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[インデックス 17259] ファイルの概要

このコミットは、Go言語の公式仕様書 doc/go_spec.html における構造体タグ (struct tags) と型同一性 (type identity) に関する記述の曖昧さを解消することを目的としています。具体的には、構造体タグが型同一性の一部であるという点を明確にし、以前の矛盾した記述を修正しています。

コミット

commit 15e6ce23519cd57d5177a31e1fe533d210126630
Author: Rob Pike <r@golang.org>
Date:   Thu Aug 15 13:15:55 2013 +1000

    go_spec.html: clarify that tags are part of struct type identity
    One sentence says they're ignored, another says they take part.
    Fix the first.
    
    R=golang-dev, rsc
    CC=golang-dev
    https://golang.org/cl/12741046

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/15e6ce23519cd57d5177a31e1fe533d210126630

元コミット内容

go_spec.html: clarify that tags are part of struct type identity One sentence says they're ignored, another says they take part. Fix the first.

このコミットは、Go言語の仕様書 go_spec.html において、構造体タグが構造体の型同一性の一部であることを明確にするものです。以前の記述では、ある箇所でタグが無視されると述べ、別の箇所でタグが型同一性に関与すると述べており、この矛盾を修正しています。

変更の背景

Go言語の仕様書 doc/go_spec.html には、構造体タグの扱いに関して矛盾した記述が存在していました。具体的には、構造体タグが「その他は無視される」と述べられている一方で、型同一性のセクションではタグが型同一性の一部であるかのように解釈できる記述がありました。この曖昧さは、Go言語の型システムを正確に理解しようとする開発者にとって混乱の原因となる可能性がありました。

このコミットの目的は、この矛盾を解消し、Go言語の型同一性に関する仕様を明確にすることです。特に、reflect パッケージを通じてアクセス可能な構造体タグが、単なるメタデータとして扱われるだけでなく、構造体の型そのものの識別において重要な役割を果たすことを明確にする必要がありました。これにより、コンパイラの実装者や、リフレクションを深く利用する開発者が、Goの型システムをより正確に理解し、利用できるようになります。

前提知識の解説

Go言語の構造体 (Structs)

Go言語の構造体は、異なる型のフィールド(プロパティ)をまとめるための複合データ型です。C言語の struct やJava/Pythonのクラスのインスタンス変数に似ています。

type Person struct {
    Name string
    Age  int
}

構造体タグ (Struct Tags)

構造体タグは、構造体のフィールド宣言に付加されるオプションの文字列リテラルです。これらはGoのコンパイラによって直接使用されることはありませんが、reflect パッケージを通じて実行時にアクセスできます。構造体タグは、主に以下のような目的で利用されます。

  • JSON/XMLエンコーディング/デコーディング: json:"name" のように指定することで、構造体のフィールド名と異なるキー名でJSONにマッピングできます。
  • ORM (Object-Relational Mapping): データベースのカラム名や制約を指定するために使用されます。
  • バリデーション: フィールドの入力値に対するバリデーションルールを定義するために使用されます。

例:

type User struct {
    ID   int    `json:"id" db:"user_id"`
    Name string `json:"name" validate:"required"`
}

型同一性 (Type Identity)

Go言語における型同一性とは、2つの型が同じであると見なされる条件を指します。Goの仕様では、型同一性について厳密なルールが定められています。

  • 定義済み型: int, string, bool などの定義済み型は、常にそれ自身と同一です。
  • 型宣言: type MyInt int のように新しい型を宣言した場合、MyIntint とは異なる新しい型と見なされます。
  • 複合型: 配列、スライス、マップ、チャネル、関数、インターフェース、構造体などの複合型は、その構成要素の型と構造が同じである場合に同一と見なされます。

構造体の型同一性に関しては、そのフィールドの型、順序、およびフィールドタグがすべて一致する場合にのみ、2つの構造体型が同一であると見なされます。このコミットは、この「フィールドタグ」が型同一性の一部であるという点を明確にしています。

reflect パッケージ

reflect パッケージは、Goプログラムが実行時に自身の構造を検査(リフレクション)するための機能を提供します。これにより、変数の型、値、構造体のフィールド、メソッドなどを動的に調べたり、操作したりすることができます。構造体タグは、reflect.TypeOf(myStruct).Field(i).Tag のようにしてアクセスされます。

