[インデックス 18057] ファイルの概要
このコミットは、Go言語のAPI変更を追跡する api/next.txt
ファイルの更新に関するものです。具体的には、image
および image/color
パッケージに関連するAPI定義が削除され、代わりに debug/goobj
パッケージに関連する多数のAPI定義が追加されています。これは、Goの次期リリースにおけるAPIの進化を示す重要な変更点です。
コミット
commit 6a23d82df1da085e43dc8c0267b15aacf60f82e5
Author: Brad Fitzpatrick <bradfitz@golang.org>
Date: Wed Dec 18 10:37:27 2013 -0800
api: update next.txt
R=golang-dev, rsc
CC=golang-dev
https://golang.org/cl/43490048
GitHub上でのコミットページへのリンク
https://github.com/golang/go/commit/6a23d82df1da085e43dc8c0267b15aacf60f82e5
元コミット内容
このコミットの元の内容は、api/next.txt
ファイルを更新することです。このファイルは、Goの次期リリースで導入される予定のAPI変更を記録するために使用されます。コミットメッセージ自体は簡潔で、「api: update next.txt」とだけ記されており、具体的な変更内容は差分によって示されます。
変更の背景
Goプロジェクトでは、将来のリリースで導入される予定のAPI変更を api/next.txt
というファイルで管理しています。このファイルは、GoのAPI互換性ポリシーを維持するために非常に重要です。新しいAPIが追加されたり、既存のAPIが変更されたりする際には、まずこのファイルにその変更が記録されます。そして、その変更が安定し、正式にリリースされる準備が整うと、api/next.txt
から削除され、Goの標準ライブラリのAPI定義に組み込まれます。
このコミットの背景には、以下の2つの主要な動きが考えられます。
image
パッケージのAPIの安定化または移動:image
およびimage/color
パッケージの多くのAPIがapi/next.txt
から削除されています。これは、これらのAPIが既に安定版のGoリリースに組み込まれたか、あるいは設計変更により別の場所に移動または廃止された可能性を示唆しています。2013年12月という日付を考慮すると、Go 1.2のリリースが近づいていた時期であり、Go 1.2では画像処理に関する改善がいくつか行われています。これらのAPIがGo 1.2の一部として正式に公開されたため、next.txt
から削除されたと推測されます。debug/goobj
パッケージの新規導入または大幅な変更: 一方で、debug/goobj
パッケージの多数のAPIがapi/next.txt
に追加されています。これは、このパッケージがGoの次期リリース(おそらくGo 1.3以降)で導入される新しい機能、または既存の機能の大幅な拡張・変更を伴うことを示しています。debug/goobj
はGoのオブジェクトファイル(.o
ファイル)の構造を解析するためのパッケージであり、デバッグツールやプロファイリングツール、あるいはリンカなどの低レベルなツール開発において重要な役割を果たす可能性があります。この時期に、Goのツールチェインの内部構造に関するAPIが整備され始めたことを示唆しています。
前提知識の解説
このコミットを理解するためには、以下の概念が前提となります。
- Go言語のAPI互換性: Go言語は、後方互換性を非常に重視しています。特に、Go 1以降は、既存のプログラムが新しいバージョンのGoでも動作するように、APIの変更には厳格なルールが適用されます。
api/next.txt
は、この互換性ポリシーを維持するためのメカニズムの一部です。 api/next.txt
の役割: Goプロジェクトでは、将来のリリースで導入される予定のAPI変更をapi/next.txt
というテキストファイルで管理しています。このファイルは、GoのAPIレビュープロセスの一部であり、新しいAPIや変更されたAPIが正式にリリースされる前に、コミュニティや開発者がその変更を把握し、フィードバックを提供できるようにするためのものです。APIが安定し、リリースに含める準備が整うと、このファイルから削除されます。- Goの標準ライブラリ: Goは豊富な標準ライブラリを提供しており、画像処理 (
image
パッケージ) やデバッグツール (debug
パッケージ) など、多岐にわたる機能が含まれています。 image
パッケージ: Goの標準ライブラリの一部で、画像データの表現、操作、エンコード/デコード機能を提供します。image/color
は色の表現に関する型を定義します。debug/goobj
パッケージ: Goの標準ライブラリの一部で、Goのコンパイラが出力するオブジェクトファイル(.o
ファイル)の内部構造を解析するためのパッケージです。Goのオブジェクトファイルは、コンパイルされたGoのコード、データ、シンボル情報などを含んでいます。このパッケージは、Goのバイナリを解析するツール(例えば、デバッガ、プロファイラ、リンカ、あるいはカスタムのコード分析ツール)を開発する際に利用されます。- シンボル (Symbol): プログラム内の関数、変数、型などの名前付きエンティティを指します。オブジェクトファイルには、これらのシンボルとそのアドレスや型などの情報が格納されています。
- セクション (Section): オブジェクトファイル内のコード、初期化済みデータ、未初期化データなどの異なる種類の情報を格納する領域です。
debug/goobj
で定義されているSymKind
定数(例:STEXT
,SDATA
,SBSS
,SRODATA
)は、これらのセクションやシンボルの種類に対応しています。 - リロケーション (Relocation): コンパイル時にアドレスが確定できない参照(例えば、別のモジュールで定義された関数への呼び出し)を、リンカが最終的なアドレスに解決するための情報です。
技術的詳細
このコミットの技術的な詳細は、api/next.txt
の差分に集約されています。
削除されたAPI (pkg image
, pkg image/color
):
削除されたAPIは、Go 1.2のリリースノートや関連する変更履歴から、Go 1.2で正式に導入されたか、あるいはGo 1.1以前から存在し、Go 1.2で安定版として扱われるようになったものと推測されます。特に image.RGB
および image.RGB48
型とその関連メソッドは、Go 1.2で導入された新しい画像型であり、より効率的なRGB画像処理を可能にするものでした。これらが next.txt
から削除されたということは、これらのAPIがGo 1.2の公開APIとして確定したことを意味します。
pkg image, func NewRGB(Rectangle) *RGB
: 指定された矩形領域を持つ新しいRGB
画像を生成する関数。pkg image, func NewRGB48(Rectangle) *RGB48
: 指定された矩形領域を持つ新しいRGB48
画像を生成する関数。pkg image, method (*RGB) At(int, int) color.Color
:RGB
画像の指定された座標の色を返すメソッド。pkg image, method (*RGB) Bounds() Rectangle
:RGB
画像の境界矩形を返すメソッド。pkg image, method (*RGB) ColorModel() color.Model
:RGB
画像の色モデルを返すメソッド。pkg image, method (*RGB) Opaque() bool
:RGB
