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[インデックス 17281] ファイルの概要

このコミットは、Go言語の標準ライブラリである image パッケージのデコード例 (decode_example_test.go) を、Go Playgroundで実行可能にするための変更です。具体的には、外部ファイルから画像を読み込む代わりに、画像をBase64エンコードされた文字列としてコード内に直接埋め込むことで、ファイルシステムへのアクセスが制限されている環境でも例が動作するようにしています。

コミット

commit 205329aaf2ec9aff13c4052f6dfa552e65760ea9
Author: Dimitri Tcaciuc <dtcaciuc@gmail.com>
Date:   Fri Aug 16 11:43:43 2013 +1000

        image: Inline example image data to make it runnable on playground.
    
    Use more compressed image to reduce source clutter.
    
    Fixes #5983.
    
    R=nigeltao, adg
    CC=golang-dev
    https://golang.org/cl/12513044

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/205329aaf2ec9aff13c4052f6dfa552e65760ea9

元コミット内容

このコミットの元の内容は以下の通りです。

image: Inline example image data to make it runnable on playground.

Use more compressed image to reduce source clutter.

Fixes #5983.

R=nigeltao, adg
CC=golang-dev
https://golang.org/cl/12513044

変更の背景

この変更の主な背景は、Go Playgroundでのコード例の実行可能性を向上させることです。Go Playgroundは、Go言語のコードをブラウザ上で簡単に試せる便利なツールですが、セキュリティ上の理由からファイルシステムへのアクセスが制限されています。

src/pkg/image/decode_example_test.go に含まれる Example() 関数は、元々 testdata/video-001.jpeg というローカルファイルから画像を読み込んでいました。このため、Go Playgroundのようなファイルシステムにアクセスできない環境では、この例を実行してもエラーが発生し、期待される出力を確認することができませんでした。

コミットメッセージにある Fixes #5983 は、この問題に対応するためのものです。Issue 5983は、Go Playgroundで image パッケージの例が動作しないという報告であり、このコミットはその問題を解決するために作成されました。

また、「Use more compressed image to reduce source clutter.」という記述から、埋め込む画像データがソースコードの可読性を損なわないよう、より圧縮された（データサイズの小さい）画像が選ばれたことが伺えます。これにより、コードの肥大化を防ぎつつ、必要な機能を提供しています。

前提知識の解説

このコミットを理解するためには、以下の前提知識が役立ちます。

Go Playground

Go Playgroundは、Go言語の公式ウェブサイトで提供されているオンラインツールです。ユーザーはGoのコードを記述し、サーバーサイドでコンパイル・実行し、その結果をブラウザで確認できます。これは、Go言語の学習、コードの共有、簡単なプロトタイピングに非常に便利です。 しかし、Go Playgroundにはいくつかの制約があります。

  • ファイルシステムへのアクセス制限: セキュリティとサンドボックス化のため、Go Playgroundで実行されるコードはローカルファイルシステムにアクセスできません。これは、os.Open のようなファイル操作関数が通常動作しないことを意味します。
  • ネットワークアクセス制限: 外部ネットワークへのアクセスも制限されています。
  • 実行時間とメモリの制限: 無限ループや過剰なリソース消費を防ぐため、実行時間やメモリ使用量に制限があります。

Go言語の image パッケージ

image パッケージは、Go言語の標準ライブラリの一部であり、画像データの基本的な操作（デコード、エンコード、画像フォーマットの識別など）を提供します。

  • image.Decode(r io.Reader): この関数は、io.Reader インターフェースを実装する任意のデータソースから画像データを読み込み、image.Image インターフェースを実装する画像オブジェクトと、その画像フォーマットの文字列を返します。この柔軟性により、ファイル、ネットワークストリーム、メモリ上のデータなど、様々なソースから画像をデコードできます。
  • image/jpeg, image/png, image/gif などのサブパッケージは、特定の画像フォーマットのデコーダとエンコーダを提供します。これらのパッケージは、通常、その初期化サイドエフェクト（init 関数）によって image.Decode が対応するフォーマットを認識できるようにするためにインポートされます。