技術的詳細

このコミットの技術的な核心は、Go言語の型システムにおける「構造体タグの役割」の明確化にあります。Goの型同一性のルールは、コンパイラが型チェックを行い、プログラムの安全性を保証する上で非常に重要です。

以前の仕様書では、構造体タグについて以下の2つの矛盾する記述がありました。

  1. 「タグは reflection interface を通じて可視化されるが、その他は無視される。」
  2. 型同一性のセクションでは、構造体の型同一性を判断する際に、フィールドの型と順序に加えて、フィールドタグも考慮されることを示唆する記述がありました。

この矛盾は、特にGoのコンパイラやツールチェインを開発する人々、あるいはGoの型システムを深く理解しようとする人々にとって問題でした。もしタグが完全に無視されるのであれば、異なるタグを持つ同じフィールド構成の2つの構造体は同一の型と見なされるべきです。しかし、もしタグが型同一性の一部であるならば、それらは異なる型と見なされるべきです。

このコミットは、後者の解釈、すなわち「構造体タグは構造体の型同一性の一部である」という立場を明確にしています。これは、Goの型システムが、単にフィールドの型と順序だけでなく、フィールドに付加されたメタデータ(タグ)も型の識別情報として利用するということを意味します。

この変更は、Goのコンパイラが構造体の型を比較する際の内部ロジックに影響を与えます。例えば、2つの構造体型 S1S2 があった場合、それらが型同一であると判断されるためには、フィールドの型と順序が一致するだけでなく、対応するフィールドのタグも完全に一致する必要があります。タグが一つでも異なれば、それらの構造体型は異なるものと見なされます。

この明確化は、Goの reflect パッケージの動作とも整合性が取れています。reflect パッケージは実行時に構造体タグにアクセスできるため、タグが型の一部であると定義することで、リフレクションを通じて得られる型情報と、コンパイル時に決定される型情報との間に一貫性が生まれます。

コアとなるコードの変更箇所

変更は doc/go_spec.html ファイルに対して行われています。

--- a/doc/go_spec.html
+++ b/doc/go_spec.html
@@ -1,6 +1,6 @@
 <!--{
 	"Title": "The Go Programming Language Specification",
-	"Subtitle": "Version of July 31, 2013",
+	"Subtitle": "Version of Aug 15, 2013",
 	"Path": "/ref/spec"
 }-->
 
@@ -1017,6 +1017,7 @@ A field declaration may be followed by an optional string literal <i>tag</i>,
 which becomes an attribute for all the fields in the corresponding
 field declaration. The tags are made
 visible through a <a href="/pkg/reflect/#StructTag">reflection interface</a>
+and take part in <a href="Type_identity">type identity</a> for structs
 but are otherwise ignored.
 </p>
 
@@ -2692,7 +2693,7 @@ and the result of the slice operation is a slice with the same element type as t
 <p>
 If the sliced operand of a valid slice expression is a <code>nil</code> slice, the result
 is a <code>nil</code> slice.
-<p>
+</p>
 
 <h3 id="Type_assertions">Type assertions</h3>
 

主な変更点は以下の2点です。

  1. 仕様書のバージョン日付の更新: - "Subtitle": "Version of July 31, 2013", + "Subtitle": "Version of Aug 15, 2013", これは、仕様書が更新された日付を反映するための一般的な変更です。

  2. 構造体タグに関する記述の修正: - but are otherwise ignored. + and take part in <a href="Type_identity">type identity</a> for structs + but are otherwise ignored. この部分がこのコミットの核心です。以前は「その他は無視される」とだけ書かれていた箇所に、「そして構造体の型同一性に関与する」という文言が追加されました。これにより、構造体タグが型同一性の一部であるという点が明確にされました。

  3. HTMLタグの修正: - <p> + </p> これは、HTMLの段落タグの閉じ忘れを修正するものです。直接的な意味の変更はありませんが、HTMLの構文的な正確性を保つための修正です。

コアとなるコードの解説

このコミットのコアとなる変更は、Go言語の仕様書 doc/go_spec.html の以下の行に集約されます。

<p>
A field declaration may be followed by an optional string literal <i>tag</i>,
which becomes an attribute for all the fields in the corresponding
field declaration. The tags are made
visible through a <a href="/pkg/reflect/#StructTag">reflection interface</a>
and take part in <a href="Type_identity">type identity</a> for structs
but are otherwise ignored.
</p>

