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[インデックス 19611] ファイルの概要

このコミットは、Go言語の標準ライブラリであるfmtパッケージのドキュメントファイルsrc/pkg/fmt/doc.goに対する修正です。doc.goファイルは、Goのパッケージにおいて、そのパッケージ全体の概要や使用方法、重要な概念などを記述するための特別なファイルです。このファイルに記述されたコメントは、go docコマンドやGoの公式ドキュメントサイト(pkg.go.devなど)で表示されるパッケージドキュメントとして利用されます。

コミット

fmt: help docのtypoを修正

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/92d58c7e466b332129c1fc39f30d1d8e2f9c58c3

元コミット内容

commit 92d58c7e466b332129c1fc39f30d1d8e2f9c58c3
Author: Mihai Borobocea <MihaiBorobocea@gmail.com>
Date:   Tue Jun 24 16:59:33 2014 -0700

    fmt: fix typo in help doc
    
    LGTM=iant
    R=golang-codereviews, iant
    CC=golang-codereviews
    https://golang.org/cl/110110045
---
 src/pkg/fmt/doc.go | 2 +--
 1 file changed, 1 insertion(+), 1 deletion(-)

diff --git a/src/pkg/fmt/doc.go b/src/pkg/fmt/doc.go
index 02642d6ae7..5af8d3e717 100644
--- a/src/pkg/fmt/doc.go
+++ b/src/pkg/fmt/doc.go
@@ -160,7 +160,7 @@
 
 	For example,
 		fmt.Sprintf("%[2]d %[1]d\n", 11, 22)
-	will yield "22, 11", while
+	will yield "22 11", while
 		fmt.Sprintf("%[3]*.[2]*[1]f", 12.0, 2, 6),
 	equivalent to
 		fmt.Sprintf("%6.2f", 12.0),

変更の背景

このコミットは、Go言語のfmtパッケージのドキュメントにおける単純なタイポ(誤字)を修正するものです。具体的には、fmt.Sprintf関数の書式指定文字列の例に関する説明文中の出力例が、実際の出力と異なっていた点を修正しています。

ドキュメントの正確性は、プログラミング言語の利用において非常に重要です。特に、fmtパッケージのような基本的な入出力フォーマットを提供するパッケージでは、その使用例が正確であることがユーザーの理解を助け、誤った使い方を防ぐ上で不可欠です。たとえ小さなタイポであっても、それがコードの挙動に関する説明であれば、ユーザーを混乱させ、誤った知識を植え付ける可能性があります。この修正は、Go言語のドキュメントの品質と正確性を維持するための継続的な取り組みの一環と言えます。

前提知識の解説

Go言語のfmtパッケージ

fmtパッケージは、Go言語におけるフォーマットされたI/O(入出力)を実装するためのパッケージです。C言語のprintfscanfに似た機能を提供し、文字列のフォーマット、標準出力への出力、ファイルへの書き込み、文字列からの読み取りなど、多岐にわたるフォーマット処理を扱います。

主な関数には以下のようなものがあります。

  • fmt.Print, fmt.Println, fmt.Printf: 標準出力への出力
  • fmt.Sprint, fmt.Sprintln, fmt.Sprintf: 文字列へのフォーマット
  • fmt.Fprint, fmt.Fprintln, fmt.Fprintf: io.Writerへの出力
  • fmt.Scan, fmt.Scanln, fmt.Scanf: 標準入力からの読み取り
  • fmt.Sscan, fmt.Sscanln, fmt.Sscanf: 文字列からの読み取り
  • fmt.Fscan, fmt.Fscanln, fmt.Fscanf: io.Readerからの読み取り

fmt.Sprintf関数

fmt.Sprintfは、指定された書式指定文字列(format string)と引数(arguments)に基づいて文字列をフォーマットし、その結果の文字列を返します。C言語のsprintfと同様に、書式指定文字列内の%で始まる「動詞(verb)」によって、引数の値がどのように文字列に変換されるかを制御します。

例:

name := "Gopher"
age := 10
s := fmt.Sprintf("My name is %s and I am %d years old.", name, age)
// s は "My name is Gopher and I am 10 years old." となる

