[インデックス 11931] ファイルの概要

このコミットは、lib/godoc/package.html ファイルに対する変更です。このファイルは、Go言語のドキュメンテーションツールであるgodocがパッケージのドキュメントを生成する際に使用するHTMLテンプレートの一部です。具体的には、パッケージ内の定数、変数、関数、型、バグなどのセクションへの内部リンク（アンカー）を生成するナビゲーション部分を定義しています。

コミット

commit 988968262dcbd0d625d57f00714c655ffb7c56e9
Author: Brad Fitzpatrick <bradfitz@golang.org>
Date:   Wed Feb 15 00:59:01 2012 -0800

    doc: fix links
    
    R=golang-dev, r
    CC=golang-dev
    https://golang.org/cl/5671051

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/988968262dcbd0d625d57f00714c655ffb7c56e9

元コミット内容

このコミットの目的は「doc: fix links」、つまりドキュメント内のリンクを修正することです。具体的には、godocが生成するHTMLドキュメント内の内部アンカーリンクが正しく機能しない問題を修正しています。

変更の背景

godocはGo言語のソースコードから自動的にドキュメントを生成するツールです。生成されるドキュメントはHTML形式であり、パッケージ内の各要素（定数、変数、関数など）へのクイックリンクを提供するために、HTMLアンカー（<a>タグのhref属性と、対応する要素のid属性）が使用されます。

このコミットが行われた当時、godocが生成するHTMLアンカーのIDは、元のセクション名の大文字・小文字を区別していました。例えば、「Constants」セクションのアンカーIDは「Constants」となる可能性がありました。しかし、HTMLのアンカーリンク（#に続く部分）は、一般的に大文字・小文字を区別して扱われます。もし、リンクを生成する側が「#Constants」と記述しているにもかかわらず、godocが生成する実際のアンカーIDが「#constants」（小文字）であった場合、リンクは機能しませんでした。

このコミットは、lib/godoc/package.htmlテンプレート内で定義されているナビゲーションリンクのhref属性が、godocが実際に生成するアンカーIDと一致するように修正することを目的としています。これにより、生成されたドキュメント内の内部リンクが正しく機能するようになります。

前提知識の解説

HTMLアンカーとフラグメント識別子

HTMLにおいて、特定のページ内の特定の位置にリンクするために「アンカー」が使用されます。これは、URLの末尾に#記号とそれに続く「フラグメント識別子」（またはハッシュフラグメント）を追加することで実現されます。

例: https://example.com/page.html#section-id

このURLでは、ブラウザはpage.htmlを読み込んだ後、そのページ内でid="section-id"を持つ要素までスクロールします。

HTMLにおけるID属性と大文字・小文字の区別

HTMLのid属性の値は、HTML5の仕様では大文字・小文字を区別します。したがって、id="Constants"とid="constants"は異なるIDとして扱われます。同様に、URLのフラグメント識別子も大文字・小文字を区別するため、#Constantsと#constantsは異なるアンカーを指します。

Go言語の`godoc`ツール

godocは、Go言語のソースコードからドキュメンテーションを生成するための標準ツールです。Goのソースコードに記述されたコメント（特にエクスポートされた識別子に付随するコメント）を解析し、それを整形されたHTMLドキュメントとして出力します。このツールは、Goの標準ライブラリのドキュメント（pkg.go.devなどで見られるもの）を生成するためにも使用されています。

godocは、パッケージ内の定数、変数、関数、型などのセクションに対して自動的にHTMLアンカーIDを生成します。このコミットの背景にある問題は、godocが生成するアンカーIDの命名規則と、package.htmlテンプレート内でハードコードされていたリンクのhref属性の値との間に大文字・小文字の不一致があったことです。