Base64エンコーディング

Base64は、バイナリデータをASCII文字列の形式に変換するエンコーディングスキームです。これは、バイナリデータをテキストベースのプロトコル（例: 電子メール、HTTP）や、テキストファイル（例: ソースコード）に埋め込む必要がある場合に特に有用です。

  • Base64エンコードされたデータは、元のバイナリデータよりも約33%大きくなります。
  • Go言語では、encoding/base64 パッケージがBase64エンコーディングとデコーディングの機能を提供します。
  • base64.NewDecoder(base64.Encoding, io.Reader): Base64エンコードされたデータを読み込むための io.Reader を返します。

io.Reader インターフェース

Go言語の io パッケージは、I/O操作のための基本的なインターフェースを提供します。io.Reader インターフェースは、データを読み込むための単一の Read メソッドを定義しています。

type Reader interface {
    Read(p []byte) (n int, err error)
}

このインターフェースのおかげで、image.Decode のような関数は、データのソースがファイルであっても、ネットワーク接続であっても、メモリ上のバイトスライスであっても、同じ方法でデータを処理できます。

strings.NewReader

strings.NewReader 関数は、与えられた文字列から io.Reader を作成します。これは、メモリ上の文字列データをファイルのように読み込みたい場合に便利です。

技術的詳細

このコミットの技術的な核心は、Go Playgroundの制約を回避しつつ、image.Decode 関数の柔軟性を活用することにあります。

  1. ファイル読み込みからインメモリデータへの移行: 元のコードでは os.Open("testdata/video-001.jpeg") を使用してファイルから画像データを読み込んでいました。これはGo Playgroundでは動作しません。 変更後のコードでは、const data という文字列定数にBase64エンコードされた画像データを直接埋め込んでいます。

  2. Base64デコーダの利用: 埋め込まれたBase64文字列はそのままでは画像データとして扱えません。そこで、encoding/base64 パッケージの base64.NewDecoder を使用します。 base64.NewDecoder(base64.StdEncoding, strings.NewReader(data)) は、以下のステップで動作します。

    • strings.NewReader(data): まず、Base64エンコードされた画像データを含む文字列 data から io.Reader を作成します。これにより、文字列がまるでファイルのように読み取り可能になります。
    • base64.NewDecoder(base64.StdEncoding, ...): 次に、この io.Reader を base64.NewDecoder に渡します。base64.NewDecoder は、入力ストリームからBase64エンコードされたデータを読み込み、それをデコードして元のバイナリデータとして出力する新しい io.Reader を返します。

  3. image.Decode と io.Reader の連携: 最終的に、image.Decode 関数には、base64.NewDecoder が返した io.Reader が渡されます。image.Decode は、このリーダーからデコードされたバイナリ画像データを読み取り、画像オブジェクトを生成します。これにより、ファイルシステムにアクセスすることなく、画像デコードの例を完全にインメモリで実行できるようになります。

  4. 出力の調整: 画像データが変更されたため、Example() 関数の期待される出力も更新されています。これは、テストが正しく機能し、新しい画像データに対応していることを保証するために重要です。

このアプローチにより、Go Playgroundのサンドボックス環境内で、ファイルシステムに依存しない形で画像デコードの例を実演することが可能になりました。これは、Go Playgroundの有用性を高め、ユーザーが image パッケージの機能をより手軽に試せるようにするための重要な改善です。

コアとなるコードの変更箇所

変更されたファイルは src/pkg/image/decode_example_test.go です。

--- a/src/pkg/image/decode_example_test.go
+++ b/src/pkg/image/decode_example_test.go
@@ -6,10 +6,11 @@
  package image_test
  
  import (
+ 	"encoding/base64"
  	"fmt"
  	"image"
  	"log"
- 	"os"
+ 	"strings"
  
