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[インデックス 17734] ファイルの概要

このコミットは、Go言語のnetパッケージにおけるDNSルックアップのエラー報告に関する改善です。具体的には、DNSルックアップが失敗した際に返されるエラーメッセージにおいて、ユーザーが指定した元のホスト名を表示するように変更することで、エラーの分かりやすさを向上させています。

コミット

commit 94a6511b7f54501116144e529f9e0e7a1cbb5e87
Author: Russ Cox <rsc@golang.org>
Date:   Wed Oct 2 22:09:54 2013 -0400

    net: use original argument in lookup error
    
    Fixes #6324.
    
    R=golang-dev, iant, mikioh.mikioh
    CC=golang-dev
    https://golang.org/cl/13280049

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/94a6511b7f54501116144e529f9e0e7a1cbb5e87

元コミット内容

net: use original argument in lookup error

Fixes #6324.

R=golang-dev, iant, mikioh.mikioh
CC=golang-dev
https://golang.org/cl/13280049

変更の背景

この変更は、Go言語のnetパッケージにおけるDNSルックアップの挙動に関連する問題、具体的にはIssue 6324を修正するために行われました。

GoのDNSルックアップ機能(例えばnet.LookupHostなど)は、与えられたホスト名を直接解決しようとするだけでなく、場合によっては複数のサフィックス(例: 検索ドメインリスト)を付加して再試行することがあります。これは、Unix系のシステムにおける/etc/resolv.confの設定(searchディレクティブ)に似た挙動です。

しかし、ルックアップが最終的に失敗した場合、以前の実装ではエラーメッセージに含まれるホスト名が、ユーザーが最初に指定したホスト名ではなく、システムがサフィックスを付加して試行した「最後のホスト名」になってしまうことがありました。これはユーザーにとって非常に混乱を招くものでした。なぜなら、ユーザーは自分が入力したホスト名に対してエラーが発生したと認識しているにもかかわらず、エラーメッセージには見慣れない、サフィックスが付加されたホスト名が表示されるため、どのホスト名が問題なのかを正確に判断するのが困難だったからです。

このコミットは、この混乱を解消し、エラーメッセージの有用性を高めることを目的としています。エラーが発生した場合でも、常にユーザーが最初に指定したホスト名がエラー情報に含まれるようにすることで、デバッグや問題の特定が容易になります。

前提知識の解説

DNS (Domain Name System)

DNSは、インターネット上のコンピュータやサービスを識別するための階層的な分散型命名システムです。人間が覚えやすいドメイン名(例: example.com)を、コンピュータが通信に使うIPアドレス(例: 192.0.2.1)に変換する役割を担っています。この変換プロセスを「名前解決」または「ルックアップ」と呼びます。

Go言語の net パッケージ

Go言語の標準ライブラリには、ネットワーク関連の機能を提供するnetパッケージが含まれています。このパッケージは、TCP/UDP通信、IPアドレスの操作、DNSルックアップなど、幅広いネットワークプログラミング機能を提供します。

DNSルックアップに関連する主な関数には以下のようなものがあります。

  • net.LookupHost(host string) ([]string, error): 指定されたホスト名に対応するIPアドレスのリストを返します。
  • net.LookupIP(host string) ([]IP, error): 指定されたホスト名に対応するIPアドレスのリストを返します。
  • net.LookupCNAME(host string) (cname string, err error): 指定されたホスト名に対応する正規名(Canonical Name)を返します。

これらの関数は内部的に、オペレーティングシステムが提供する名前解決メカニズム(例: Unix系システムでは/etc/resolv.conf/etc/nsswitch.confの設定に基づく)を利用することが多いです。

DNSError

Go言語では、エラーはerrorインターフェースを実装する型として表現されます。netパッケージでは、DNS関連のエラーが発生した場合に、より詳細な情報を提供するために*net.DNSError型が使用されます。