画像が完全に不透明であるかどうかを返すメソッド。pkg image, method (*RGB) PixOffset(int, int) int
:RGB
画像の指定された座標のピクセルデータへのオフセットを返すメソッド。pkg image, method (*RGB) Set(int, int, color.Color)
:RGB
画像の指定された座標の色を設定するメソッド。pkg image, method (*RGB) SetRGB(int, int, color.RGB)
:RGB
画像の指定された座標にcolor.RGB
を設定するメソッド。pkg image, method (*RGB) SubImage(Rectangle) Image
:RGB
画像のサブイメージを返すメソッド。pkg image, type RGB struct
: RGBカラーモデルの画像を表す構造体。Pix []uint8
: ピクセルデータを格納するスライス。Rect Rectangle
: 画像の境界矩形。Stride int
: 各行のピクセルデータのバイト数。
pkg image/color, type RGB struct
: RGBカラーを表す構造体。B uint8
,G uint8
,R uint8
: 各色の8ビット成分。
pkg image/color, type RGB48 struct
: 48ビットRGBカラーを表す構造体。B uint16
,G uint16
,R uint16
: 各色の16ビット成分。
追加されたAPI (pkg debug/goobj
):
追加されたAPIは、Goのオブジェクトファイル(.o
ファイル)の構造を詳細に解析するためのものです。これにより、Goのコンパイラやリンカの内部動作を理解したり、カスタムのデバッグツールやプロファイリングツールを開発したりすることが可能になります。
SymKind
定数: Goのオブジェクトファイル内のシンボルの種類を表す定数群です。これらは、コードセクション (STEXT
)、データセクション (SDATA
,SNOPTRDATA
)、BSSセクション (SBSS
,SNOPTRBSS
)、読み取り専用データセクション (SRODATA
)、関数テーブル (SFUNCTAB
)、PCLNTAB (SPCLNTAB
- Goの実行時情報、スタックトレース、デバッグ情報などを含むテーブル) など、Goのバイナリの様々な構成要素に対応しています。STEXT
: コードセクション。SDATA
: 初期化済みデータセクション。SBSS
: 未初期化データセクション。SRODATA
: 読み取り専用データセクション。SPCLNTAB
: Goの実行時情報テーブル。SGOFUNC
: Goの関数シンボル。SGOSTRING
: Goの文字列リテラルシンボル。SFILE
: ファイルパスシンボル。SCONST
: 定数シンボル。SDYNIMPORT
: 動的インポートシンボル。SINITARR
: 初期化配列シンボル。SMACHO*
: Mach-O (macOS/iOSの実行ファイル形式) 固有のシンボル種類。SWINDOWS
: Windows固有のシンボル種類。
Parse(io.ReadSeeker, string) (*Package, error)
関数:debug/goobj
パッケージの主要なエントリポイントとなる関数で、Goのオブジェクトファイルを解析し、その内容をPackage
構造体として返します。io.ReadSeeker
インターフェースを引数にとることで、ファイルだけでなく、メモリ上のデータなど様々なソースからオブジェクトファイルを読み込むことができます。Package
構造体: 解析されたGoのオブジェクトファイル全体を表す構造体です。ImportPath string
: パッケージのインポートパス。Imports []string
: このパッケージがインポートしている他のパッケージのリスト。MaxVersion int
: オブジェクトファイルのバージョン情報。Syms []*Sym
: このパッケージに含まれるシンボルのリスト。
Sym
構造体: Goのオブジェクトファイル内の個々のシンボルを表す構造体です。Data Data
: シンボルに関連付けられたデータ(オフセットとサイズ)。DupOK bool
: シンボルが重複を許容するかどうか。Func *Func
: シンボルが関数である場合、その関数情報へのポインタ。Kind SymKind
: シンボルの種類。Reloc []Reloc
: シンボルに関連付けられたリロケーション情報のリスト。Size int
: シンボルのサイズ。Type SymID
: シンボルの型情報。
Func
構造体: 関数シンボルに関する詳細情報を含む構造体です。Args int
: 関数の引数のバイト数。File []string
: 関数に関連するソースファイルのリスト。Frame int
: 関数のスタックフレームサイズ。FuncData []FuncData
: 関数に関連する追加データ。PCData []Data
: PC (プログラムカウンタ) データ。PCFile Data
,PCLine Data
,PCSP Data
: PCとファイル、行番号、スタックポインタに関するデータ。Var []Var
: 関数内のローカル変数情報。
Reloc
構造体: リロケーション情報を含む構造体です。Add int
: リロケーションの加算値。Offset int
: リロケーションが適用されるオフセット。Size int
: リロケーションのサイズ。Sym SymID
: リロケーションが参照するシンボル。Type int
: リロケーションの種類。
SymID
構造体: シンボルを一意に識別するためのID。Name string
: シンボルの名前。Version int
: シンボルのバージョン。
Data
構造体: データブロックのオフセットとサイズ。FuncData
構造体: 関数に関連する追加データ。Var
構造体: 変数情報。
これらのAPIは、Goのコンパイラやリンカの内部構造を深く理解し、Goのバイナリをプログラム的に解析するための強力なツールを提供します。これにより、Goのデバッグ、プロファイリング、あるいはカスタムのコード分析ツールなどの開発が容易になります。
コアとなるコードの変更箇所
このコミットにおけるコアとなるコードの変更箇所は、api/next.txt
ファイルの差分そのものです。
--- a/api/next.txt
+++ b/api/next.txt
@@ -1,38 +1,112 @@
-pkg image, func NewRGB(Rectangle) *RGB
-pkg image, func NewRGB48(Rectangle) *RGB48
-pkg image, method (*RGB) At(int, int) color.Color
-pkg image, method (*RGB) Bounds() Rectangle
-pkg image, method (*RGB) ColorModel() color.Model
-pkg image, method (*RGB) Opaque() bool
-pkg image, method (*RGB) PixOffset(int, int) int
-pkg image, method (*RGB) Set(int, int, color.Color)
-pkg image, method (*RGB) SetRGB(int, int, color.RGB)
-pkg image, method (*RGB) SubImage(Rectangle) Image
-pkg image, method (*RGB48) At(int, int) color.Color
-pkg image, method (*RGB48) Bounds() Rectangle