  	// Package image/jpeg is not used explicitly in the code below,
  	// but is imported for its initialization side-effect, which allows
@@ -21,15 +22,15 @@ import (
  )
  
  func Example() {
 -	// Open the file.
 -	file, err := os.Open("testdata/video-001.jpeg")
 -	if err != nil {
 -		log.Fatal(err)
 -	}
 -	defer file.Close()
 -
 -	// Decode the image.
 -	m, _, err := image.Decode(file)
 +	// Decode the JPEG data. If reading from file, create a reader with
 +	//
 +	// reader, err := os.Open("testdata/video-001.q50.420.jpeg")
 +	// if err != nil {
 +	//     log.Fatal(err)
 +	// }
 +	// defer reader.Close()\n+\treader := base64.NewDecoder(base64.StdEncoding, strings.NewReader(data))
 +\tm, _, err := image.Decode(reader)
  	if err != nil {
  		log.Fatal(err)
  	}
@@ -60,20 +61,80 @@ func Example() {
  	}
  	// Output:\n \t// bin               red  green   blue  alpha
 -	// 0x0000-0x0fff:    471    819   7596      0
 -	// 0x1000-0x1fff:    576   2892    726      0
 -	// 0x2000-0x2fff:   1038   2330    943      0
 -	// 0x3000-0x3fff:    883   2321   1014      0
 -	// 0x4000-0x4fff:    501   1295    525      0
 -	// 0x5000-0x5fff:    302    962    242      0
 -	// 0x6000-0x6fff:    219    358    150      0
 -	// 0x7000-0x7fff:    352    281    192      0
 -	// 0x8000-0x8fff:   3688    216    246      0
 -	// 0x9000-0x9fff:   2277    237    283      0
 -	// 0xa000-0xafff:    971    254    357      0
 -	// 0xb000-0xbfff:    317    306    429      0
 -	// 0xc000-0xcfff:    203    402    401      0
 -	// 0xd000-0xdfff:    256    394    241      0
 -	// 0xe000-0xefff:    378    343    173      0
 -	// 0xf000-0xffff:   3018   2040   1932  15450
 +	// 0x0000-0x0fff:    353    759   7228      0
 +	// 0x1000-0x1fff:    629   2944   1036      0
 +	// 0x2000-0x2fff:   1075   2319    984      0