書式指定文字列の動詞と引数インデックス

fmtパッケージの書式指定文字列では、単に%s%dのように動詞を指定するだけでなく、引数のインデックスを指定して、書式指定文字列内で引数を複数回参照したり、引数の順序を入れ替えたりすることができます。これは、国際化対応(i18n)などで、言語によって単語の順序が変わる場合に特に有用です。

引数インデックスは、%[n]の形式で指定します。ここでnは1から始まる引数のインデックスです。

例:

fmt.Sprintf("%[2]d %[1]d", 11, 22)

この例では、

  • %[2]d: 2番目の引数(22)を10進数(d)としてフォーマットします。
  • %[1]d: 1番目の引数(11)を10進数(d)としてフォーマットします。

したがって、このSprintfの呼び出しは、"22 11"という文字列を生成します。

doc.goファイル

Go言語のパッケージでは、慣習的にパッケージのルートディレクトリにdoc.goという名前のファイルを作成し、そのパッケージ全体のドキュメントを記述します。このファイルは、パッケージの概要、目的、主要な型や関数の説明、使用例などをMarkdown形式で記述することができます。go docコマンドやGoの公式ドキュメントサイトは、このdoc.goファイルの内容を読み取り、パッケージのドキュメントとして表示します。

doc.goファイルは、パッケージのコード自体とは直接関係のない、純粋なドキュメンテーションのためのファイルです。しかし、その内容はGoのツールチェーンによって解析され、公式ドキュメントの一部として公開されるため、その正確性は非常に重要です。

技術的詳細

このコミットの技術的詳細は、fmtパッケージのドキュメントファイルsrc/pkg/fmt/doc.go内の特定の行の修正に集約されます。

修正された行は、fmt.Sprintfの引数インデックス指定の例に関する説明です。

元のコード:

	For example,
		fmt.Sprintf("%[2]d %[1]d\n", 11, 22)
	will yield "22, 11", while

修正後のコード:

	For example,
		fmt.Sprintf("%[2]d %[1]d\n", 11, 22)
	will yield "22 11", while

変更点は、will yield "22, 11"という部分がwill yield "22 11"に修正されたことです。

これは、fmt.Sprintf("%[2]d %[1]d\n", 11, 22)というコードが実際に生成する文字列が"22 11"であり、元のドキュメントにあった"22, 11"(カンマが含まれている)は誤りであったためです。書式指定文字列"%[2]d %[1]d\n"には、数値の間にカンマを挿入する指示は含まれていません。単に2番目の引数と1番目の引数をスペースで区切って出力するだけです。

この修正は、ドキュメントの記述と実際のコードの挙動との間の不一致を解消し、ユーザーがドキュメントを読んだ際に誤解する可能性を排除することを目的としています。

コアとなるコードの変更箇所

--- a/src/pkg/fmt/doc.go
+++ b/src/pkg/fmt/doc.go
@@ -160,7 +160,7 @@
 
 	For example,
 		fmt.Sprintf("%[2]d %[1]d\n", 11, 22)
-	will yield "22, 11", while
+	will yield "22 11", while
 		fmt.Sprintf("%[3]*.[2]*[1]f", 12.0, 2, 6),
 	equivalent to
 		fmt.Sprintf("%6.2f", 12.0),

変更されたファイルはsrc/pkg/fmt/doc.goのみです。 具体的には、162行目のwill yield "22, 11", whilewill yield "22 11", whileに変更されています。

コアとなるコードの解説

変更された行は、fmtパッケージのドキュメント内で、fmt.Sprintfの引数インデックス指定の例を説明している部分です。

元の記述: will yield "22, 11", while

これは、「fmt.Sprintf("%[2]d %[1]d\n", 11, 22)というコードは、"22, 11"という結果を生成します」という意味です。

修正後の記述: will yield "22 11", while

これは、「fmt.Sprintf("%[2]d %[1]d\n", 11, 22)というコードは、"22 11"という結果を生成します」という意味です。

この修正は、前述の通り、書式指定文字列"%[2]d %[1]d\n"が数値間にカンマを含まないため、実際の出力とドキュメントの記述を一致させるためのものです。%[2]dは2番目の引数(22)を、%[1]dは1番目の引数(11)をそれぞれ10進数としてフォーマットし、それらの間にスペースが1つ入るだけです。したがって、正しい出力は"22 11"となります。

この変更は、コードの動作には一切影響を与えず、純粋にドキュメントの正確性を向上させるためのものです。

関連リンク

参考にした情報源リンク