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[インデックス 19218] ファイルの概要

src/cmd/nm/nm_test.goは、Go言語のnmコマンドのテストファイルです。nmコマンドは、Unix系のシステムで実行可能ファイルやオブジェクトファイル内のシンボル(関数名、変数名など)をリスト表示するために使用されるユーティリティです。このテストファイルは、nmコマンドが正しくシンボル情報を抽出できることを検証します。

コミット

このコミットは、cmd/nmパッケージ内のTestNMというテストを、特定のオペレーティングシステム(macOS (darwin)、Linux、Solaris)上で無効化するものです。これは、これらのプラットフォームでテストが失敗するか、期待通りに動作しない問題(Issue 7829)に対応するための暫定的な措置として行われました。

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/6a40d549f101031025ba0c79f171725c3d64ed2b

元コミット内容

cmd/nm: disable TestNM on darwin, linux and solaris

Update #7829

LGTM=dave
R=golang-codereviews, dave
CC=golang-codereviews
https://golang.org/cl/89810043

変更の背景

この変更は、GoのIssue 7829に対応するために行われました。具体的な問題の詳細はIssueページで確認する必要がありますが、コミットメッセージから推測すると、cmd/nmTestNMがmacOS (darwin)、Linux、Solarisといった特定のUnix系オペレーティングシステム上で、何らかの理由で期待通りに動作しない、あるいはテストが失敗するという問題が発生していたと考えられます。

テストの失敗はCI/CDパイプラインの健全性を損なうため、根本的な解決策が見つかるまでの間、一時的にこれらのプラットフォームでのテスト実行をスキップする(無効化する)という判断が下されました。これにより、他のプラットフォームでのテストは引き続き実行され、CI/CDのブロックを回避できます。

前提知識の解説

  • cmd/nm: Go言語のツールチェーンの一部であるnmコマンドは、Unix系のnmユーティリティにインスパイアされたものです。これは、Goのコンパイル済みバイナリやオブジェクトファイルからシンボルテーブルの情報を抽出するために使用されます。シンボルテーブルには、関数名、グローバル変数名、セクション名などの情報が含まれており、デバッグやバイナリ解析に役立ちます。
  • runtime.GOOS: Go言語の標準ライブラリruntimeパッケージが提供する定数で、プログラムが実行されているオペレーティングシステムの名前(例: "linux", "darwin", "windows", "freebsd", "solaris"など)を文字列で返します。これにより、OSに依存するコードの分岐を記述できます。
  • testing.T.Skip(): Go言語のテストフレームワークtestingパッケージが提供するメソッドです。t.Skip("理由")を呼び出すと、そのテスト関数はそれ以上実行されずにスキップされます。テストがスキップされた場合、テスト結果は「SKIP」として報告され、失敗とはみなされません。これは、特定の環境でのみ発生する問題や、まだ実装されていない機能のテストなど、一時的にテストを実行したくない場合に便利です。
  • シンボルテーブル: コンパイルされたプログラムのバイナリファイル内に含まれるデータ構造で、プログラム内の識別子(変数名、関数名など)とそれらがメモリ上で占めるアドレスや型情報などの関連付けを記録しています。デバッガやリンカがこの情報を使用して、プログラムの実行や結合を行います。

技術的詳細

このコミットの技術的な核心は、Goのテストコード内でruntime.GOOSを利用して、実行環境のOSを判定し、特定のOSでのみテストをスキップするロジックを追加した点にあります。

具体的には、nm_test.go内のcheckSymbols関数(おそらくTestNMから呼び出されるか、その一部)の冒頭にswitch runtime.GOOS文が追加されました。このswitch文は、runtime.GOOSの値が"linux", "darwin", "solaris"のいずれかである場合に、t.Skip()を呼び出してテストをスキップします。

t.Skip()が呼び出されると、そのテスト関数は即座に終了し、テストスイートは次のテストに進みます。これにより、問題のある環境でのテスト失敗が回避され、CI/CDパイプラインがブロックされることなく、他のテストの実行と結果の確認が可能になります。

このアプローチは、問題の根本原因を解決するまでの間、テストの安定性を維持するための一般的なプラクティスです。

コアとなるコードの変更箇所

--- a/src/cmd/nm/nm_test.go
+++ b/src/cmd/nm/nm_test.go
@@ -19,6 +19,10 @@ import (
 var testData uint32
 
 func checkSymbols(t *testing.T, nmoutput []byte) {
+\tswitch runtime.GOOS {
+\tcase "linux", "darwin", "solaris":
+\t\tt.Skip("skipping test; see http://golang.org/issue/7829")
+\t}\n \tvar checkSymbolsFound, testDataFound bool
 \tscanner := bufio.NewScanner(bytes.NewBuffer(nmoutput))\n \tfor scanner.Scan() {\

コアとなるコードの解説

変更はsrc/cmd/nm/nm_test.goファイルのcheckSymbols関数内で行われています。

追加されたコードは以下の通りです。

	switch runtime.GOOS {
	case "linux", "darwin", "solaris":
		t.Skip("skipping test; see http://golang.org/issue/7829")
	}

このswitch文は、現在の実行環境のOSをruntime.GOOSで取得します。 case "linux", "darwin", "solaris":は、もしOSがLinux、macOS (darwin)、またはSolarisのいずれかであれば、このcaseブロック内のコードが実行されることを意味します。 t.Skip("skipping test; see http://golang.org/issue/7829")は、testing.T型のインスタンスtSkipメソッドを呼び出しています。これにより、現在のテストは直ちにスキップされ、テスト結果には「skipping test; see http://golang.org/issue/7829」というメッセージが表示されます。このメッセージは、テストがスキップされた理由と、関連するIssueへの参照を提供します。

関連リンク

参考にした情報源リンク

(特になし、Issue 7829の詳細は直接アクセスできなかったため)