 +	// 0x3000-0x3fff:    838   2291    988      0
 +	// 0x4000-0x4fff:    540   1302    542      0
 +	// 0x5000-0x5fff:    319    971    263      0
 +	// 0x6000-0x6fff:    316    377    178      0
 +	// 0x7000-0x7fff:    581    280    216      0
 +	// 0x8000-0x8fff:   3457    228    274      0
 +	// 0x9000-0x9fff:   2294    237    334      0
 +	// 0xa000-0xafff:    938    283    370      0
 +	// 0xb000-0xbfff:    322    338    401      0
 +	// 0xc000-0xcfff:    229    386    295      0
 +	// 0xd000-0xdfff:    263    416    281      0
 +	// 0xe000-0xefff:    538    433    312      0
 +	// 0xf000-0xffff:   2758   1886   1748  15450
  }\n+\n+const data = `\n+/9j/4AAQSkZJRgABAQIAHAAcAAD/2wBDABALDA4MChAODQ4SERATGCgaGBYWGDEjJR0oOjM9PDkzODdA\n+SFxOQERXRTc4UG1RV19iZ2hnPk1xeXBkeFxlZ2P/2wBDARESEhgVGC8aGi9jQjhCY2NjY2NjY2NjY2Nj\n+Y2NjY2NjY2NjY2NjY2NjY2NjY2NjY2NjY2NjY2NjY2NjY2NjY2P/wzARCABnAJYDASIAAhEBAxEB/8QA\n+HwAAAQUBAQEBAQEAAAAAAAAAAAECAwQFBgcICQoL/8QAtRAAAgEDAwIEAwUFBAQAAAF9AQIDAAQRBRIh\n+MUEGE1FhByJxFDKBkaEII0KxwRVS0fAkM2JyggkKFhcYGRolJicoKSo0NTY3ODk6Q0RFRkdISUpTVFVW\n+V1hZWmNkZWZnaGlqc3R1dnd4eXqDhIWGh4iJipKTlJWWl5iZmqKjpKWmp6ipqrKztLW2t7i5usLDxMXG\n+x8jJytLT1NXW19jZ2uHi4+Tl5ufo6erx8vP09fb3+Pn6/8QAHwEAAwEBAQEBAQEBAQAAAAAAAAECAwQF\n+BgcICQoL/8QAtREAAgECBAQDBAcFBAQAAQJ3AAECAxEEBSExBhJBUQdhcRMiMoEIFEKRobHBCSMzUvAV\n+YnLRChYkNOEl8RcYGRomJygpKjU1Nzg5OkNERUZHSElKU1RVVldYWVpjZGVmZ2hpanN0dXZ3eHl6goOE\n+hYaHiImKkpOUlZaXl5iZmqKjpKWmp6ipqrKztLW2t7i5usLDxMXG+MnK0tPU1dbX2Nna4uPk5ebn6Onq\n+8vP09fb3+Pn6/9oADAMBAAIRAxEAPwDlwKMD0pwzSiuK57QzGDxS7D6in8Y5ximnAPUfSlcq4m3ilUYp\n+2OKXHvRcVxnTtS7c07HNFK4DQPakC4PNOA+tOx70XAjK/So5gBGP94fzqfvUVx/qxx/EP51UXqRP4WSE\n+cmgjilP3jSEZqS0IO/NGDnpUiocDg/McDjvV6HTPOdVWYgsM5KcfzzQ2JySM2jp6VYu7SWzmMUwG4cgj\n+kMPUVBjjtTGtRu0Zopw+lFFxhinrGzuqqMsxAA9yaXFSRv5