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[インデックス 11316] ファイルの概要

本コミットは、Go言語のリンカである6l (x86-64アーキテクチャ向け) と 8l (x86アーキテクチャ向け) のソースコードから、未使用のマクロ定義 Dbufslop を削除するものです。このマクロは、以前のコミット 70ed048caad2 でその最後の使用箇所が削除されたため、不要となりました。コードベースのクリーンアップと保守性の向上を目的としています。

コミット

commit 41914c1df8f8689f2fba59cbdd1f8d00e73dbeed
Author: Shenghou Ma <minux.ma@gmail.com>
Date:   Sun Jan 22 10:35:15 2012 -0800

    6l, 8l: remove unused macro definition
            Their last use is removed in rev 70ed048caad2.
    
    R=golang-dev, r
    CC=golang-dev
    https://golang.org/cl/5532115

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/41914c1df8f8689f2fba59cbdd1f8d00e73dbeed

元コミット内容

6l, 8l: remove unused macro definition
        Their last use is removed in rev 70ed048caad2.

R=golang-dev, r
CC=golang-dev
https://golang.org/cl/5532115

変更の背景

このコミットの背景には、Go言語のリンカ (6l および 8l) のコードベースの整理と最適化があります。具体的には、Dbufslop というマクロが、以前のコミット 70ed048caad2 によってその唯一の利用箇所が削除されたため、コードベースに残しておく必要がなくなりました。

一般的に、未使用のコードや定義を削除することは、以下の点で重要です。

  • コードの可読性向上: 不要なコードがなくなることで、開発者がコードを理解しやすくなります。
  • 保守性の向上: メンテナンス対象のコード量が減り、将来的な変更やデバッグが容易になります。
  • コンパイル時間の短縮: ごくわずかではありますが、不要な定義がなくなることでコンパイルプロセスが効率化される可能性があります。
  • 潜在的なバグの排除: 未使用のコードが意図せず再利用されたり、誤解を招いたりするリスクを排除します。

この変更は、Goプロジェクトが継続的にコード品質を維持し、効率的な開発環境を追求していることの一環と言えます。

前提知識の解説

  • Go言語のリンカ (6l, 8l): Go言語のビルドプロセスにおいて、コンパイルされたオブジェクトファイルを結合し、実行可能なバイナリを生成する役割を担うのがリンカです。6l はx86-64 (AMD64) アーキテクチャ向けのリンカ、8l はx86 (32-bit) アーキテクチャ向けのリンカを指します。これらはGoのツールチェーンの一部であり、C言語で記述されています。
  • マクロ定義 (#define): C言語におけるプリプロセッサディレクティブの一つで、コード中の特定の識別子を別のテキストに置換するために使用されます。コンパイルの前にプリプロセッサによって処理されます。#define Dbufslop 100 のような形式で定義され、Dbufslop が出現する箇所は 100 に置き換えられます。
  • asm.c ファイル: Goのリンカにおけるアセンブリコード生成や、アセンブリレベルでの処理に関連する部分を扱うC言語のソースファイルです。リンカは、最終的な実行可能ファイルを生成する際に、アーキテクチャ固有のアセンブリ命令やデータ構造を扱うため、このようなファイルが存在します。
  • リビジョンハッシュ (70ed048caad2): Gitなどのバージョン管理システムにおいて、特定のコミットを一意に識別するための短いハッシュ値です。このハッシュ値を参照することで、過去の特定の変更内容を正確に特定できます。本コミットでは、Dbufslop マクロの最後の使用箇所を削除したコミットを指しています。

技術的詳細

本コミットで削除された Dbufslop マクロは、src/cmd/6l/asm.csrc/cmd/8l/asm.c の両ファイルに定義されていました。その値は 100 でした。

#define Dbufslop 100

このマクロの具体的な用途は、その名前 (Dbufslop) から推測すると、「データバッファのスロップ(余剰、余裕)」のような意味合いを持つ可能性があります。リンカが内部的に使用するデータバッファのサイズを決定する際や、アライメント、または特定のオフセット計算などに用いられていたと想像できます。しかし、コミットメッセージに明記されている通り、このマクロはコミット 70ed0484caad2 でその最後の使用箇所が削除されました。これは、リンカの内部実装が変更され、このマクロが提供していた機能や値が不要になったか、あるいは別の方法で処理されるようになったことを意味します。

未使用のマクロを削除することは、コードベースの健全性を保つ上で非常に重要です。特に、リンカのような低レベルのシステムプログラミングにおいては、定義されているが使用されていない定数やマクロが残っていると、将来的にコードを読んだり変更したりする際に混乱を招く可能性があります。また、誤って再利用された場合に、意図しない副作用を引き起こすリスクも排除できます。

コアとなるコードの変更箇所

diff --git a/src/cmd/6l/asm.c b/src/cmd/6l/asm.c
index 1169490b80..7d36b170eb 100644
--- a/src/cmd/6l/asm.c
+++ b/src/cmd/6l/asm.c
@@ -37,8 +37,6 @@
 #include	"../ld/macho.h"
 #include	"../ld/pe.h"
 
-#define	Dbufslop	100
-
 #define PADDR(a)	((uint32)(a) & ~0x80000000)
 
 char linuxdynld[] = "/lib64/ld-linux-x86-64.so.2";
diff --git a/src/cmd/8l/asm.c b/src/cmd/8l/asm.c
index 7799e3f1e2..0fe4cf1123 100644
--- a/src/cmd/8l/asm.c
+++ b/src/cmd/8l/asm.c
@@ -37,8 +37,6 @@
 #include	"../ld/macho.h"
 #include	"../ld/pe.h"
 
-#define	Dbufslop	100
-
 char linuxdynld[] = "/lib/ld-linux.so.2";
 char freebsddynld[] = "/usr/libexec/ld-elf.so.1";
 char openbsddynld[] = "/usr/libexec/ld.so";

コアとなるコードの解説

上記のdiffが示すように、変更は非常にシンプルです。

  • src/cmd/6l/asm.c ファイルから、39行目の #define Dbufslop 100 の行が削除されています。
  • src/cmd/8l/asm.c ファイルから、39行目の #define Dbufslop 100 の行が削除されています。

これは、両方のリンカの asm.c ファイルから、もはや必要とされない Dbufslop マクロの定義を直接削除していることを意味します。この変更自体は機能的な影響を及ぼすものではなく、コードベースのクリーンアップのみを目的としています。

関連リンク

参考にした情報源リンク