[インデックス 10573] ファイルの概要

このコミットは、Go言語の標準ライブラリosパッケージ内のFile型に対するメソッドのレシーバ名を一貫性のあるものに変更するものです。具体的には、file *Fileというレシーバ名をf *Fileに統一しています。これにより、godocツールが生成するドキュメントの目次（TOC: Table of Contents）の表示が改善され、視認性と一貫性が向上します。

コミット

commit 744fb52102642382d09968d8bc0fe4090af20360
Author: Brad Fitzpatrick <bradfitz@golang.org>
Date:   Thu Dec 1 11:23:39 2011 -0800

    os: be consistent with receiver names for godoc TOC alignment

    R=golang-dev, r
    CC=golang-dev
    https://golang.org/cl/5449056

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/744fb52102642382d09968d8bc0fe4090af20360

元コミット内容

os: be consistent with receiver names for godoc TOC alignment

R=golang-dev, r
CC=golang-dev
https://golang.org/cl/5449056

変更の背景

この変更の主な背景は、Go言語の公式ドキュメンテーションツールであるgodocの表示を最適化することにあります。godocは、Goのソースコードから直接ドキュメントを生成するツールであり、特にパッケージ内の型に紐づくメソッドの一覧を生成する際に、レシーバ名の一貫性が重要になります。

以前のコードでは、*File型のメソッドレシーバ名がfileとfで混在していました。例えば、func (file *File) Name()とfunc (f *File) Read()のように、同じ型に対するメソッドでありながら異なるレシーバ名が使われていました。

godocは、ドキュメントの目次（TOC）を生成する際に、メソッドのレシーバ名を考慮してグループ化や表示を行います。レシーバ名が統一されていないと、godocが生成する目次が乱雑になったり、同じ型に属するメソッドが異なるグループに表示されたりする可能性がありました。これにより、開発者がドキュメントを参照する際の視認性や利便性が損なわれることが懸念されました。

このコミットは、このようなgodocの表示上の問題を解決し、osパッケージのドキュメントをより整理された、読みやすいものにするために行われました。

前提知識の解説

Go言語のレシーバ (Receiver)

Go言語において、メソッドは特定の型に関連付けられた関数です。メソッドを定義する際、関数名の前に「レシーバ」と呼ばれる特別な引数を指定します。このレシーバは、そのメソッドがどの型の値に対して呼び出されるかを示します。

レシーバには、値レシーバとポインタレシーバの2種類があります。

• 値レシーバ: func (t Type) MethodName(...) の形式で定義されます。メソッド内でレシーバの値を変更しても、元の値には影響しません（値のコピーが渡されるため）。
• ポインタレシーバ: func (t *Type) MethodName(...) の形式で定義されます。メソッド内でレシーバの値を変更すると、元の値にも影響します（値へのポインタが渡されるため）。

レシーバの変数名（このコミットの例ではfileやf）は、そのメソッド内でレシーバの値を参照するために使用されます。Goコミュニティでは、慣習としてレシーバ名は型の最初の文字（または数文字）を小文字にしたものを使用することが推奨されています。例えば、*File型であればf、*Buffer型であればbといった具合です。これにより、コードの可読性が向上し、特にgodocのようなツールがドキュメントを生成する際に一貫した表示が可能になります。

godoc

godocは、Go言語のソースコードからドキュメントを生成し、Webブラウザで表示するためのツールです。Goの標準ライブラリのドキュメント（pkg.go.devなどで見られるもの）は、このgodocによって生成されています。

godocは、Goのソースコード内のコメント（特にエクスポートされた型、関数、メソッド、変数の宣言の直前にあるコメント）を解析し、Markdownのような形式で整形して表示します。また、型に紐づくメソッドの一覧や、パッケージ内の関数一覧なども自動的に生成します。

このツールは、Goのコードベースの自己文書化を促進し、開発者がライブラリやパッケージのAPIを素早く理解するのに役立ちます。レシーバ名の一貫性は、godocが生成するドキュメントの目次（Table of Contents）の「アライメント（整列）」に影響を与えます。レシーバ名が統一されていると、godocは同じ型に属するメソッドをより論理的にグループ化し、視覚的に整列された形で表示することができます。これにより、ドキュメントのナビゲーションが容易になり、ユーザーエクスペリエンスが向上します。

