[インデックス 19278] ファイルの概要
このコミットは、Go言語の公式ドキュメントの一部である doc/install.html
ファイルに対する変更です。具体的には、Goのダウンロードリンクが、従来のダウンロードページからGoプロジェクトのWikiページへと変更されています。
コミット
commit 696a7e1595e30c1d05c4556b1bcf3107eae5609a
Author: Andrew Gerrand <adg@golang.org>
Date: Mon May 5 14:31:26 2014 -0700
doc: refer to wiki page for downloads
We will serve downloads from here until we work out a better plan.
LGTM=bradfitz
R=golang-codereviews, bradfitz
CC=golang-codereviews
https://golang.org/cl/95980044
GitHub上でのコミットページへのリンク
https://github.com/golang/go/commit/696a7e1595e30c1d05c4556b1bcf3107eae5609a
元コミット内容
このコミットは、Go言語のインストール手順を説明する doc/install.html
ファイル内のダウンロードリンクを更新するものです。変更前は http://code.google.com/p/go/downloads
を参照していましたが、変更後は https://code.google.com/p/go/wiki/Downloads?tm=2
を参照するように修正されています。コミットメッセージには「We will serve downloads from here until we work out a better plan.(より良い計画を立てるまで、ここからダウンロードを提供します)」とあり、この変更が一時的な措置であることを示唆しています。
変更の背景
この変更が行われた2014年5月当時、GoプロジェクトはGoogle Code上でホストされていました。Google Codeは、オープンソースプロジェクトのためのバージョン管理システムとホスティングサービスを提供していましたが、後に閉鎖されました。
このコミットの背景には、Goのバイナリ配布方法に関する何らかの変更、あるいはGoogle Codeプラットフォーム内でのダウンロード管理の変更があったと考えられます。コミットメッセージにある「より良い計画を立てるまで」という文言から、当時のGoチームがダウンロード提供の長期的な戦略を検討中であり、その間の暫定的な措置としてWikiページを利用することにしたと推測できます。
Google Codeのダウンロードセクションは、ファイルのアップロードと管理に特化していましたが、Wikiページはより柔軟なコンテンツ管理が可能でした。例えば、ダウンロードリンクだけでなく、各バージョンの詳細情報、インストールに関する注意点、あるいはミラーサイトへのリンクなどを一元的に管理するのに適していた可能性があります。これにより、ユーザーはより包括的な情報を得られるようになりました。
前提知識の解説
Google Code
Google Codeは、Googleが提供していたオープンソースプロジェクトのホスティングサービスです。Subversion、Git、Mercurialなどのバージョン管理システムをサポートし、Issueトラッカー、Wiki、ダウンロードセクションなどの機能を提供していました。Go言語プロジェクトも初期にはこのGoogle Code上で開発が進められていました。しかし、2015年にGoogleはGoogle Codeのサービス終了を発表し、多くのプロジェクトがGitHubなどの他のプラットフォームへ移行しました。
Go言語のインストールと配布
Go言語は、公式ウェブサイト (golang.org) からバイナリディストリビューションとして提供されています。これには、コンパイラ、標準ライブラリ、各種ツールが含まれます。ユーザーは、自身のオペレーティングシステムとアーキテクチャに合ったバイナリをダウンロードし、所定の場所に展開することでGo開発環境を構築します。
Goの配布方法は、時間の経過とともに進化してきました。初期のGoogle Codeでのホスティングから、現在のgolang.orgでの直接ダウンロード、そして各種パッケージマネージャーを通じたインストールなど、ユーザーがGoを導入する手段は多様化しています。このコミットは、その進化の途上における一つのスナップショットと言えます。
HTMLのアンカータグ (<a>
)
HTMLの <a>
タグは、ハイパーリンクを作成するために使用されます。href
属性にはリンク先のURLを指定し、ユーザーがリンクをクリックした際にそのURLへ移動します。target="_blank"
属性は、リンクを新しいタブまたはウィンドウで開くことを指示します。
このコミットでは、<a>
タグの href
属性の値が変更されており、リンク先が更新されていることがわかります。
技術的詳細
このコミットの技術的な変更は、doc/install.html
ファイル内のHTMLコードに限定されています。具体的には、Goのダウンロードに関連する複数の <a>
タグの href
属性が変更されています。
変更前:
http://code.google.com/p/go/downloads
http://code.google.com/p/go/downloads/list?q=OpSys-FreeBSD+OR+OpSys-Linux+OR+OpSys-OSX+Type-Archive
http://code.google.com/p/go/downloads/list?q=OpSys-OSX+Type-Installer
http://code.google.com/p/go/downloads/list?q=OpSys-Windows+Type%3DInstaller
http://code.google.com/p/go/downloads/list?q=OpSys-Windows+Type%3DArchive
変更後:
https://code.google.com/p/go/wiki/Downloads?tm=2
(すべてのリンクがこの単一のURLに統一)
この変更により、Goのインストールページからダウンロードリンクをクリックしたユーザーは、Google Codeのダウンロードリストページではなく、GoプロジェクトのWikiにあるダウンロードページに誘導されるようになりました。
?tm=2
というクエリパラメータは、Google CodeのWikiページで特定のテンプレートや表示モードを指定するためのものかもしれません。これは、Wikiページがダウンロード情報を見やすく表示するためにカスタマイズされていた可能性を示唆しています。
この変更は、Goの配布戦略における一時的な調整であり、ユーザー体験の観点からは、ダウンロードに関する情報がより集約された場所で提供されるようになったことを意味します。開発者にとっては、ダウンロードリンクの管理が簡素化され、将来的な配布方法の変更にも対応しやすくなったと考えられます。
コアとなるコードの変更箇所
変更は doc/install.html
ファイルのみです。
--- a/doc/install.html
+++ b/doc/install.html
@@ -6,14 +6,14 @@
<h2 id="download">Download the Go distribution</h2>
<p>
-<a href="http://code.google.com/p/go/downloads" id="start" class="download" target="_blank">
+<a href="https://code.google.com/p/go/wiki/Downloads?tm=2" id="start" class="download" target="_blank">
<span class="big">Download Go</span>
<span class="desc">Click here to visit the downloads page</span>
</a>
</p>
<p>
-<a href="http://code.google.com/p/go/downloads" target="_blank">Official binary
+<a href="https://code.google.com/p/go/wiki/Downloads?tm=2" target="_blank">Official binary
distributions</a> are available for the FreeBSD (release 8 and above), Linux, Mac OS X (Snow Leopard
and above), and Windows operating systems and the 32-bit (<code>386</code>) and
64-bit (<code>amd64</code>) x86 processor architectures.
