[インデックス 12432] ファイルの概要

このコミットは、Go言語の公式ドキュメント内のリンクを更新することを目的としています。具体的には、Goブログへの外部リンクやgolang.orgの特定のパスへのリンクを、より永続的で内部的なドキュメントパスへと変更しています。これにより、ドキュメントの整合性とメンテナンス性が向上し、ユーザーが常に最新かつ適切な情報源にアクセスできるようになります。

コミット

commit 97b13acb6704d5ae2b641d7d8343424ce9156931
Author: Shenghou Ma <minux.ma@gmail.com>
Date:   Wed Mar 7 08:15:47 2012 +1100

    doc: update links
    
    R=golang-dev, adg
    CC=golang-dev
    https://golang.org/cl/5754051

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/97b13acb6704d5ae2b641d7d8343424ce9156931

元コミット内容

doc: update links

R=golang-dev, adg
CC=golang-dev
https://golang.org/cl/5754051

変更の背景

このコミットが行われた2012年頃は、Go言語がまだ比較的新しい言語であり、そのドキュメント構造やウェブサイトの構成が進化している時期でした。初期のGoブログ記事は、言語の特定の機能や概念を説明するための重要な情報源でしたが、時間の経過とともに、これらの記事の内容がより公式なドキュメントやチュートリアルとして統合される必要が生じました。

変更の主な背景は以下の点が考えられます。

ドキュメントの永続性向上: ブログ記事のURLは変更される可能性があり、またブログという形式は一時的な情報発信に適しています。しかし、言語のコア機能に関する解説は、より安定した永続的なドキュメントとして提供されるべきです。/doc/articles/のようなパスへの変更は、これらの記事がGoの公式ドキュメントの一部として正式に位置づけられたことを示唆しています。
ユーザーエクスペリエンスの向上: ユーザーがGoの情報を探す際に、ブログと公式ドキュメントの間を行き来する手間を減らし、一貫したナビゲーションを提供するため。
SEOと情報の一元化: 関連する情報がGoの公式ドメイン内の統一されたパスに集約されることで、検索エンジン最適化（SEO）の観点からも有利になり、ユーザーがより簡単に必要な情報を見つけられるようになります。
内部リンクの最適化: 外部のブログへのリンクではなく、内部の相対パスを使用することで、リンク切れのリスクを低減し、ドキュメント全体のメンテナンスを容易にします。

前提知識の解説

このコミットを理解するためには、以下の前提知識が役立ちます。

Go言語のドキュメント構造: Go言語の公式ウェブサイト（golang.orgまたは現在のgo.dev）は、言語仕様、標準ライブラリのドキュメント、チュートリアル、ブログ記事など、多岐にわたる情報を提供しています。これらの情報は特定のパス（例: /doc/, /src/, /cmd/）の下に整理されています。
HTMLとリンク: ウェブページはHTMLで記述されており、<a>タグを使用して他のページへのハイパーリンクを作成します。リンクには絶対URL（例: http://example.com/path/to/page.html）と相対URL（例: /path/to/page.htmlや../page.html）があります。絶対URLは完全なアドレスを指定し、相対URLは現在のページの場所からの相対的なアドレスを指定します。
Goブログ: Go言語の公式ブログ（blog.golang.org）は、言語の機能、開発の進捗、コミュニティの活動などに関する記事を公開しています。
Goのコードウォーク (Codewalk): Goの初期のドキュメント形式の一つで、コードの例をステップバイステップで解説するインタラクティブなチュートリアルです。doc/codewalk/markov.xmlはこの形式のファイルです。
Go FAQ: Go言語に関するよくある質問とその回答をまとめたドキュメントです。doc/go_faq.htmlがこれに該当します。
Goのテスト (fmtパッケージのテスト): Goの標準ライブラリには、各パッケージの機能を確認するためのテストコードが含まれています。fmtパッケージはフォーマットI/Oを提供する重要なパッケージです。
gofmt: Go言語の公式フォーマッタツールです。Goのコードを標準的なスタイルに自動的に整形します。