-pkg image, method (*RGB48) ColorModel() color.Model
-pkg image, method (*RGB48) Opaque() bool
-pkg image, method (*RGB48) PixOffset(int, int) int
-pkg image, method (*RGB48) Set(int, int, color.Color)
-pkg image, method (*RGB48) SetRGB48(int, int, color.RGB48)
-pkg image, method (*RGB48) SubImage(Rectangle) Image
-pkg image, type RGB struct
-pkg image, type RGB struct, Pix []uint8
-pkg image, type RGB struct, Rect Rectangle
-pkg image, type RGB struct, Stride int
-pkg image, type RGB48 struct
-pkg image, type RGB48 struct, Pix []uint8
-pkg image, type RGB48 struct, Rect Rectangle
-pkg image, type RGB48 struct, Stride int
-pkg image/color, method (RGB) RGBA() (uint32, uint32, uint32, uint32)
-pkg image/color, method (RGB48) RGBA() (uint32, uint32, uint32, uint32)
-pkg image/color, type RGB struct
-pkg image/color, type RGB struct, B uint8
-pkg image/color, type RGB struct, G uint8
-pkg image/color, type RGB struct, R uint8
-pkg image/color, type RGB48 struct
-pkg image/color, type RGB48 struct, B uint16
-pkg image/color, type RGB48 struct, G uint16
-pkg image/color, type RGB48 struct, R uint16
-pkg image/color, var RGB48Model Model
-pkg image/color, var RGBModel Model
+pkg debug/goobj, const SBSS = 21
+pkg debug/goobj, const SBSS SymKind
+pkg debug/goobj, const SCONST = 31
+pkg debug/goobj, const SCONST SymKind
+pkg debug/goobj, const SDATA = 19
+pkg debug/goobj, const SDATA SymKind
+pkg debug/goobj, const SDYNIMPORT = 32
+pkg debug/goobj, const SDYNIMPORT SymKind
+pkg debug/goobj, const SELFROSECT = 12
+pkg debug/goobj, const SELFROSECT SymKind
+pkg debug/goobj, const SELFRXSECT = 2
+pkg debug/goobj, const SELFRXSECT SymKind
+pkg debug/goobj, const SELFSECT = 14
+pkg debug/goobj, const SELFSECT SymKind
+pkg debug/goobj, const SFILE = 29
+pkg debug/goobj, const SFILE SymKind
+pkg debug/goobj, const SFILEPATH = 30
+pkg debug/goobj, const SFILEPATH SymKind
+pkg debug/goobj, const SFUNCTAB = 8
+pkg debug/goobj, const SFUNCTAB SymKind
+pkg debug/goobj, const SGOFUNC = 6
+pkg debug/goobj, const SGOFUNC SymKind
+pkg debug/goobj, const SGOSTRING = 5
+pkg debug/goobj, const SGOSTRING SymKind
+pkg debug/goobj, const SHOSTOBJ = 33
+pkg debug/goobj, const SHOSTOBJ SymKind
+pkg debug/goobj, const SINITARR = 18
+pkg debug/goobj, const SINITARR SymKind
+pkg debug/goobj, const SMACHO = 15
+pkg debug/goobj, const SMACHO SymKind
+pkg debug/goobj, const SMACHOGOT = 16
+pkg debug/goobj, const SMACHOGOT SymKind
+pkg debug/goobj, const SMACHOINDIRECTGOT = 28
+pkg debug/goobj, const SMACHOINDIRECTGOT SymKind
+pkg debug/goobj, const SMACHOINDIRECTPLT = 27
+pkg debug/goobj, const SMACHOINDIRECTPLT SymKind
+pkg debug/goobj, const SMACHOPLT = 13
+pkg debug/goobj, const SMACHOPLT SymKind
+pkg debug/goobj, const SMACHOSYMSTR = 25
+pkg debug/goobj, const SMACHOSYMSTR SymKind
+pkg debug/goobj, const SMACHOSYMTAB = 26
+pkg debug/goobj, const SMACHOSYMTAB SymKind
+pkg debug/goobj, const SNOPTRBSS = 22
+pkg debug/goobj, const SNOPTRBSS SymKind
+pkg debug/goobj, const SNOPTRDATA = 17
+pkg debug/goobj, const SNOPTRDATA SymKind
+pkg debug/goobj, const SPCLNTAB = 11
+pkg debug/goobj, const SPCLNTAB SymKind
+pkg debug/goobj, const SRODATA = 7
+pkg debug/goobj, const SRODATA SymKind
+pkg debug/goobj, const SSTRING = 4
+pkg debug/goobj, const SSTRING SymKind
+pkg debug/goobj, const SSYMTAB = 10
+pkg debug/goobj, const SSYMTAB SymKind
+pkg debug/goobj, const STEXT = 1
+pkg debug/goobj, const STEXT SymKind
+pkg debug/goobj, const STLSBSS = 23
+pkg debug/goobj, const STLSBSS SymKind
