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[インデックス 19102] ファイルの概要

このコミットは、Go言語の公式ドキュメントである doc/go1.3.html 内のスペルミスを修正するものです。具体的には、Go 1.3のリリースノートに記載されている regexp パッケージのパフォーマンス改善と crypto/tls パッケージのセキュリティ修正に関する記述において、それぞれ「implemenation」を「implementation」に、「verfication」を「verification」に修正しています。

コミット

commit 1d879fe7746bd21f93018a85d0aeb22b2d921aad
Author: Rob Pike <r@golang.org>
Date:   Fri Apr 11 08:52:16 2014 +1000

    doc/go1.3.html: fix spelling mistakes
    Keep those builders busy.
    
    LGTM=bradfitz
    R=golang-codereviews, bradfitz
    CC=golang-codereviews
    https://golang.org/cl/85710046

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/1d879fe7746bd21f93018a85d0aeb22b2d921aad

元コミット内容

--- a/doc/go1.3.html
+++ b/doc/go1.3.html
@@ -192,7 +192,7 @@ is now about 40% faster.
 
 <li>
 The regular expression package <a href="/pkg/regexp/"><code>regexp</code></a>
-is now significantly faster for certain simple expressions due to the implemenation of
+is now significantly faster for certain simple expressions due to the implementation of
 a second, one-pass execution engine. The choice of which engine to use is automatic;
 the details are hidden from the user.
 </li>
@@ -216,7 +216,7 @@ No new packages appear in the core libraries in Go 1.3.
 
 <p>
 A previous bug in <a href="/pkg/crypto/tls/"><code>crypto/tls</code></a>
-made it possible to skip verfication in TLS inadvertently.
+made it possible to skip verification in TLS inadvertently.
 In Go 1.3, the bug is fixed: one must specify either ServerName or
 InsecureSkipVerify, and if ServerName is specified it is enforced.
 This may break existing code that incorrectly depended on insecure

変更の背景

このコミットは、Go 1.3のリリースノート (doc/go1.3.html) に含まれる単純なスペルミスを修正することを目的としています。リリースノートは、Go言語の新しいバージョンで導入された変更点、改善点、バグ修正などをユーザーに伝えるための重要な公式ドキュメントです。

スペルミスは、ドキュメントの信頼性を損ない、読者に誤解を与える可能性があります。特に、regexp パッケージのパフォーマンス改善や crypto/tls パッケージのセキュリティ修正といった重要な技術的変更に関する記述においては、正確な情報伝達が不可欠です。このコミットは、ドキュメントの品質を維持し、ユーザーが正確な情報を得られるようにするための、継続的なメンテナンスの一環として行われました。コミットメッセージの「Keep those builders busy.」という記述は、このような小さな修正も継続的に行い、開発プロセスを活発に保つというGo開発チームの文化を示唆している可能性があります。

前提知識の解説

このコミットを理解するためには、以下のGo言語の概念とパッケージに関する基本的な知識が必要です。

  • Go 1.3: 2014年6月にリリースされたGo言語のバージョンです。このバージョンでは、ガベージコレクタの改善、regexp パッケージのパフォーマンス向上、crypto/tls パッケージのセキュリティ修正など、多くの重要な変更が導入されました。リリースノートは、これらの変更点をまとめた公式文書です。
  • regexp パッケージ: Go言語の標準ライブラリに含まれる正規表現を扱うためのパッケージです。文字列のパターンマッチングや置換などに使用されます。このコミットが修正している箇所は、Go 1.3で導入された regexp パッケージのパフォーマンス改善に関する記述です。具体的には、特定の単純な正規表現に対して、新しい「one-pass execution engine」が導入され、処理が大幅に高速化されたことが述べられています。
  • crypto/tls パッケージ: Go言語の標準ライブラリに含まれるTLS (Transport Layer Security) プロトコルを実装するためのパッケージです。セキュアなネットワーク通信を実現するために使用されます。このコミットが修正している箇所は、Go 1.3で修正された crypto/tls パッケージのバグに関する記述です。このバグにより、意図せずTLSの検証をスキップできてしまう可能性がありましたが、Go 1.3で修正され、ServerName または InsecureSkipVerify のいずれかを明示的に指定する必要があるようになりました。これは、セキュリティ上非常に重要な修正です。
  • スペルミスとドキュメントの重要性: 技術ドキュメントにおけるスペルミスは、単なる誤字以上の意味を持つことがあります。特に、技術的な概念やセキュリティに関する記述においては、正確な用語の使用が不可欠です。誤ったスペルは、読者に混乱を招いたり、情報の信頼性を低下させたりする可能性があります。

