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[インデックス 18524] ファイルの概要

このコミットは、Go言語のコマンドラインツール go のサブコマンドである go env の挙動に関する変更を扱っています。具体的には、go env が出力する環境変数リストから TERM 環境変数を非表示にする修正が加えられました。

コミット

commit 6a9b98888e63d511c1008e01bbe826caf8c697c9
Author: Shenghou Ma <minux.ma@gmail.com>
Date:   Fri Feb 14 00:38:55 2014 -0500

    cmd/go: hide the "TERM" environment variable from "go env"
    It's implementation detail.
    
    LGTM=rsc
    R=rsc
    CC=golang-codereviews
    https://golang.org/cl/63690043

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/6a9b98888e63d511c1008e01bbe826caf8c697c9

元コミット内容

cmd/go: hide the "TERM" environment variable from "go env" It's implementation detail.

このコミットの目的は、go env コマンドが環境変数を出力する際に、TERM 環境変数を表示しないようにすることです。その理由は、TERM がGoツールの「実装詳細」であると判断されたためです。

変更の背景

go env コマンドは、Goのビルド環境に関する情報を表示するために使用されます。これには、Goのインストールパス、GOPATH、OS、アーキテクチャ、そしてGoツールが認識している様々な環境変数が含まれます。

TERM 環境変数は、通常、ターミナルの種類(例: xterm, screen, vt100 など)を定義するために使用されます。これは、アプリケーションがターミナルの機能(色、カーソル移動など)を適切に利用するために重要です。

このコミットが行われた背景には、go env が出力する情報が、Goツールの動作に直接関連する「設定」や「環境」に限定されるべきであるという設計思想があったと考えられます。TERM 環境変数は、Goツール自体の内部的な動作やビルドプロセスに直接影響を与えるものではなく、むしろGoツールが実行される「外部のターミナル環境」に関する情報です。そのため、Goツールの「実装詳細」として扱われ、ユーザーが go env で確認する必要のある情報ではないと判断されたのでしょう。これにより、go env の出力がよりクリーンで、Go開発者にとって本当に必要な情報に絞られることになります。

前提知識の解説

go env コマンド

go env はGo言語の標準ツールチェーンに含まれるコマンドで、Goの環境変数に関する情報を表示します。引数なしで実行すると、Goのビルドや実行に影響を与える主要な環境変数とその値のリストが出力されます。特定の環境変数名を引数として渡すと、その環境変数の値のみが表示されます。例えば、go env GOROOT はGoのインストールディレクトリを表示します。

環境変数

環境変数とは、オペレーティングシステムが提供する動的な名前付きの値の集合で、実行中のプロセスが利用できます。これらは、プログラムの動作をカスタマイズしたり、システムに関する情報を提供したりするために使用されます。例えば、PATH 環境変数は実行可能ファイルを探すディレクトリのリストを定義し、HOME 環境変数はユーザーのホームディレクトリを示します。

TERM 環境変数

TERM 環境変数は、現在使用しているターミナルのタイプを識別するために使用されます。この情報は、cursestermcap/terminfo のようなライブラリが、特定のターミナルがサポートする機能(例: 色の数、カーソル移動のエスケープシーケンス)を判断するために利用します。これにより、アプリケーションは様々なターミナルで適切に表示され、動作することができます。

実装詳細 (Implementation Detail)

ソフトウェア開発において「実装詳細」とは、外部から利用するユーザーや他のモジュールからは見えない、または知る必要のない内部的な動作や構造を指します。これらは、そのモジュールがどのように機能するかを決定しますが、そのモジュールが提供する機能そのものとは直接関係ありません。実装詳細を隠蔽することは、モジュールのインターフェースをシンプルに保ち、将来の変更に対する柔軟性を高める上で重要です。この文脈では、TERM 環境変数がGoツール内部で何らかの目的(例えば、内部的なログ出力の整形や、特定のターミナルでのテスト実行など)で利用されていたとしても、それはGoツールの「実装」の一部であり、ユーザーが go env で確認すべき「環境設定」ではない、という判断がなされたことを意味します。