+pkg debug/goobj, const STYPE = 3
+pkg debug/goobj, const STYPE SymKind
+pkg debug/goobj, const STYPELINK = 9
+pkg debug/goobj, const STYPELINK SymKind
+pkg debug/goobj, const SWINDOWS = 20
+pkg debug/goobj, const SWINDOWS SymKind
+pkg debug/goobj, const SXREF = 24
+pkg debug/goobj, const SXREF SymKind
+pkg debug/goobj, func Parse(io.ReadSeeker, string) (*Package, error)
+pkg debug/goobj, type Data struct
+pkg debug/goobj, type Data struct, Offset int64
+pkg debug/goobj, type Data struct, Size int64
+pkg debug/goobj, type Func struct
+pkg debug/goobj, type Func struct, Args int
+pkg debug/goobj, type Func struct, File []string
+pkg debug/goobj, type Func struct, Frame int
+pkg debug/goobj, type Func struct, FuncData []FuncData
+pkg debug/goobj, type Func struct, PCData []Data
+pkg debug/goobj, type Func struct, PCFile Data
+pkg debug/goobj, type Func struct, PCLine Data
+pkg debug/goobj, type Func struct, PCSP Data
+pkg debug/goobj, type Func struct, Var []Var
+pkg debug/goobj, type FuncData struct
+pkg debug/goobj, type FuncData struct, Offset int64
+pkg debug/goobj, type FuncData struct, Sym SymID
+pkg debug/goobj, type Package struct
+pkg debug/goobj, type Package struct, ImportPath string
+pkg debug/goobj, type Package struct, Imports []string
+pkg debug/goobj, type Package struct, MaxVersion int
+pkg debug/goobj, type Package struct, Syms []*Sym
+pkg debug/goobj, type Reloc struct
+pkg debug/goobj, type Reloc struct, Add int
+pkg debug/goobj, type Reloc struct, Offset int
+pkg debug/goobj, type Reloc struct, Size int
+pkg debug/goobj, type Reloc struct, Sym SymID
+pkg debug/goobj, type Reloc struct, Type int
+pkg debug/goobj, type Sym struct
+pkg debug/goobj, type Sym struct, Data Data
+pkg debug/goobj, type Sym struct, DupOK bool
+pkg debug/goobj, type Sym struct, Func *Func
+pkg debug/goobj, type Sym struct, Kind SymKind
+pkg debug/goobj, type Sym struct, Reloc []Reloc
+pkg debug/goobj, type Sym struct, Size int
+pkg debug/goobj, type Sym struct, Type SymID
+pkg debug/goobj, type Sym struct, embedded SymID
+pkg debug/goobj, type SymID struct
+pkg debug/goobj, type SymID struct, Name string
+pkg debug/goobj, type SymID struct, Version int
+pkg debug/goobj, type SymKind int
+pkg debug/goobj, type Var struct
+pkg debug/goobj, type Var struct, Kind int
+pkg debug/goobj, type Var struct, Name string
+pkg debug/goobj, type Var struct, Offset int
+pkg debug/goobj, type Var struct, Type SymID
コアとなるコードの解説
この差分は、GoのAPI変更管理プロセスにおける重要なスナップショットを示しています。
-
で始まる行: これらはapi/next.txt
から削除されたAPI定義です。前述の通り、image
およびimage/color
パッケージのAPIが削除されています。これは、これらのAPIがGoの安定版リリース(おそらくGo 1.2)に組み込まれ、もはや「次期リリースで導入される予定」のAPIではなくなったことを意味します。開発者はこれらのAPIを安心して利用できるようになります。+
で始まる行: これらはapi/next.txt
に追加されたAPI定義です。debug/goobj
パッケージの多数の定数、関数、および構造体が追加されています。これは、Goのツールチェインの内部構造を公開するための新しいAPIが導入され、次期リリース(おそらくGo 1.3以降)で利用可能になることを示しています。これらのAPIは、Goのオブジェクトファイルをプログラム的に解析するための基盤を提供し、デバッグツール、プロファイリングツール、あるいはカスタムのビルドツールなどの開発を可能にします。
この変更は、Goの標準ライブラリが進化し続けていることを示しており、特に低レベルなツール開発をサポートするための機能が強化されていることがわかります。
関連リンク
- Go 1.2 Release Notes (画像パッケージに関する変更点が含まれている可能性があります): https://go.dev/doc/go1.2
- Go
debug/goobj
パッケージのドキュメント (Goのバージョンによって内容が異なる場合があります): https://pkg.go.dev/debug/goobj - GoのAPI互換性に関するポリシー: https://go.dev/doc/go1compat
参考にした情報源リンク
- Goの公式ドキュメント (pkg.go.dev)
- Goのリリースノート (go.dev/doc)
- Goのソースコードリポジトリ (github.com/golang/go)
- Goのコードレビューシステム (golang.org/cl)
- GoのAPI互換性に関する議論やドキュメント
- Goのオブジェクトファイル形式に関する情報 (Goの内部実装に関するドキュメントやブログ記事など)
