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[インデックス 17746] ファイルの概要

このコミットは、Go言語の公式ドキュメントにおける内部リンクのパスを変更するものです。具体的には、言語仕様(Language Specification)とメモリモデル(Go Memory Model)へのリンクが、/doc/ から /ref/ へと更新されています。これは、これらの重要な参照ドキュメントの永続的な場所をより明確にするための変更と考えられます。

コミット

commit 48ba6fe553a5480de8a5fd6da1ab7709c0becc3b
Author: Andrew Gerrand <adg@golang.org>
Date:   Fri Oct 4 09:45:06 2013 +1000

    doc: move spec and memory model back to /ref/
    
    R=golang-dev, r
    CC=golang-dev
    https://golang.org/cl/14364043

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/48ba6fe553a5480de8a5fd6da1ab7709c0becc3b

元コミット内容

doc: move spec and memory model back to /ref/

このコミットの目的は、Go言語の仕様書とメモリモデルに関するドキュメントのパスを /doc/ から /ref/ に戻すことです。これは、これらのドキュメントが参照資料(reference)としての性質を持つことをより明確にするための変更であると推測されます。

変更の背景

Go言語のドキュメント構造は、時間の経過とともに進化してきました。このコミットが行われた2013年10月時点では、ドキュメントの整理と分類に関する試行錯誤があったと考えられます。言語仕様やメモリモデルのような、言語の根幹をなす「参照」ドキュメントは、一般的な「ドキュメント」とは区別されるべきであり、そのための専用のパス /ref/ が設けられた可能性があります。

この変更は、ユーザーがGo言語の公式ウェブサイトやドキュメントを参照する際に、より直感的で論理的な構造を提供することを目的としています。/ref/ というパスは、そのコンテンツが「リファレンス」つまり、詳細な仕様や定義であることを示唆し、一般的なチュートリアルやガイドとは異なる位置づけであることを明確にします。これにより、ドキュメントの発見性と整理が向上し、開発者が求める情報に素早くアクセスできるようになります。

前提知識の解説

Go言語仕様 (The Go Programming Language Specification)

Go言語仕様は、Go言語の構文、セマンティクス、および標準ライブラリの動作を正式に定義した文書です。これはGo言語の「憲法」とも言えるもので、コンパイラの実装者、ツール開発者、そしてGoプログラマーが言語の正確な動作を理解するための唯一の信頼できる情報源です。仕様は非常に詳細であり、型システム、式、ステートメント、並行処理モデルなど、言語のあらゆる側面を網羅しています。

Goメモリモデル (The Go Memory Model)

Goメモリモデルは、Goプログラムにおける並行処理の動作、特にメモリ操作の順序付けと可視性に関する保証を定義した文書です。並行プログラムでは、複数のゴルーチンが同時にメモリにアクセスする可能性があるため、データの競合や予期せぬ動作を防ぐための明確なルールが必要です。Goメモリモデルは、「happens before」関係という概念を用いて、ある操作が別の操作よりも前に発生することを保証する条件を定めています。これにより、開発者は並行プログラムの動作を予測し、正しく同期されたコードを書くことができます。

ドキュメントのパスとURL構造

ウェブサイトにおけるURLのパスは、コンテンツの分類と整理に重要な役割を果たします。例えば、/doc/ は一般的なドキュメントやガイドを指すことが多い一方、/ref/ は参照資料やAPIリファレンスなど、より技術的で詳細な仕様を指すことが一般的です。このコミットは、Go言語の公式ドキュメントサイトにおいて、言語仕様とメモリモデルが「参照」としての性質を持つことをURL構造で表現しようとしたものです。

技術的詳細

このコミットの技術的な変更は、HTMLファイル内のハイパーリンクの href 属性を修正することに集約されます。具体的には、doc/articles/wiki/index.htmldoc/docs.htmldoc/effective_go.htmldoc/go1.1.htmldoc/go_faq.htmldoc/go_mem.htmldoc/go_spec.html の7つのファイルにおいて、/doc/spec および /doc/mem への相対パスが /ref/spec および /ref/mem に変更されています。