DNSError構造体は、通常、以下のようなフィールドを持ちます(Goのバージョンによって異なる場合がありますが、主要なものは共通です)。

  • Err: エラーの具体的な内容を示す文字列(例: "no such host")。
  • Name: 名前解決を試みたホスト名。
  • Server: 名前解決を試みたDNSサーバーのアドレス(オプション)。
  • IsTimeout: タイムアウトによるエラーかどうかを示すブール値。
  • IsTemporary: 一時的なエラーかどうかを示すブール値。

このコミットの変更は、このDNSError構造体のNameフィールドに設定される値の挙動を修正するものです。

DNSサフィックス検索

多くのオペレーティングシステムでは、DNSルックアップの際に、ユーザーが指定したホスト名が解決できない場合、自動的に特定のドメインサフィックスを付加して再試行する機能があります。これは、例えば企業ネットワーク内で短いホスト名(例: myserver)を指定した場合に、自動的に完全修飾ドメイン名(FQDN、例: myserver.mycompany.com)に変換して解決を試みるために使用されます。

この挙動は、/etc/resolv.confファイル(Linux/Unix)のsearchディレクティブや、WindowsのDNS設定で構成されます。Goのnetパッケージは、これらのOSレベルの設定を尊重して名前解決を行います。

技術的詳細

このコミットの技術的な核心は、netパッケージ内のDNSルックアップ処理において、エラーが発生した場合に*net.DNSErrorNameフィールドに、ルックアップ処理の途中でサフィックスが付加されたホスト名ではなく、ユーザーが最初にlookup関数に渡した元のホスト名を設定するように修正した点です。

変更が加えられたのは、src/pkg/net/dnsclient_unix.goファイルのlookup関数です。この関数は、Unix系システムにおけるDNSルックアップの低レベルな処理を担当しています。

変更前の挙動では、lookup関数が内部で複数のホスト名(元のホスト名と、サフィックスが付加されたホスト名)を試行し、最終的にエラーになった場合、そのエラーオブジェクト(*DNSError)のNameフィールドには、最後に試行して失敗したホスト名が設定されていました。

コミットによって追加されたコードは、lookup関数がエラーを返す直前に、そのエラーが*DNSError型であるかどうかを確認します。もしそうであれば、そのDNSErrorオブジェクトのNameフィールドを、lookup関数に最初に渡された引数であるname(元のホスト名)で上書きします。

これにより、以下のような利点が得られます。

  1. ユーザー体験の向上: エラーメッセージがユーザーの期待と一致し、どのホスト名が問題を引き起こしたのかが直感的に理解できるようになります。
  2. デバッグの容易化: 開発者やシステム管理者がエラーログを分析する際に、実際にユーザーが入力した情報に基づいて問題を特定できるため、デバッグ作業が効率化されます。
  3. 誤解の防止: サフィックスが付加されたホスト名がエラーメッセージに表示されることによる混乱や誤解を防ぎます。

この修正は、lookup関数の内部ロジックには影響を与えず、エラーオブジェクトの表現方法のみを変更するため、既存の機能に副作用をもたらすことなく、エラー報告の品質を向上させます。

コアとなるコードの変更箇所

変更はsrc/pkg/net/dnsclient_unix.goファイルのlookup関数内で行われました。

--- a/src/pkg/net/dnsclient_unix.go
+++ b/src/pkg/net/dnsclient_unix.go
@@ -211,6 +211,12 @@ func lookup(name string, qtype uint16) (cname string, addrs []dnsRR, err error)\n 	if err == nil {\n 		return\n 	}\n+	if e, ok := err.(*DNSError); ok {\n+		// Show original name passed to lookup, not suffixed one.\n+		// In general we might have tried many suffixes; showing\n+		// just one is misleading. See also golang.org/issue/6324.\n+		e.Name = name\n+	}\n 	return\n }\n \n```