技術的詳細

このコミット自体はコードの機能的な変更ではなく、ドキュメントのテキスト修正です。しかし、修正された箇所が指し示す技術的な内容は非常に重要です。

  1. regexp パッケージのパフォーマンス改善:

    • 修正前: due to the implemenation of a second, one-pass execution engine.
    • 修正後: due to the implementation of a second, one-pass execution engine.
    • この修正は、「implemenation」というスペルミスを「implementation」(実装)に直すものです。Go 1.3では、regexp パッケージに新しい「one-pass execution engine」が導入されました。これは、特定の単純な正規表現の評価を高速化するための最適化です。従来の正規表現エンジンはバックトラッキングを多用することがあり、複雑な正規表現や特定の入力に対しては性能が低下する可能性がありました。新しいエンジンは、より効率的なアルゴリズム(おそらくDFAベースのアプローチや、より線形に近い処理)を採用することで、これらのケースでのパフォーマンスを向上させました。このドキュメントの修正は、この重要なパフォーマンス改善が「実装」されたことについて、正確に記述することを保証します。
  2. crypto/tls パッケージのセキュリティバグ修正:

    • 修正前: made it possible to skip verfication in TLS inadvertently.
    • 修正後: made it possible to skip verification in TLS inadvertently.
    • この修正は、「verfication」というスペルミスを「verification」(検証)に直すものです。Go 1.3より前の crypto/tls パッケージには、TLS接続の検証を意図せずスキップできてしまうバグが存在しました。TLS検証は、クライアントが接続しようとしているサーバーが正当なものであることを確認するための重要なセキュリティメカニズムです。このバグは、中間者攻撃(Man-in-the-Middle attack)のリスクを高める可能性がありました。Go 1.3ではこのバグが修正され、開発者は ServerName (サーバーのホスト名を指定して証明書の検証を行う) または InsecureSkipVerify (検証を意図的にスキップする、非推奨のオプション) のいずれかを明示的に指定することが必須となりました。このドキュメントの修正は、この重要なセキュリティ修正が「検証」に関するものであることを明確にし、誤解を防ぎます。

これらのスペルミス修正は、Go 1.3のリリースノートの正確性と信頼性を高める上で、小さな変更ながらも重要な意味を持っています。特にセキュリティ関連の記述においては、正確な情報がユーザーの適切な実装判断に直結するため、その重要性は強調されるべきです。

コアとなるコードの変更箇所

変更は doc/go1.3.html ファイルの2箇所です。

  1. regexp パッケージに関する記述の修正 (行 192):

    -is now significantly faster for certain simple expressions due to the implemenation of
    +is now significantly faster for certain simple expressions due to the implementation of
    

    implemenationimplementation に修正されました。

  2. crypto/tls パッケージに関する記述の修正 (行 216):

    -made it possible to skip verfication in TLS inadvertently.
    +made it possible to skip verification in TLS inadvertently.
    

    verficationverification に修正されました。

コアとなるコードの解説

このコミットは、Go言語のドキュメントファイルである doc/go1.3.html 内のテキストを修正するものです。Goのソースコードやランタイムの動作に直接的な変更を加えるものではありません。

修正内容は以下の通りです。

  • regexp パッケージの記述: 「implemenation」という誤ったスペルが「implementation」という正しいスペルに修正されました。これにより、Go 1.3で正規表現パッケージに新しい実行エンジンが「実装」されたという事実が、正確に伝わるようになりました。
  • crypto/tls パッケージの記述: 「verfication」という誤ったスペルが「verification」という正しいスペルに修正されました。これにより、Go 1.3でTLSパッケージのバグが修正され、TLSの「検証」を意図せずスキップできてしまう問題が解決されたという事実が、正確に伝わるようになりました。

これらの修正は、ドキュメントの品質と正確性を向上させるためのものであり、読者がGo 1.3の重要な変更点について誤解なく理解できるようにするために行われました。特に、セキュリティ関連の修正に関する記述の正確性は、開発者が安全なアプリケーションを構築する上で非常に重要です。

関連リンク

参考にした情報源リンク