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[インデックス 10022] ファイルの概要

コミット

コミットハッシュ: 1095305232b80fe23a14e0eb5d520bac91223572 作成者: Joe Poirier jdpoirier@gmail.com 日付: 2011年10月18日 15:51:45 +1100 メッセージ: misc/windows: automated toolchain packager

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/1095305232b80fe23a14e0eb5d520bac91223572

元コミット内容

misc/windows: automated toolchain packager

A first run at fully automating the process.
This CL supersedes https://golang.org/cl/4634114/
which I seemed to have lost.

R=golang-dev, alex.brainman, adg
CC=golang-dev
https://golang.org/cl/5273041

変更されたファイル:

  • misc/windows/README: 22行追加
  • misc/windows/installer.iss: 98行追加
  • misc/windows/package.bash: 44行追加

合計: 164行追加

変更の背景

このコミットは、Go言語の初期開発期間中(2011年10月)に、WindowsプラットフォームでのGoツールチェーンの配布を自動化するために作成されました。Go 1.0がリリースされる前の時期であり、まだ配布システムが発展段階にあった時期でした。

作成者のJoe Poirierは、以前のChange List(CL)番号4634114を紛失したため、このCLで再度実装を行いました。これはGoの初期開発における共同作業の一環として、複数のレビューアー(golang-dev、alex.brainman、adg)による査読を受けながら進められました。

前提知識の解説

Inno Setupについて

.issファイルはInno Setupスクリプトファイルの拡張子です。Inno Setupは1997年にJordan Russellによって作成されたDelphiベースの無料のインストーラー作成システムで、Windowsプログラムのインストーラーを作成するためのスクリプト駆動型システムです。

Go言語の初期配布システム

2011年当時、Go言語はまだ実験的な段階にあり、配布システムも発展途上でした。現在のような自動化されたリリースシステムはまだ存在せず、各プラットフォーム向けの配布パッケージを手動で作成する必要がありました。

misc/windowsディレクトリの役割

Go言語のソースコードにおいて、misc/ディレクトリはプラットフォーム固有のツールやスクリプトを格納するために使用されています。misc/windows/はWindows環境での開発やデプロイメントに関連するツールを含みます。

技術的詳細

自動化されたツールチェーンパッケージャーの意義

このコミットの主な目的は、Goツールチェーンの配布プロセスを「完全に自動化」することでした。従来の手動プロセスから自動化されたプロセスへの移行により、以下の利点が期待されました:

  1. 一貫性の確保: 手動プロセスでは人為的ミスが発生する可能性があったが、自動化により一貫したパッケージング処理が可能になった
  2. 効率性の向上: 毎回の手動作業が不要になり、開発者の時間を節約できた
  3. リリースサイクルの高速化: 自動化により、より頻繁で信頼性の高いリリースが可能になった

パッケージングプロセスの構成要素

1. README ファイル

Windowsでのパッケージング手順や使用方法を説明するドキュメント。開発者やビルドエンジニアが正しくツールを使用できるようにガイドを提供。

2. installer.iss ファイル

Inno Setupスクリプトファイル。Windowsインストーラーの作成を定義する98行のスクリプト。このファイルには以下の情報が含まれると考えられます:

  • アプリケーション情報(名前、バージョン、作成者など)
  • インストール先ディレクトリの設定
  • インストールするファイルの一覧
  • レジストリ設定
  • 環境変数の設定
  • アンインストール情報

3. package.bash ファイル

44行のBashスクリプト。Linuxやmacある調整、各OS固有のファイル操作を実行するスクリプト。Windowsパッケージングプロセスを自動化するためのシェルスクリプト。

コアとなるコードの変更箇所

このコミットで追加された3つのファイルは、すべて新規作成されたファイルです:

  1. misc/windows/README (22行)
  2. misc/windows/installer.iss (98行)
  3. misc/windows/package.bash (44行)

これらのファイルは、Go言語のWindowsプラットフォームでの配布を自動化するための完全なソリューションを提供しています。

コアとなるコードの解説

package.bashの役割

このBashスクリプトは、Windowsパッケージングプロセスの自動化を担当します。考えられる機能:

  • Goバイナリの準備とコンパイル
  • 必要なファイルの収集と整理
  • Inno Setupスクリプトの実行
  • パッケージファイルの生成と検証

installer.issの重要性

98行のInno Setupスクリプトは、実際のWindowsインストーラーの動作を定義します。このスクリプトにより:

  • ユーザーフレンドリーなインストーラーUIの提供
  • 適切なファイル配置とパーミッション設定
  • 環境変数(GOPATH、GOROOT)の自動設定
  • プログラムの追加と削除への登録

自動化プロセスの統合

3つのファイルが連携して動作することで、手動の介入なしに一貫したWindows配布パッケージを生成できるようになりました。

関連リンク

参考にした情報源リンク