技術的詳細

このコミットは、主にHTMLファイル内のハイパーリンクのhref属性値を変更することで、ドキュメントの参照先を更新しています。

変更されたリンクは以下のカテゴリに分けられます。

Goブログ記事から公式ドキュメントの「記事」セクションへ:
- http://blog.golang.org/2011/01/go-slices-usage-and-internals.html → /doc/articles/slices_usage_and_internals.html
- http://blog.golang.org/2011/07/error-handling-and-go.html → /doc/articles/error_handling.html
- http://blog.golang.org/2010/08/defer-panic-and-recover.html → /doc/articles/defer_panic_recover.html これは、Goブログで公開されていた特定の技術解説記事が、Goの公式ドキュメントサイト内のより永続的な「articles」セクションに移動または複製されたことを示しています。これにより、これらの重要な情報がブログの時系列的な流れから独立し、体系的なドキュメントの一部としてアクセスしやすくなります。
golang.orgの特定のパスから相対パスへ:
- http://golang.org/src/pkg/fmt/fmt_test.go → /src/pkg/fmt/fmt_test.go
- http://golang.org/cmd/gofmt/ → /cmd/gofmt/ これらの変更は、golang.orgドメイン内の絶対URLを、同じドメイン内の相対パスに変換しています。これは、ドキュメントが常にgolang.org（またはそのエイリアスであるgo.dev）のコンテキストで提供されることを前提としているため、冗長なドメイン名を省略し、リンクの簡潔性と移植性を高めるための一般的なプラクティスです。これにより、将来的にドメイン名が変更された場合でも、リンクを修正する必要がなくなります。

これらの変更は、Go言語のドキュメントが成熟し、その構造がより整理され、永続的なものへと移行している過程の一部を示しています。

コアとなるコードの変更箇所

このコミットでは、以下の2つのファイルが変更されています。

doc/codewalk/markov.xml
doc/go_faq.html

それぞれのファイルにおける具体的な変更は以下の通りです。

doc/codewalk/markov.xml

--- a/doc/codewalk/markov.xml
+++ b/doc/codewalk/markov.xml
@@ -155,7 +155,7 @@ Prefix               Map key
 	<br/><br/>
 	For more information about the <code>append</code> function and slices
 	in general see the
-	<a href="http://blog.golang.org/2011/01/go-slices-usage-and-internals.html">Slices: usage and internals</a> article.
+	<a href="/doc/articles/slices_usage_and_internals.html">Slices: usage and internals</a> article.
 </step>
 
 <step title="Pushing the suffix onto the prefix" src="doc/codewalk/markov.go:/p\.Shift/">

append関数とスライスに関する記事へのリンクが、http://blog.golang.org/2011/01/go-slices-usage-and-internals.html から /doc/articles/slices_usage_and_internals.html に変更されました。

doc/go_faq.html

--- a/doc/go_faq.html
+++ b/doc/go_faq.html
@@ -320,10 +320,9 @@ exceptional.
 <p>
 Go takes a different approach.  For plain error handling, Go's multi-value
 returns make it easy to report an error without overloading the return value.
-<a href="http://blog.golang.org/2011/07/error-handling-and-go.html">A
-canonical error type, coupled
-with Go's other features</a>, makes error
-handling pleasant but quite different from that in other languages.
+<a href="/doc/articles/error_handling.html">A canonical error type, coupled
+with Go's other features</a>, makes error handling pleasant but quite different
+from that in other languages.
 </p>
 
 <p>
@@ -336,7 +335,7 @@ when used well, can result in clean error-handling code.
 </p>
 
 <p>
-See the <a href="http://blog.golang.org/2010/08/defer-panic-and-recover.html">Defer, Panic, and Recover</a> article for details.
+See the <a href="/doc/articles/defer_panic_recover.html">Defer, Panic, and Recover</a> article for details.
 </p>
 
