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[インデックス 114] ファイルの概要

このコミットは、test/golden.out という単一のファイルを更新しています。このファイルは、Go言語のテストスイートにおける期待される出力(ゴールデンファイル)を格納しているものと推測されます。具体的には、以前に存在した特定のバグに関する記述が削除されています。

コミット

  • コミットハッシュ: cc85574c25fdc2f6fc470e6d789aa2961e4c9460
  • 作者: Robert Griesemer gri@golang.org
  • 日付: Fri Jun 6 17:07:38 2008 -0700
  • コミットメッセージ:
    - updated golden.out one more time
    
    SVN=121552
    

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/cc85574c25fdc2f6fc470e6d789aa2961e4c9460

元コミット内容

このコミットの元々の内容は、golden.out ファイルを再度更新したという簡潔なものです。これは、以前の変更によってこのファイルの内容が影響を受け、その結果を反映させるための調整であることを示唆しています。

変更の背景

このコミットは、test/golden.out ファイルから特定のテストケース (./bug041.go) に関連する記述を削除しています。削除された行には「BUG: compilation succeeds incorrectly」というコメントが含まれており、これは bug041.go がコンパイルエラーを発生させるべきであるにもかかわらず、誤って成功してしまうというバグをテストするためのものであったことを示しています。

この行が削除された背景としては、以下の可能性が考えられます。

  1. バグの修正: bug041.go がテストしていたコンパイルのバグが修正され、その結果、bug041.go が期待通りにコンパイルエラーを発生するようになったため、golden.out から「BUG」の記述が不要になった。
  2. テストケースの変更または削除: bug041.go テストケース自体が変更されたか、あるいはプロジェクトから削除されたため、その出力が golden.out に含まれる必要がなくなった。

コミットメッセージが「updated golden.out one more time」とあることから、直前のコミットで何らかの変更(おそらくバグ修正)が行われ、その影響で golden.out の内容が古くなったため、今回のコミットで最新の状態に同期させたと考えられます。これは、Go言語の初期開発段階において、テストの期待値が頻繁に更新されていた状況を反映している可能性があります。

前提知識の解説

ゴールデンファイル (Golden File)

ソフトウェア開発、特にテストにおいて「ゴールデンファイル」または「スナップショットテスト」という概念が用いられます。これは、テスト対象のプログラムや関数の出力(例: コンソール出力、生成されるファイルの内容、APIレスポンスなど)を事前に記録しておき、その「正しい」出力(ゴールデンデータ)と、テスト実行時の実際の出力を比較することで、変更が意図しない副作用を引き起こしていないかを確認する手法です。

test/golden.out は、Go言語のコンパイラやツールのテストにおいて、特定の入力に対する期待される出力が記述されたファイルであると推測されます。テストが実行されるたびに、実際の出力がこの golden.out の内容と一致するかどうかが検証されます。

diff コマンドの出力

Gitの diff コマンドは、2つのファイルまたはコミット間の変更点を表示します。このコミットの diff 出力は以下の要素を含んでいます。

  • --- a/test/golden.out: 変更前のファイル (a バージョン) のパス。
  • +++ b/test/golden.out: 変更後のファイル (b バージョン) のパス。
  • index 269a08c46e..935e5be6e0 100644: Gitの内部インデックスにおけるファイルのハッシュ値とパーミッションモードを示します。269a08c46e は変更前のファイルのハッシュ、935e5be6e0 は変更後のファイルのハッシュです。100644 は通常のファイルであることを示します。
  • @@ -1,7 +1,4 @@: これは「hunk header」と呼ばれ、変更が行われたファイルの行範囲を示します。
    • -1,7: 変更前のファイルでは、1行目から7行目までが対象でした。
    • +1,4: 変更後のファイルでは、1行目から4行目までが対象です。
    • これは、変更によって行数が3行減少したことを意味します。
  • 行の先頭の記号:
    • : 変更されていない行。
    • -: 削除された行。
    • +: 追加された行。

