[インデックス 12357] ファイルの概要
このコミットは、Go言語の公式ドキュメント「Effective Go」における軽微な修正です。具体的には、gofmt
ツールの利用方法に関する記述の誤りを訂正しています。
コミット
commit 4d7017dcd02a4fb35b2cd3b31b852d858bd5fbb3
Author: Shenghou Ma <minux.ma@gmail.com>
Date: Mon Mar 5 11:12:58 2012 +1100
doc/effective_go: minor fix
We have 'gofmt' and 'go fmt', but not 'go tool fmt'.
R=golang-dev, kyle, r
CC=golang-dev
https://golang.org/cl/5739043
GitHub上でのコミットページへのリンク
https://github.com/golang/go/commit/4d7017dcd02a4fb35b2cd3b31b852d858bd5fbb3
元コミット内容
doc/effective_go: minor fix
We have 'gofmt' and 'go fmt', but not 'go tool fmt'.
このコミットは、doc/effective_go.html
および doc/effective_go.tmpl
ファイル内の記述を修正しています。修正前は、「gofmt
プログラムはgo tool fmt
としても利用可能である」と記載されていましたが、これは誤りであり、正しくは「go fmt
」であるという点を修正しています。
変更の背景
Go言語には、コードの自動整形を行うためのgofmt
というツールが存在します。このツールは、Goのコードベース全体で一貫したコーディングスタイルを強制し、可読性を高めることを目的としています。初期のGo開発では、gofmt
は独立したコマンドとして提供されていました。
しかし、Goのツールチェインが成熟するにつれて、多くのユーティリティがgo
コマンドのサブコマンドとして統合されていきました。gofmt
もその例外ではなく、go fmt
という形でgo
コマンドの一部として利用できるようになりました。これにより、ユーザーはgo build
やgo run
などと同様に、go fmt
という統一されたインターフェースでコード整形を実行できるようになりました。
このコミットが行われた2012年3月時点では、gofmt
とgo fmt
の両方が存在し、go fmt
が推奨される利用方法となっていました。しかし、ドキュメント「Effective Go」には、誤ってgo tool fmt
という存在しないコマンドが記載されていました。このコミットは、そのドキュメントの誤りを修正し、読者が正しいコマンドを使用できるようにするためのものです。
前提知識の解説
Go言語のツールチェイン
Go言語は、コンパイラ、リンカ、フォーマッタ、テストランナーなど、開発に必要な多くのツールをgo
コマンドの下に統合しています。これにより、開発者は単一のコマンドラインインターフェースから様々な開発タスクを実行できます。
gofmt
gofmt
は、Go言語のソースコードを標準的なスタイルに自動整形するツールです。Go言語の設計思想の一つに「意見の相違を減らす」というものがあり、コードフォーマットに関する議論をなくすためにgofmt
が開発されました。gofmt
は、インデント、スペース、改行などを自動的に調整し、Goコミュニティ全体で一貫したコードスタイルを維持するのに役立っています。
go fmt
go fmt
は、go
コマンドのサブコマンドであり、内部的にはgofmt
ツールを呼び出します。go fmt
は、指定されたパッケージ内のすべてのGoソースファイルを整形します。これは、gofmt
が通常単一のファイルまたはディレクトリを対象とするのに対し、パッケージ全体を対象とできる点で便利です。
go tool
go tool
は、go
コマンドのさらに低レベルなサブコマンドであり、Goツールチェインに含まれる様々な内部ツール(例えば、アセンブラのgo tool asm
やプロファイラのgo tool pprof
など)を直接実行するために使用されます。これらのツールは通常、開発者が直接呼び出すことは少なく、go build
やgo test
のような高レベルなコマンドによって間接的に利用されます。
このコミットの背景にある誤解は、gofmt
がgo tool
のサブコマンドとして提供されていると誤認されていた点にあります。実際には、gofmt
は独立したツールとして存在し、後にgo fmt
としてgo
コマンドに統合されましたが、go tool fmt
という形式では提供されていません。
技術的詳細
このコミットの技術的な詳細は、主にドキュメントの正確性に関するものです。Go言語の公式ドキュメントである「Effective Go」は、Goプログラミングのベストプラクティスとイディオムを学ぶ上で非常に重要なリソースです。そのため、そこに記載されている情報が正確であることは極めて重要です。
修正された箇所は、gofmt
の利用方法に関する説明です。元の記述では、gofmt
がgo tool fmt
としても利用可能であるとされていました。しかし、Goのツールチェインにおいて、fmt
という名前のツールがgo tool
のサブコマンドとして提供されている事実はありませんでした。gofmt
は独立したバイナリとして存在し、またgo fmt
という形でgo
コマンドのサブコマンドとして提供されています。
この修正は、単なるタイポや軽微な誤りではなく、Goツールチェインの構造とコマンドの正しい利用方法に関する重要な訂正です。読者が誤ったコマンドを試して混乱するのを防ぎ、正しい情報を提供することで、学習体験を向上させます。
コアとなるコードの変更箇所
このコミットでは、以下の2つのファイルが変更されています。
doc/effective_go.html
doc/effective_go.tmpl
これらのファイルは、Go言語の公式ドキュメント「Effective Go」のHTML版と、その生成元となるテンプレートファイルです。変更内容は両ファイルで同一であり、gofmt
に関する記述の修正です。
--- a/doc/effective_go.html
+++ b/doc/effective_go.html
@@ -69,7 +69,7 @@ With Go we take an unusual
approach and let the machine
take care of most formatting issues.
The <code>gofmt</code> program
-(also available as <code>go tool fmt</code>, which
+(also available as <code>go fmt</code>, which
operates at the package level rather than source file level)
reads a Go program
and emits the source in a standard style of indentation
--- a/doc/effective_go.tmpl
+++ b/doc/effective_go.tmpl
@@ -65,7 +65,7 @@ With Go we take an unusual
approach and let the machine
take care of most formatting issues.
The <code>gofmt</code> program
-(also available as <code>go tool fmt</code>, which
+(also available as <code>go fmt</code>, which
operates at the package level rather than source file level)
reads a Go program
and emits the source in a standard style of indentation
コアとなるコードの解説
変更は非常にシンプルで、HTMLとテンプレートファイル内の<code>go tool fmt</code>
という文字列を<code>go fmt</code>
に置き換えるものです。
具体的には、以下の行が変更されています。
- 変更前:
(also available as <code>go tool fmt</code>, which
- 変更後:
(also available as <code>go fmt</code>, which
この修正により、「Effective Go」ドキュメントは、gofmt
がgo fmt
というコマンドとしても利用可能であることを正しく伝えるようになります。これは、Go開発者がコードを整形する際に使用すべき正しいコマンドを明確にする上で重要です。
関連リンク
- Go言語公式サイト: https://go.dev/
- Effective Go ドキュメント: https://go.dev/doc/effective_go
gofmt
のドキュメント: https://go.dev/cmd/gofmt/go fmt
のドキュメント (goコマンドの一部として): https://go.dev/cmd/go/#hdr-Run_gofmt_on_package_sources
参考にした情報源リンク
- Go言語の公式ドキュメント
- Go言語のソースコードリポジトリ (GitHub)
- Go言語のコミット履歴
- Go言語のIssueトラッカー (Gerrit CL: 5739043)
- https://golang.org/cl/5739043
- このリンクはコミットメッセージに記載されており、この変更がGerritレビューシステムを通じて行われたことを示しています。GerritはGoプロジェクトでコードレビューと変更管理に使用されるツールです。