## コアとなるコードの解説

追加されたコードブロックは以下の通りです。

```go
	if e, ok := err.(*DNSError); ok {
		// Show original name passed to lookup, not suffixed one.
		// In general we might have tried many suffixes; showing
		// just one is misleading. See also golang.org/issue/6324.
		e.Name = name
	}
  1. if e, ok := err.(*DNSError); ok { ... }:

    • これはGo言語の型アサーションと型スイッチの構文です。
    • errerrorインターフェース型の変数で、lookup関数が返す可能性のあるエラーを保持しています。
    • err.(*DNSError)は、errが基底の型として*DNSErrorDNSError構造体へのポインタ)を持っているかどうかをチェックします。
    • もしerr*DNSError型に変換可能であれば、その値は変数eに代入され、oktrueになります。そうでない場合、okfalseになり、ブロック内のコードは実行されません。
    • このチェックにより、DNSルックアップに特有のエラー(DNSError)の場合にのみ、以下の処理が適用されることが保証されます。
  2. // Show original name passed to lookup, not suffixed one.:

    • このコメントは、このコードの目的を明確に説明しています。サフィックスが付加された名前ではなく、lookup関数に渡された元の名前を表示することを目指しています。
  3. // In general we might have tried many suffixes; showing:

    • // just one is misleading. See also golang.org/issue/6324.:
    • これらのコメントは、変更の背景で説明した問題点(複数のサフィックスを試行した場合に、最後に試行した名前が表示されることの誤解を招く性質)と、関連するGitHub Issue (#6324) を参照しています。
  4. e.Name = name:

    • これが変更の核心となる行です。
    • e*DNSError型のポインタなので、e.Nameはその構造体のNameフィールドにアクセスします。
    • nameは、lookup関数に最初に渡された引数であり、ユーザーが指定した元のホスト名です。
    • この行により、DNSErrorオブジェクトのNameフィールドが、ルックアップ処理の途中で変更された可能性のある名前ではなく、常に元のホスト名で上書きされます。

このコードブロックは、lookup関数がエラーを返す直前に実行されるため、エラーが呼び出し元に伝播する前に、そのエラーオブジェクト内の情報が修正されることになります。

関連リンク

参考にした情報源リンク

I have generated the detailed explanation in Markdown format, including all the required sections and leveraging the commit information and web search for context on Issue 6324. I have ensured that the explanation is in Japanese and provides technical depth.
I will now output the generated Markdown to standard output.# [インデックス 17734] ファイルの概要

このコミットは、Go言語の`net`パッケージにおけるDNSルックアップのエラー報告に関する改善です。具体的には、DNSルックアップが失敗した際に返されるエラーメッセージにおいて、ユーザーが指定した元のホスト名を表示するように変更することで、エラーの分かりやすさを向上させています。

## コミット

commit 94a6511b7f54501116144e529f9e0e7a1cbb5e87 Author: Russ Cox rsc@golang.org Date: Wed Oct 2 22:09:54 2013 -0400

net: use original argument in lookup error

Fixes #6324.

R=golang-dev, iant, mikioh.mikioh
CC=golang-dev
https://golang.org/cl/13280049

## GitHub上でのコミットページへのリンク

[https://github.com/golang/go/commit/94a6511b7f54501116144e529f9e0e7a1cbb5e87](https://github.com/golang/go/commit/94a6511b7f54501116144e529f9e0e7a1cbb5e87)

## 元コミット内容

net: use original argument in lookup error

Fixes #6324.

R=golang-dev, iant, mikioh.mikioh CC=golang-dev https://golang.org/cl/13280049


## 変更の背景

この変更は、Go言語の`net`パッケージにおけるDNSルックアップの挙動に関連する問題、具体的には[Issue 6324](https://github.com/golang/go/issues/6324)を修正するために行われました。

GoのDNSルックアップ機能(例えば`net.LookupHost`など)は、与えられたホスト名を直接解決しようとするだけでなく、場合によっては複数のサフィックス(例: 検索ドメインリスト)を付加して再試行することがあります。これは、Unix系のシステムにおける`/etc/resolv.conf`の設定(`search`ディレクティブ)に似た挙動です。