- Goのツールチェインに関する情報# [インデックス 18057] ファイルの概要
このコミットは、Go言語のAPI変更を追跡する api/next.txt
ファイルの更新に関するものです。具体的には、image
および image/color
パッケージに関連するAPI定義が削除され、代わりに debug/goobj
パッケージに関連する多数のAPI定義が追加されています。これは、Goの次期リリースにおけるAPIの進化を示す重要な変更点です。
コミット
commit 6a23d82df1da085e43dc8c0267b15aacf60f82e5
Author: Brad Fitzpatrick <bradfitz@golang.org>
Date: Wed Dec 18 10:37:27 2013 -0800
api: update next.txt
R=golang-dev, rsc
CC=golang-dev
https://golang.org/cl/43490048
GitHub上でのコミットページへのリンク
https://github.com/golang/go/commit/6a23d82df1da085e43dc8c0267b15aacf60f82e5
元コミット内容
このコミットの元の内容は、api/next.txt
ファイルを更新することです。このファイルは、Goの次期リリースで導入される予定のAPI変更を記録するために使用されます。コミットメッセージ自体は簡潔で、「api: update next.txt」とだけ記されており、具体的な変更内容は差分によって示されます。
変更の背景
Goプロジェクトでは、将来のリリースで導入される予定のAPI変更を api/next.txt
というファイルで管理しています。このファイルは、GoのAPI互換性ポリシーを維持するために非常に重要です。新しいAPIが追加されたり、既存のAPIが変更されたりする際には、まずこのファイルにその変更が記録されます。そして、その変更が安定し、正式にリリースされる準備が整うと、api/next.txt
から削除され、Goの標準ライブラリのAPI定義に組み込まれます。
このコミットの背景には、以下の2つの主要な動きが考えられます。
image
パッケージのAPIの安定化または移動:image
およびimage/color
パッケージの多くのAPIがapi/next.txt
から削除されています。これは、これらのAPIが既に安定版のGoリリースに組み込まれたか、あるいは設計変更により別の場所に移動または廃止された可能性を示唆しています。2013年12月という日付を考慮すると、Go 1.2のリリースが近づいていた時期であり、Go 1.2では画像処理に関する改善がいくつか行われています。これらのAPIがGo 1.2の一部として正式に公開されたため、next.txt
から削除されたと推測されます。debug/goobj
パッケージの新規導入または大幅な変更: 一方で、debug/goobj
パッケージの多数のAPIがapi/next.txt
に追加されています。これは、このパッケージがGoの次期リリース(おそらくGo 1.3以降)で導入される新しい機能、または既存の機能の大幅な拡張・変更を伴うことを示しています。debug/goobj
はGoのオブジェクトファイル(.o
ファイル)の構造を解析するためのパッケージであり、デバッグツールやプロファイリングツール、あるいはリンカなどの低レベルなツール開発において重要な役割を果たす可能性があります。この時期に、Goのツールチェインの内部構造に関するAPIが整備され始めたことを示唆しています。
前提知識の解説
このコミットを理解するためには、以下の概念が前提となります。
- Go言語のAPI互換性: Go言語は、後方互換性を非常に重視しています。特に、Go 1以降は、既存のプログラムが新しいバージョンのGoでも動作するように、APIの変更には厳格なルールが適用されます。
api/next.txt
は、この互換性ポリシーを維持するためのメカニズムの一部です。 api/next.txt
の役割: Goプロジェクトでは、将来のリリースで導入される予定のAPI変更をapi/next.txt
というテキストファイルで管理しています。このファイルは、GoのAPIレビュープロセスの一部であり、新しいAPIや変更されたAPIが正式にリリースされる前に、コミュニティや開発者がその変更を把握し、フィードバックを提供できるようにするためのものです。APIが安定し、リリースに含める準備が整うと、このファイルから削除されます。- Goの標準ライブラリ: Goは豊富な標準ライブラリを提供しており、画像処理 (
image
パッケージ) やデバッグツール (debug
パッケージ) など、多岐にわたる機能が含まれています。 image
パッケージ: Goの標準ライブラリの一部で、画像データの表現、操作、エンコード/デコード機能を提供します。image/color
は色の表現に関する型を定義します。debug/goobj
パッケージ: Goの標準ライブラリの一部で、Goのコンパイラが出力するオブジェクトファイル(.o
ファイル)の内部構造を解析するためのパッケージです。Goのオブジェクトファイルは、コンパイルされたGoのコード、データ、シンボル情報などを含んでいます。このパッケージは、Goのバイナリを解析するツール(例えば、デバッガ、プロファイラ、リンカ、あるいはカスタムのコード分析ツール)を開発する際に利用されます。- シンボル (Symbol): プログラム内の関数、変数、型などの名前付きエンティティを指します。オブジェクトファイルには、これらのシンボルとそのアドレスや型などの情報が格納されています。
- セクション (Section): オブジェクトファイル内のコード、初期化済みデータ、未初期化データなどの異なる種類の情報を格納する領域です。
debug/goobj
で定義されているSymKind
定数(例:STEXT
,SDATA
,SBSS
,SRODATA
)は、これらのセクションやシンボルの種類に対応しています。 - リロケーション (Relocation): コンパイル時にアドレスが確定できない参照(例えば、別のモジュールで定義された関数への呼び出し)を、リンカが最終的なアドレスに解決するための情報です。
技術的詳細
このコミットの技術的な詳細は、api/next.txt
の差分に集約されています。
削除されたAPI (pkg image
, pkg image/color
):
削除されたAPIは、Go 1.2のリリースノートや関連する変更履歴から、Go 1.2で正式に導入されたか、あるいはGo 1.1以前から存在し、Go 1.2で安定版として扱われるようになったものと推測されます。特に image.RGB
および image.RGB48
型とその関連メソッドは、Go 1.2で導入された新しい画像型であり、より効率的なRGB画像処理を可能にするものでした。これらが next.txt
から削除されたということは、これらのAPIがGo 1.2の公開APIとして確定したことを意味します。
pkg image, func NewRGB(Rectangle) *RGB
: 指定された矩形領域を持つ新しいRGB
画像を生成する関数。pkg image, func NewRGB48(Rectangle) *RGB48
: 指定された矩形領域を持つ新しいRGB48
画像を生成する関数。pkg image, method (*RGB) At(int, int) color.Color
:RGB
画像の指定された座標の色を返すメソッド。pkg image, method (*RGB) Bounds() Rectangle
:RGB
画像の境界矩形を返すメソッド。pkg image, method (*RGB) ColorModel() color.Model
:RGB
画像の色モデルを返すメソッド。pkg image, method (*RGB) Opaque() bool