@@ -70,7 +70,7 @@ first <a href="#uninstall">remove the existing version</a>.
<h3 id="tarball">Linux, Mac OS X, and FreeBSD tarballs</h3>
<p>
-<a href="http://code.google.com/p/go/downloads/list?q=OpSys-FreeBSD+OR+OpSys-Linux+OR+OpSys-OSX+Type-Archive">Download the archive</a>
+<a href="https://code.google.com/p/go/wiki/Downloads?tm=2">Download the archive</a>
and extract it into <code>/usr/local</code>, creating a Go tree in
<code>/usr/local/go</code>. For example:
</p>
@@ -127,7 +127,7 @@ location.
<h3 id="osx">Mac OS X package installer</h3>
<p>
-<a href="http://code.google.com/p/go/downloads/list?q=OpSys-OSX+Type-Installer">Download the package file</a>,
+<a href="https://code.google.com/p/go/wiki/Downloads?tm=2">Download the package file</a>,
open it, and follow the prompts to install the Go tools.\n The package installs the Go distribution to <code>/usr/local/go</code>.
</p>
@@ -150,7 +150,7 @@ MSI installer that configures your installation automatically.
<h4 id="windows_msi">MSI installer</h4>
<p>
-Open the <a href="http://code.google.com/p/go/downloads/list?q=OpSys-Windows+Type%3DInstaller">MSI file</a>
+Open the <a href="https://code.google.com/p/go/wiki/Downloads?tm=2">MSI file</a>
and follow the prompts to install the Go tools.\n By default, the installer puts the Go distribution in <code>c:\\Go</code>.
</p>
@@ -164,7 +164,7 @@ command prompts for the change to take effect.\n <h4 id="windows_zip">Zip archive</h4>
<p>
-<a href="http://code.google.com/p/go/downloads/list?q=OpSys-Windows+Type%3DArchive">Download the zip file</a> and extract it into the directory of your choice (we suggest <code>c:\\Go</code>).
+<a href="https://code.google.com/p/go/wiki/Downloads?tm=2">Download the zip file</a> and extract it into the directory of your choice (we suggest <code>c:\\Go</code>).
</p>
<p>
コアとなるコードの解説
このコミットは、doc/install.html
ファイル内の複数の <a>
タグの href
属性値を一括して変更しています。
-
変更前は、Goの各プラットフォーム(Linux, Mac OS X, FreeBSD, Windows)およびパッケージタイプ(tarball, installer, MSI, zip)ごとに異なるダウンロードリストページへのリンクが設定されていました。これらのリンクは、Google Codeのダウンロードセクションのクエリ機能を利用して、特定のOSやタイプにフィルタリングされたリストを表示していました。
- 例:
http://code.google.com/p/go/downloads/list?q=OpSys-FreeBSD+OR+OpSys-Linux+OR+OpSys-OSX+Type-Archive
は、FreeBSD, Linux, OS X向けのアーカイブタイプをフィルタリングして表示するリンクでした。
- 例:
-
変更後は、これらすべてのリンクが単一のURL
https://code.google.com/p/go/wiki/Downloads?tm=2
に統一されました。これは、Goのダウンロードに関するすべての情報が、Google CodeのWikiページに集約されたことを意味します。
この変更の主な目的は、ダウンロードリンクの管理を簡素化し、ユーザーがGoのバイナリを取得するための情報を一元化することにあったと考えられます。特定のOSやパッケージタイプごとに異なるダウンロードリストページへ誘導するのではなく、Wikiページでより詳細な説明や複数のダウンロードオプションを提供することで、ユーザーは必要な情報をより効率的に見つけられるようになりました。また、将来的なダウンロード提供方法の変更があった場合でも、HTMLファイルを直接修正するのではなく、Wikiページの内容を更新するだけで済むため、メンテナンス性が向上したと言えます。
関連リンク
- Go言語公式サイト: https://go.dev/
- Go言語のダウンロードページ: https://go.dev/dl/ (現在のダウンロードページ)
参考にした情報源リンク
- Google Codeの閉鎖に関する情報 (一般的な情報源): https://ja.wikipedia.org/wiki/Google_Code
- HTML
<a>
タグに関する情報 (一般的な情報源): https://developer.mozilla.org/ja/docs/Web/HTML/Element/a