技術的詳細

このコミットの技術的な詳細は、HTMLアンカーのhref属性の値を、godocが生成する実際のアンカーIDの命名規則に合わせるという点に集約されます。

godocは、セクションの見出し（例: "Constants", "Variables", "Bugs"）からアンカーIDを生成する際に、内部的にそれらを小文字に変換するか、あるいは特定の規則でIDを生成していました。このコミット以前のpackage.htmlテンプレートでは、ナビゲーションリンクのhref属性が#Constants、#Variables、#Bugsのように、見出しの先頭が大文字のまま記述されていました。

しかし、godocが実際に生成するHTMLのid属性は、例えばid="constants"のように小文字で生成されていたため、リンクをクリックしても対応するセクションにジャンプしないという問題が発生していました。

このコミットでは、package.htmlテンプレート内のナビゲーションリンクのhref属性を、#constants、#variables、#bugsのようにすべて小文字に修正することで、godocが生成するアンカーIDと一致させ、リンクが正しく機能するようにしています。これは、HTMLのアンカーが大文字・小文字を区別するという特性と、godocの内部的なID生成ロジックを考慮した修正です。

コアとなるコードの変更箇所

--- a/lib/godoc/package.html
+++ b/lib/godoc/package.html
@@ -26,10 +26,10 @@
 		<div id="manual-nav">
 			<dl>
 			{{if .Consts}}
-				<dd><a href="#Constants">Constants</a></dd>
+				<dd><a href="#constants">Constants</a></dd>
 			{{end}}
 			{{if .Vars}}
-				<dd><a href="#Variables">Variables</a></dd>
+				<dd><a href="#variables">Variables</a></dd>
 			{{end}}
 			{{range .Funcs}}
 				{{$name_html := html .Name}}
@@ -48,7 +48,7 @@
 				{{end}}
 			{{end}}
 			{{if .Bugs}}
-				<dd><a href="#Bugs">Bugs</a></dd>
+				<dd><a href="#bugs">Bugs</a></dd>
 			{{end}}
 		</dl>

コアとなるコードの解説

この変更は、lib/godoc/package.htmlファイル内の3つのHTMLアンカーリンクのhref属性を修正しています。

定数 (Constants) へのリンク:
- 変更前: <dd><a href="#Constants">Constants</a></dd>
- 変更後: <dd><a href="#constants">Constants</a></dd>
- href属性の#Constantsが#constantsに修正されました。
変数 (Variables) へのリンク:
- 変更前: <dd><a href="#Variables">Variables</a></dd>
- 変更後: <dd><a href="#variables">Variables</a></dd>
- href属性の#Variablesが#variablesに修正されました。
バグ (Bugs) へのリンク:
- 変更前: <dd><a href="#Bugs">Bugs</a></dd>
- 変更後: <dd><a href="#bugs">Bugs</a></dd>
- href属性の#Bugsが#bugsに修正されました。

これらの修正により、godocが生成するHTMLドキュメント内で、ナビゲーションメニューから「Constants」、「Variables」、「Bugs」の各セクションへの内部リンクが正しく機能するようになりました。これは、godocがこれらのセクションに対して生成するHTMLのid属性が小文字であることを前提とした修正です。

参考にした情報源リンク

godoc generated HTML anchors are case-sensitive: https://vertexaisearch.cloud.google.com/grounding-api-redirect/AUZIYQFBhTXUFUWfoEDJdxTYDPWMDSol1YkmrR-1j0V8IiyqtbXepUh3joM5HS_7-o5GfKsmrRQft9tnCLrsemf0t-h9aO6ywEwRriTkY3CVNcLmXTKZqG-mysLpL_h3F04_Zw==
Go言語のケースセンシティブ性: https://vertexaisearch.cloud.google.com/grounding-api-redirect/AUZIYQFuruJ962s8aIqsV8L5ZxpKpa1BmG1MarsmH1Ao_IJbiITLsRDOie2uiUvF09aPOG1B1Hk7ukTVMiFS4bZwwGhoE-FAzYEb5D6wMHo72QXqWYW0qNK7c091UzIilkCaOd94LIYHj5sAtw==

comemo