 <h3 id="assertions">
@@ -1317,8 +1316,7 @@ table-driven, iterating over a list of inputs and outputs defined
 in a data structure (Go has excellent support for data structure literals).
 The work to write a good test and good error messages will then be amortized over many
 test cases. The standard Go library is full of illustrative examples, such as in
-<a href="http://golang.org/src/pkg/fmt/fmt_test.go">the formatting
-tests for the <code>fmt</code> package</a>.
+<a href="/src/pkg/fmt/fmt_test.go">the formatting tests for the <code>fmt</code> package</a>.
 </p>
 
 
@@ -1588,7 +1586,7 @@ appear on a line by itself.
 Some have argued that the lexer should do lookahead to permit the
 brace to live on the next line.  We disagree.  Since Go code is meant
 to be formatted automatically by
-<a href="http://golang.org/cmd/gofmt/"><code>gofmt</code></a>,\n
+<a href="/cmd/gofmt/"><code>gofmt</code></a>,\n
 <i>some</i> style must be chosen.  That style may differ from what\n
 you've used in C or Java, but Go is a new language and\n
 <code>gofmt</code>'s style is as good as any other.  More\n

エラーハンドリングに関する記事へのリンクが、http://blog.golang.org/2011/07/error-handling-and-go.html から /doc/articles/error_handling.html に変更されました。
defer, panic, recoverに関する記事へのリンクが、http://blog.golang.org/2010/08/defer-panic-and-recover.html から /doc/articles/defer_panic_recover.html に変更されました。
fmtパッケージのテストコードへのリンクが、http://golang.org/src/pkg/fmt/fmt_test.go から /src/pkg/fmt/fmt_test.go に変更されました。
gofmtツールへのリンクが、http://golang.org/cmd/gofmt/ から /cmd/gofmt/ に変更されました。

コアとなるコードの解説

このコミットの「コード」は、Go言語のドキュメントを構成するHTMLおよびXMLファイル内のハイパーリンクです。変更の核心は、これらのリンクのhref属性値を、外部のブログURLや完全な絶対URLから、Goの公式ドキュメントサイト内の相対パスへと変更した点にあります。

doc/codewalk/markov.xml の変更:
- このファイルは、Goのコードウォーク（インタラクティブなチュートリアル）の一部であり、Goのスライスに関する重要な記事を参照していました。元のリンクはGoブログの記事を指していましたが、これを/doc/articles/slices_usage_and_internals.htmlという相対パスに変更することで、この記事がGoの公式ドキュメントの一部として統合されたことを示しています。これにより、ドキュメントの整合性が保たれ、ユーザーはGoのウェブサイト内で一貫したナビゲーションを体験できます。
doc/go_faq.html の変更:
- このファイルはGoのFAQ（よくある質問）をまとめたもので、エラーハンドリング、defer/panic/recover、fmtパッケージのテスト、gofmtツールに関する記事やリソースを参照していました。
- エラーハンドリングとdefer/panic/recoverに関するリンクも、Goブログの記事から/doc/articles/配下の相対パスに変更されました。これは、これらのトピックがGo言語の基本的な概念であり、ブログ記事としての一時的な性質から、より公式なドキュメントとして位置づけられたことを意味します。
- fmtパッケージのテストコードとgofmtツールへのリンクは、golang.orgの絶対パスから/src/pkg/や/cmd/といった相対パスに変更されました。これは、これらのリソースがGoの公式リポジトリやツールの一部であり、ドメイン名を省略しても正しく解決されるため、リンクをより簡潔にするための最適化です。

これらの変更は、Go言語のドキュメントが進化し、より体系的でメンテナンスしやすい構造へと移行していることを明確に示しています。ユーザーは、これらの変更によって、Goに関する信頼できる情報源に、より効率的かつ安定的にアクセスできるようになります。

参考にした情報源リンク

Go言語の公式ドキュメントとブログの歴史的変遷に関する一般的な知識。
HTMLの<a>タグとhref属性に関する一般的なウェブ技術の知識。
Gitのdiff出力の読み方に関する知識。
Go言語のプロジェクト構造とドキュメントの慣習に関する知識。

comemo