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[インデックス 18556] ファイルの概要

このコミットは、Go言語のドキュメントファイル doc/go1.3.txt を更新し、Go 1.3におけるUnicodeのバージョンが6.2.0から6.3.0にアップグレードされたことを記録しています。これは、Go言語が最新のUnicode標準に準拠し、より広範な文字セットと文字プロパティを正確に処理できるようにするための重要な変更です。

コミット

commit ad4601d1c3ee581ce1c4dc45b1dce604e5801ff6
Author: Rob Pike <r@golang.org>
Date:   Tue Feb 18 11:50:38 2014 -0800

    doc/go1.3.txt: unicode upgrade to 6.3.0
    
    LGTM=mpvl
    R=mpvl
    CC=golang-codereviews
    https://golang.org/cl/65550044

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/ad4601d1c3ee581ce1c4dc45b1dce604e5801ff6

元コミット内容

このコミットは、doc/go1.3.txt ファイルに以下の1行を追加しています。

--- a/doc/go1.3.txt
+++ b/doc/go1.3.txt
@@ -7,3 +7,4 @@ testing: diagnose buggy tests that panic(nil) (CL 55780043)
 testing: add b.RunParallel function (CL 57270043)
 misc/benchcmp has been replaced by go tool benchcmp (CL 47980043)
 cmd/go, go/build: support .m files (CL 60590044)
+unicode: upgrade from Unicode 6.2.0 to 6.3.0 (CL 65400044)

この変更は、Go 1.3のリリースノートの一部として、Unicodeのバージョンが6.2.0から6.3.0に更新されたことを明記しています。実際のUnicodeデータ更新は、別の変更リスト (CL 65400044) で行われています。

変更の背景

Go言語は、文字列や文字の処理においてUnicode標準に深く依存しています。Unicodeは、世界中のあらゆる文字をコンピュータで扱えるようにするための文字コードの国際標準です。新しいバージョンのUnicodeがリリースされるたびに、新しい文字が追加されたり、既存の文字のプロパティ(例えば、大文字・小文字の変換ルール、文字の分類など)が更新されたりします。

Go言語の標準ライブラリ、特にunicodeパッケージは、これらのUnicodeデータに基づいて文字の分類、大文字・小文字変換、正規化などの機能を提供しています。したがって、Go言語が最新の文字セットや文字プロパティを正確に処理するためには、基盤となるUnicodeデータを定期的に更新する必要があります。

このコミットは、Go 1.3のリリースに向けて、GoがサポートするUnicodeのバージョンを6.2.0から6.3.0に引き上げるという重要な変更をドキュメントに反映したものです。これにより、Goアプリケーションは、Unicode 6.3.0で導入された新しい文字や更新された文字プロパティを正しく扱えるようになります。

前提知識の解説

Unicodeとは

Unicodeは、世界中のすべての文字を統一的に扱うための文字コードの国際標準です。これにより、異なる言語やプラットフォーム間での文字化けを防ぎ、多言語対応のソフトウェア開発を容易にします。Unicodeは、各文字に一意のコードポイント(数値)を割り当て、その文字のプロパティ(例:文字種、方向性、大文字・小文字の対応など)を定義しています。

Unicodeのバージョンアップ

Unicodeコンソーシアムは定期的に新しいバージョンのUnicodeをリリースします。これらの更新には、主に以下の内容が含まれます。

  • 新しい文字の追加: 絵文字、歴史的な文字、少数言語の文字など、これまでUnicodeに含まれていなかった文字が追加されます。
  • 既存の文字プロパティの更新: 文字の大文字・小文字変換ルール、文字の分類(数字、記号、句読点など)、スクリプト(文字体系)の割り当てなどが修正または更新されることがあります。
  • セキュリティ関連の更新: 同形異義文字(見た目が似ているが異なる文字)に関する情報など、セキュリティ上の懸念に対処するための情報が追加されることもあります。

プログラミング言語やシステムがこれらのUnicodeの更新に対応することは、国際化(i18n)と地域化(l10n)の観点から非常に重要です。古いUnicodeデータを使用していると、新しい文字が正しく表示・処理されなかったり、文字プロパティに基づく処理(例:文字列のソート、正規表現のマッチング)が期待通りに動作しなかったりする可能性があります。

