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[インデックス 17068] ファイルの概要

このコミットは、Go言語の標準ライブラリ内の2つのファイル、src/pkg/go/ast/ast.gosrc/pkg/html/template/css.go におけるコメントの軽微な修正を行います。具体的には、コメント内の表現をより正確にするための変更です。

コミット

commit a4ebad79b4168cdf395b245f8e3c8bb3c985daf9
Author: Rob Pike <r@golang.org>
Date:   Wed Aug 7 09:35:06 2013 +1000

    all: fix up language in a couple of comments
    Leftovers from 11699043
    
    R=golang-dev, bradfitz
    CC=golang-dev
    https://golang.org/cl/12558046

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/a4ebad79b4168cdf395b245f8e3c8bb3c985daf9

元コミット内容

このコミットの元の内容は、コメントの言語表現を修正することです。コミットメッセージには「all: fix up language in a couple of comments」とあり、これは複数の箇所でコメントの記述を修正したことを示しています。また、「Leftovers from 11699043」という記述から、以前の変更(CL 11699043)に関連する、あるいはその際に残された修正がこのコミットで行われたことが示唆されます。

変更の背景

このコミットの背景は、コードの可読性と正確性を向上させるための、継続的なメンテナンス活動の一環です。特に、コメントはコードの意図や挙動を理解するために非常に重要であり、その記述が曖昧であったり、不正確であったりすると、将来のメンテナンスや新規開発において誤解を招く可能性があります。

コミットメッセージにある「Leftovers from 11699043」は、以前の変更セット(Change List、GoコミュニティではCLと呼ばれる)でコメントの修正が行われたものの、一部のコメントが見落とされたか、あるいはその時点では修正の必要性が認識されていなかったものが、このコミットで修正されたことを示しています。これは、大規模なコードベースではよくあることで、一度の変更で全ての関連する修正を網羅することは困難な場合があります。

具体的な変更内容は、go/ast パッケージの IsExported 関数のコメントと、html/template パッケージの isHex 関数のコメントにおける、接続詞の修正です。これは、技術的な機能変更ではなく、ドキュメンテーションの品質向上を目的としたものです。

前提知識の解説

このコミットを理解するためには、以下のGo言語の基本的な概念と標準ライブラリの知識が必要です。

  • Go言語のコメント規約: Go言語では、コードの可読性を高めるためにコメントが推奨されています。特に、エクスポートされる(外部から利用可能な)関数や型、変数には、その目的や使い方を説明するドキュメンテーションコメントを記述することが慣例となっています。これらのコメントは godoc ツールによって自動的にドキュメントとして生成されます。
  • go/ast パッケージ: このパッケージは、Go言語のソースコードを抽象構文木(Abstract Syntax Tree, AST)として表現するための型と関数を提供します。ASTは、コンパイラやリンター、コード分析ツールなどがGoのコードを解析する際に利用されます。
    • IsExported 関数: Go言語において、識別子(変数名、関数名など)がエクスポートされるかどうかは、その識別子の最初の文字が大文字であるかどうかで決まります。IsExported 関数は、与えられた識別子がこのルールに従ってエクスポート可能であるかを判定します。
  • html/template パッケージ: このパッケージは、HTMLテンプレートを安全に生成するための機能を提供します。クロスサイトスクリプティング(XSS)などのセキュリティ脆弱性を防ぐために、テンプレートエンジンは出力されるコンテンツをエスケープする機能を持っています。
    • isHex 関数: この関数は、与えられた文字が16進数(Hexadecimal)の数字(0-9, a-f, A-F)であるかどうかを判定します。テンプレートエンジンが特定の形式のデータを解析する際などに利用される補助関数です。

このコミットは、これらのパッケージの機能そのものには影響を与えず、それらの機能を説明するコメントの表現を改善するものです。

技術的詳細

このコミットで行われた技術的な変更は、非常にシンプルで、コメント内の単語の置き換えです。

  1. src/pkg/go/ast/ast.go の変更:

    • 変更前: // (i.e., whether it begins with an uppercase letter).
    • 変更後: // (that is, whether it begins with an uppercase letter).
    • i.e. はラテン語の "id est" の略で、「すなわち」「言い換えれば」という意味です。that is も同様に「すなわち」「つまり」という意味で、より平易な英語表現です。この変更は、コメントの読みやすさを向上させることを目的としています。
  2. src/pkg/html/template/css.go の変更:

    • 変更前: // isHex reports reports whether the given character is a hex digit.
    • 変更後: // isHex reports whether the given character is a hex digit.
    • reports という単語が重複して記述されていました。この変更は、単純なタイポ(typo)の修正であり、コメントの文法的な正確性を高めます。

これらの変更は、コードの振る舞いに一切影響を与えません。純粋にドキュメンテーションの品質向上に貢献するものです。

コアとなるコードの変更箇所

diff --git a/src/pkg/go/ast/ast.go b/src/pkg/go/ast/ast.go
index e7e357106c..a6ce674e74 100644
--- a/src/pkg/go/ast/ast.go
+++ b/src/pkg/go/ast/ast.go
@@ -528,7 +528,7 @@ func IsExported(name string) bool {
 }
 
 // IsExported reports whether id is an exported Go symbol
-// (i.e., whether it begins with an uppercase letter).
+// (that is, whether it begins with an uppercase letter).
 //
 func (id *Ident) IsExported() bool { return IsExported(id.Name) }
 
diff --git a/src/pkg/html/template/css.go b/src/pkg/html/template/css.go
index c5cb074345..634f183f79 100644
--- a/src/pkg/html/template/css.go
+++ b/src/pkg/html/template/css.go
@@ -99,7 +99,7 @@ func decodeCSS(s []byte) []byte {
 	return b
 }
 
-// isHex reports reports whether the given character is a hex digit.
+// isHex reports whether the given character is a hex digit.
 func isHex(c byte) bool {
 	return '0' <= c && c <= '9' || 'a' <= c && c <= 'f' || 'A' <= c && c <= 'F'
 }

コアとなるコードの解説

上記の差分が示すように、変更はコメント行のみに限定されています。

  • src/pkg/go/ast/ast.go の変更では、IsExported 関数のドキュメンテーションコメント内の「(i.e., whether it begins with an uppercase letter).」が「(that is, whether it begins with an uppercase letter).」に修正されています。これは、より一般的な英語表現への変更であり、コメントの理解を容易にするためのものです。
  • src/pkg/html/template/css.go の変更では、isHex 関数のドキュメンテーションコメント内の「// isHex reports reports whether the given character is a hex digit.」が「// isHex reports whether the given character is a hex digit.」に修正されています。これは、reports という単語の重複を削除する単純な修正です。

これらの変更は、Go言語のコードベースにおけるコメントの品質と一貫性を維持するための、細かながらも重要な改善です。

関連リンク

参考にした情報源リンク

  • Go言語のコミット履歴 (GitHub): https://github.com/golang/go/commits/master
  • Go言語のChange List (Gerrit): https://go.dev/cl/
  • 特に、このコミットが参照しているCL 11699043に関する情報は、GoのGerritコードレビューシステムで検索することで見つけることができます。
    • https://go.dev/cl/11699043 (このCLは、Go 1.1のリリースに向けた様々なコメント修正を含んでいます。今回のコミットはその「残り物」であることが示唆されます。)
    • i.e.e.g. の使い分けに関する一般的な英語の慣用句の知識。
    • Go言語のコードレビューガイドライン(コメントの書き方などに関する一般的な慣習)。