[インデックス 17023] ファイルの概要
このコミットは、Go言語の公式ドキュメントである doc/effective_go.html
から不要な単語を削除する修正です。具体的には、json.RawMessage
のカスタムJSON表現に関する説明文中の誤字を修正し、文章の正確性と可読性を向上させています。
コミット
commit 38a77ff03fb521eb086eaeb4082682b74a2fa44c
Author: Rob Pike <r@golang.org>
Date: Mon Aug 5 11:24:27 2013 +1000
doc/effective_go.html: remove spurious word
Fixes #6003.
R=golang-dev, bradfitz
CC=golang-dev
https://golang.org/cl/12387045
GitHub上でのコミットページへのリンク
https://github.com/golang/go/commit/38a77ff03fb521eb086eaeb4082682b74a2fa44c
元コミット内容
doc/effective_go.html: remove spurious word
このコミットは、doc/effective_go.html
ファイルから「spurious word」(不要な単語)を削除することを目的としています。具体的には、json.RawMessage
のカスタムJSON表現に関する説明文中の「custom its JSON representation」というフレーズから「its」という単語を削除し、「custom JSON representation」に修正しています。これにより、文章がより自然で正確になります。
変更の背景
この変更は、Go言語のIssue 6003 (Fixes #6003
) に対応するものです。Issue 6003は、effective_go.html
ドキュメント内の特定の箇所に誤字があることを指摘していました。この誤字は、json.RawMessage
がカスタムJSON表現を必要とする場合に json.Marshaler
インターフェースを実装すべきであるという説明文中に存在していました。
ドキュメントの正確性は、Go言語の学習者や開発者にとって非常に重要です。特に Effective Go
は、Go言語のイディオムやベストプラクティスを学ぶための主要なリソースであるため、その内容の正確性は極めて重視されます。この小さな修正は、ドキュメントの品質を維持し、読者が誤解なく情報を理解できるようにするために行われました。
前提知識の解説
Effective Go
Effective Go
は、Go言語の公式ドキュメントの一部であり、Go言語を効果的に記述するためのヒントやイディオム、ベストプラクティスをまとめたものです。Go言語の設計思想や、Goらしいコードの書き方を学ぶ上で非常に重要なリソースとなっています。このドキュメントは、Go言語の初心者から経験者まで、幅広い開発者にとって価値のある情報を提供しています。
Go言語のインターフェース
Go言語のインターフェースは、メソッドのシグネチャの集合を定義する型です。Goのインターフェースは、他の多くのオブジェクト指向言語とは異なり、明示的な implements
キーワードを必要としません。ある型がインターフェースのすべてのメソッドを実装していれば、その型はそのインターフェースを満たしているとみなされます(構造的型付け)。
このインターフェースの仕組みは、Go言語の柔軟性と拡張性の基盤となっています。例えば、異なる具体的な型が同じインターフェースを満たすことで、それらの型を統一的に扱うことができます。
encoding/json
パッケージ
encoding/json
パッケージは、Goのデータ構造とJSONデータの間でエンコード(マーシャリング)およびデコード(アンマーシャリング)を行うための機能を提供します。Goの構造体をJSONに変換したり、JSONデータをGoの構造体にパースしたりする際に使用されます。
json.Marshaler
インターフェース
json.Marshaler
は encoding/json
パッケージで定義されているインターフェースです。このインターフェースは、MarshalJSON() ([]byte, error)
という単一のメソッドを定義しています。
type Marshaler interface {
MarshalJSON() ([]byte, error)
}
Goの型が json.Marshaler
インターフェースを実装している場合、json.Marshal
関数はその型のデフォルトのJSONエンコーディングロジックではなく、MarshalJSON
メソッドを呼び出してJSON表現を生成します。これにより、開発者は特定の型のJSON表現をカスタマイズすることができます。
json.RawMessage
型
json.RawMessage
は encoding/json
パッケージで提供される型です。これは []byte
のエイリアスであり、JSONの生データを保持するために使用されます。json.RawMessage
は、JSONデータをパースする際に、特定のフィールドのJSON表現をそのままバイトスライスとして保持したい場合に便利です。例えば、JSONの一部を後で処理したい場合や、その部分の構造が事前に不明な場合に利用されます。
json.RawMessage
は、デフォルトではJSON文字列としてエンコードされますが、カスタムのJSON表現が必要な場合は json.Marshaler