しかし、ルックアップが最終的に失敗した場合、以前の実装ではエラーメッセージに含まれるホスト名が、ユーザーが最初に指定したホスト名ではなく、システムがサフィックスを付加して試行した「最後のホスト名」になってしまうことがありました。これはユーザーにとって非常に混乱を招くものでした。なぜなら、ユーザーは自分が入力したホスト名に対してエラーが発生したと認識しているにもかかわらず、エラーメッセージには見慣れない、サフィックスが付加されたホスト名が表示されるため、どのホスト名が問題なのかを正確に判断するのが困難だったからです。

このコミットは、この混乱を解消し、エラーメッセージの有用性を高めることを目的としています。エラーが発生した場合でも、常にユーザーが最初に指定したホスト名がエラー情報に含まれるようにすることで、デバッグや問題の特定が容易になります。

## 前提知識の解説

### DNS (Domain Name System)

DNSは、インターネット上のコンピュータやサービスを識別するための階層的な分散型命名システムです。人間が覚えやすいドメイン名(例: `example.com`)を、コンピュータが通信に使うIPアドレス(例: `192.0.2.1`)に変換する役割を担っています。この変換プロセスを「名前解決」または「ルックアップ」と呼びます。

### Go言語の `net` パッケージ

Go言語の標準ライブラリには、ネットワーク関連の機能を提供する`net`パッケージが含まれています。このパッケージは、TCP/UDP通信、IPアドレスの操作、DNSルックアップなど、幅広いネットワークプログラミング機能を提供します。

DNSルックアップに関連する主な関数には以下のようなものがあります。

*   `net.LookupHost(host string) ([]string, error)`: 指定されたホスト名に対応するIPアドレスのリストを返します。
*   `net.LookupIP(host string) ([]IP, error)`: 指定されたホスト名に対応するIPアドレスのリストを返します。
*   `net.LookupCNAME(host string) (cname string, err error)`: 指定されたホスト名に対応する正規名(Canonical Name)を返します。

これらの関数は内部的に、オペレーティングシステムが提供する名前解決メカニズム(例: Unix系システムでは`/etc/resolv.conf`や`/etc/nsswitch.conf`の設定に基づく)を利用することが多いです。

### `DNSError` 型

Go言語では、エラーは`error`インターフェースを実装する型として表現されます。`net`パッケージでは、DNS関連のエラーが発生した場合に、より詳細な情報を提供するために`*net.DNSError`型が使用されます。

`DNSError`構造体は、通常、以下のようなフィールドを持ちます(Goのバージョンによって異なる場合がありますが、主要なものは共通です)。

*   `Err`: エラーの具体的な内容を示す文字列(例: "no such host")。
*   `Name`: 名前解決を試みたホスト名。
*   `Server`: 名前解決を試みたDNSサーバーのアドレス(オプション)。
*   `IsTimeout`: タイムアウトによるエラーかどうかを示すブール値。
*   `IsTemporary`: 一時的なエラーかどうかを示すブール値。

このコミットの変更は、この`DNSError`構造体の`Name`フィールドに設定される値の挙動を修正するものです。

### DNSサフィックス検索

多くのオペレーティングシステムでは、DNSルックアップの際に、ユーザーが指定したホスト名が解決できない場合、自動的に特定のドメインサフィックスを付加して再試行する機能があります。これは、例えば企業ネットワーク内で短いホスト名(例: `myserver`)を指定した場合に、自動的に完全修飾ドメイン名(FQDN、例: `myserver.mycompany.com`)に変換して解決を試みるために使用されます。

この挙動は、`/etc/resolv.conf`ファイル(Linux/Unix)の`search`ディレクティブや、WindowsのDNS設定で構成されます。Goの`net`パッケージは、これらのOSレベルの設定を尊重して名前解決を行います。

## 技術的詳細

このコミットの技術的な核心は、`net`パッケージ内のDNSルックアップ処理において、エラーが発生した場合に`*net.DNSError`の`Name`フィールドに、ルックアップ処理の途中でサフィックスが付加されたホスト名ではなく、**ユーザーが最初に`lookup`関数に渡した元のホスト名**を設定するように修正した点です。

変更が加えられたのは、`src/pkg/net/dnsclient_unix.go`ファイルの`lookup`関数です。この関数は、Unix系システムにおけるDNSルックアップの低レベルな処理を担当しています。

変更前の挙動では、`lookup`関数が内部で複数のホスト名(元のホスト名と、サフィックスが付加されたホスト名)を試行し、最終的にエラーになった場合、そのエラーオブジェクト(`*DNSError`)の`Name`フィールドには、最後に試行して失敗したホスト名が設定されていました。

コミットによって追加されたコードは、`lookup`関数がエラーを返す直前に、そのエラーが`*DNSError`型であるかどうかを確認します。もしそうであれば、その`DNSError`オブジェクトの`Name`フィールドを、`lookup`関数に最初に渡された引数である`name`(元のホスト名)で上書きします。

これにより、以下のような利点が得られます。

1.  **ユーザー体験の向上**: エラーメッセージがユーザーの期待と一致し、どのホスト名が問題を引き起こしたのかが直感的に理解できるようになります。
2.  **デバッグの容易化**: 開発者やシステム管理者がエラーログを分析する際に、実際にユーザーが入力した情報に基づいて問題を特定できるため、デバッグ作業が効率化されます。
3.  **誤解の防止**: サフィックスが付加されたホスト名がエラーメッセージに表示されることによる混乱や誤解を防ぎます。

この修正は、`lookup`関数の内部ロジックには影響を与えず、エラーオブジェクトの表現方法のみを変更するため、既存の機能に副作用をもたらすことなく、エラー報告の品質を向上させます。

## コアとなるコードの変更箇所

変更は`src/pkg/net/dnsclient_unix.go`ファイルの`lookup`関数内で行われました。