:RGB
画像が完全に不透明であるかどうかを返すメソッド。pkg image, method (*RGB) PixOffset(int, int) int
:RGB
画像の指定された座標のピクセルデータへのオフセットを返すメソッド。pkg image, method (*RGB) Set(int, int, color.Color)
:RGB
画像の指定された座標の色を設定するメソッド。pkg image, method (*RGB) SetRGB(int, int, color.RGB)
:RGB
画像の指定された座標にcolor.RGB
を設定するメソッド。pkg image, method (*RGB) SubImage(Rectangle) Image
:RGB
画像のサブイメージを返すメソッド。pkg image, type RGB struct
: RGBカラーモデルの画像を表す構造体。Pix []uint8
: ピクセルデータを格納するスライス。Rect Rectangle
: 画像の境界矩形。Stride int
: 各行のピクセルデータのバイト数。
pkg image/color, type RGB struct
: RGBカラーを表す構造体。B uint8
,G uint8
,R uint8
: 各色の8ビット成分。
pkg image/color, type RGB48 struct
: 48ビットRGBカラーを表す構造体。B uint16
,G uint16
,R uint16
: 各色の16ビット成分。
追加されたAPI (pkg debug/goobj
):
追加されたAPIは、Goのオブジェクトファイル(.o
ファイル)の構造を詳細に解析するためのものです。これにより、Goのコンパイラやリンカの内部動作を理解したり、カスタムのデバッグツールやプロファイリングツールを開発したりすることが可能になります。
SymKind
定数: Goのオブジェクトファイル内のシンボルの種類を表す定数群です。これらは、コードセクション (STEXT
)、データセクション (SDATA
,SNOPTRDATA
)、BSSセクション (SBSS
,SNOPTRBSS
)、読み取り専用データセクション (SRODATA
)、関数テーブル (SFUNCTAB
)、PCLNTAB (SPCLNTAB
- Goの実行時情報、スタックトレース、デバッグ情報などを含むテーブル) など、Goのバイナリの様々な構成要素に対応しています。STEXT
: コードセクション。SDATA
: 初期化済みデータセクション。SBSS
: 未初期化データセクション。SRODATA
: 読み取り専用データセクション。SPCLNTAB
: Goの実行時情報テーブル。SGOFUNC
: Goの関数シンボル。SGOSTRING
: Goの文字列リテラルシンボル。SFILE
: ファイルパスシンボル。SCONST
: 定数シンボル。SDYNIMPORT
: 動的インポートシンボル。SINITARR
: 初期化配列シンボル。SMACHO*
: Mach-O (macOS/iOSの実行ファイル形式) 固有のシンボル種類。SWINDOWS
: Windows固有のシンボル種類。
Parse(io.ReadSeeker, string) (*Package, error)
関数:debug/goobj
パッケージの主要なエントリポイントとなる関数で、Goのオブジェクトファイルを解析し、その内容をPackage
構造体として返します。io.ReadSeeker
インターフェースを引数にとることで、ファイルだけでなく、メモリ上のデータなど様々なソースからオブジェクトファイルを読み込むことができます。Package
構造体: 解析されたGoのオブジェクトファイル全体を表す構造体です。ImportPath string
: パッケージのインポートパス。Imports []string
: このパッケージがインポートしている他のパッケージのリスト。MaxVersion int
: オブジェクトファイルのバージョン情報。Syms []*Sym
: このパッケージに含まれるシンボルのリスト。
Sym
構造体: Goのオブジェクトファイル内の個々のシンボルを表す構造体です。Data Data
: シンボルに関連付けられたデータ(オフセットとサイズ)。DupOK bool
: シンボルが重複を許容するかどうか。Func *Func
: シンボルが関数である場合、その関数情報へのポインタ。Kind SymKind
: シンボルの種類。Reloc []Reloc
: シンボルに関連付けられたリロケーション情報のリスト。Size int
: シンボルのサイズ。Type SymID
: シンボルの型情報。
Func
構造体: 関数シンボルに関する詳細情報を含む構造体です。Args int
: 関数の引数のバイト数。File []string
: 関数に関連するソースファイルのリスト。Frame int
: 関数のスタックフレームサイズ。FuncData []FuncData
: 関数に関連する追加データ。PCData []Data
: PC (プログラムカウンタ) データ。PCFile Data
,PCLine Data
,PCSP Data
: PCとファイル、行番号、スタックポインタに関するデータ。Var []Var
: 関数内のローカル変数情報。
Reloc
構造体: リロケーション情報を含む構造体です。Add int
: リロケーションの加算値。Offset int
: リロケーションが適用されるオフセット。Size int
: リロケーションのサイズ。Sym SymID
: リロケーションが参照するシンボル。Type int
: リロケーションの種類。
SymID
構造体: シンボルを一意に識別するためのID。Name string
: シンボルの名前。Version int
: シンボルのバージョン。
Data
構造体: データブロックのオフセットとサイズ。FuncData
構造体: 関数に関連する追加データ。Var
構造体: 変数情報。
これらのAPIは、Goのコンパイラやリンカの内部構造を深く理解し、Goのバイナリをプログラム的に解析するための強力なツールを提供します。これにより、Goのデバッグ、プロファイリング、あるいはカスタムのコード分析ツールなどの開発が容易になります。
コアとなるコードの変更箇所
このコミットにおけるコアとなるコードの変更箇所は、api/next.txt
ファイルの差分そのものです。
--- a/api/next.txt
+++ b/api/next.txt
@@ -1,38 +1,112 @@
-pkg image, func NewRGB(Rectangle) *RGB
-pkg image, func NewRGB48(Rectangle) *RGB48
-pkg image, method (*RGB) At(int, int) color.Color
-pkg image, method (*RGB) Bounds() Rectangle
-pkg image, method (*RGB) ColorModel() color.Model
-pkg image, method (*RGB) Opaque() bool
-pkg image, method (*RGB) PixOffset(int, int) int
-pkg image, method (*RGB) Set(int, int, color.Color)
-pkg image, method (*RGB) SetRGB(int, int, color.RGB)
-pkg image, method (*RGB) SubImage(Rectangle) Image
-pkg image, method (*RGB48) At(int, int) color.Color
-pkg image, method (*RGB48) Bounds() Rectangle
