Keyboard shortcuts

Press or to navigate between chapters

Press S or / to search in the book

Press ? to show this help

Press Esc to hide this help

[インデックス 12604] ファイルの概要

このコミットは、Go言語のmisc/distパッケージにおいて、バージョン文字列から余分な空白(特に改行文字)を削除する変更を導入しています。これにより、バージョン文字列がファイル名の一部として使用される際に、不正なファイル名(例: weekly.2012-03-12\n.foo.bar.tar.gz)が生成されるのを防ぎます。

コミット

  • コミットハッシュ: 677caf78139a3f4f46bbc2f96146561232702e2b
  • 作者: Andrew Gerrand adg@golang.org
  • コミット日時: 2012年3月13日 火曜日 15:31:39 +1100

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/677caf78139a3f4f46bbc2f96146561232702e2b

元コミット内容

misc/dist: trim space from version string

This prevents us from writing filenames like "weekly.2012-03-12\n.foo.bar.tar.gz".

R=bradfitz
CC=golang-dev
https://golang.org/cl/5783090

変更の背景

この変更の背景には、Go言語のバイナリ配布物(bindist)を生成するプロセスにおいて、バージョン文字列がファイル名の一部として利用される際に発生する問題がありました。具体的には、バージョン情報を取得した際に、文字列の末尾に意図しない空白文字や改行文字(\n)が含まれている場合がありました。

このような余分な文字が含まれたバージョン文字列がそのままファイル名に組み込まれると、例えばコミットメッセージに記載されているように「weekly.2012-03-12\n.foo.bar.tar.gz」といった、ファイルシステム上で扱いにくい、あるいは不正とみなされる可能性のあるファイル名が生成されてしまう問題がありました。ファイル名に改行文字が含まれると、シェルスクリプトでの処理や、ファイルシステムによっては予期せぬ挙動を引き起こす可能性があります。

この問題を解決し、生成されるファイル名の堅牢性と予測可能性を確保するために、バージョン文字列から不要な空白文字を削除する処理が導入されました。

前提知識の解説

Go言語のbytesパッケージ

Go言語の標準ライブラリには、バイトスライス([]byte)を操作するためのbytesパッケージが提供されています。このパッケージは、文字列操作によく似た機能を提供しますが、対象がバイトスライスである点が異なります。

  • bytes.TrimSpace([]byte): この関数は、指定されたバイトスライスの先頭と末尾から、Unicodeで定義されているすべての空白文字(スペース、タブ、改行、キャリッジリターンなど)を削除した新しいバイトスライスを返します。これは、ユーザー入力や外部システムからのデータなど、不必要な空白が含まれる可能性のあるデータを処理する際によく使用されます。

バージョン文字列とファイル名

ソフトウェア開発において、バージョン情報は非常に重要です。Go言語のようなプロジェクトでは、ビルドされたバイナリや配布物のファイル名にバージョン情報を含めることが一般的です。これにより、どのバージョンのソフトウェアであるかを一目で識別できるようになります。

しかし、バージョン文字列が動的に生成される場合(例: Gitのタグやコミットハッシュから取得する場合)、その文字列に予期せぬ文字(特に空白や改行)が含まれることがあります。ファイルシステムはファイル名に使用できる文字に制限があるため、これらの特殊文字が含まれると、ファイル作成が失敗したり、作成されたファイルが扱いにくくなったりする問題が発生します。

misc/distパッケージの役割

Go言語のソースツリー内のmisc/distディレクトリは、Goの配布物(バイナリディストリビューション)を構築するためのツールやスクリプトが含まれています。これらは、Goの公式リリースや開発版のバイナリパッケージを作成する際に使用されます。bindist.goファイルは、この配布物作成プロセスの一部を担っており、Goのバイナリを特定のプラットフォーム向けにパッケージ化するロジックを含んでいます。このプロセスの中で、生成されるファイル名にバージョン情報が組み込まれることがあります。

技術的詳細

このコミットの技術的な核心は、Go言語のbytesパッケージが提供するTrimSpace関数を適用することで、バージョン文字列の正規化を行う点にあります。

misc/dist/bindist.goファイル内のBuild構造体のDoメソッドは、Goのバイナリ配布物を構築する主要なロジックを含んでいます。このメソッド内で、fullVersionというバイトスライス変数に、Goのバージョン情報が格納されます。

変更前は、このfullVersionが直接bytes.SplitN関数に渡され、バージョン番号の抽出が行われていました。しかし、前述の通り、fullVersionの末尾に改行文字などの空白が含まれていると、それがそのままファイル名に影響を与えていました。

