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[インデックス 11220] ファイルの概要

このコミットは、Go言語のテストスイートにおけるtest/fixedbugs/bug364.goという特定のバグテストファイルが、実際に実行されるように修正を加えるものです。具体的には、テストファイルの冒頭にGoコンパイラとリンカを使ってビルドおよび実行するための指示を追加し、さらに著作権表示とライセンス情報を追記しています。これにより、このテストがGoのCI/CDシステムや開発環境で正しく動作し、意図したバグの検出と回帰テストの役割を果たすようになります。

コミット

test: fix bug364 to actually run

R=golang-dev, gri
CC=golang-dev
https://golang.org/cl/5536044

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/24c76f68ed081dfa5c6e70cb2ee1cfb97c4e475e

元コミット内容

commit 24c76f68ed081dfa5c6e70cb2ee1cfb97c4e475e
Author: Ian Lance Taylor <iant@golang.org>
Date:   Tue Jan 17 18:00:11 2012 -0800

    test: fix bug364 to actually run
    
    R=golang-dev, gri
    CC=golang-dev
    https://golang.org/cl/5536044
---
 test/fixedbugs/bug364.go | 6 ++++++\n 1 file changed, 6 insertions(+)

diff --git a/test/fixedbugs/bug364.go b/test/fixedbugs/bug364.go
index a174534194..a93312107e 100644
--- a/test/fixedbugs/bug364.go
+++ b/test/fixedbugs/bug364.go
@@ -1,3 +1,9 @@
+// $G $D/$F.go && $L $F.$A && ./$A.out
+\n+// Copyright 2011 The Go Authors. All rights reserved.\n+// Use of this source code is governed by a BSD-style\n+// license that can be found in the LICENSE file.\n+\n package main
 \n import "fmt"\n```

## 変更の背景

このコミットの背景には、Go言語のテストスイートにおける特定のバグテストファイル(`bug364.go`)が、その目的を果たすために必要な実行環境の記述を欠いていたという問題があります。Goプロジェクトでは、回帰テストとして過去に発見されたバグを再現するテストケースを`test/fixedbugs`ディレクトリに配置しています。これらのテストは、Goのビルドシステムやテストハーネスによって自動的にコンパイル・実行されることを想定していますが、そのためにはファイル自体に適切なビルド指示やメタデータが含まれている必要があります。

`bug364.go`は、おそらく特定のコンパイラやランタイムのバグをテストするために書かれたものですが、そのファイル単体でコンパイル・実行するための明示的な指示が不足していたため、テストスイートの一部として正しく実行されていなかったと考えられます。このコミットは、その実行上の問題を解決し、テストが期待通りに機能するようにするためのものです。

## 前提知識の解説

### Go言語のテストと`test/fixedbugs`ディレクトリ

Go言語の標準的なテストは、通常`go test`コマンドによって実行されます。これは、`_test.go`で終わるファイル内の`TestXxx`関数や`BenchmarkXxx`関数を自動的に発見し、実行するものです。しかし、Goプロジェクトの内部テストスイートには、より低レベルなテストや、特定のコンパイラ/リンカの挙動を検証するためのテストも含まれています。

`test/fixedbugs`ディレクトリは、Go言語の過去のバグ(特にコンパイラやランタイムのバグ)に対する回帰テストを格納するために使用されます。これらのテストファイルは、通常の`go test`のフレームワークに依存せず、Goのビルドツールチェーン(コンパイラ`go tool compile`、リンカ`go tool link`など)を直接呼び出してコンパイル・実行されることがよくあります。そのため、テストファイルの冒頭に、そのファイルがどのようにビルド・実行されるべきかを示す特別なコメント行("build commands"と呼ばれる)が記述されることがあります。

### Goのビルドコマンド(`$G`, `$D`, `$F`, `$L`, `$A`)

Goの内部テストスクリプトでは、テストファイルの冒頭に以下のような特殊なコメント行を記述することで、そのファイルのビルドと実行方法を指示します。

*   `// $G $D/$F.go && $L $F.$A && ./$A.out`
    *   `$G`: Goコンパイラ(`go tool compile`)へのパスを表す変数。
    *   `$D`: 現在のディレクトリ(テストファイルが存在するディレクトリ)へのパスを表す変数。
    *   `$F`: 現在のファイル名(拡張子なし)を表す変数。
    *   `$L`: Goリンカ(`go tool link`)へのパスを表す変数。
    *   `$A`: 生成される実行可能ファイルのアーキテクチャ(例: `amd64`)を表す変数。
    *   `./$A.out`: 生成された実行可能ファイルを実行するコマンド。