技術的詳細

このコミットは、osパッケージ内のFile型に対するメソッドのレシーバ名をfileからfへ一括して変更するものです。これは純粋にコードのスタイルと可読性、そしてgodocの出力の一貫性を目的とした変更であり、機能的な変更は一切含まれていません。

変更対象となったファイルは以下の通りです。

• src/pkg/os/file.go
• src/pkg/os/file_posix.go
• src/pkg/os/file_unix.go

これらのファイルには、File型の様々なメソッド（Name, Read, ReadAt, Write, WriteAt, Seek, WriteString, Sync, Fd, Close, Stat, Readdirなど）が定義されています。コミットでは、これらのメソッド定義におけるレシーバ変数名がfileからfに置換されています。

例えば、src/pkg/os/file.go内のName()メソッドの変更は以下のようになります。

変更前:

func (file *File) Name() string { return file.name }

変更後:

func (f *File) Name() string { return f.name }

同様に、メソッド本体内でレシーバ変数を使用している箇所もすべてfileからfに変更されています。例えば、Read()メソッド内のfile.read(b)はf.read(b)に、PathErrorの生成におけるfile.nameはf.nameに変更されています。

この変更は、Go言語のコーディングスタイルガイドライン（Go Code Review CommentsやEffective Goなどで推奨されている慣習）に沿ったものであり、特にレシーバ名に関しては、短く、かつその型を連想させるような名前を使用することが一般的です。File型の場合、fがその慣習に最も適しています。

このような変更は、大規模なコードベースにおいて、コードの一貫性を保ち、新しい開発者がコードを読み解く際の認知負荷を軽減するために非常に重要です。また、自動生成されるドキュメントの品質向上にも直接的に寄与します。

コアとなるコードの変更箇所

このコミットにおけるコアとなるコードの変更は、src/pkg/os/file.go、src/pkg/os/file_posix.go、src/pkg/os/file_unix.goの3つのファイルにわたる、*File型メソッドのレシーバ名の変更です。

以下に、src/pkg/os/file.goからの代表的な変更箇所を抜粋します。

変更前:

--- a/src/pkg/os/file.go
+++ b/src/pkg/os/file.go
@@ -14,7 +14,7 @@ import (
 )

 // Name returns the name of the file as presented to Open.
-func (file *File) Name() string { return file.name }
+func (f *File) Name() string { return f.name }

 // Stdin, Stdout, and Stderr are open Files pointing to the standard input,
 // standard output, and standard error file descriptors.
@@ -51,11 +51,11 @@ const (
 // Read reads up to len(b) bytes from the File.
 // It returns the number of bytes read and an error, if any.
 // EOF is signaled by a zero count with err set to io.EOF.
-func (file *File) Read(b []byte) (n int, err error) {
-	if file == nil {
+func (f *File) Read(b []byte) (n int, err error) {
+	if f == nil {
 		return 0, EINVAL
 	}
-	n, e := file.read(b)
+	n, e := f.read(b)
 	if n < 0 {
 		n = 0
 	}
@@ -63,7 +63,7 @@ func (file *File) Read(b []byte) (n int, err error) {
 		return 0, io.EOF
 	}
 	if e != nil {
-		err = &PathError{"read", file.name, e}
+		err = &PathError{"read", f.name, e}
 	}
 	return n, err
 }

この差分は、Name()メソッドとRead()メソッドのレシーバ名がfileからfに変更され、それに伴いメソッド本体内でレシーバを参照している箇所もfile.nameがf.nameに、file.read(b)がf.read(b)に変更されていることを示しています。

同様の変更が、File型が持つ他のすべてのメソッド（ReadAt, Write, WriteAt, Seek, WriteString, Sync, Fd, Close, Stat, Readdir）にも適用されています。

コアとなるコードの解説

このコミットのコード変更は、Go言語のメソッド定義におけるレシーバ変数の命名規則の統一に焦点を当てています。

Go言語では、メソッドを定義する際に、そのメソッドがどの型のインスタンスに対して動作するかを示す「レシーバ」を指定します。レシーバは、関数名の前に括弧で囲んで記述されます。

例: func (receiverName *TypeName) MethodName(parameters) (returnValues)

このコミットの変更前は、osパッケージのFile型に対するメソッドのレシーバ名がfileとfで混在していました。

• func (file *File) Name() string
• func (f *File) Read(b []byte) (n int, err error)

