[インデックス 19643] ファイルの概要
このコミットは、Go 1.4のリリースノートドキュメント(doc/go1.4.txt
)から、エディタおよびシェルサポートに関する記述を削除し、代わりにGo Wikiの関連ページへの参照を追加するものです。これは、Goプロジェクトがエディタ/IDEサポートの公式な管理をコミュニティに移管したことによるドキュメントの更新です。
コミット
doc/go1.4.txt: delete editor and shell support
CC=golang-codereviews
https://golang.org/cl/101590043
GitHub上でのコミットページへのリンク
https://github.com/golang/go/commit/ed5b694721b96ebb69ba177b956b6364636eeeba
元コミット内容
doc/go1.4.txt | 1 +
1 file changed, 1 insertion(+)
diff --git a/doc/go1.4.txt b/doc/go1.4.txt
index f864857920..9066cd84fe 100644
--- a/doc/go1.4.txt
+++ b/doc/go1.4.txt
@@ -6,6 +6,7 @@ package or cmd/xxx directory name, and ending in a CL number.
Please keep the list sorted (as in sort.Strings of the lines).
encoding/gob: remove unsafe (CL 102680045)
+misc: deleted editor support; refer to https://code.google.com/p/go-wiki/wiki/IDEsAndTextEditorPlugins instead (CL 105470043)
runtime/race: freebsd is supported (CL 107270043)
syscall: Setuid, Setgid are disabled on linux platforms. On linux those syscalls operate on the calling thread, not the whole process. This does not match the semantics of other platforms, nor the expectations of the caller, so the operations have been disabled until issue 1435 is resolved (CL 106170043)
text/scanner: add IsIdentRune field of Scanner. (CL 108030044)
変更の背景
Go 1.4のリリースにおいて、Goプロジェクトのコアチームは、公式リポジトリからのエディタおよびIDEサポート(プラグイン、初期化スクリプトなど)の提供を中止するという決定を下しました。この決定の主な背景には、以下のような理由があります。
- メンテナンスコストの増大: Goのコアチームにとって、様々なエディタやIDE向けのツールを維持・管理することは、時間とリソースを大量に消費する作業でした。特に、チームが日常的に使用しないエディタのサポートは、大きな負担となっていました。
- コミュニティへの移管: エディタ/IDEサポートの管理と開発は、より広範なGoコミュニティが担当する方が適切であると判断されました。コミュニティは多様なエディタのニーズに対応でき、より迅速な更新や改善が期待できます。
- ドキュメントの一元化: 公式リポジトリ内のドキュメントを簡素化し、エディタ/IDEに関する最新かつ包括的な情報はGo Wikiに一元化することで、ユーザーが常に最新の情報を参照できるようにする狙いがありました。
このコミットは、上記の決定に伴い、Go 1.4のリリースノートからエディタサポートに関する記述を削除し、コミュニティ主導のGo Wikiへの参照に置き換えるためのドキュメント更新です。
前提知識の解説
このコミットを理解するためには、以下の概念が役立ちます。
- Goリリースノート (doc/go1.4.txt): Go言語の各バージョンがリリースされる際に、そのバージョンで導入された新機能、変更点、修正点などがまとめられた公式ドキュメントです。通常、
doc
ディレクトリ内にテキストファイルとして格納されます。 - Go Wiki (code.google.com/p/go-wiki): Go言語に関するコミュニティ主導の知識ベースです。公式ドキュメントには含まれない、より実践的な情報、チュートリアル、ツール、FAQなどが掲載されています。かつてはGoogle Codeのプラットフォームでホストされていましたが、現在は
go.dev/wiki
に移行しています。 - エディタ/IDEサポート: プログラミング言語を効率的に開発するために、テキストエディタや統合開発環境(IDE)が提供する機能群を指します。これには、シンタックスハイライト、コード補完、デバッグ機能、フォーマット、リンティング、テスト実行などが含まれます。Go言語の場合、
gopls
のような言語サーバーや、vim-go
、vscode-go
などのエディタプラグインがこれに該当します。 - CL (Change List): Goプロジェクトでは、コード変更の単位を「Change List」と呼びます。これは、Gitのコミットに相当する概念で、コードレビューシステム(Gerritなど)で管理されます。コミットメッセージに記載される
CL XXXXXXXX
は、その変更がどのChange Listに由来するかを示します。
技術的詳細
このコミット自体は、Go言語のランタイムやコンパイラといったコア部分のコードを変更するものではなく、ドキュメントの更新に限定されています。具体的には、doc/go1.4.txt
というテキストファイルの内容が変更されています。