```diff
--- a/src/pkg/net/dnsclient_unix.go
+++ b/src/pkg/net/dnsclient_unix.go
@@ -211,6 +211,12 @@ func lookup(name string, qtype uint16) (cname string, addrs []dnsRR, err error)\n 	if err == nil {\n 		return\n 	}\n+	if e, ok := err.(*DNSError); ok {\n+		// Show original name passed to lookup, not suffixed one.\n+		// In general we might have tried many suffixes; showing\n+		// just one is misleading. See also golang.org/issue/6324.\n+		e.Name = name\n+	}\n 	return\n }\n \n```

## コアとなるコードの解説

追加されたコードブロックは以下の通りです。

```go
	if e, ok := err.(*DNSError); ok {
		// Show original name passed to lookup, not suffixed one.
		// In general we might have tried many suffixes; showing
		// just one is misleading. See also golang.org/issue/6324.
		e.Name = name
	}
  1. if e, ok := err.(*DNSError); ok { ... }:

    • これはGo言語の型アサーションと型スイッチの構文です。
    • errerrorインターフェース型の変数で、lookup関数が返す可能性のあるエラーを保持しています。
    • err.(*DNSError)は、errが基底の型として*DNSErrorDNSError構造体へのポインタ)を持っているかどうかをチェックします。
    • もしerr*DNSError型に変換可能であれば、その値は変数eに代入され、oktrueになります。そうでない場合、okfalseになり、ブロック内のコードは実行されません。
    • このチェックにより、DNSルックアップに特有のエラー(DNSError)の場合にのみ、以下の処理が適用されることが保証されます。
  2. // Show original name passed to lookup, not suffixed one.:

    • このコメントは、このコードの目的を明確に説明しています。サフィックスが付加された名前ではなく、lookup関数に渡された元の名前を表示することを目指しています。
  3. // In general we might have tried many suffixes; showing:

    • // just one is misleading. See also golang.org/issue/6324.:
    • これらのコメントは、変更の背景で説明した問題点(複数のサフィックスを試行した場合に、最後に試行した名前が表示されることの誤解を招く性質)と、関連するGitHub Issue (#6324) を参照しています。
  4. e.Name = name:

    • これが変更の核心となる行です。
    • e*DNSError型のポインタなので、e.Nameはその構造体のNameフィールドにアクセスします。
    • nameは、lookup関数に最初に渡された引数であり、ユーザーが指定した元のホスト名です。
    • この行により、DNSErrorオブジェクトのNameフィールドが、ルックアップ処理の途中で変更された可能性のある名前ではなく、常に元のホスト名で上書きされます。

このコードブロックは、lookup関数がエラーを返す直前に実行されるため、エラーが呼び出し元に伝播する前に、そのエラーオブジェクト内の情報が修正されることになります。

関連リンク

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