Goのコーディングスタイルガイドラインでは、レシーバ名は短く、かつその型を簡潔に表すものが推奨されています。特に、型の最初の文字（または数文字）を小文字にしたものが一般的です。File型の場合、fがこの慣習に最も適しています。

このコミットでは、すべての*File型メソッドのレシーバ名をfに統一しました。これにより、以下のような効果が期待されます。

1. コードの一貫性: osパッケージ内のFile型に関連するすべてのメソッドが同じレシーバ名を使用することで、コードベース全体の一貫性が向上します。これは、特に大規模なプロジェクトや複数の開発者が関わる場合に、コードの読みやすさと保守性を高めます。
2. godocの表示改善: godocツールは、Goのソースコードからドキュメントを生成する際に、レシーバ名を考慮してメソッドをグループ化し、目次（Table of Contents）を生成します。レシーバ名が統一されることで、godocが生成するドキュメントの目次がより整然と表示され、特定の型に属するメソッドを素早く見つけやすくなります。これは「godoc TOC alignment」というコミットメッセージの意図するところです。
3. Goの慣習への準拠: この変更は、Goコミュニティで広く受け入れられているレシーバ名の命名慣習に準拠するものです。これにより、Go言語のイディオムに沿ったコードとなり、Go開発者にとってより自然で理解しやすいコードになります。

この変更は機能的な振る舞いには一切影響を与えず、純粋にコードのスタイルとドキュメンテーションの品質向上を目的としたリファクタリングです。

関連リンク

• Go言語の公式ドキュメント: https://go.dev/doc/
• Effective Go - Receivers: https://go.dev/doc/effective_go#receivers
• Go Code Review Comments - Receiver Names: https://go.dev/wiki/CodeReviewComments#receiver-names
• godocコマンドのドキュメント: https://pkg.go.dev/cmd/godoc

参考にした情報源リンク

• Go言語の公式ドキュメント
• Go Code Review Comments
• Effective Go
• GitHubのコミットページ: https://github.com/golang/go/commit/744fb52102642382d09968d8bc0fe4090af20360
• Gerrit Code Review (Goの変更リスト): https://golang.org/cl/5449056 (コミットメッセージに記載されているCLリンク)

[インデックス 10573] ファイルの概要

このコミットは、Go言語の標準ライブラリosパッケージ内のFile型に対するメソッドのレシーバ名を一貫性のあるものに変更するものです。具体的には、file *Fileというレシーバ名をf *Fileに統一しています。これにより、godocツールが生成するドキュメントの目次（TOC: Table of Contents）の表示が改善され、視認性と一貫性が向上します。

コミット

commit 744fb52102642382d09968d8bc0fe4090af20360
Author: Brad Fitzpatrick <bradfitz@golang.org>
Date:   Thu Dec 1 11:23:39 2011 -0800

    os: be consistent with receiver names for godoc TOC alignment

    R=golang-dev, r
    CC=golang-dev
    https://golang.org/cl/5449056

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/744fb52102642382d09968d8bc0fe4090af20360

元コミット内容

os: be consistent with receiver names for godoc TOC alignment

R=golang-dev, r
CC=golang-dev
https://golang.org/cl/5449056

変更の背景

この変更の主な背景は、Go言語の公式ドキュメンテーションツールであるgodocの表示を最適化することにあります。godocは、Goのソースコードから直接ドキュメントを生成するツールであり、特にパッケージ内の型に紐づくメソッドの一覧を生成する際に、レシーバ名の一貫性が重要になります。

以前のコードでは、*File型のメソッドレシーバ名がfileとfで混在していました。例えば、func (file *File) Name()とfunc (f *File) Read()のように、同じ型に対するメソッドでありながら異なるレシーバ名が使われていました。

godocは、ドキュメントの目次（TOC）を生成する際に、メソッドのレシーバ名を考慮してグループ化や表示を行います。レシーバ名が統一されていないと、godocが生成する目次が乱雑になったり、同じ型に属するメソッドが異なるグループに表示されたりする可能性がありました。これにより、開発者がドキュメントを参照する際の視認性や利便性が損なわれることが懸念されました。

このコミットは、このようなgodocの表示上の問題を解決し、osパッケージのドキュメントをより整理された、読みやすいものにするために行われました。

前提知識の解説

Go言語のレシーバ (Receiver)

