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[インデックス 10506] ファイルの概要

このコミットは、Go言語の実験的なSQLドライバパッケージ (exp/sql/driver) 内のコメントにおいて、古いパッケージ名「db」が誤って記載されていた箇所を、現在の正しいパッケージ名「sql」に修正するものです。これはコードの機能には影響を与えませんが、ドキュメントの正確性を保つ上で重要な変更です。

コミット

commit 5519b5d7165afc39e9d908a3c9ae24f221e38f53
Author: Benny Siegert <bsiegert@gmail.com>
Date:   Fri Nov 25 10:57:10 2011 -0500

    exp/sql/driver: Correct package name in comment.
    
    IIRC, package sql used to be called db. There was one occurrence
    of the old name in a comment.
    
    R=golang-dev, bradfitz
    CC=golang-dev
    https://golang.org/cl/5431075

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/5519b5d7165afc39e9d908a3c9ae24f221e38f53

元コミット内容

exp/sql/driver: コメント内のパッケージ名を修正。

記憶が正しければ、sql パッケージは以前 db と呼ばれていました。その古い名前がコメント内に1箇所残っていました。

変更の背景

この変更の背景には、Go言語の標準ライブラリにおけるデータベース関連パッケージの名称変更の歴史があります。コミットメッセージにあるように、現在の database/sql パッケージは、その初期段階で db という名前で呼ばれていた時期がありました。その後、より明確で標準的な命名規則に沿う形で sql という名前に変更されました。

このコミットが行われた2011年11月時点では、Go言語はまだ活発に開発されており、APIやパッケージ名が変更されることは珍しくありませんでした。このような変更は、言語の成熟と安定化の過程で、より良い設計や一貫性を追求するために行われます。

このコミットは、コードの機能自体を変更するものではなく、ドキュメンテーション、特にコメントの正確性を確保することを目的としています。古いパッケージ名がコメント内に残っていると、コードを読んだ開発者が混乱したり、誤解したりする可能性がありました。そのため、このような小さな修正であっても、コードベース全体の品質と可読性を維持するためには重要と判断されました。

前提知識の解説

Go言語の database/sql パッケージ

Go言語には、標準ライブラリとして database/sql パッケージが提供されています。このパッケージは、Goアプリケーションから様々なリレーショナルデータベース(PostgreSQL, MySQL, SQLiteなど)にアクセスするための汎用的なインターフェースを提供します。

database/sql パッケージ自体は、特定のデータベースの実装を含んでいません。代わりに、データベースドライバがこのインターフェースを実装することで、Goアプリケーションは統一された方法で異なるデータベースと対話できます。開発者は、使用するデータベースに対応するドライバ(例: github.com/go-sql-driver/mysqlgithub.com/lib/pq)をインポートし、sql.Open 関数でデータベース接続を確立します。

exp/sql/driver パッケージ

このコミットで言及されている exp/sql/driver は、Go言語の初期段階における実験的なパッケージでした。exp (experimental) プレフィックスは、そのパッケージがまだ開発中であり、APIが変更される可能性があることを示していました。

exp/sql/driver パッケージは、database/sql パッケージの基盤となるドライバインターフェースを定義していました。つまり、データベースドライバを実装する開発者は、この driver パッケージで定義されたインターフェース(Driver, Conn, Stmt, Result, Rows など)に準拠する必要がありました。

最終的に、この実験的な exp/sql/driver パッケージの機能は、標準ライブラリの database/sql パッケージに統合され、database/sql/driver サブパッケージとして提供されるようになりました。これにより、ドライバ開発者は標準ライブラリの一部として安定したインターフェースを利用できるようになりました。

パッケージ名の変遷 (db から sql へ)