技術的詳細

このコミットの技術的な変更は、src/cmd/go/env.go ファイル内の runEnv 関数に集中しています。この関数は go env コマンドの主要なロジックを実装しており、Goツールが認識している環境変数を列挙し、それらを適切な形式で標準出力に出力します。

変更前は、runEnv 関数は env スライス(Goツールが認識している環境変数のリスト)をイテレートし、各環境変数をOSに応じた形式(デフォルトは NAME="VALUE", Plan 9は NAME='VALUE', Windowsは set NAME=VALUE)で出力していました。

このコミットでは、このループ内に条件分岐が追加されました。具体的には、各環境変数を出力する前に、その環境変数の name"TERM" ではないことを確認する if e.name != "TERM" という条件が追加されています。この条件が真(つまり、環境変数の名前が TERM ではない)の場合にのみ、元のOSに応じた出力ロジックが実行されます。これにより、TERM という名前の環境変数は、go env の出力から意図的に除外されることになります。

この変更は、go env の出力から特定の環境変数をフィルタリングするという、シンプルかつ効果的な方法で目的を達成しています。

コアとなるコードの変更箇所

変更は src/cmd/go/env.go ファイルの runEnv 関数内で行われています。

--- a/src/cmd/go/env.go
+++ b/src/cmd/go/env.go
@@ -85,18 +85,16 @@ func runEnv(cmd *Command, args []string) {
 		return
 	}
 
-	switch runtime.GOOS {
-	default:
-		for _, e := range env {
-			fmt.Printf("%s=\"%s\"\\n\", e.name, e.value)
-		}
-	case "plan9":
-		for _, e := range env {
-			fmt.Printf("%s='%s'\\n\", e.name, strings.Replace(e.value, "'", "''", -1))
-		}
-	case "windows":
-		for _, e := range env {
-			fmt.Printf("set %s=%s\\n\", e.name, e.value)
+	for _, e := range env {
+		if e.name != "TERM" {
+			switch runtime.GOOS {
+			default:
+				fmt.Printf("%s=\"%s\"\\n\", e.name, e.value)
+			case "plan9":
+				fmt.Printf("%s='%s'\\n\", e.name, strings.Replace(e.value, "'", "''", -1))
+			case "windows":
+				fmt.Printf("set %s=%s\\n\", e.name, e.value)
+			}
 		}
 	}
 }

コアとなるコードの解説

変更前は、runtime.GOOS (現在のOS) に応じて switch 文が外側にあり、その中で env スライスをループして各環境変数を出力していました。

変更後では、まず env スライスをループする for 文が外側に配置され、そのループの内部で if e.name != "TERM" という条件分岐が追加されています。この条件が真、つまり現在の環境変数 e の名前が "TERM" ではない場合にのみ、内側の switch runtime.GOOS 文が実行され、OSに応じた形式で環境変数が出力されます。

これにより、TERM という名前の環境変数は、go env コマンドの出力処理から完全にスキップされることになります。この修正は、go env の出力から特定の環境変数をフィルタリングするという目的を、非常に直接的かつ効率的に達成しています。

関連リンク

参考にした情報源リンク

  • Go言語公式ドキュメント: https://go.dev/doc/
  • go env コマンドのドキュメント (Goのバージョンによって内容は異なる可能性がありますが、基本的な機能は共通です): go help env をターミナルで実行するか、https://pkg.go.dev/cmd/go#hdr-Environment_variables を参照。
  • 環境変数 TERM に関する一般的な情報:
  • Goのソースコード: https://github.com/golang/go
  • Go CL (Change List) 63690043: https://golang.org/cl/63690043 (コミットメッセージに記載されているGoのコードレビューシステムへのリンク)
    • このCLページは、コミットがマージされる前の議論やレビューコメントを確認できるため、変更の意図や背景を深く理解する上で非常に有用です。

[インデックス 18524] ファイルの概要

このコミットは、Go言語のコマンドラインツール go のサブコマンドである go env の挙動に関する変更を扱っています。具体的には、go env が出力する環境変数リストから TERM 環境変数を非表示にする修正が加えられました。

コミット

commit 6a9b98888e63d511c1008e01bbe826caf8c697c9
Author: Shenghou Ma <minux.ma@gmail.com>
Date:   Fri Feb 14 00:38:55 2014 -0500

    cmd/go: hide the "TERM" environment variable from "go env"
    It's implementation detail.
    
