[インデックス 19243] ファイルの概要
このコミットは、Go言語の公式ドキュメントの一部である doc/asm.html
ファイルに対する変更です。doc/asm.html
は、Go言語におけるアセンブリ言語の構文と慣習について解説している重要なドキュメントです。Go言語は、そのランタイムや特定のパフォーマンスが要求される部分でアセンブリ言語を使用しており、このドキュメントはGoのアセンブリコードを理解したり、記述したりする開発者にとって不可欠な情報源となっています。
コミット
このコミットは、ドキュメント内の軽微な誤字(冠詞の誤用)を修正するものです。
GitHub上でのコミットページへのリンク
https://github.com/golang/go/commit/6607534d08152a29d54d89eb2b03543ac3c29ca5
元コミット内容
commit 6607534d08152a29d54d89eb2b03543ac3c29ca5
Author: Brad Fitzpatrick <bradfitz@golang.org>
Date: Sun Apr 27 07:40:48 2014 -0700
doc: fix an article
LGTM=r
R=r
CC=golang-codereviews
https://golang.org/cl/91770050
---
doc/asm.html | 2 +--
1 file changed, 1 insertion(+), 1 deletion(-)
diff --git a/doc/asm.html b/doc/asm.html
index 860bc57738..d44cb799d4 100644
--- a/doc/asm.html
+++ b/doc/asm.html
@@ -201,7 +201,7 @@ TEXT runtime·profileloop(SB),NOSPLIT,$8
<p>
In the general case, the frame size is followed by an argument size, separated by a minus sign.
-(It's not an subtraction, just idiosyncratic syntax.)
+(It's not a subtraction, just idiosyncratic syntax.)
The frame size <code>$24-8</code> states that the function has a 24-byte frame
and is called with 8 bytes of argument, which live on the caller's frame.
If <code>NOSPLIT</code> is not specified for the <code>TEXT</code>,
変更の背景
この変更は、Go言語の公式ドキュメントの品質と正確性を維持するためのものです。特に技術ドキュメントにおいては、誤解を招く可能性のある表現や文法的な誤りは、読者の理解を妨げ、情報の信頼性を損なう可能性があります。このコミットは、doc/asm.html
内の「subtraction」という単語に対する冠詞の誤用を修正することで、ドキュメントの明確性と正確性を向上させることを目的としています。
Go言語のドキュメントは、世界中の開発者が参照するため、その品質は非常に重要です。些細な文法ミスであっても、公式ドキュメントとしての信頼性やプロフェッショナリズムに影響を与える可能性があります。したがって、このような細かな修正も継続的に行われ、ドキュメント全体の品質が維持されています。
前提知識の解説
Go言語におけるアセンブリ
Go言語は、その大部分が高水準言語であるGoで記述されていますが、パフォーマンスが極めて重要となる部分や、特定のハードウェア機能にアクセスする必要がある部分では、アセンブリ言語が使用されます。これには、Goランタイムのスケジューラ、ガベージコレクタの特定の部分、および一部の標準ライブラリ関数(例: 暗号化処理や数値計算など)が含まれます。
Goのアセンブリは、一般的なx86-64アセンブリとは異なる独自の構文と慣習を持っています。これは、Goコンパイラが異なるアーキテクチャ(ARM、PowerPCなど)に対応するために、より抽象化されたアセンブリ言語を使用しているためです。Goのアセンブリは、擬似レジスタ(例: SP
スタックポインタ、FP
フレームポインタ、SB
静的ベース)や、特定の命令セット(例: MOVL
ムーブロング、ADDL
アッドロング)を使用します。
doc/asm.html
の役割
doc/asm.html
は、Go言語のアセンブリ言語の構文、レジスタの使用法、関数呼び出し規約、およびその他の慣習について詳細に説明する公式ドキュメントです。Goのアセンブリコードを読み書きする開発者にとって、このドキュメントはGoのアセンブリの特殊性を理解し、正しくコードを記述するための主要なリファレンスとなります。特に、Goの関数がどのようにスタックフレームを管理し、引数を渡し、戻り値を返すかといった低レベルの動作を理解する上で不可欠です。
英語の冠詞の用法
英語には不定冠詞「a」と「an」、および定冠詞「the」があります。このコミットで修正されているのは不定冠詞の誤用です。
- 「a」の使用: 子音で始まる単語や、子音の音で始まる単語の前に使用されます。例: "a book", "a university" (universityはUで始まるが、音は"yoo"という子音)。
- 「an」の使用: 母音で始まる単語や、母音の音で始まる単語の前に使用されます。例: "an apple", "an hour" (hourはHで始まるが、音は母音)。
このコミットでは、「subtraction」という単語が「s」という子音で始まるため、正しい不定冠詞は「a」であるべきです。
技術的詳細
このコミットの技術的詳細は、英語の文法、特に不定冠詞「a」と「an」の適切な使用に集約されます。
元の文章は以下の通りです。
-(It's not an subtraction, just idiosyncratic syntax.)
ここで、「subtraction」という単語は「s」という子音で始まります。英語の文法規則では、子音で始まる単語の前には不定冠詞「a」を使用するのが正しいとされています。したがって、「an subtraction」は文法的に誤りです。
修正後の文章は以下の通りです。
+(It's not a subtraction, just idiosyncratic syntax.)
「a subtraction」とすることで、文法的に正しい表現となり、ドキュメントの品質が向上します。この修正は、技術的な内容そのものには影響を与えませんが、ドキュメントの読みやすさ、正確性、そしてプロフェッショナリズムを保つ上で重要です。特に、Go言語のような国際的に利用されるオープンソースプロジェクトの公式ドキュメントでは、言語の正確性が非常に重視されます。
コアとなるコードの変更箇所
--- a/doc/asm.html
+++ b/doc/asm.html
@@ -201,7 +201,7 @@ TEXT runtime·profileloop(SB),NOSPLIT,$8
<p>
In the general case, the frame size is followed by an argument size, separated by a minus sign.
-(It's not an subtraction, just idiosyncratic syntax.)
+(It's not a subtraction, just idiosyncratic syntax.)
The frame size <code>$24-8</code> states that the function has a 24-byte frame
and is called with 8 bytes of argument, which live on the caller's frame.
If <code>NOSPLIT</code> is not specified for the <code>TEXT</code>,
コアとなるコードの解説
変更は doc/asm.html
ファイルの202行目(修正前は201行目)にあります。
-
- (It's not an subtraction, just idiosyncratic syntax.)
この行が修正前の記述です。「subtraction」という単語の前に不定冠詞「an」が使用されています。 -
+ (It's not a subtraction, just idiosyncratic syntax.)
この行が修正後の記述です。「subtraction」という単語の前に正しい不定冠詞「a」が使用されています。
この変更は、Goのアセンブリ構文におけるフレームサイズと引数サイズの表記(例: $24-8
)が、数学的な減算(subtraction)を意味するものではなく、単にGoのアセンブリにおける独特な構文であることを説明している文の一部です。この文の意図は変わらず、文法的な正確性のみが向上しました。
関連リンク
- Go言語公式ドキュメント: https://go.dev/doc/
- Go言語のアセンブリについて(
doc/asm.html
の内容): https://go.dev/doc/asm - Go言語のソースコード(GitHub): https://github.com/golang/go
参考にした情報源リンク
- GitHub上のコミットページ: https://github.com/golang/go/commit/6607534d08152a29d54d89eb2b03543ac3c29ca5
- Go Code Review (CL 91770050): https://golang.org/cl/91770050
- 英語の冠詞の用法に関する一般的な文法規則(例: "a" vs "an")