変更後、fullVersionbytes.SplitNに渡される直前に、以下の行が追加されました。

fullVersion = bytes.TrimSpace(fullVersion)

この一行が追加されたことで、fullVersionの先頭と末尾に存在するすべての空白文字(スペース、タブ、改行、キャリッジリターンなど)が削除されます。bytes.TrimSpaceは新しいバイトスライスを返すため、その結果が再びfullVersionに代入されます。

これにより、bytes.SplitN関数に渡されるfullVersionは、余分な空白が取り除かれたクリーンな状態となり、その後のファイル名生成プロセスにおいて、不正な文字が混入するのを防ぐことができます。この修正は、ファイル名生成の堅牢性を高め、クロスプラットフォームでの互換性を向上させる上で重要です。

コアとなるコードの変更箇所

変更はmisc/dist/bindist.goファイルの一箇所のみです。

--- a/misc/dist/bindist.go
+++ b/misc/dist/bindist.go
@@ -154,6 +154,7 @@ func (b *Build) Do() error {
 	if err != nil {
 		return err
 	}
+	fullVersion = bytes.TrimSpace(fullVersion)
 	v := bytes.SplitN(fullVersion, []byte(" "), 2)
 	version = string(v[0])

コアとなるコードの解説

変更された行は以下の通りです。

fullVersion = bytes.TrimSpace(fullVersion)

このコードは、fullVersionというバイトスライス変数に格納されているGoのバージョン文字列から、先頭と末尾の空白文字(スペース、タブ、改行、キャリッジリターンなど)をすべて削除しています。

具体的には、以下の処理が行われます。

  1. fullVersionの現在の値がbytes.TrimSpace関数に渡されます。
  2. bytes.TrimSpaceは、渡されたバイトスライスの先頭と末尾から空白文字をすべて取り除いた、新しいバイトスライスを生成して返します。
  3. この新しく生成されたバイトスライスが、再びfullVersion変数に代入されます。

この処理により、例えばfullVersion"go1.0.1\n"のような値であった場合、bytes.TrimSpaceの適用後には"go1.0.1"というクリーンな値に変換されます。これにより、その後の処理でこのバージョン文字列がファイル名の一部として使用される際に、ファイル名に改行文字などの不正な文字が含まれることを防ぎ、ファイルシステムの互換性やスクリプト処理の安定性を確保します。

関連リンク

参考にした情報源リンク

このコミットは、Go言語のmisc/distパッケージにおいて、バージョン文字列から余分な空白(特に改行文字)を削除する変更を導入しています。これにより、バージョン文字列がファイル名の一部として使用される際に、不正なファイル名(例: weekly.2012-03-12\n.foo.bar.tar.gz)が生成されるのを防ぎます。

コミット

  • コミットハッシュ: 677caf78139a3f4f46bbc2f96146561232702e2b
  • 作者: Andrew Gerrand adg@golang.org
  • コミット日時: 2012年3月13日 火曜日 15:31:39 +1100

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/677caf78139a3f4f46bbc2f96146561232702e2b

元コミット内容

misc/dist: trim space from version string

This prevents us from writing filenames like "weekly.2012-03-12\n.foo.bar.tar.gz".

R=bradfitz
CC=golang-dev
https://golang.org/cl/5783090

変更の背景

この変更の背景には、Go言語のバイナリ配布物(bindist)を生成するプロセスにおいて、バージョン文字列がファイル名の一部として利用される際に発生する問題がありました。具体的には、バージョン情報を取得した際に、文字列の末尾に意図しない空白文字や改行文字(\n)が含まれている場合がありました。

このような余分な文字が含まれたバージョン文字列がそのままファイル名に組み込まれると、例えばコミットメッセージに記載されているように「weekly.2012-03-12\n.foo.bar.tar.gz」といった、ファイルシステム上で扱いにくい、あるいは不正とみなされる可能性のあるファイル名が生成されてしまう問題がありました。ファイル名に改行文字が含まれると、シェルスクリプトでの処理や、ファイルシステムによっては予期せぬ挙動を引き起こす可能性があります。

この問題を解決し、生成されるファイル名の堅牢性と予測可能性を確保するために、バージョン文字列から不要な空白文字を削除する処理が導入されました。

前提知識の解説

Go言語のbytesパッケージ

Go言語の標準ライブラリには、バイトスライス([]byte)を操作するためのbytesパッケージが提供されています。このパッケージは、文字列操作によく似た機能を提供しますが、対象がバイトスライスである点が異なります。