これは、ウェブサーバーがこれらのドキュメントを配信する際の内部的なルーティングや、ドキュメントの論理的な配置が変更されたことを示唆しています。ユーザーから見れば、単にリンク先のURLが変わるだけですが、ウェブサイトの構造設計においては、コンテンツの分類と永続的なURLの提供は非常に重要です。特に、言語仕様やメモリモデルのようなコアな参照ドキュメントは、そのURLが安定していることが望ましく、将来的な変更にも耐えうるようなパス設計が求められます。/ref/ というパスは、これらのドキュメントがGo言語の「参照」として永続的に存在するという意図を反映していると考えられます。

コアとなるコードの変更箇所

このコミットでは、以下のHTMLファイル内のリンクパスが変更されています。

  • doc/articles/wiki/index.html
  • doc/docs.html
  • doc/effective_go.html
  • doc/go1.1.html
  • doc/go_faq.html
  • doc/go_mem.html
  • doc/go_spec.html

具体的な変更は、href 属性の値が /doc/spec から /ref/spec へ、および /doc/mem から /ref/mem へと置換されている点です。

例:

doc/articles/wiki/index.html の変更点:

--- a/doc/articles/wiki/index.html
+++ b/doc/articles/wiki/index.html
@@ -154,7 +154,7 @@ function to return <code>*Page</code> and <code>error</code>.
 Callers of this function can now check the second parameter; if it is
 <code>nil</code> then it has successfully loaded a Page. If not, it will be an
 <code>error</code> that can be handled by the caller (see the
-<a href="/doc/spec#Errors">language specification</a> for details).\n
+<a href="/ref/spec#Errors">language specification</a> for details).\n
 </p>
 \n
 <p>\n
@@ -616,7 +616,7 @@ Let\'s put a call to <code>getTitle</code> in each of the handlers:\n Catching the error condition in each handler introduces a lot of repeated code.\n What if we could wrap each of the handlers in a function that does this\n validation and error checking? Go\'s\n-<a href="/doc/spec#Function_literals">function\n+<a href="/ref/spec#Function_literals">function\n literals</a> provide a powerful means of abstracting functionality\n that can help us here.\n </p>

doc/docs.html の変更点:

--- a/doc/docs.html
+++ b/doc/docs.html
@@ -85,12 +85,12 @@ The documentation for the Go standard library.\n The documentation for the Go tools.\n </p>\n \n-<h3 id="spec"><a href="/doc/spec">Language Specification</a></h3>\n+<h3 id="spec"><a href="/ref/spec">Language Specification</a></h3>\n <p>\n The official Go Language specification.\n </p>\n \n-<h3 id="go_mem"><a href="/doc/mem">The Go Memory Model</a></h3>\n+<h3 id="go_mem"><a href="/ref/mem">The Go Memory Model</a></h3>\n <p>\n A document that specifies the conditions under which reads of a variable in\n one goroutine can be guaranteed to observe values produced by writes to the

コアとなるコードの解説

上記の変更は、Go言語の公式ドキュメントサイトにおける内部リンクの整合性を保つためのものです。ウェブサイトの構造が変更され、言語仕様とメモリモデルのドキュメントが /doc/ ディレクトリから /ref/ ディレクトリに移動したため、既存のHTMLファイル内のすべての関連リンクを更新する必要がありました。

この種の変更は、ウェブサイトのリファクタリングにおいて一般的な作業です。ドキュメントのパスを変更する際には、そのドキュメントへのすべての参照を更新しなければ、リンク切れが発生し、ユーザーエクスペリエンスが損なわれます。このコミットは、Go言語のドキュメントチームが、ドキュメントの整理とメンテナンスに細心の注意を払っていることを示しています。

特に、doc/go_mem.htmldoc/go_spec.html 自体のメタデータ(HTMLコメント内のJSON形式のデータ)も更新されており、それぞれのドキュメントの「Path」が /doc/mem から /ref/mem、および /doc/spec から /ref/spec に変更されています。これは、これらのファイルが自身の正規のパスを認識していることを示しており、ウェブサイトのルーティングシステムがこの新しいパスに基づいてコンテンツを配信することを意味します。

関連リンク

参考にした情報源リンク