インターフェースを実装することで、その挙動を上書きできます。
技術的詳細
このコミットの技術的詳細は、Go言語のドキュメントの正確性、特に Effective Go
の品質維持にあります。修正された行は、json.RawMessage
がカスタムJSON表現を必要とする場合に json.Marshaler
インターフェースを実装すべきであるというGoのイディオムを説明しています。
元の文章:
a custom its JSON representation, it should implement
修正後の文章:
a custom JSON representation, it should implement
「its」という単語は、この文脈では冗長であり、文法的に不自然でした。json.RawMessage
が「自身の」カスタムJSON表現を持つというよりも、「カスタムのJSON表現」を持つという方が自然な表現です。この修正は、単なる誤字訂正以上の意味を持ち、Go言語のドキュメントが提供する情報の正確性と明瞭性を高めることに貢献しています。
Go言語では、インターフェースを介して振る舞いをカスタマイズするパターンが頻繁に用いられます。json.Marshaler
はその典型的な例であり、開発者がGoの型をJSONにエンコードする際の挙動を細かく制御できるようにします。このドキュメントの修正は、この重要な概念を正確に伝えるためのものです。
また、この修正は、Go言語のコミュニティがドキュメントの品質にも高い意識を持っていることを示しています。小さな誤字であっても、それが読者の理解を妨げる可能性があると判断されれば、積極的に修正が行われます。
コアとなるコードの変更箇所
--- a/doc/effective_go.html
+++ b/doc/effective_go.html
@@ -2560,7 +2560,7 @@ One place this situation arises is when it is necessary to guarantee within the
it actually satisfies the interface.
If a type—for example,
<code><a href="/pkg/encoding/json/#RawMessage">json.RawMessage</a></code>—needs
-a custom its JSON representation, it should implement
+a custom JSON representation, it should implement
<code>json.Marshaler</code>, but there are no static conversions that would
cause the compiler to verify this automatically.
If the type inadvertently fails to satisfy the interface, the JSON encoder will still work,
コアとなるコードの解説
このコミットにおけるコアとなるコードの変更は、doc/effective_go.html
ファイル内の1行の修正です。
具体的には、以下の行が変更されました。
-
変更前:
a custom its JSON representation, it should implement
-
変更後:
a custom JSON representation, it should implement
この修正は、json.RawMessage
型がカスタムのJSON表現を必要とする場合に json.Marshaler
インターフェースを実装すべきであるという説明文中の「its」という単語を削除しています。
「its」という単語は、この文脈では冗長であり、文法的に不自然でした。json.RawMessage
が「自身の」カスタムJSON表現を持つというよりも、「カスタムのJSON表現」を持つという方が自然な表現です。この修正により、文章の可読性が向上し、Go言語のインターフェースとJSONマーシャリングに関する説明がより正確になりました。
この変更は、Go言語のドキュメントの品質を維持し、読者がGoのイディオムやベストプラクティスを正確に理解できるようにするための、小さなしかし重要な改善です。
関連リンク
- Go言語の公式ドキュメント: https://go.dev/doc/
- Effective Go: https://go.dev/doc/effective_go
encoding/json
パッケージのドキュメント: https://pkg.go.dev/encoding/json- Go言語のIssue 6003: https://github.com/golang/go/issues/6003
参考にした情報源リンク
- GitHubのコミットページ: https://github.com/golang/go/commit/38a77ff03fb521eb086eaeb4082682b74a2fa44c
- Go言語のIssue 6003: https://github.com/golang/go/issues/6003
- Go言語の公式ドキュメント (Effective Go, encoding/jsonパッケージ): https://go.dev/doc/
- Go言語のインターフェースに関する一般的な情報 (Go公式ブログ、Go by Exampleなど)