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[インデックス 12165] ファイルの概要

このコミットは、Go言語の実験的なパッケージ exp/types 内の types.go ファイルに対する変更です。具体的には、パッケージコメントの修正が行われています。

コミット

このコミットは、exp/types パッケージの types.go ファイルにおけるパッケージコメントを修正するものです。既存のコメントの記述順序を変更し、パッケージが「UNDER CONSTRUCTION(建設中)」であり、「ANY AND ALL PARTS MAY CHANGE(あらゆる部分が変更される可能性がある)」という重要な警告をより明確に伝えています。

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/3391de8df7a6b2bb87acae8f1a8e82f851fc0511

元コミット内容

exp/types: fix package comment

R=golang-dev, dsymonds
CC=golang-dev
https://golang.org/cl/5695046

変更の背景

この変更は、exp/types パッケージの性質をより正確に反映させるために行われました。exp/types は、Go言語の型システムを表現するための実験的なパッケージであり、その設計や実装はまだ流動的でした。元のパッケージコメントでは、「PACKAGE UNDER CONSTRUCTION. ANY AND ALL PARTS MAY CHANGE.」という警告が、「Package types declares the types used to represent Go types.」という説明の前に置かれていました。

この修正の背景には、おそらく、パッケージの安定性に関する警告をより目立つようにし、このパッケージを利用しようとする開発者に対して、その内容が将来的に大きく変更される可能性があることを明確に伝える意図があったと考えられます。これにより、開発者がこの実験的なパッケージに依存する際に、予期せぬ変更による影響を最小限に抑えることができます。

前提知識の解説

Go言語のパッケージコメント

Go言語では、各パッケージの冒頭にパッケージコメントを記述することが慣習となっています。このコメントは、go doc コマンドやGoのドキュメンテーションツールによって自動的に抽出され、パッケージの目的や使い方を説明するために使用されます。通常、パッケージコメントはパッケージの宣言 (package <name>) の直前に記述され、そのパッケージが何をするものなのかを簡潔に説明します。

exp パッケージ

Go言語の標準ライブラリには、exp というプレフィックスを持つパッケージ群が存在することがあります。これらは「experimental(実験的)」なパッケージを意味し、まだ開発段階にあり、APIが安定していない、あるいは将来的に変更または削除される可能性があることを示唆しています。これらのパッケージは、新しい機能や設計パターンを試すために使用され、安定版のGoリリースには含まれないか、あるいは大幅な変更を経てから含まれることがあります。

exp/types パッケージ

exp/types パッケージは、Go言語の型システムをプログラム的に表現するためのものです。これは、コンパイラ、リンター、コード分析ツール、IDEなどのツールがGoのコードを理解し、操作するために使用される内部的な表現を提供します。このパッケージは、Goの型チェックやセマンティック分析を行うための基盤となります。例えば、ある変数の型が何か、関数がどのような引数を取り、どのような値を返すか、といった情報をプログラムから取得・操作するために利用されます。

このパッケージは、Go言語の進化に伴い、型システムに関する新しい機能(例: ジェネリクス)が導入される際に、その設計を試行錯誤する場としても機能しました。そのため、このコミットが作成された2012年当時、このパッケージはまさに「建設中」であり、そのインターフェースや内部構造が頻繁に変更される可能性がありました。

技術的詳細

このコミットの技術的な変更は非常にシンプルで、src/pkg/exp/types/types.go ファイルのパッケージコメントの順序と表現を微調整しています。

元のコメント:

// PACKAGE UNDER CONSTRUCTION. ANY AND ALL PARTS MAY CHANGE.
// Package types declares the types used to represent Go types.

変更後のコメント:

// Package types declares the types used to represent Go types
// (UNDER CONSTRUCTION). ANY AND ALL PARTS MAY CHANGE.

この変更により、以下の点が改善されています。

  1. 主要な説明の先行: パッケージの主要な目的(Goの型を表現するための型を宣言する)が最初に提示され、その後に実験的な性質に関する警告が括弧書きで追加されています。これにより、読者はまずパッケージの機能概要を把握し、その上でその不安定性を認識することができます。
  2. 警告の統合: 「UNDER CONSTRUCTION」という警告が、パッケージの機能説明の一部として統合され、より自然な流れになっています。
  3. 明確性の向上: 「ANY AND ALL PARTS MAY CHANGE.」という最も重要な警告文は、引き続き独立した行として残されており、その重要性が損なわれていません。

この修正は、コードの機能的な変更ではなく、ドキュメンテーションの品質とユーザーへの情報伝達の明確性を向上させるためのものです。特に、実験的な性質を持つパッケージにおいては、その不安定性を明確に伝えることが、利用者の混乱や誤解を防ぐ上で非常に重要です。

コアとなるコードの変更箇所

--- a/src/pkg/exp/types/types.go
+++ b/src/pkg/exp/types/types.go
@@ -2,8 +2,8 @@
 // Use of this source code is governed by a BSD-style
 // license that can be found in the LICENSE file.\n \n-// PACKAGE UNDER CONSTRUCTION. ANY AND ALL PARTS MAY CHANGE.
-// Package types declares the types used to represent Go types.
+// Package types declares the types used to represent Go types
+// (UNDER CONSTRUCTION). ANY AND ALL PARTS MAY CHANGE.
 //
 package types

コアとなるコードの解説

上記の差分は、src/pkg/exp/types/types.go ファイルの冒頭部分、具体的にはパッケージコメントの変更を示しています。

  • - で始まる行は削除された行、+ で始まる行は追加された行です。
  • 元のコードでは、2行にわたって記述されていたパッケージコメントが、新しいコードでは3行にわたって記述されています。

変更前:

  1. // PACKAGE UNDER CONSTRUCTION. ANY AND ALL PARTS MAY CHANGE.
  2. // Package types declares the types used to represent Go types.

変更後:

  1. // Package types declares the types used to represent Go types
  2. // (UNDER CONSTRUCTION). ANY AND ALL PARTS MAY CHANGE.
  3. // (空行、これは元のコードにもあったが、差分表示の都合上、変更されたブロックに含まれている)

この変更により、「Package types declares the types used to represent Go types」という説明が最初に提示され、その後に括弧書きで「(UNDER CONSTRUCTION)」が追加されています。そして、その次の行で「ANY AND ALL PARTS MAY CHANGE.」という警告が引き続き強調されています。

これは、パッケージの目的を最初に伝え、その後にその実験的な性質に関する重要な注意書きを続けるという、より論理的で分かりやすい情報提示の順序への変更です。

関連リンク

  • Go Code Review (Gerrit) Change-Id: 5695046 (これはコミットメッセージに記載されている https://golang.org/cl/5695046 に対応するGoのコードレビューシステムへのリンクです。)

参考にした情報源リンク