Go言語の初期開発段階では、データベース関連のパッケージが db という名前で検討または使用されていた時期がありました。しかし、Goの標準ライブラリでは、パッケージ名はそのパッケージが提供する機能やドメインを簡潔かつ明確に表すことが推奨されています。

sql という名前は、Structured Query Language(構造化照会言語)を直接指し、リレーショナルデータベースとのインタラクションをより正確に表現します。これに対し、db は "database" の略であり、より広範な意味を持つため、リレーショナルデータベースに特化したパッケージとしては sql の方が適切と判断されたと考えられます。このような命名規則の統一は、Go言語の設計思想の一部であり、コードの可読性と理解を深める上で重要です。

技術的詳細

このコミットは、src/pkg/exp/sql/driver/driver.go ファイル内のコメントを修正するものです。具体的には、Goの型とデータベースドライバの関連性について説明しているコメント行において、古いパッケージ名「db」を新しいパッケージ名「sql」に置き換えています。

変更前: // Drivers only need to be aware of a subset of Go's types. The db package

変更後: // Drivers only need to be aware of a subset of Go's types. The sql package

この変更は、Go言語の database/sql パッケージが以前 db という名前であったという歴史的経緯を反映し、ドキュメントの正確性を保つためのものです。コードの実行には一切影響を与えません。これは、コードベースのメンテナンスにおいて、コメントやドキュメントが常に最新かつ正確な情報を提供するように努めることの重要性を示しています。特に、APIやパッケージ名が変更された際には、関連するすべてのドキュメントも更新されるべきです。

このような修正は、一見すると些細なものに見えますが、以下のような点で重要です。

  • 可読性の向上: 新しい開発者がコードを読んだ際に、古い情報によって混乱するのを防ぎます。
  • 正確性の維持: ドキュメントがコードの現状を正確に反映していることを保証します。
  • メンテナンスの容易さ: 将来的にこのコードを修正する際に、誤った情報に基づいて判断を下すリスクを減らします。

このコミットは、Go言語の標準ライブラリが、その初期段階から高い品質と一貫性を目指して開発されてきたことを示す一例でもあります。

コアとなるコードの変更箇所

diff --git a/src/pkg/exp/sql/driver/driver.go b/src/pkg/exp/sql/driver/driver.go
index 1139afa6bb..f0bcca2910 100644
--- a/src/pkg/exp/sql/driver/driver.go
+++ b/src/pkg/exp/sql/driver/driver.go
@@ -7,7 +7,7 @@
 //
 // Code simply using databases should use package sql.
 //
-// Drivers only need to be aware of a subset of Go\'s types.  The db package
+// Drivers only need to be aware of a subset of Go\'s types.  The sql package
 // will convert all types into one of the following:\
 //\
 //   int64

コアとなるコードの解説

変更されたファイルは src/pkg/exp/sql/driver/driver.go です。これは、Go言語の実験的なSQLドライバパッケージの主要なファイルであり、データベースドライバが実装すべきインターフェースや、Goの型とデータベースの型のマッピングに関する情報が含まれています。

変更された行は以下の通りです。

// Drivers only need to be aware of a subset of Go's types. The db package
// will convert all types into one of the following:

// Drivers only need to be aware of a subset of Go's types. The sql package
// will convert all types into one of the following:

に修正されました。

このコメントは、Goのデータベースドライバが、Goのすべての型を直接扱う必要はなく、特定の基本的な型(int64, float64, bool, []byte, string, time.Time)のサブセットのみを認識すればよいことを説明しています。そして、その後に続く「db パッケージがすべての型を以下のいずれかに変換する」という記述が、今回の修正の対象となりました。

修正前は、古いパッケージ名である db が使われていましたが、これはGoのデータベースパッケージが sql という名前に変更された後も残っていた誤りです。このコミットによって、コメント内の dbsql に変更され、ドキュメントが現在のパッケージ名と一致するようになりました。

この修正は、コードの動作には影響を与えませんが、Goのデータベースパッケージの歴史的経緯を反映し、ドキュメントの正確性と一貫性を保つ上で重要な役割を果たします。

関連リンク

参考にした情報源リンク

  • コミットメッセージの内容
  • Go言語の database/sql パッケージに関する一般的な知識
  • Go言語の標準ライブラリの歴史に関する一般的な知識