この修正により、構造体タグの役割に関するGo言語の公式な見解が明確になりました。

  • visible through a <a href="/pkg/reflect/#StructTag">reflection interface</a>: この部分は、構造体タグが reflect パッケージを通じて実行時にアクセス可能であることを示しています。これは以前から変わっていません。
  • and take part in <a href="Type_identity">type identity</a> for structs: この追加された文言が最も重要です。 これにより、構造体タグが構造体の型同一性を決定する際の要素の一つであることが明示されました。つまり、2つの構造体型が同一であると見なされるためには、フィールドの型、順序に加えて、フィールドに付加されたタグも完全に一致している必要があるということです。
  • but are otherwise ignored.: この部分は残されていますが、その意味合いは「型同一性に関与し、リフレクションを通じて可視であること以外は、コンパイラによって直接的な意味論的な影響を与えない」というニュアンスに変わります。つまり、タグ自体がプログラムの実行ロジックに直接影響を与えるわけではないが、型の識別には影響するということを示しています。

この変更は、Go言語の型システムにおける構造体タグのセマンティクスを厳密に定義し、Goコンパイラの実装や、Goの型システムに依存するツール(例:コード生成ツール、リンター)の開発において、より正確な挙動を保証するための基盤となります。

関連リンク

参考にした情報源リンク

  • Go Programming Language Specification (旧バージョン): このコミットが修正した当時の仕様書の内容を理解するために参照しました。
  • Go reflect パッケージのドキュメント: 構造体タグがどのようにリフレクションを通じてアクセスされるかを理解するために参照しました。
  • Go言語の型同一性に関する一般的な情報源 (Goの公式ドキュメント、ブログ記事など): 型同一性の概念を深く理解するために参照しました。
  • GitHubのコミットページ: コミットメッセージ、変更されたファイル、差分を確認するために参照しました。

[インデックス 17259] ファイルの概要

このコミットは、Go言語の公式仕様書 doc/go_spec.html における構造体タグ (struct tags) と型同一性 (type identity) に関する記述の曖昧さを解消することを目的としています。具体的には、構造体タグが型同一性の一部であるという点を明確にし、以前の矛盾した記述を修正しています。

コミット

commit 15e6ce23519cd57d5177a31e1fe533d210126630
Author: Rob Pike <r@golang.org>
Date:   Thu Aug 15 13:15:55 2013 +1000

    go_spec.html: clarify that tags are part of struct type identity
    One sentence says they're ignored, another says they take part.
    Fix the first.
    
    R=golang-dev, rsc
    CC=golang-dev
    https://golang.org/cl/12741046

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/15e6ce23519cd57d5177a31e1fe533d210126630

元コミット内容

go_spec.html: clarify that tags are part of struct type identity One sentence says they're ignored, another says they take part. Fix the first.

このコミットは、Go言語の仕様書 go_spec.html において、構造体タグが構造体の型同一性の一部であることを明確にするものです。以前の記述では、ある箇所でタグが無視されると述べ、別の箇所でタグが型同一性に関与すると述べており、この矛盾を修正しています。

変更の背景

Go言語の仕様書 doc/go_spec.html には、構造体タグの扱いに関して矛盾した記述が存在していました。具体的には、構造体タグが「その他は無視される」と述べられている一方で、型同一性のセクションではタグが型同一性の一部であるかのように解釈できる記述がありました。この曖昧さは、Go言語の型システムを正確に理解しようとする開発者にとって混乱の原因となる可能性がありました。

このコミットの目的は、この矛盾を解消し、Go言語の型同一性に関する仕様を明確にすることです。特に、reflect パッケージを通じてアクセス可能な構造体タグが、単なるメタデータとして扱われるだけでなく、構造体の型そのものの識別において重要な役割を果たすことを明確にする必要がありました。これにより、コンパイラの実装者や、リフレクションを深く利用する開発者が、Goの型システムをより正確に理解し、利用できるようになります。