このコミットでは、- で始まる行のみが存在するため、ファイルから行が削除されたことを明確に示しています。

技術的詳細

このコミットの技術的な詳細は、test/golden.out ファイルの内容がどのように変更されたかに集約されます。

diff の出力は以下の通りです。

--- a/test/golden.out
+++ b/test/golden.out
@@ -1,7 +1,4 @@

-=========== ./bug041.go
-BUG: compilation succeeds incorrectly
-
 =========== ./char_lit.go
 char_lit.go:5: syntax error
 char_lit.go:17: unknown escape sequence: \

この出力から、以下の点が読み取れます。

  1. ファイルパス: test/golden.out というファイルが変更されました。
  2. 変更の種類: 3行が削除され、追加された行はありません。これは、既存のコンテンツが削除されたことを意味します。
  3. 削除されたコンテンツ: 削除された3行は以下の通りです。
    =========== ./bug041.go
    BUG: compilation succeeds incorrectly
    
    そして、その直前の空行も削除されています。
  4. 残されたコンテンツ: 削除された行の後に続く =========== ./char_lit.go から始まる行は変更されていません。

この変更は、test/golden.out の先頭部分から、./bug041.go というテストケースに関する記述が完全に削除されたことを示しています。特に「BUG: compilation succeeds incorrectly」という記述は、このテストケースが特定のコンパイルバグを検出するために存在し、そのバグが修正されたか、あるいはテストの目的が変わったことを強く示唆しています。

コアとなるコードの変更箇所

このコミットにおけるコアとなるコードの変更箇所は、test/golden.out ファイルの以下の3行の削除です。

--- a/test/golden.out
+++ b/test/golden.out
@@ -1,7 +1,4 @@

-=========== ./bug041.go
-BUG: compilation succeeds incorrectly
-
 =========== ./char_lit.go
 char_lit.go:5: syntax error
 char_lit.go:17: unknown escape sequence: \

具体的には、test/golden.out の元の内容の1行目から7行目までの範囲が、変更後には1行目から4行目までの範囲に短縮されています。これにより、./bug041.go に関連するセクションが完全に削除されました。

コアとなるコードの解説

削除された行は、test/golden.out が複数のテストケースの出力を連結したものであることを示唆しています。各テストケースは =========== <ファイル名> のような区切りで始まっているようです。

削除されたセクションは、./bug041.go というファイルに関連するもので、その内容が「BUG: compilation succeeds incorrectly」であったことから、このテストケースはコンパイラが特定のコードを誤って成功させてしまうバグを検出するためのものでした。

このセクションが golden.out から削除されたということは、以下のいずれかの状況が発生したことを意味します。

  1. バグの修正: bug041.go がテストしていたコンパイルバグが修正され、bug041.go はもはや「incorrectly succeeds」ではなく、期待される動作(おそらくコンパイルエラー)をするようになった。そのため、このバグに関する記述は golden.out に残しておく必要がなくなった。これが最も可能性の高いシナリオです。
  2. テストケースの廃止: bug041.go テストケース自体が不要になったか、別のテストに置き換えられたため、その出力が golden.out から削除された。
  3. テストフレームワークの変更: golden.out の管理方法やテストの期待値の形式が変更され、この形式のバグ記述が不要になった。

Go言語の初期段階では、コンパイラやランタイムの機能が急速に開発されており、それに伴い多くのバグが発見・修正されていました。このコミットは、そのようなバグ修正サイクルの一部であり、特定のコンパイルバグが解決されたことを golden.out というテストの期待値ファイルに反映させたものと考えられます。これにより、テストスイートは最新のコンパイラの動作を正確に反映し、回帰テストの基盤を維持することができます。

関連リンク

参考にした情報源リンク

  • Gitの公式ドキュメント
  • 一般的なソフトウェアテストにおけるゴールデンファイルの概念
  • Go言語のテストに関する一般的な知識