この行は、Goのテストハーネスがこのファイルを見つけた際に、どのようにコンパイルし、実行するかを指示するためのメタデータとして機能します。具体的には、`$G $D/$F.go`でソースファイルをコンパイルし、`$L $F.$A`でオブジェクトファイルをリンクして実行可能ファイルを生成し、最後に`./$A.out`でその実行可能ファイルを実行するという一連のプロセスを示しています。

### BSD-style License

BSDライセンスは、ソフトウェアの配布と使用に関する非常に寛容なフリーソフトウェアライセンスの一つです。Go言語のソースコードはBSDスタイルのライセンスの下で配布されており、これは著作権表示とライセンス条項を保持していれば、商用利用、改変、再配布が自由にできることを意味します。

## 技術的詳細

このコミットは、`test/fixedbugs/bug364.go`ファイルに対して以下の2種類の変更を加えています。

1.  **ビルドコマンドの追加**:
    ファイルの先頭に`// $G $D/$F.go && $L $F.$A && ./$A.out`という行が追加されました。これは、前述の通り、Goのテストハーネスがこのファイルをどのようにコンパイルし、実行するかを指示するためのものです。この行がなかったため、以前はこのテストファイルが自動テストスイートの一部として正しく実行されていなかったと考えられます。この追加により、テストシステムがこのファイルをGoプログラムとして認識し、コンパイル、リンク、実行の一連のプロセスを自動的に行えるようになります。

2.  **著作権表示とライセンス情報の追加**:
    ビルドコマンドの直後に、Goプロジェクトの標準的な著作権表示とライセンス情報が追加されました。
    ```go
    // Copyright 2011 The Go Authors. All rights reserved.
    // Use of this source code is governed by a BSD-style
    // license that can be found in the LICENSE file.
    ```
    これは、Goプロジェクトのコードベース全体で一貫性を保つための標準的なプラクティスであり、ファイルの法的情報を明確にするものです。このコミットが2012年に行われていることから、2011年の著作権表示が適切です。

これらの変更は、`bug364.go`がGoのテストインフラストラクチャ内で「実行可能なテスト」として認識され、適切に処理されるようにするために不可欠です。これにより、このテストがGoの継続的インテグレーション(CI)システムで定期的に実行され、関連するバグが将来的に再発しないことを保証できるようになります。

## コアとなるコードの変更箇所

```diff
--- a/test/fixedbugs/bug364.go
+++ b/test/fixedbugs/bug364.go
@@ -1,3 +1,9 @@
+// $G $D/$F.go && $L $F.$A && ./$A.out
+\n+// Copyright 2011 The Go Authors. All rights reserved.\n+// Use of this source code is governed by a BSD-style\n+// license that can be found in the LICENSE file.\n+\n package main
 \n import "fmt"\n```

## コアとなるコードの解説

変更は`test/fixedbugs/bug364.go`ファイルの冒頭部分に集中しています。

元のファイルは以下のようになっていました(推測):
```go
package main

import "fmt"

これに対して、以下の6行が追加されました。

  1. // $G $D/$F.go && $L $F.$A && ./$A.out

    • この行は、Goのテストハーネスがこのファイルをどのようにコンパイルし、実行するかを指示する「ビルドコマンド」です。Goの内部テストスクリプトがこのコメントを解析し、go tool compileでソースをコンパイルし、go tool linkで実行可能ファイルを生成し、最後にその実行可能ファイルを実行します。これにより、bug364.goが単独の実行可能なテストとして機能するようになります。
  2. // Copyright 2011 The Go Authors. All rights reserved.

    • Go言語のソースコードに共通して含まれる著作権表示です。このファイルがGoプロジェクトの一部として、Go Authorsによって著作権が保持されていることを示します。
  3. // Use of this source code is governed by a BSD-style

    • このソースコードの使用がBSDスタイルのライセンスによって管理されていることを示します。
  4. // license that can be found in the LICENSE file.

    • 具体的なライセンス条項は、GoプロジェクトのルートディレクトリにあるLICENSEファイルに記載されていることを示します。

これらの追加により、bug364.goはGoのテストインフラストラクチャに完全に統合され、自動テストの一部として適切に実行されるようになりました。

関連リンク

参考にした情報源リンク

  • Go言語のソースコードとテストに関する一般的な情報
  • Goの内部テストスイートの構造と慣習に関する知識
  • BSDライセンスに関する一般的な情報
  • Gitのコミットとdiffの読み方に関する知識