-pkg image, method (*RGB48) ColorModel() color.Model
-pkg image, method (*RGB48) Opaque() bool
-pkg image, method (*RGB48) PixOffset(int, int) int
-pkg image, method (*RGB48) Set(int, int, color.Color)
-pkg image, method (*RGB48) SetRGB48(int, int, color.RGB48)
-pkg image, method (*RGB48) SubImage(Rectangle) Image
-pkg image, type RGB struct
-pkg image, type RGB struct, Pix []uint8
-pkg image, type RGB struct, Rect Rectangle
-pkg image, type RGB struct, Stride int
-pkg image, type RGB48 struct
-pkg image, type RGB48 struct, Pix []uint8
-pkg image, type RGB48 struct, Rect Rectangle
-pkg image, type RGB48 struct, Stride int
-pkg image/color, method (RGB) RGBA() (uint32, uint32, uint32, uint32)
-pkg image/color, method (RGB48) RGBA() (uint32, uint32, uint32, uint32)
-pkg image/color, type RGB struct
-pkg image/color, type RGB struct, B uint8
-pkg image/color, type RGB struct, G uint8
-pkg image/color, type RGB struct, R uint8
-pkg image/color, type RGB48 struct
-pkg image/color, type RGB48 struct, B uint16
-pkg image/color, type RGB48 struct, G uint16
-pkg image/color, type RGB48 struct, R uint16
-pkg image/color, var RGB48Model Model
-pkg image/color, var RGBModel Model
+pkg debug/goobj, const SBSS = 21
+pkg debug/goobj, const SBSS SymKind
+pkg debug/goobj, const SCONST = 31
+pkg debug/goobj, const SCONST SymKind
+pkg debug/goobj, const SDATA = 19
+pkg debug/goobj, const SDATA SymKind
+pkg debug/goobj, const SDYNIMPORT = 32
+pkg debug/goobj, const SDYNIMPORT SymKind
+pkg debug/goobj, const SELFROSECT = 12
+pkg debug/goobj, const SELFROSECT SymKind
+pkg debug/goobj, const SELFRXSECT = 2
+pkg debug/goobj, const SELFRXSECT SymKind
+pkg debug/goobj, const SELFSECT = 14
+pkg debug/goobj, const SELFSECT SymKind
+pkg debug/goobj, const SFILE = 29
+pkg debug/goobj, const SFILE SymKind
+pkg debug/goobj, const SFILEPATH = 30
+pkg debug/goobj, const SFILEPATH SymKind
+pkg debug/goobj, const SFUNCTAB = 8
+pkg debug/goobj, const SFUNCTAB SymKind
+pkg debug/goobj, const SGOFUNC = 6
+pkg debug/goobj, const SGOFUNC SymKind
+pkg debug/goobj, const SGOSTRING = 5
+pkg debug/goobj, const SGOSTRING SymKind
+pkg debug/goobj, const SHOSTOBJ = 33
+pkg debug/goobj, const SHOSTOBJ SymKind
+pkg debug/goobj, const SINITARR = 18
+pkg debug/goobj, const SINITARR SymKind
+pkg debug/goobj, const SMACHO = 15
+pkg debug/goobj, const SMACHO SymKind
+pkg debug/goobj, const SMACHOGOT = 16
+pkg debug/goobj, const SMACHOGOT SymKind
+pkg debug/goobj, const SMACHOINDIRECTGOT = 28
+pkg debug/goobj, const SMACHOINDIRECTGOT SymKind
+pkg debug/goobj, const SMACHOINDIRECTPLT = 27
+pkg debug/goobj, const SMACHOINDIRECTPLT SymKind
+pkg debug/goobj, const SMACHOPLT = 13
+pkg debug/goobj, const SMACHOPLT SymKind
+pkg debug/goobj, const SMACHOSYMSTR = 25
+pkg debug/goobj, const SMACHOSYMSTR SymKind
+pkg debug/goobj, const SMACHOSYMTAB = 26
+pkg debug/goobj, const SMACHOSYMTAB SymKind
+pkg debug/goobj, const SNOPTRBSS = 22
+pkg debug/goobj, const SNOPTRBSS SymKind
+pkg debug/goobj, const SNOPTRDATA = 17
+pkg debug/goobj, const SNOPTRDATA SymKind
+pkg debug/goobj, const SPCLNTAB = 11
+pkg debug/goobj, const SPCLNTAB SymKind
+pkg debug/goobj, const SRODATA = 7
+pkg debug/goobj, const SRODATA SymKind
+pkg debug/goobj, const SSTRING = 4
+pkg debug/goobj, const SSTRING SymKind
+pkg debug/goobj, const SSYMTAB = 10
+pkg debug/goobj, const SSYMTAB SymKind
+pkg debug/goobj, const STEXT = 1
+pkg debug/goobj, const STEXT SymKind
+pkg debug/goobj, const STLSBSS = 23
+pkg debug/goobj, const STLSBSS SymKind
