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[インデックス 10693] ファイルの概要

このコミットは、Go言語の標準ライブラリであるexpvarパッケージ内のドキュメンテーションにおける軽微なタイポ(誤字)を修正するものです。具体的には、Publish関数のコメント内の「an named」を「a named」に修正しています。

コミット

  • コミットハッシュ: 0244bae672893adcd459b25cdd10ba65b37e894a
  • 作者: Rob Pike r@golang.org
  • コミット日時: 2011年12月9日 金曜日 14:24:51 -0800
  • コミットメッセージ:
    expvar: fix typo in Publish documentation
    Found and fixed by bketelsen@gmail.com.
    Not worth making him a CONTRIBUTOR to delete one character.
    
    R=golang-dev, gri
    CC=golang-dev
    https://golang.org/cl/5476054
    

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/0244bae672893adcd459b25cdd10ba65b37e894a

元コミット内容

このコミットは、expvarパッケージのPublish関数のドキュメンテーションコメントに存在するタイポを修正することを目的としています。具体的には、「an named exported variable」という記述を「a named exported variable」に修正しています。この修正はbketelsen@gmail.comによって発見され、報告されました。コミットメッセージには、この修正が非常に軽微であるため、発見者をGoプロジェクトのCONTRIBUTORとして追加するほどの価値はない、というRob Pike氏のユーモラスなコメントが含まれています。

変更の背景

変更の背景は非常にシンプルで、expvarパッケージのPublish関数のドキュメンテーションコメントに存在する文法的な誤り(タイポ)を修正することです。英語の冠詞の用法において、「named」のような子音で始まる単語の前には「a」を使用するのが正しく、「an」は母音で始まる単語の前に使用されます。この修正はコードの動作には影響を与えませんが、ドキュメンテーションの正確性と品質を向上させるためのものです。

前提知識の解説

Go言語のexpvarパッケージ

expvarパッケージは、Go言語の標準ライブラリの一つで、プログラムの内部状態をHTTP経由で公開するための機能を提供します。これにより、実行中のアプリケーションのメトリクス(統計情報)や任意の変数の値を、外部から簡単に監視・取得できるようになります。

  • 目的: サーバーアプリケーションなどの稼働状況をリアルタイムで把握するために使用されます。例えば、リクエスト数、エラー数、処理時間、キャッシュヒット率などの情報を公開できます。
  • 仕組み: expvarパッケージは、デフォルトで/debug/varsというHTTPエンドポイントを提供します。このエンドポイントにアクセスすると、JSON形式で公開されている変数の値が返されます。
  • 公開される変数:
    • 標準で公開される変数: Goランタイム自体が提供する情報(例: cmdlinememstatsなど)。
    • ユーザーが公開する変数: expvar.Publish関数を使って、任意のexpvar.Varインターフェースを実装した変数を公開できます。expvarパッケージは、Int(整数)、Float(浮動小数点数)、String(文字列)、Map(マップ)といった基本的な型に対応するVarの実装を提供しています。また、Func型を使用すると、関数が返す値を公開することも可能です。
  • expvar.Publish関数: この関数は、指定された名前で変数を公開するために使用されます。通常、パッケージのinit関数内で呼び出され、アプリケーション起動時に変数を登録します。もし同じ名前の変数が既に登録されている場合、log.Panicを発生させてプログラムを終了させます。これは、変数の名前の衝突を防ぐための設計です。

英語の冠詞の用法("a" vs "an")

英語には不定冠詞として"a"と"an"があります。これらの使い分けは、続く単語の発音によって決まります。

  • "a": 続く単語の最初の音が子音の場合に使用します。
    • 例: a book, a car, a university (universityの'u'は「ユー」と子音で発音されるため)
  • "an": 続く単語の最初の音が母音(a, e, i, o, u)の場合に使用します。
    • 例: an apple, an elephant, an hour (hourの'h'は発音されないため)

今回の修正箇所である「named」は「ネイムド」と子音で始まるため、「a named」が正しい表現となります。

技術的詳細

このコミットは、Go言語のexpvarパッケージのexpvar.goファイル内のコメント修正です。技術的な変更はコードのロジックや動作には一切影響を与えません。純粋にドキュメンテーションの品質向上を目的としたものです。

Go言語では、コードの可読性と保守性を高めるために、コメントやドキュメンテーションが非常に重視されます。特に、エクスポートされた(大文字で始まる)関数や変数には、その機能や使い方を説明するコメントを記述することが慣例となっています。これらのコメントは、go docコマンドやGoの公式ドキュメンテーションサイト(pkg.go.devなど)で参照されるため、正確で分かりやすい記述が求められます。

今回の修正は、Publish関数のコメントにおける冠詞の誤用を訂正するもので、これは英語の文法規則に従ったものです。このような小さな修正であっても、公式ライブラリのドキュメンテーションの品質を維持するためには重要とされています。

コアとなるコードの変更箇所

変更はsrc/pkg/expvar/expvar.goファイルの一箇所のみです。

--- a/src/pkg/expvar/expvar.go
+++ b/src/pkg/expvar/expvar.go
@@ -193,7 +193,7 @@ func (f Func) String() string {
 var vars map[string]Var = make(map[string]Var)
 var mutex sync.Mutex
 
-// Publish declares an named exported variable. This should be called from a
+// Publish declares a named exported variable. This should be called from a
 // package's init function when it creates its Vars. If the name is already
 // registered then this will log.Panic.
 func Publish(name string, v Var) {

具体的には、196行目のコメントが変更されています。

コアとなるコードの解説

変更された行は、expvar.goファイル内のPublish関数のドキュメンテーションコメントです。

元のコメント: // Publish declares an named exported variable. This should be called from a

修正後のコメント: // Publish declares a named exported variable. This should be called from a

このコメントは、Publish関数の役割を説明しています。

  • Publish declares a named exported variable.Publish関数は、名前付きのエクスポートされた変数を宣言(公開)します。
  • This should be called from a package's init function when it creates its Vars.:この関数は、パッケージがその変数を生成する際に、パッケージのinit関数から呼び出されるべきです。Go言語のinit関数は、パッケージがインポートされた際に自動的に実行される特殊な関数で、初期化処理によく用いられます。
  • If the name is already registered then this will log.Panic.:もしその名前が既に登録されている場合、この関数はlog.Panicを発生させます。これは、プログラムをクラッシュさせることで、重複した変数名の登録というプログラミングエラーを早期に発見するためのメカニズムです。

このコミットは、この説明文中の「an named」という文法的に誤った表現を、正しい「a named」に修正したものです。これにより、ドキュメンテーションの正確性が向上し、英語を母国語とする開発者や、英語の文法に敏感な読者にとって、より自然で理解しやすい記述となりました。

関連リンク

参考にした情報源リンク