Go言語において、メソッドは特定の型に関連付けられた関数です。メソッドを定義する際、関数名の前に「レシーバ」と呼ばれる特別な引数を指定します。このレシーバは、そのメソッドがどの型の値に対して呼び出されるかを示します。

レシーバには、値レシーバとポインタレシーバの2種類があります。

• 値レシーバ: func (t Type) MethodName(...) の形式で定義されます。メソッド内でレシーバの値を変更しても、元の値には影響しません（値のコピーが渡されるため）。
• ポインタレシーバ: func (t *Type) MethodName(...) の形式で定義されます。メソッド内でレシーバの値を変更すると、元の値にも影響します（値へのポインタが渡されるため）。

レシーバの変数名（このコミットの例ではfileやf）は、そのメソッド内でレシーバの値を参照するために使用されます。Goコミュニティでは、慣習としてレシーバ名は型の最初の文字（または数文字）を小文字にしたものを使用することが推奨されています。例えば、*File型であればf、*Buffer型であればbといった具合です。これにより、コードの可読性が向上し、特にgodocのようなツールがドキュメントを生成する際に一貫した表示が可能になります。

godoc

godocは、Go言語のソースコードからドキュメントを生成し、Webブラウザで表示するためのツールです。Goの標準ライブラリのドキュメント（pkg.go.devなどで見られるもの）は、このgodocによって生成されています。

godocは、Goのソースコード内のコメント（特にエクスポートされた型、関数、メソッド、変数の宣言の直前にあるコメント）を解析し、Markdownのような形式で整形して表示します。また、型に紐づくメソッドの一覧や、パッケージ内の関数一覧なども自動的に生成します。

このツールは、Goのコードベースの自己文書化を促進し、開発者がライブラリやパッケージのAPIを素早く理解するのに役立ちます。レシーバ名の一貫性は、godocが生成するドキュメントの目次（Table of Contents）の「アライメント（整列）」に影響を与えます。レシーバ名が統一されていると、godocは同じ型に属するメソッドをより論理的にグループ化し、視覚的に整列された形で表示することができます。これにより、ドキュメントのナビゲーションが容易になり、ユーザーエクスペリエンスが向上します。

技術的詳細

このコミットは、osパッケージ内のFile型に対するメソッドのレシーバ名をfileからfへ一括して変更するものです。これは純粋にコードのスタイルと可読性、そしてgodocの出力の一貫性を目的とした変更であり、機能的な変更は一切含まれていません。

変更対象となったファイルは以下の通りです。

• src/pkg/os/file.go
• src/pkg/os/file_posix.go
• src/pkg/os/file_unix.go

これらのファイルには、File型の様々なメソッド（Name, Read, ReadAt, Write, WriteAt, Seek, WriteString, Sync, Fd, Close, Stat, Readdirなど）が定義されています。コミットでは、これらのメソッド定義におけるレシーバ変数名がfileからfに置換されています。

例えば、src/pkg/os/file.go内のName()メソッドの変更は以下のようになります。

変更前:

func (file *File) Name() string { return file.name }

変更後:

func (f *File) Name() string { return f.name }

同様に、メソッド本体内でレシーバ変数を使用している箇所もすべてfileからfに変更されています。例えば、Read()メソッド内のfile.read(b)はf.read(b)に、PathErrorの生成におけるfile.nameはf.nameに変更されています。

この変更は、Go言語のコーディングスタイルガイドライン（Go Code Review CommentsやEffective Goなどで推奨されている慣習）に沿ったものであり、特にレシーバ名に関しては、短く、かつその型を連想させるような名前を使用することが一般的です。File型の場合、fがその慣習に最も適しています。

このような変更は、大規模なコードベースにおいて、コードの一貫性を保ち、新しい開発者がコードを読み解く際の認知負荷を軽減するために非常に重要です。また、自動生成されるドキュメントの品質向上にも直接的に寄与します。

コアとなるコードの変更箇所

このコミットにおけるコアとなるコードの変更は、src/pkg/os/file.go、src/pkg/os/file_posix.go、src/pkg/os/file_unix.goの3つのファイルにわたる、*File型メソッドのレシーバ名の変更です。

以下に、src/pkg/os/file.goからの代表的な変更箇所を抜粋します。

変更前:

--- a/src/pkg/os/file.go
+++ b/src/pkg/os/file.go
@@ -14,7 +14,7 @@ import (
 )

