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[インデックス 18161] ファイルの概要

このコミットは、Go言語の公式仕様書である doc/go_spec.html ファイル内のリンクの誤りを修正するものです。具体的には、構造体の型同一性(Type Identity)に関するセクションへの内部リンクが壊れていたのを修正しています。

コミット

commit 13141315ad00f25f18ca1a30c71f90e962fada68
Author: Emil Hessman <c.emil.hessman@gmail.com>
Date:   Fri Jan 3 22:48:03 2014 -0800

    spec: Fix broken type identity link
    
    Fixes #7003.
    
    R=golang-codereviews, bradfitz
    CC=golang-codereviews
    https://golang.org/cl/47780043

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/13141315ad00f25f18ca1a30c71f90e962fada68

元コミット内容

--- a/doc/go_spec.html
+++ b/doc/go_spec.html
@@ -1009,7 +1009,7 @@ A field declaration may be followed by an optional string literal <i>tag</i>,\
 which becomes an attribute for all the fields in the corresponding\
 field declaration. The tags are made\
 visible through a <a href="/pkg/reflect/#StructTag">reflection interface</a>\
-and take part in <a href="Type_identity">type identity</a> for structs\
+and take part in <a href="#Type_identity">type identity</a> for structs\
 but are otherwise ignored.\
 </p>\
 

変更の背景

この変更は、Go言語の公式仕様書 doc/go_spec.html 内のハイパーリンクが正しく機能していなかった問題を修正するために行われました。具体的には、構造体のフィールドタグが型同一性(Type Identity)にどのように影響するかを説明する箇所で、"Type identity" のセクションへのリンクが壊れていました。

HTMLにおいて、同じドキュメント内の特定のセクションへリンクする場合、アンカー(<a>タグのhref属性)には#をプレフィックスとして付ける必要があります。例えば、<a href="#section_id">のように記述します。しかし、このコミット前のコードではhref="Type_identity"となっており、#が欠落していました。これにより、ブラウザはこのリンクを現在のディレクトリにあるType_identityという名前のファイルへの相対パスとして解釈し、結果としてリンク切れの状態になっていました。

この問題は、Go言語の仕様を正確に理解しようとする開発者にとって、重要な情報へのアクセスを妨げるものでした。そのため、この小さな修正は、ドキュメントの正確性とユーザビリティを向上させる上で重要でした。コミットメッセージにある Fixes #7003 は、この問題がGoのIssueトラッカーで報告されていたことを示唆しています。

前提知識の解説

Go言語の仕様書

Go言語の仕様書は、Go言語の構文、セマンティクス、および標準ライブラリの動作を正式に定義する文書です。これはGo言語の「真実の源」であり、コンパイラの実装者、ツール開発者、そして言語の深い理解を求めるプログラマーにとって不可欠なリソースです。doc/go_spec.html は、この仕様書のHTML版であり、ウェブブラウザで閲覧できるように整形されています。

HTMLアンカーリンク

HTMLにおけるアンカーリンク(またはフラグメント識別子)は、ウェブページ内の特定のセクションに直接ジャンプするために使用されます。これは、長いドキュメント内でユーザーが関連情報に素早くアクセスできるようにするために特に役立ちます。

アンカーリンクは、以下の2つの要素で構成されます。

  1. ターゲット要素: リンクの目的地となるHTML要素です。通常、id属性を使用して一意の識別子(ID)が割り当てられます。例: <h2 id="Type_identity">型同一性</h2>
  2. リンク要素: ユーザーがクリックするハイパーリンクです。<a>タグのhref属性に、ターゲット要素のIDの前に#を付けて指定します。例: <a href="#Type_identity">型同一性</a>

#プレフィックスは、ブラウザに対して、href属性の値が外部ファイルへのパスではなく、現在のドキュメント内のフラグメント識別子であることを明示的に伝えます。#がない場合、ブラウザはそれをファイルパスとして解釈しようとします。

Go言語における型同一性(Type Identity)

Go言語において、2つの型が「同一である」とは、それらが同じ基底型を持ち、かつ構造体やインターフェースなどの複合型の場合には、その構成要素も同じである場合に言います。型同一性は、変数の代入、関数の引数、型アサーションなど、Goプログラムの多くの側面で重要な役割を果たします。

