戻り値

Go言語の関数は複数の戻り値を返すことができます。一般的なパターンとして、処理結果とエラーの2つの値を返すことがあります。例えば、func someFunc() (resultType, error) のように定義されます。エラーが発生しなかった場合、error 型の戻り値には nil が返されます。

ポインタ

Go言語におけるポインタは、変数のメモリアドレスを指し示す値です。*Type のように記述され、Type 型の値が格納されているメモリアドレスを保持します。関数が大きな構造体を返す場合、値のコピーを避けるためにポインタを返すことがよくあります。

HTMLドキュメントとコードブロック

doc/articles/wiki/index.html はHTML形式のドキュメントであり、Go言語のチュートリアルコンテンツを含んでいます。このドキュメント内では、{{code ...}} のような特殊な構文を用いてGo言語のコードスニペットが埋め込まれており、これはドキュメント生成時に実際のコードファイルから内容が挿入される仕組みになっています。

Wikiアプリケーションのチュートリアル

このコミットが修正しているのは、Go言語の公式ドキュメントにある「Writing Web Applications」というチュートリアルです。このチュートリアルでは、Go言語を使って非常にシンプルなWikiアプリケーションを段階的に構築する方法を説明しています。loadPage 関数は、このWikiアプリケーションにおいて、ファイルシステムからWikiページの内容を読み込む役割を担う関数として紹介されています。

技術的詳細

このコミットの技術的な変更は、doc/articles/wiki/index.html 内の loadPage 関数に関する説明文の微調整です。

元の記述:

The function <code>loadPage</code> constructs the file name from
the title parameter, reads the file's contents into a new
variable <code>body</code>, and returns two values: a pointer to a
<code>Page</code> literal constructed with the proper title and body
values and <code>nil</code> for the error value.

修正後の記述:

The function <code>loadPage</code> constructs the file name from the title
parameter, reads the file's contents into a new variable <code>body</code>, and
returns a pointer to a <code>Page</code> literal constructed with the proper
title and body values.

変更のポイントは、「and nil for the error value.」という部分が削除されたことです。

この修正の背景には、チュートリアルの初期段階で提示される loadPage 関数のシグネチャが、エラーを明示的に返す (Page, error) の形式ではなく、単に (Page) の形式であったことが考えられます。チュートリアルは段階的に機能を拡張していくため、初期の loadPage はエラーハンドリングを簡略化している可能性があります。

もし loadPage(Page, error) のシグネチャを持ち、成功時に nil を返すのであれば、元の記述も技術的には正しいと言えます。しかし、チュートリアルの文脈において、まだエラーハンドリングが導入されていない段階で「nil エラーを返す」と明示的に記述すると、読者が混乱する可能性がありました。

この修正により、loadPage 関数が「Page 構造体へのポインタを返す」という主要な動作に焦点を当て、エラーハンドリングの概念がまだ導入されていない段階での説明をよりシンプルかつ正確にしています。これにより、読者はチュートリアルの進行に合わせて、より複雑な概念(エラーハンドリングなど)を段階的に学習できるようになります。

コアとなるコードの変更箇所

--- a/doc/articles/wiki/index.html
+++ b/doc/articles/wiki/index.html
@@ -128,11 +128,10 @@ In addition to saving pages, we will want to load pages, too:
 {{code "doc/articles/wiki/part1-noerror.go" `/^func loadPage/` `/^}/`}}\n \n <p>\n-The function <code>loadPage</code> constructs the file name from\n-the title parameter, reads the file\'s contents into a new\n-variable <code>body</code>, and returns two values: a pointer to a\n-<code>Page</code> literal constructed with the proper title and body\n-values and <code>nil</code> for the error value.\n+The function <code>loadPage</code> constructs the file name from the title\n+parameter, reads the file\'s contents into a new variable <code>body</code>, and\n+returns a pointer to a <code>Page</code> literal constructed with the proper\n+title and body values.\n </p>\n \n <p>\n```

## コアとなるコードの解説

上記のdiffは、`doc/articles/wiki/index.html` ファイル内のHTMLコンテンツの変更を示しています。

- `-` で始まる行は削除された行、`+` で始まる行は追加された行です。
- 変更されたのは、`loadPage` 関数に関する説明の段落です。

具体的には、以下のテキストが削除されました。
`and returns two values: a pointer to a Page literal constructed with the proper title and body values and nil for the error value.`

そして、以下のテキストが追加されました。
`and returns a pointer to a Page literal constructed with the proper title and body values.`

この変更により、`loadPage` 関数の戻り値に関する説明から「エラー値として `nil` を返す」という部分が削除されました。これにより、チュートリアルのその時点での `loadPage` 関数のコード(`part1-noerror.go` で示されるもの)と説明がより密接に一致するようになりました。チュートリアルの初期段階では、エラーハンドリングがまだ導入されていないため、この修正は読者の混乱を防ぎ、学習パスをよりスムーズにする効果があります。

## 関連リンク

- Go言語公式ドキュメント: [https://go.dev/doc/](https://go.dev/doc/)
- Writing Web Applications (Go Wiki Tutorial): [https://go.dev/doc/articles/wiki/](https://go.dev/doc/articles/wiki/) (このコミットが修正したドキュメントの最終版)

## 参考にした情報源リンク

- GitHub上のコミットページ: [https://github.com/golang/go/commit/01cc462bfcfe805ea86723b0c7553dfbe63a3464](https://github.com/golang/go/commit/01cc462bfcfe805ea86723b0c7553dfbe63a3464)
- Go Issue 5898: [https://go.dev/issue/5898](https://go.dev/issue/5898)
- Go Code Review 11556043: [https://go.dev/cl/11556043](https://go.dev/cl/11556043)
- Go Wiki Tutorial (Writing Web Applications): [https://go.dev/doc/articles/wiki/](https://go.dev/doc/articles/wiki/) (現在のチュートリアル内容を確認するために参照)
- Go Wiki Tutorial `part1-noerror.go` (実際のコードを確認するために参照): [https://go.dev/doc/articles/wiki/part1-noerror.go](https://go.dev/doc/articles/wiki/part1-noerror.go) (このファイルは、`loadPage` 関数がエラーを返さない初期バージョンを示しています。)