    LGTM=rsc
    R=rsc
    CC=golang-codereviews
    https://golang.org/cl/63690043

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/6a9b98888e63d511c1008e01bbe826caf8c697c9

元コミット内容

cmd/go: hide the "TERM" environment variable from "go env" It's implementation detail.

このコミットの目的は、go env コマンドが環境変数を出力する際に、TERM 環境変数を表示しないようにすることです。その理由は、TERM がGoツールの「実装詳細」であると判断されたためです。

変更の背景

go env コマンドは、Goのビルド環境に関する情報を表示するために使用されます。これには、Goのインストールパス、GOPATH、OS、アーキテクチャ、そしてGoツールが認識している様々な環境変数が含まれます。

TERM 環境変数は、通常、ターミナルの種類(例: xterm, screen, vt100 など)を定義するために使用されます。これは、アプリケーションがターミナルの機能(色、カーソル移動など)を適切に利用するために重要です。

このコミットが行われた背景には、go env が出力する情報が、Goツールの動作に直接関連する「設定」や「環境」に限定されるべきであるという設計思想があったと考えられます。TERM 環境変数は、Goツール自体の内部的な動作やビルドプロセスに直接影響を与えるものではなく、むしろGoツールが実行される「外部のターミナル環境」に関する情報です。そのため、Goツールの「実装詳細」として扱われ、ユーザーが go env で確認する必要のある情報ではないと判断されたのでしょう。これにより、go env の出力がよりクリーンで、Go開発者にとって本当に必要な情報に絞られることになります。

前提知識の解説

go env コマンド

go env はGo言語の標準ツールチェーンに含まれるコマンドで、Goの環境変数に関する情報を表示します。引数なしで実行すると、Goのビルドや実行に影響を与える主要な環境変数とその値のリストが出力されます。特定の環境変数名を引数として渡すと、その環境変数の値のみが表示されます。例えば、go env GOROOT はGoのインストールディレクトリを表示します。

環境変数

環境変数とは、オペレーティングシステムが提供する動的な名前付きの値の集合で、実行中のプロセスが利用できます。これらは、プログラムの動作をカスタマイズしたり、システムに関する情報を提供したりするために使用されます。例えば、PATH 環境変数は実行可能ファイルを探すディレクトリのリストを定義し、HOME 環境変数はユーザーのホームディレクトリを示します。Goプログラムも、他の多くのアプリケーションと同様に、親プロセス(通常はシェル)から環境変数を継承します。

TERM 環境変数

TERM 環境変数は、現在使用しているターミナルのタイプを識別するために使用されます。この情報は、cursestermcap/terminfo のようなライブラリが、特定のターミナルがサポートする機能(例: 色の数、カーソル移動のエスケープシーケンス)を判断するために利用します。これにより、アプリケーションは様々なターミナルで適切に表示され、動作することができます。xterm, xterm-256color, vt100, gnome-terminal, rxvt-unicode などが一般的な TERM の値です。

実装詳細 (Implementation Detail)

ソフトウェア開発において「実装詳細」とは、外部から利用するユーザーや他のモジュールからは見えない、または知る必要のない内部的な動作や構造を指します。これらは、そのモジュールがどのように機能するかを決定しますが、そのモジュールが提供する機能そのものとは直接関係ありません。実装詳細を隠蔽することは、モジュールのインターフェースをシンプルに保ち、将来の変更に対する柔軟性を高める上で重要です。この文脈では、TERM 環境変数がGoツール内部で何らかの目的(例えば、内部的なログ出力の整形や、特定のターミナルでのテスト実行など)で利用されていたとしても、それはGoツールの「実装」の一部であり、ユーザーが go env で確認すべき「環境設定」ではない、という判断がなされたことを意味します。