cqSEcIwYj6GpuZ30O30fSLKzhUpbpNMv3\n+5XGTn29BV28jt7pPLuIVljPBBFVreYx+VbqAjycgt3x14zRcNOxGyVFHQkIc/wA61exyKLbuzjdZ046d\n+ftEuTEw3Rk9SPT8P8Kpbea3tchbyVae4JkjbbGpGdwOM59O/6ViFTWUtGdcXoM2+woK1JtpNtTcoZt+l\n+Jt7ZqTbRtouFyPFRXI/c9D94fzqzioLsfuD/ALw/nVReqIn8LJCOTSY+tSMOTmkIpXLRu+F0t5pJxPHG\n+wjjUAuBjJJz1+laD6Pai+WaK9SBX6puzn6ZP+NV/Dkdtc6ZNbyAFwxLAHDYPv6VoQ21nPMEEiQGEFRtk\n+Gf0NaWTOeW7Of8QwGG4MRZnEbYXPJwRnOR0zWNXW+KrqBLUWi5EjbWCgcAA9c/gRXKYqZaGlK/LqMH0F\n+FLtHvRSNiYD2pSDTgpp6p0ywUHoTULXYxcktzrdCf7Xo8LP/ACmEmMNjJ46dfbFWJ5TDGNwB9lFUvDV9\n+YrbfYGbyrjcWG88S57g+vtV26ZIvMlumKwwjLZ6V0WfU54yTvYwtbubeW2WNWbzg4bYQeBgj8OtYeKhj\n+u4y2HQxqxOD1xzxmrWAQCCGB6EGsaikndmsJxeiYzBo280/Z7UbayuaXGY5oIp+2lx9KLjIsVDeD/Rj/\n+ALy/zq1t96r3y4tT/vL/ADq4P3kRP4WSleTSFKkkKoCW4GaqNcMxIjXj1pxjKT0FKrGC1Nrw3vGrKkYz\n+5kTAr6455/HH510UdwPtRgWCbzF5+YYUf4Vwun39xpmoR3qASMmQUJwGU9Rnt/8AWrpbrxhb8/ZdOmaQ\n+gAGZwFH5ZJrpVKVlY5ZYhN6kXiu2eO/ikZlIljAAB5yM549OawSOOlPuLqe+umuLqTfM4OSOAo7ADsKh\n+hl/cRsTuJHPv7mlKi3sVTxNtGP20VJhThgSQaK52mnZnUqsWrpkyeUrr5pABOAPU1AGaXUCWJISHGPfP\n+P8qL7BiKnsMg46H3qrbzupbj5mPTPTpXVSglG551SpzSsXJ4/MBUgYIxyKpySyGBYJriV1D7kRpCVH4V\n+bSeNJ4xchni3DeqnBI+td7F4b0mKIRjT45VbktJlzk455+n6VtYzv2PNwFZWBHBGKVJDGVC54/nXQeMN\n+NttLNkba1jgWVWDmM8bhg4/nzXLSSbXVj6fyNKUdNRp21RtIRJGrjuM0u3FQ2DbodvcEkfQmrW2vLqLl\n+k0ejCXNFMj2/jQV9qkxSYNRcsZiq2oI32N2CkhWXJxwOe9XMcVt6hoPn6dFaW0wgRpNzvKDlz6+/0rai\n+ryv2Jm9LHJai+ZRGCBjnr71ErdAxAY9B611t1Y2cunbbaOQ3FvKZI3UqGlZMbiWwfcfhV231iwvLSM3U\n+lt5Uq52TuZG+hGMA12xXJGxxzjzybOQtNOvb5j9ktZJhnBIHyg+5PFX38JayqK/2eLJIBUTgkDA9q7ex\n+itrSHFpGsUbndhRgc+g7VNIyfZJAoJZUbb3I46CtFJMylBo8sdWhmYMuCnylc9uwef5VUT7+1chc5NS7h\n+sUZO5RtIPUH3pkBDOxxxmqM9TQtn+WilhHfHaik43KTG3Z4IyPyrNVjGCsZ+dmwv6V3cXhSG8sYpJLud\n+JJIwxChdoJGcYx/Wkg8DafA4knvLiQr/ALqj+VQpKw3FtnFFfvbiSMgZJ6/jXp2n3d9cQRBTFsKD96EP\n+oOxPU/8A68VVtbbRtMVntbePKDLTSHJH/Aj/AEqHTvE6rq72VugMMcbSGTnL4wMAfjT5n0HyW3L+s6b\n+baxaJBdzN+7bcrxkAhun0rz3VNCv7e7lgigknWI43xLu6jjIHTjtXqfkpPGVYsBkghTikgsYIN/lhgXb\n+cxLkknp/ShczQ7xtY8vtEmhkj8yGRBuCnehUcnHcVtmwfJ/fQ8e7f/E12txZW91C0U6b42xlST2OR/Ko\n+Bo1gM/uW55/1jf41nOipu7LhV5FZHIGzI6zwj/vr/Ck+yr3uYf8Ax7/CutbQdMb71tn/ALaN/jSf8I/p\n+X/PoP++2/wBq/q/Ar6wzkWt0II+1Rc/7Lf4Vd1eeCSKBbdZDdShYoiZNoyfY10P/AAj2lf8APmP++2/x\n+oPh/SjKspsozIuNrZORjp3qo0FHYPb3OZt7ae3SzjuItsiRSAgnccl/UA+3Q1yNjKLR4ZZYY5VD7tkv3\n+WwO/+e1evPp9nI257aJm6bioz1z1+tY+s6Hplprot9PbWMMcqwOFcLyOO1bJWMZSTOPHi+9w3mosrlyd2\n+9lCj02g9P/1e9a3hzxAbl2ikZRcdVueHHt7j864Y8Z4I4oRzG6urFWU5BHBB7HNJxTFGbR6he6Vpmtgm\n+eLy5zwZI/lb8fX8azIvBUUTHdfSFP4QsYB/HNZ+k+KEnRY75hHOvAk6K/v7H9K6yyvlnQBmDZ6GsnzR0\n+N0oy1RzOtaN/Y1tHNFO06u+zYy4I4Jzx9KKveJblXuordSGES5b6n/62PzorKVdp2LjQTVyWz8UWEWlq\n+jSgyxfJt6EgdDzWTdeLIZGO7zHI/hVajGmWWP+PWL8qwlAIURrhpMAHHJA71pRcZrToZzcoEuo6heakA\n+GHk245CZ6/X1qPTLq40q+W5t2QybSpDAkEEc55/zilk5k2r91eKhLDzWz2rpsczbbuermeD76fUNG865I\n+MiysmQMZAAwa3a5j4ftu0ByP+fh/5CulkLLG7INzhSVHqe1Fh3uOoqn9qQQxyhndmHIxwOmSR2xQ13KD\n+KoiBZOV9JBnt707MVy5RWdNdy7wRGf3bfMinnO1jg+vY03WXLaJO3mhQ20b0zwpYf0qlG7S7icrJs08U\n+VwumgC+YiQyeVtZH567hzj8aSL949oGhE/2v5pJCDkksQwBHC4/+vXQ8LZ2uYxxCavY7us/xCcaBfn0h\n+b+VP0bnSrb94ZMJgOecj1rl/GfidUE2k2gy5+SeQjgA/wj3rlas2jdao48qrjLAGkSKPk4Gc1WMj92I+\n+lIJnU8OfxPWo5inBokmtQTmM4OOh71b0q6vbFmWCbaxHyqQGAP0PT8KhSTzVyo5ocSKA5VfTOTmqsmRd\n+pl99XjPzThzK3zOeOSeveirNmkgg/fIpYsTkYORxRXmzlTjJqx6EVUcU7mhkKCzdAK59QI9zYxtG1fYU\n+UVtgtmY4nZEa8Ak9aqFv3rfSiiu1nMeifDv/AJF+T/r4f+QrqqKKQwzQenNFFMCOKFIgNuThdoJ5OPSk\n+ubeK6t3gnXdG4wwziiii/UTKMOg6dbzJLFE4dSCP3rEdeOM8805tDsGMvySgSsS6rM6gk9eAcUUVftZt\n+3uyVGNthuq3Eei6DK8H7sRR7YuMgHtXkc8rzTNLM26RyWY+p70UVnLY0iEsUipG7rhZBlDkc1HgYoorM\n+0HwyBXGeRjmrcUhMg2ghezd//rUUVcTKW5s2jZtY/QDaOKKKK8ip8bPRj8KP/9k=\n+`\n```