前提知識の解説

Go言語の構造体 (Structs)

Go言語の構造体は、異なる型のフィールド(プロパティ)をまとめるための複合データ型です。C言語の struct やJava/Pythonのクラスのインスタンス変数に似ています。

type Person struct {
    Name string
    Age  int
}

構造体タグ (Struct Tags)

構造体タグは、構造体のフィールド宣言に付加されるオプションの文字列リテラルです。これらはGoのコンパイラによって直接使用されることはありませんが、reflect パッケージを通じて実行時にアクセスできます。構造体タグは、主に以下のような目的で利用されます。

  • JSON/XMLエンコーディング/デコーディング: json:"name" のように指定することで、構造体のフィールド名と異なるキー名でJSONにマッピングできます。
  • ORM (Object-Relational Mapping): データベースのカラム名や制約を指定するために使用されます。
  • バリデーション: フィールドの入力値に対するバリデーションルールを定義するために使用されます。

例:

type User struct {
    ID   int    `json:"id" db:"user_id"`
    Name string `json:"name" validate:"required"`
}

型同一性 (Type Identity)

Go言語における型同一性とは、2つの型が同じであると見なされる条件を指します。Goの仕様では、型同一性について厳密なルールが定められています。

  • 定義済み型: int, string, bool などの定義済み型は、常にそれ自身と同一です。
  • 型宣言: type MyInt int のように新しい型を宣言した場合、MyIntint とは異なる新しい型と見なされます。
  • 複合型: 配列、スライス、マップ、チャネル、関数、インターフェース、構造体などの複合型は、その構成要素の型と構造が同じである場合に同一と見なされます。

構造体の型同一性に関しては、そのフィールドの型、順序、およびフィールドタグがすべて一致する場合にのみ、2つの構造体型が同一であると見なされます。このコミットは、この「フィールドタグ」が型同一性の一部であるという点を明確にしています。

reflect パッケージ

reflect パッケージは、Goプログラムが実行時に自身の構造を検査(リフレクション)するための機能を提供します。これにより、変数の型、値、構造体のフィールド、メソッドなどを動的に調べたり、操作したりすることができます。構造体タグは、reflect.TypeOf(myStruct).Field(i).Tag のようにしてアクセスされます。

技術的詳細

このコミットの技術的な核心は、Go言語の型システムにおける「構造体タグの役割」の明確化にあります。Goの型同一性のルールは、コンパイラが型チェックを行い、プログラムの安全性を保証する上で非常に重要です。

以前の仕様書では、構造体タグについて以下の2つの矛盾する記述がありました。

  1. 「タグは reflection interface を通じて可視化されるが、その他は無視される。」
  2. 型同一性のセクションでは、構造体の型同一性を判断する際に、フィールドの型と順序に加えて、フィールドタグも考慮されることを示唆する記述がありました。

この矛盾は、特にGoのコンパイラやツールチェインを開発する人々、あるいはGoの型システムを深く理解しようとする人々にとって問題でした。もしタグが完全に無視されるのであれば、異なるタグを持つ同じフィールド構成の2つの構造体は同一の型と見なされるべきです。しかし、もしタグが型同一性の一部であるならば、それらは異なる型と見なされるべきです。

このコミットは、後者の解釈、すなわち「構造体タグは構造体の型同一性の一部である」という立場を明確にしています。これは、Goの型システムが、単にフィールドの型と順序だけでなく、フィールドに付加されたメタデータ(タグ)も型の識別情報として利用するということを意味します。

この変更は、Goのコンパイラが構造体の型を比較する際の内部ロジックに影響を与えます。例えば、2つの構造体型 S1S2 があった場合、それらが型同一であると判断されるためには、フィールドの型と順序が一致するだけでなく、対応するフィールドのタグも完全に一致する必要があります。タグが一つでも異なれば、それらの構造体型は異なるものと見なされます。

この明確化は、Goの reflect パッケージの動作とも整合性が取れています。reflect パッケージは実行時に構造体タグにアクセスできるため、タグが型の一部であると定義することで、リフレクションを通じて得られる型情報と、コンパイル時に決定される型情報との間に一貫性が生まれます。

