[インデックス 17956] ファイルの概要
このコミットは、Go言語の公式ドキュメントである doc/effective_go.html
ファイルに対する修正です。具体的には、HTMLタグの閉じ忘れを修正し、ドキュメントの構造的な整合性を向上させています。
コミット
commit b349477eabbc76fd038f20c69420e70e220397d7
Author: Oling Cat <olingcat@gmail.com>
Date: Wed Dec 11 09:49:28 2013 +1100
doc/effective_go.html: close some tags.
R=golang-dev, minux.ma
CC=golang-dev
https://golang.org/cl/37700043
GitHub上でのコミットページへのリンク
https://github.com/golang/go/commit/b349477eabbc76fd038f20c69420e70e220397d7
元コミット内容
doc/effective_go.html: close some tags.
R=golang-dev, minux.ma
CC=golang-dev
https://golang.org/cl/37700043
変更の背景
このコミットの背景には、ウェブドキュメントの品質とアクセシビリティの維持があります。effective_go.html
は、Go言語の「Effective Go」という重要なガイドラインを記述した公式ドキュメントであり、Go言語を学ぶ多くの開発者にとって参照される資料です。HTMLドキュメントにおいてタグの閉じ忘れは、ブラウザでの表示崩れ、検索エンジンのインデックス作成の妨げ、アクセシビリティツールの誤動作など、様々な問題を引き起こす可能性があります。
このコミットは、このような潜在的な問題を未然に防ぎ、ドキュメントの正確なレンダリングと長期的な保守性を確保するために行われました。特に、HTML5の登場以降、HTMLの構文規則はより厳密になり、適切なタグの閉じ方はウェブ標準への準拠において不可欠です。
前提知識の解説
HTML (HyperText Markup Language)
HTMLは、ウェブページの内容と構造を定義するための標準マークアップ言語です。要素はタグ(例: <p>
, <a>
, <div>
)で構成され、通常は開始タグと終了タグのペアでコンテンツを囲みます。
- 開始タグ:
<tagname>
- 終了タグ:
</tagname>
- 要素:
<tagname>コンテンツ</tagname>
一部のタグ(例: <img>
, <br>
, <input>
)は「空要素」と呼ばれ、終了タグを持ちません。しかし、多くのタグ、特にテキストブロックを定義する <p>
(パラグラフ)タグなどは、対応する終了タグが必要です。
effective_go.html
effective_go.html
は、Go言語の公式ドキュメントの一部であり、「Effective Go」というタイトルのガイドラインをHTML形式で提供しています。このドキュメントは、Go言語を効果的に記述するための慣用的なスタイル、パターン、およびベストプラクティスを説明しており、Go開発者にとって非常に重要なリソースです。
HTMLの構文チェックとバリデーション
HTMLドキュメントの構文が正しいことを確認するプロセスを「バリデーション」と呼びます。W3C Markup Validation Serviceのようなツールは、HTMLドキュメントがウェブ標準に準拠しているか、タグの閉じ忘れや属性の誤りがないかなどをチェックします。構文エラーは、ブラウザのレンダリングエンジンがエラー回復メカニズムを持っているため、必ずしも目に見える問題を引き起こすとは限りませんが、予期せぬ表示の不整合や、異なるブラウザ間での動作の違いの原因となることがあります。
技術的詳細
このコミットは、doc/effective_go.html
内の特定の箇所で、<p>
タグの終了タグ </p>
が欠落していたのを追加するものです。<p>
タグはパラグラフ(段落)を定義するために使用され、通常はブロックレベル要素として扱われます。HTMLの仕様では、<p>
タグは対応する </p>
終了タグを持つべきです。
ブラウザは、終了タグが欠落している場合でも、ある程度の推測に基づいてレンダリングを試みます。しかし、これはブラウザの実装に依存するため、一貫性のない表示や、複雑なCSSスタイルが適用された場合に予期せぬレイアウトの崩れを引き起こす可能性があります。
この修正は、ドキュメントのHTML構造をより堅牢にし、将来的なブラウザの変更やCSSの適用に対しても安定した表示を保証することを目的としています。また、HTMLバリデーターによるチェックをパスしやすくなり、ドキュメントの品質を向上させます。
コアとなるコードの変更箇所
--- a/doc/effective_go.html
+++ b/doc/effective_go.html
@@ -701,6 +701,7 @@ for _, value := range array {\n \n <p>\n The blank identifier has many uses, as described in <a href=\"#blank\">a later section</a>.\n+</p>\n \n <p>\n For strings, the <code>range</code> does more work for you, breaking out individual\n@@ -2173,6 +2174,7 @@ A one-case type switch would do, but so would a <em>type assertion</em>.\n A type assertion takes an interface value and extracts from it a value of the specified explicit type.