  • bytes.TrimSpace([]byte): この関数は、指定されたバイトスライスの先頭と末尾から、Unicodeで定義されているすべての空白文字(スペース、タブ、改行、キャリッジリターンなど)を削除した新しいバイトスライスを返します。これは、ユーザー入力や外部システムからのデータなど、不必要な空白が含まれる可能性のあるデータを処理する際によく使用されます。

バージョン文字列とファイル名

ソフトウェア開発において、バージョン情報は非常に重要です。Go言語のようなプロジェクトでは、ビルドされたバイナリや配布物のファイル名にバージョン情報を含めることが一般的です。これにより、どのバージョンのソフトウェアであるかを一目で識別できるようになります。

しかし、バージョン文字列が動的に生成される場合(例: Gitのタグやコミットハッシュから取得する場合)、その文字列に予期せぬ文字(特に空白や改行)が含まれることがあります。ファイルシステムはファイル名に使用できる文字に制限があるため、これらの特殊文字が含まれると、ファイル作成が失敗したり、作成されたファイルが扱いにくくなったりする問題が発生します。

misc/distパッケージの役割

Go言語のソースツリー内のmisc/distディレクトリは、Goの配布物(バイナリディストリビューション)を構築するためのツールやスクリプトが含まれています。これらは、Goの公式リリースや開発版のバイナリパッケージを作成する際に使用されます。bindist.goファイルは、この配布物作成プロセスの一部を担っており、Goのバイナリを特定のプラットフォーム向けにパッケージ化するロジックを含んでいます。このプロセスの中で、生成されるファイル名にバージョン情報が組み込まれることがあります。

技術的詳細

このコミットの技術的な核心は、Go言語のbytesパッケージが提供するTrimSpace関数を適用することで、バージョン文字列の正規化を行う点にあります。

misc/dist/bindist.goファイル内のBuild構造体のDoメソッドは、Goのバイナリ配布物を構築する主要なロジックを含んでいます。このメソッド内で、fullVersionというバイトスライス変数に、Goのバージョン情報が格納されます。

変更前は、このfullVersionが直接bytes.SplitN関数に渡され、バージョン番号の抽出が行われていました。しかし、前述の通り、fullVersionの末尾に改行文字などの空白が含まれていると、それがそのままファイル名に影響を与えていました。

変更後、fullVersionbytes.SplitNに渡される直前に、以下の行が追加されました。

fullVersion = bytes.TrimSpace(fullVersion)

この一行が追加されたことで、fullVersionの先頭と末尾に存在するすべての空白文字(スペース、タブ、改行、キャリッジリターンなど)が削除されます。bytes.TrimSpaceは新しいバイトスライスを返すため、その結果が再びfullVersionに代入されます。

これにより、bytes.SplitN関数に渡されるfullVersionは、余分な空白が取り除かれたクリーンな状態となり、その後のファイル名生成プロセスにおいて、不正な文字が混入するのを防ぐことができます。この修正は、ファイル名生成の堅牢性を高め、クロスプラットフォームでの互換性を向上させる上で重要です。

コアとなるコードの変更箇所

変更はmisc/dist/bindist.goファイルの一箇所のみです。

--- a/misc/dist/bindist.go
+++ b/misc/dist/bindist.go
@@ -154,6 +154,7 @@ func (b *Build) Do() error {
 	if err != nil {
 		return err
 	}
+	fullVersion = bytes.TrimSpace(fullVersion)
 	v := bytes.SplitN(fullVersion, []byte(" "), 2)
 	version = string(v[0])

コアとなるコードの解説

変更された行は以下の通りです。

fullVersion = bytes.TrimSpace(fullVersion)

このコードは、fullVersionというバイトスライス変数に格納されているGoのバージョン文字列から、先頭と末尾の空白文字(スペース、タブ、改行、キャリッジリターンなど)をすべて削除しています。

具体的には、以下の処理が行われます。

  1. fullVersionの現在の値がbytes.TrimSpace関数に渡されます。
  2. bytes.TrimSpaceは、渡されたバイトスライスの先頭と末尾から空白文字をすべて取り除いた、新しいバイトスライスを生成して返します。
  3. この新しく生成されたバイトスライスが、再びfullVersion変数に代入されます。

この処理により、例えばfullVersion"go1.0.1\n"のような値であった場合、bytes.TrimSpaceの適用後には"go1.0.1"というクリーンな値に変換されます。これにより、その後の処理でこのバージョン文字列がファイル名の一部として使用される際に、ファイル名に改行文字などの不正な文字が含まれることを防ぎ、ファイルシステムの互換性やスクリプト処理の安定性を確保します。

関連リンク

参考にした情報源リンク