 // Name returns the name of the file as presented to Open.
-func (file *File) Name() string { return file.name }
+func (f *File) Name() string { return f.name }

 // Stdin, Stdout, and Stderr are open Files pointing to the standard input,
 // standard output, and standard error file descriptors.
@@ -51,11 +51,11 @@ const (
 // Read reads up to len(b) bytes from the File.
 // It returns the number of bytes read and an error, if any.
 // EOF is signaled by a zero count with err set to io.EOF.
-func (file *File) Read(b []byte) (n int, err error) {
-	if file == nil {
+func (f *File) Read(b []byte) (n int, err error) {
+	if f == nil {
 		return 0, EINVAL
 	}
-	n, e := file.read(b)
+	n, e := f.read(b)
 	if n < 0 {
 		n = 0
 	}
@@ -63,7 +63,7 @@ func (file *File) Read(b []byte) (n int, err error) {
 		return 0, io.EOF
 	}
 	if e != nil {
-		err = &PathError{"read", file.name, e}
+		err = &PathError{"read", f.name, e}
 	}
 	return n, err
 }

この差分は、Name()メソッドとRead()メソッドのレシーバ名がfileからfに変更され、それに伴いメソッド本体内でレシーバを参照している箇所もfile.nameがf.nameに、file.read(b)がf.read(b)に変更されていることを示しています。

同様の変更が、File型が持つ他のすべてのメソッド（ReadAt, Write, WriteAt, Seek, WriteString, Sync, Fd, Close, Stat, Readdir）にも適用されています。

コアとなるコードの解説

このコミットのコード変更は、Go言語のメソッド定義におけるレシーバ変数の命名規則の統一に焦点を当てています。

Go言語では、メソッドを定義する際に、そのメソッドがどの型のインスタンスに対して動作するかを示す「レシーバ」を指定します。レシーバは、関数名の前に括弧で囲んで記述されます。

例: func (receiverName *TypeName) MethodName(parameters) (returnValues)

このコミットの変更前は、osパッケージのFile型に対するメソッドのレシーバ名がfileとfで混在していました。

• func (file *File) Name() string
• func (f *File) Read(b []byte) (n int, err error)

Goのコーディングスタイルガイドラインでは、レシーバ名は短く、かつその型を簡潔に表すものが推奨されています。特に、型の最初の文字（または数文字）を小文字にしたものが一般的です。File型の場合、fがこの慣習に最も適しています。

このコミットでは、すべての*File型メソッドのレシーバ名をfに統一しました。これにより、以下のような効果が期待されます。

1. コードの一貫性: osパッケージ内のFile型に関連するすべてのメソッドが同じレシーバ名を使用することで、コードベース全体の一貫性が向上します。これは、特に大規模なプロジェクトや複数の開発者が関わる場合に、コードの読みやすさと保守性を高めます。
2. godocの表示改善: godocツールは、Goのソースコードからドキュメントを生成する際に、レシーバ名を考慮してメソッドをグループ化し、目次（Table of Contents）を生成します。レシーバ名が統一されることで、godocが生成するドキュメントの目次がより整然と表示され、特定の型に属するメソッドを素早く見つけやすくなります。これは「godoc TOC alignment」というコミットメッセージの意図するところです。
3. Goの慣習への準拠: この変更は、Goコミュニティで広く受け入れられているレシーバ名の命名慣習に準拠するものです。これにより、Go言語のイディオムに沿ったコードとなり、Go開発者にとってより自然で理解しやすいコードになります。

この変更は機能的な振る舞いには一切影響を与えず、純粋にコードのスタイルとドキュメンテーションの品質向上を目的としたリファクタリングです。

関連リンク

• Go言語の公式ドキュメント: https://go.dev/doc/
• Effective Go - Receivers: https://go.dev/doc/effective_go#receivers
• Go Code Review Comments - Receiver Names: https://go.dev/wiki/CodeReviewComments#receiver-names
• godocコマンドのドキュメント: https://pkg.go.dev/cmd/godoc

参考にした情報源リンク

• Go言語の公式ドキュメント
• Go Code Review Comments
• Effective Go
• GitHubのコミットページ: https://github.com/golang/go/commit/744fb52102642382d09968d8bc0fe4090af20360
• Gerrit Code Review (Goの変更リスト): https://golang.org/cl/5449056 (コミットメッセージに記載されているCLリンク)