技術的詳細

このコミットの技術的な変更は、src/cmd/go/env.go ファイル内の runEnv 関数に集中しています。この関数は go env コマンドの主要なロジックを実装しており、Goツールが認識している環境変数を列挙し、それらを適切な形式で標準出力に出力します。

変更前は、runEnv 関数は env スライス(Goツールが認識している環境変数のリスト)をイテレートし、各環境変数をOSに応じた形式(デフォルトは NAME="VALUE", Plan 9は NAME='VALUE', Windowsは set NAME=VALUE)で出力していました。

このコミットでは、このループ内に条件分岐が追加されました。具体的には、各環境変数を出力する前に、その環境変数の name"TERM" ではないことを確認する if e.name != "TERM" という条件が追加されています。この条件が真(つまり、環境変数の名前が TERM ではない)の場合にのみ、元のOSに応じた出力ロジックが実行されます。これにより、TERM という名前の環境変数は、go env の出力から意図的に除外されることになります。

この変更は、go env の出力から特定の環境変数をフィルタリングするという、シンプルかつ効果的な方法で目的を達成しています。

コアとなるコードの変更箇所

変更は src/cmd/go/env.go ファイルの runEnv 関数内で行われています。

--- a/src/cmd/go/env.go
+++ b/cmd/go/env.go
@@ -85,18 +85,16 @@ func runEnv(cmd *Command, args []string) {
 		return
 	}
 
-	switch runtime.GOOS {
-	default:
-		for _, e := range env {
-			fmt.Printf("%s=\"%s\"\\n\", e.name, e.value)
-		}
-	case "plan9":
-		for _, e := range env {
-			fmt.Printf("%s='%s'\\n\", e.name, strings.Replace(e.value, "'", "''", -1))
-		}
-	case "windows":
-		for _, e := range env {
-			fmt.Printf("set %s=%s\\n\", e.name, e.value)
+	for _, e := range env {
+		if e.name != "TERM" {
+			switch runtime.GOOS {
+			default:
+				fmt.Printf("%s=\"%s\"\\n\", e.name, e.value)
+			case "plan9":
+				fmt.Printf("%s='%s'\\n\", e.name, strings.Replace(e.value, "'", "''", -1))
+			case "windows":
+				fmt.Printf("set %s=%s\\n\", e.name, e.value)
+			}
 		}
 	}
 }

コアとなるコードの解説

変更前は、runtime.GOOS (現在のOS) に応じて switch 文が外側にあり、その中で env スライスをループして各環境変数を出力していました。

変更後では、まず env スライスをループする for 文が外側に配置され、そのループの内部で if e.name != "TERM" という条件分岐が追加されています。この条件が真、つまり現在の環境変数 e の名前が "TERM" ではない場合にのみ、内側の switch runtime.GOOS 文が実行され、OSに応じた形式で環境変数が出力されます。

これにより、TERM という名前の環境変数は、go env コマンドの出力処理から完全にスキップされることになります。この修正は、go env の出力から特定の環境変数をフィルタリングするという目的を、非常に直接的かつ効率的に達成しています。

関連リンク

参考にした情報源リンク

  • Go言語公式ドキュメント: https://go.dev/doc/
  • go env コマンドのドキュメント (Goのバージョンによって内容は異なる可能性がありますが、基本的な機能は共通です): go help env をターミナルで実行するか、https://pkg.go.dev/cmd/go#hdr-Environment_variables を参照。
  • 環境変数 TERM に関する一般的な情報:
  • Goのソースコード: https://github.com/golang/go
  • Go CL (Change List) 63690043: https://golang.org/cl/63690043 (コミットメッセージに記載されているGoのコードレビューシステムへのリンク)
    • このCLページは、コミットがマージされる前の議論やレビューコメントを確認できるため、変更の意図や背景を深く理解する上で非常に有用です。