コアとなるコードの変更箇所

変更は doc/go_spec.html ファイルに対して行われています。

--- a/doc/go_spec.html
+++ b/doc/go_spec.html
@@ -1,6 +1,6 @@
 <!--{
 	"Title": "The Go Programming Language Specification",
-	"Subtitle": "Version of July 31, 2013",
+	"Subtitle": "Version of Aug 15, 2013",
 	"Path": "/ref/spec"
 }-->
 
@@ -1017,6 +1017,7 @@ A field declaration may be followed by an optional string literal <i>tag</i>,
 which becomes an attribute for all the fields in the corresponding
 field declaration. The tags are made
 visible through a <a href="/pkg/reflect/#StructTag">reflection interface</a>
+and take part in <a href="Type_identity">type identity</a> for structs
 but are otherwise ignored.
 </p>
 
@@ -2692,7 +2693,7 @@ and the result of the slice operation is a slice with the same element type as t
 <p>
 If the sliced operand of a valid slice expression is a <code>nil</code> slice, the result
 is a <code>nil</code> slice.
-<p>
+</p>
 
 <h3 id="Type_assertions">Type assertions</h3>
 

主な変更点は以下の2点です。

  1. 仕様書のバージョン日付の更新: - "Subtitle": "Version of July 31, 2013", + "Subtitle": "Version of Aug 15, 2013", これは、仕様書が更新された日付を反映するための一般的な変更です。

  2. 構造体タグに関する記述の修正: - but are otherwise ignored. + and take part in <a href="Type_identity">type identity</a> for structs + but are otherwise ignored. この部分がこのコミットの核心です。以前は「その他は無視される」とだけ書かれていた箇所に、「そして構造体の型同一性に関与する」という文言が追加されました。これにより、構造体タグが型同一性の一部であるという点が明確にされました。

  3. HTMLタグの修正: - <p> + </p> これは、HTMLの段落タグの閉じ忘れを修正するものです。直接的な意味の変更はありませんが、HTMLの構文的な正確性を保つための修正です。

コアとなるコードの解説

このコミットのコアとなる変更は、Go言語の仕様書 doc/go_spec.html の以下の行に集約されます。

<p>
A field declaration may be followed by an optional string literal <i>tag</i>,
which becomes an attribute for all the fields in the corresponding
field declaration. The tags are made
visible through a <a href="/pkg/reflect/#StructTag">reflection interface</a>
and take part in <a href="Type_identity">type identity</a> for structs
but are otherwise ignored.
</p>

この修正により、構造体タグの役割に関するGo言語の公式な見解が明確になりました。

  • visible through a <a href="/pkg/reflect/#StructTag">reflection interface</a>: この部分は、構造体タグが reflect パッケージを通じて実行時にアクセス可能であることを示しています。これは以前から変わっていません。
  • and take part in <a href="Type_identity">type identity</a> for structs: この追加された文言が最も重要です。 これにより、構造体タグが構造体の型同一性を決定する際の要素の一つであることが明示されました。つまり、2つの構造体型が同一であると見なされるためには、フィールドの型、順序に加えて、フィールドに付加されたタグも完全に一致している必要があるということです。
  • but are otherwise ignored.: この部分は残されていますが、その意味合いは「型同一性に関与し、リフレクションを通じて可視であること以外は、コンパイラによって直接的な意味論的な影響を与えない」というニュアンスに変わります。つまり、タグ自体がプログラムの実行ロジックに直接影響を与えるわけではないが、型の識別には影響するということを示しています。

この変更は、Go言語の型システムにおける構造体タグのセマンティクスを厳密に定義し、Goコンパイラの実装や、Goの型システムに依存するツール(例:コード生成ツール、リンター)の開発において、より正確な挙動を保証するための基盤となります。

関連リンク

参考にした情報源リンク

  • Go Programming Language Specification (旧バージョン): このコミットが修正した当時の仕様書の内容を理解するために参照しました。
  • Go reflect パッケージのドキュメント: 構造体タグがどのようにリフレクションを通じてアクセスされるかを理解するために参照しました。
  • Go言語の型同一性に関する一般的な情報源 (Goの公式ドキュメント、ブログ記事など): 型同一性の概念を深く理解するために参照しました。
  • GitHubのコミットページ: コミットメッセージ、変更されたファイル、差分を確認するために参照しました。