変更内容は、Go 1.4のリリースノートに、エディタサポートに関する項目を追加し、その内容として「misc: deleted editor support; refer to https://code.google.com/p/go-wiki/wiki/IDEsAndTextEditorPlugins instead (CL 105470043)」という記述を挿入しています。
これは、Goプロジェクトがエディタ/IDEサポートの提供とメンテナンスを公式な責務から外し、コミュニティ主導のGo Wikiにその情報を集約するという方針転換を反映したものです。この変更により、Goの公式リリースノートはよりコアな言語機能や標準ライブラリの変更に焦点を当て、エディタに関する情報は専門のWikiページで最新の状態に保たれるようになりました。
技術的な影響としては、Go 1.4以降、Goの公式配布物には特定のエディタ向けの設定ファイルやプラグインが直接含まれなくなることを意味します。開発者は、自身が使用するエディタやIDEのGoサポートについては、Go Wikiや各エディタのコミュニティが提供する情報を参照する必要があるという指針が明確化されました。
コアとなるコードの変更箇所
このコミットにおける「コアとなるコードの変更箇所」は、doc/go1.4.txt
ファイルの一行の追加です。
--- a/doc/go1.4.txt
+++ b/doc/go1.4.txt
@@ -6,6 +6,7 @@ package or cmd/xxx directory name, and ending in a CL number.
Please keep the list sorted (as in sort.Strings of the lines).
encoding/gob: remove unsafe (CL 102680045)
+misc: deleted editor support; refer to https://code.google.com/p/go-wiki/wiki/IDEsAndTextEditorPlugins instead (CL 105470043)
runtime/race: freebsd is supported (CL 107270043)
syscall: Setuid, Setgid are disabled on linux platforms. On linux those syscalls operate on the calling thread, not the whole process. This does not match the semantics of other platforms, nor the expectations of the caller, so the operations have been disabled until issue 1435 is resolved (CL 106170043)
text/scanner: add IsIdentRune field of Scanner. (CL 108030044)
具体的には、doc/go1.4.txt
の既存の変更リストの中に、以下の行が追加されました。
misc: deleted editor support; refer to https://code.google.com/p/go-wiki/wiki/IDEsAndTextEditorPlugins instead (CL 105470043)
コアとなるコードの解説
追加された一行は、Go 1.4のリリースノートにおける「その他(misc)」カテゴリの変更点として、エディタサポートに関する公式な記述が削除されたことを示しています。そして、その情報源として、Go Wikiの「IDEsAndTextEditorPlugins」ページへのURLが明示的に示されています。
この記述は、Goプロジェクトがエディタ/IDEサポートのメンテナンスを公式な責務から外し、コミュニティに委ねるという方針をユーザーに伝えるためのものです。これにより、Goの公式ドキュメントはより簡潔になり、エディタに関する詳細かつ最新の情報はGo Wikiで管理されるという役割分担が明確化されました。
この変更は、Go言語の機能そのものには影響を与えませんが、Go開発者がエディタやIDEのセットアップに関する情報をどこで探すべきかという点で、ドキュメント上の重要な指針変更となります。
関連リンク
- Go Wiki - IDEs and Text Editor Plugins: https://go.dev/wiki/IDEsAndTextEditorPlugins (現在のURL)
- Go 1.4 Release Notes: https://go.dev/doc/go1.4
参考にした情報源リンク
- Go 1.4 Release Notes (公式ドキュメント): https://go.dev/doc/go1.4
- Go Wiki (IDEs and Text Editor Plugins): https://go.dev/wiki/IDEsAndTextEditorPlugins
- Web検索結果 (Go 1.4 release notes editor support): https://vertexaisearch.cloud.google.com/grounding-api-redirect/AUZIYQH1FZ51vzAAbiVj1rVXEsElMXLq6pWXuSlbnOJhVzK8XtvElFNS_455zb3A672ByKApCrDLAwCQYpj55can4_NIQD1lTDnPZVUt_RrYAZ_u7Suepw==
- Web検索結果 (https://code.google.com/p/go-wiki/wiki/IDEsAndTextEditorPlugins): https://vertexaisearch.cloud.google.com/grounding-api-redirect/AUZIYQEwxtUEVA7jA-VsO35ceU-ta1CTyI8sib9usX6gt1iFEZjycZbmJMhhxzPcsv0ko-F5V4Ax10yZa4VaRJ9w8lZhMTOLKI4b4NH4uTNE1T_MA7mNaNTzdVY84_mcURp8M2Ss0kuP4CCq