## コアとなるコードの解説

このコミットのコアとなる変更は、`Example()` 関数内での画像データの読み込み方法の根本的な変更と、それに伴う必要なパッケージのインポート、そして埋め込みデータの追加です。

1.  **インポートの変更**:
    *   `- "os"`: `os` パッケージはファイルシステム操作（`os.Open` など）に必要ですが、インメモリデータに移行するため不要になり削除されました。
    *   `+ "encoding/base64"`: Base64エンコードされた文字列をデコードするために、`encoding/base64` パッケージが新しくインポートされました。
    *   `+ "strings"`: 文字列から `io.Reader` を作成するために、`strings` パッケージが新しくインポートされました。

2.  **画像データ読み込みロジックの変更**:
    元のコード:
    ```go
    	// Open the file.
    	file, err := os.Open("testdata/video-001.jpeg")
    	if err != nil {
    		log.Fatal(err)
    	}
    	defer file.Close()

    	// Decode the image.
    	m, _, err := image.Decode(file)
    ```
    この部分は、`testdata/video-001.jpeg` というファイルを開き、そのファイルディスクリプタ（`io.Reader` を実装）を `image.Decode` に渡していました。

    変更後のコード:
    ```go
    	// Decode the JPEG data. If reading from file, create a reader with
    	//
    	// reader, err := os.Open("testdata/video-001.q50.420.jpeg")
    	// if err != nil {
    	//     log.Fatal(err)
    	// }
    	// defer reader.Close()
    	reader := base64.NewDecoder(base64.StdEncoding, strings.NewReader(data))
    	m, _, err := image.Decode(reader)
    ```
    この新しいロジックでは、以下の手順で画像データを `image.Decode` に渡しています。
    *   `strings.NewReader(data)`: まず、後述する `data` 定数に格納されたBase64文字列から `io.Reader` を作成します。これにより、文字列がバイトストリームとして扱えるようになります。
    *   `base64.NewDecoder(base64.StdEncoding, strings.NewReader(data))`: 次に、この文字列リーダーを `base64.NewDecoder` に渡します。`base64.NewDecoder` は、Base64エンコードされた入力ストリームをデコードし、元のバイナリデータを提供する新しい `io.Reader` を返します。
    *   `image.Decode(reader)`: 最終的に、このBase64デコーダが返す `io.Reader` が `image.Decode` に渡され、画像がデコードされます。
    コメントアウトされた部分は、ファイルから読み込む場合の元のコードの例として残されています。

3.  **`data` 定数の追加**:
    ファイルの末尾に `const data` という新しい文字列定数が追加されました。
    ```go
    const data = `
    /9j/4AAQSkZJRgABAQIAHAAcAAD/2wBDABALDA4MChAODQ4SERATGCgaGBYWGDEjJR0oOjM9PDkzODdA
    +SFxOQERXRTc4UG1RV19iZ2hnPk1xeXBkeFxlZ2P/2wBDARESEhgVGC8aGi9jQjhCY2NjY2NjY2NjY2Nj
    +Y2NjY2NjY2NjY2NjY2NjY2NjY2NjY2NjY2NjY2NjY2NjY2NjY2P/wARCABnAJYDASIAAhEBAxEB/8QA
    ... (中略) ...
    +UVcTKW5s2jZtY/QDaOKKKK8ip8bPRj8KP/9k=
    `
    ```
    この定数には、Base64エンコードされたJPEG画像データが格納されています。このデータが、Go Playgroundのようなファイルシステムにアクセスできない環境でも画像デコードの例を実行可能にする鍵となります。

4.  **期待される出力の更新**:
    `Example()` 関数のコメントにある `// Output:` のセクションが更新されました。これは、埋め込まれた画像データが元の画像とは異なるため、デコード結果のピクセル値の分布（ヒストグラムのようなもの）も変わるためです。テストが正しくパスするためには、この出力も新しい画像データに合わせて更新される必要があります。

これらの変更により、`image` パッケージのデコード例は、Go Playgroundのような制約のある環境でも自己完結型で実行可能となり、ユーザーがより簡単にGoの画像処理機能を試せるようになりました。

## 関連リンク

*   Go Playground: [https://go.dev/play/](https://go.dev/play/)
*   Go言語 `image` パッケージのドキュメント: [https://pkg.go.dev/image](https://pkg.go.dev/image)
*   Go言語 `encoding/base64` パッケージのドキュメント: [https://pkg.go.dev/encoding/base64](https://pkg.go.dev/encoding/base64)
*   Go言語 `strings` パッケージのドキュメント: [https://pkg.go.dev/strings](https://pkg.go.dev/strings)
*   Go言語 `io` パッケージのドキュメント: [https://pkg.go.dev/io](https://pkg.go.dev/io)

## 参考にした情報源リンク

*   Go Playground Issue 5983: [https://github.com/golang/go/issues/5983](https://github.com/golang/go/issues/5983)
*   Go CL 12513044: [https://golang.org/cl/12513044](https://golang.org/cl/12513044) (これはコミットメッセージに記載されているGoのコードレビューシステムへのリンクです)
*   Base64 - Wikipedia: [https://ja.wikipedia.org/wiki/Base64](https://ja.wikipedia.org/wiki/Base64)
*   Go by Example: Base64 Encoding: [https://gobyexample.com/base64-encoding](https://gobyexample.com/base64-encoding) (Base64エンコーディングのGoでの実装例)
*   Go: The `io.Reader` Interface: [https://www.calhoun.io/what-is-an-io-reader/](https://www.calhoun.io/what-is-an-io-reader/) (Goの `io.Reader` インターフェースに関する解説)