Go言語とUnicode

Go言語は、設計当初からUnicodeを強く意識しており、文字列はUTF-8エンコードされたUnicodeコードポイントのシーケンスとして扱われます。Goの標準ライブラリにはunicodeパッケージが含まれており、このパッケージはUnicodeデータベースのデータに基づいて、文字の分類(例:unicode.IsLetter, unicode.IsDigit)、大文字・小文字変換(例:unicode.ToUpper, unicode.ToLower)、正規化などの機能を提供します。

Go言語のunicodeパッケージは、Goのリリースごとに基盤となるUnicodeデータを更新することで、最新のUnicode標準に準拠しています。

技術的詳細

Unicode 6.3.0は、2013年9月30日にリリースされました。Unicode 6.2.0(2012年9月26日リリース)からの主な変更点としては、以下の点が挙げられます。

  • 新しい文字の追加: 6.3.0では、主に絵文字の追加が行われました。特に、絵文字の多様性を高めるための新しいシーケンスや、既存の絵文字のバリエーションセレクタに関する更新が含まれています。
  • 文字プロパティの更新: 既存の文字に対するプロパティの修正や、新しいプロパティの追加が行われることがあります。これにより、文字の分類や処理の正確性が向上します。
  • スクリプトの更新: 特定の文字が属するスクリプト(文字体系)に関する情報が更新されることがあります。

Go言語のunicodeパッケージがUnicode 6.3.0にアップグレードされることで、Goプログラムは以下の恩恵を受けます。

  1. 最新の絵文字サポート: Unicode 6.3.0で追加された新しい絵文字や絵文字シーケンスを正しく認識し、処理できるようになります。これは、特にWebアプリケーションやモバイルアプリケーションでユーザーが入力するテキストを扱う際に重要です。
  2. 文字プロパティの正確性向上: unicode.IsLetter, unicode.IsPunctなどの関数が、最新のUnicodeデータに基づいてより正確な結果を返すようになります。これにより、多言語対応のテキスト処理ロジックの堅牢性が向上します。
  3. 国際化対応の強化: 世界中の多様な言語の文字をより正確に扱うことができるようになり、Goアプリケーションの国際化対応能力が向上します。

このコミット自体はドキュメントの更新ですが、その背後にあるUnicodeデータの更新は、Go言語の文字処理能力を向上させるための重要な技術的ステップです。

コアとなるコードの変更箇所

変更は doc/go1.3.txt ファイルの1行のみです。

--- a/doc/go1.3.txt
+++ b/doc/go1.3.txt
@@ -7,3 +7,4 @@ testing: diagnose buggy tests that panic(nil) (CL 55780043)
 testing: add b.RunParallel function (CL 57270043)
 misc/benchcmp has been replaced by go tool benchcmp (CL 47980043)
 cmd/go, go/build: support .m files (CL 60590044)
+unicode: upgrade from Unicode 6.2.0 to 6.3.0 (CL 65400044)

この行は、Go 1.3のリリースノートに「Unicodeが6.2.0から6.3.0にアップグレードされた」という情報を追加しています。

コアとなるコードの解説

doc/go1.3.txt は、Go 1.3のリリースにおける主要な変更点や新機能、改善点などをまとめたドキュメントファイルです。Goの各メジャーリリースには、このようなリリースノートの役割を果たすドキュメントファイルが存在します。

このファイルに「unicode: upgrade from Unicode 6.2.0 to 6.3.0 (CL 65400044)」という行が追加されたことは、UnicodeのアップグレードがGo 1.3の重要な変更点の一つとして公式に認識され、ユーザーに周知されるべき情報であることを意味します。括弧内の CL 65400044 は、実際にUnicodeデータを更新した変更リスト(Change List)のIDを示しており、このドキュメントの変更が単なる記述ではなく、実際のコードベースの変更に基づいていることを示しています。

このドキュメントの更新は、Go言語の透明性と、ユーザーが各バージョンの変更内容を容易に把握できるようにするための重要なプロセスの一部です。

関連リンク

参考にした情報源リンク