+pkg debug/goobj, const STYPE = 3
+pkg debug/goobj, const STYPE SymKind
+pkg debug/goobj, const STYPELINK = 9
+pkg debug/goobj, const STYPELINK SymKind
+pkg debug/goobj, const SWINDOWS = 20
+pkg debug/goobj, const SWINDOWS SymKind
+pkg debug/goobj, const SXREF = 24
+pkg debug/goobj, const SXREF SymKind
+pkg debug/goobj, func Parse(io.ReadSeeker, string) (*Package, error)
+pkg debug/goobj, type Data struct
+pkg debug/goobj, type Data struct, Offset int64
+pkg debug/goobj, type Data struct, Size int64
+pkg debug/goobj, type Func struct
+pkg debug/goobj, type Func struct, Args int
+pkg debug/goobj, type Func struct, File []string
+pkg debug/goobj, type Func struct, Frame int
+pkg debug/goobj, type Func struct, FuncData []FuncData
+pkg debug/goobj, type Func struct, PCData []Data
+pkg debug/goobj, type Func struct, PCFile Data
+pkg debug/goobj, type Func struct, PCLine Data
+pkg debug/goobj, type Func struct, PCSP Data
+pkg debug/goobj, type Func struct, Var []Var
+pkg debug/goobj, type FuncData struct
+pkg debug/goobj, type FuncData struct, Offset int64
+pkg debug/goobj, type FuncData struct, Sym SymID
+pkg debug/goobj, type Package struct
+pkg debug/goobj, type Package struct, ImportPath string
+pkg debug/goobj, type Package struct, Imports []string
+pkg debug/goobj, type Package struct, MaxVersion int
+pkg debug/goobj, type Package struct, Syms []*Sym
+pkg debug/goobj, type Reloc struct
+pkg debug/goobj, type Reloc struct, Add int
+pkg debug/goobj, type Reloc struct, Offset int
+pkg debug/goobj, type Reloc struct, Size int
+pkg debug/goobj, type Reloc struct, Sym SymID
+pkg debug/goobj, type Reloc struct, Type int
+pkg debug/goobj, type Sym struct
+pkg debug/goobj, type Sym struct, Data Data
+pkg debug/goobj, type Sym struct, DupOK bool
+pkg debug/goobj, type Sym struct, Func *Func
+pkg debug/goobj, type Sym struct, Kind SymKind
+pkg debug/goobj, type Sym struct, Reloc []Reloc
+pkg debug/goobj, type Sym struct, Size int
+pkg debug/goobj, type Sym struct, Type SymID
+pkg debug/goobj, type Sym struct, embedded SymID
+pkg debug/goobj, type SymID struct
+pkg debug/goobj, type SymID struct, Name string
+pkg debug/goobj, type SymID struct, Version int
+pkg debug/goobj, type SymKind int
+pkg debug/goobj, type Var struct
+pkg debug/goobj, type Var struct, Kind int
+pkg debug/goobj, type Var struct, Name string
+pkg debug/goobj, type Var struct, Offset int
+pkg debug/goobj, type Var struct, Type SymID
コアとなるコードの解説
この差分は、GoのAPI変更管理プロセスにおける重要なスナップショットを示しています。
-
で始まる行: これらはapi/next.txt
から削除されたAPI定義です。前述の通り、image
およびimage/color
パッケージのAPIが削除されています。これは、これらのAPIがGoの安定版リリース(おそらくGo 1.2)に組み込まれ、もはや「次期リリースで導入される予定」のAPIではなくなったことを意味します。開発者はこれらのAPIを安心して利用できるようになります。+
で始まる行: これらはapi/next.txt
に追加されたAPI定義です。debug/goobj
パッケージの多数の定数、関数、および構造体が追加されています。これは、Goのツールチェインの内部構造を公開するための新しいAPIが導入され、次期リリース(おそらくGo 1.3以降)で利用可能になることを示しています。これらのAPIは、Goのオブジェクトファイルをプログラム的に解析するための基盤を提供し、デバッグツール、プロファイリングツール、あるいはカスタムのビルドツールなどの開発を可能にします。
この変更は、Goの標準ライブラリが進化し続けていることを示しており、特に低レベルなツール開発をサポートするための機能が強化されていることがわかります。
関連リンク
- Go 1.2 Release Notes (画像パッケージに関する変更点が含まれている可能性があります): https://go.dev/doc/go1.2
- Go
debug/goobj
パッケージのドキュメント (Goのバージョンによって内容が異なる場合があります): https://pkg.go.dev/debug/goobj - GoのAPI互換性に関するポリシー: https://go.dev/doc/go1compat
参考にした情報源リンク
- Goの公式ドキュメント (pkg.go.dev)
- Goのリリースノート (go.dev/doc)
- Goのソースコードリポジトリ (github.com/golang/go)
- Goのコードレビューシステム (golang.org/cl)
- GoのAPI互換性に関する議論やドキュメント
- Goのオブジェクトファイル形式に関する情報 (Goの内部実装に関するドキュメントやブログ記事など)
- Goのツールチェインに関する情報