\n The syntax borrows from the clause opening a type switch, but with an explicit\n type rather than the <code>type</code> keyword:\n+</p>\n \n <pre>\n value.(typeName)\n@@ -2463,6 +2465,8 @@ It has uses beyond those we\'ve seen already.\n <p>\n The use of a blank identifier in a <code>for</code> <code>range</code> loop is a\n special case of a general situation: multiple assignment.\n+</p>\n+\n <p>\n If an assignment requires multiple values on the left side,\n but one of the values will not be used by the program,\n```
## コアとなるコードの解説
上記のdiffは、`doc/effective_go.html` ファイル内の3つの異なる箇所で、それぞれ1行ずつ追加された変更を示しています。
1. **最初の変更 (`@@ -701,6 +701,7 @@`)**:
```diff
- <p>
- The blank identifier has many uses, as described in <a href="#blank">a later section</a>.
+ <p>
+ The blank identifier has many uses, as described in <a href="#blank">a later section</a>.
+</p>
```
この変更では、"The blank identifier has many uses, as described in a later section." というテキストを含むパラグラフの最後に `</p>` タグが追加されています。これにより、このパラグラフが正しく閉じられ、HTML構造が健全になります。
2. **2番目の変更 (`@@ -2173,6 +2174,7 @@`)**:
```diff
- type rather than the <code>type</code> keyword:
+ type rather than the <code>type</code> keyword:
+</p>
```
この変更では、"type rather than the `type` keyword:" というテキストの後に `</p>` タグが追加されています。これは、その前の `<p>` タグに対応する閉じタグです。このテキストの後に `<pre>` タグ(整形済みテキストブロック)が続くため、`<p>` タグを適切に閉じることで、`<pre>` ブロックが正しく独立した要素として扱われるようになります。
3. **3番目の変更 (`@@ -2463,6 +2465,8 @@`)**:
```diff
- special case of a general situation: multiple assignment.
+ special case of a general situation: multiple assignment.
+</p>
+
+<p>
- If an assignment requires multiple values on the left side,
+ If an assignment requires multiple values on the left side,
```
この変更は少し複雑に見えますが、実際には2つの異なるパラグラフの閉じタグを追加しています。
* 最初の `</p>` は、"The use of a blank identifier in a `for` `range` loop is a special case of a general situation: multiple assignment." というテキストを含むパラグラフを閉じています。
* その直後に新しい `<p>` タグが追加され、次のパラグラフが開始されています。これは、元のコードで `<p>` タグが暗黙的に閉じられていると解釈されていた箇所を明示的に修正し、新しいパラグラフの開始を明確にしています。
これらの変更はすべて、HTMLの基本的な構文規則に従い、開始タグに対応する終了タグを明示的に追加することで、ドキュメントの構造的な正確性を保証しています。
## 関連リンク
* Go言語公式ドキュメント: [https://golang.org/doc/](https://golang.org/doc/)
* Effective Go: [https://golang.org/doc/effective_go.html](https://golang.org/doc/effective_go.html)
* このコミットのGerritレビューページ: [https://golang.org/cl/37700043](https://golang.org/cl/37700043)
## 参考にした情報源リンク
* HTML `<p>` タグ: [https://developer.mozilla.org/ja/docs/Web/HTML/Element/p](https://developer.mozilla.org/ja/docs/Web/HTML/Element/p)
* W3C Markup Validation Service: [https://validator.w3.org/](https://validator.w3.org/)
* HTMLの構文規則 (W3C): [https://www.w3.org/TR/html52/syntax.html](https://www.w3.org/TR/html52/syntax.html)