構造体の型同一性に関しては、以下のルールが適用されます。

  • フィールドの順序と型: 2つの構造体型が同一であるためには、同じ数のフィールドを持ち、対応するフィールドが同じ名前、同じ型、そして同じ順序で宣言されている必要があります。
  • フィールドタグ: 構造体のフィールドに付与される「タグ」(例: `json:"name"`)は、型同一性の判断において考慮されます。つまり、同じ構造体であっても、フィールドタグが異なる場合、それらは異なる型と見なされます。このコミットで修正されたリンクは、まさにこのフィールドタグと型同一性の関係について説明しているセンドでした。

技術的詳細

このコミットの技術的詳細は、HTMLの基本的な動作原理と、Go言語のドキュメント生成プロセスに関連しています。

HTMLのhref属性の解釈

ウェブブラウザは、<a>タグのhref属性の値を以下のように解釈します。

  • 絶対URL: http://example.com/page.html のように、プロトコルとドメインを含む完全なURLの場合、ブラウザはそのURLに直接アクセスします。
  • 相対URL: page.html../images/image.png のように、現在のドキュメントの場所を基準としたパスの場合、ブラウザは現在のURLと相対パスを組み合わせて新しいURLを構築し、そのリソースにアクセスしようとします。
  • フラグメント識別子(アンカー): #section_id のように#で始まる場合、ブラウザは現在のドキュメント内で指定されたIDを持つ要素を探し、その要素までスクロールします。

今回のケースでは、元のコードがhref="Type_identity"となっていたため、ブラウザはこれを相対URLとして解釈し、現在のドキュメントと同じディレクトリにあるType_identityという名前のファイルを探しに行きました。しかし、そのようなファイルは存在しないため、リンク切れが発生していました。

Go仕様書の生成プロセス

Go言語の仕様書は、通常、MarkdownやGoのテキストフォーマットで記述されたソースファイルからHTMLに変換されます。この変換プロセスでは、内部リンクが正しく解決されるように、ツールが適切に処理する必要があります。しかし、この特定のケースでは、手動で記述されたHTMLリンクの誤りが、変換プロセスをすり抜けてしまっていたと考えられます。

この修正は、Goのドキュメントの品質管理と、ユーザーが正確な情報にアクセスできるようにするための継続的な努力の一環です。

コアとなるコードの変更箇所

変更は doc/go_spec.html ファイルの1箇所のみです。

--- a/doc/go_spec.html
+++ b/doc/go_spec.html
@@ -1009,7 +1009,7 @@ A field declaration may be followed by an optional string literal <i>tag</i>,\
 which becomes an attribute for all the fields in the corresponding\
 field declaration. The tags are made\
 visible through a <a href="/pkg/reflect/#StructTag">reflection interface</a>\
-and take part in <a href="Type_identity">type identity</a> for structs\
+and take part in <a href="#Type_identity">type identity</a> for structs\
 but are otherwise ignored.\
 </p>\
 

具体的には、以下の行が変更されました。

  • 変更前: <a href="Type_identity">type identity</a>
  • 変更後: <a href="#Type_identity">type identity</a>

href属性の値に#が追加されただけです。

コアとなるコードの解説

この変更は非常にシンプルですが、その影響は重要です。

  • href="Type_identity" (変更前): この記述は、ブラウザに対して、現在のHTMLファイルと同じディレクトリにある Type_identity という名前のファイルへのリンクとして解釈するよう指示します。Goの仕様書は単一のHTMLファイルとして提供されているため、このようなファイルは存在せず、結果としてリンクは機能しませんでした。
  • href="#Type_identity" (変更後): この記述は、ブラウザに対して、現在のHTMLドキュメント内で id="Type_identity" という属性を持つ要素を探し、その要素までスクロールするよう指示します。これにより、ユーザーはクリック一つで「型同一性」に関するセクションに直接ジャンプできるようになり、ドキュメントのナビゲーションが大幅に改善されました。

この修正は、HTMLの基本的なセマンティクスに則ったものであり、ウェブ標準への準拠を保証します。

関連リンク

参考にした情報源リンク

  • Go言語のコミット履歴 (GitHub): https://github.com/golang/go/commits/master
  • Go言語のコードレビューシステム (Gerrit): https://go-review.googlesource.com/ (コミットメッセージに記載されている https://golang.org/cl/47780043 は、Gerritのチェンジリストへのリンクです)
  • MDN Web Docs (Mozilla Developer Network): HTMLの仕様に関する信頼できる情報源。