[インデックス 12736] ファイルの概要
このコミットは、Go言語の標準ライブラリ text/template
パッケージのドキュメントコメントにおけるタイポ(誤字)を修正するものです。具体的には、Funcs
が単一のメソッドであることを明確にするため、「methods」という複数形を「method」という単数形に修正しています。
コミット
commit 43ad726f3466440239954c3afab7a2cfeb6e97b1
Author: Robert Griesemer <gri@golang.org>
Date: Fri Mar 23 11:31:29 2012 -0700
text/template: fix typo in package comment
Fixes #3383.
R=iant, bradfitz
CC=golang-dev
https://golang.org/cl/5891045
GitHub上でのコミットページへのリンク
https://github.com/golang/go/commit/43ad726f3466440239954c3afab7a2cfeb6e97b1
元コミット内容
text/template: fix typo in package comment
Fixes #3383.
R=iant, bradfitz
CC=golang-dev
https://golang.org/cl/5891045
変更の背景
この変更は、Go言語の標準ライブラリ text/template
パッケージのドキュメントコメントに含まれる誤字を修正するために行われました。具体的には、Funcs
メソッドに関する説明で「methods」と複数形になっていた箇所を、正しく「method」と単数形に修正することが目的です。
ドキュメントの正確性は、ライブラリの利用者にとって非常に重要です。誤った記述は混乱を招き、APIの誤解や誤用につながる可能性があります。このコミットは、Go言語のドキュメント品質を維持し、開発者が正確な情報を得られるようにするための、細かながらも重要な改善です。この修正は、GoのIssueトラッカーで報告された問題 #3383
に対応するものです。
前提知識の解説
Go言語の text/template
パッケージ
text/template
パッケージは、Go言語でテキストベースのテンプレートを生成するための機能を提供します。これは、HTML、XML、プレーンテキストなど、様々な形式の出力を作成する際に非常に便利です。テンプレートは、プレースホルダーや制御構造(条件分岐、ループなど)を含むテキストであり、実行時にデータが注入されて最終的な出力が生成されます。
主な機能としては以下のようなものがあります。
- テンプレートのパース: テンプレート文字列を解析し、内部表現に変換します。
- データの結合: テンプレートにGoの構造体、マップ、スライスなどのデータを結合し、最終的なテキストを生成します。
- アクション: テンプレート内でデータを表示したり、条件分岐や繰り返し処理を行ったりするための構文(例:
{{.Name}}
,{{if .Condition}}
,{{range .Items}}
)。 - 関数: テンプレート内で呼び出すことができるカスタム関数を登録する機能。これにより、テンプレート内で複雑なロジックを実行したり、データの整形を行ったりできます。
Funcs
メソッド
text/template
パッケージにおいて、Funcs
はテンプレートにカスタム関数を追加するために使用されるメソッドです。このメソッドは、template.FuncMap
型の引数を取り、テンプレートが利用できる関数群を登録します。template.FuncMap
は map[string]interface{}
のエイリアスであり、キーが関数名(文字列)、値が対応するGoの関数(interface{}
型)となります。
例えば、以下のように使用されます。
package main
import (
"os"
"text/template"
)
func upper(s string) string {
return strings.ToUpper(s)
}
func main() {
funcMap := template.FuncMap{
"upper": upper,
}
tmpl, err := template.New("example").Funcs(funcMap).Parse("Hello, {{.Name | upper}}!")
if err != nil {
panic(err)
}
data := struct {
Name string
}{
Name: "world",
}
err = tmpl.Execute(os.Stdout, data)
if err != nil {
panic(err)
}
}
この例では、upper
というカスタム関数を Funcs
メソッドを使ってテンプレートに登録しています。
パッケージコメントとドキュメント
Go言語では、パッケージ、関数、型、変数などの公開された要素には、その目的や使い方を説明するドキュメントコメントを記述することが推奨されています。これらのコメントは、go doc
コマンドやGoの公式ドキュメントサイト(pkg.go.devなど)で参照されます。
パッケージコメントは、パッケージのソースコードの先頭に記述され、パッケージ全体の概要を説明します。このコミットで修正されたのは、src/pkg/text/template/doc.go
というファイル内のコメントであり、これは text/template
パッケージのドキュメントを生成するために使用される特別なファイルです。
技術的詳細
このコミットの技術的詳細は、非常にシンプルながらもドキュメントの正確性という点で重要です。変更は src/pkg/text/template/doc.go
ファイル内の1行の修正に限定されています。
元の記述:
in the template but the Funcs methods can be used to add them.
修正後の記述:
in the template but the Funcs method can be used to add them.
変更点は、「Funcs
methods」が「Funcs
method」になったことです。
-
「methods」と複数形であったことの問題点:
Funcs
は*Template
型に定義された単一のメソッドです。Go言語のメソッドは、特定の型に関連付けられた関数であり、通常は単数形で「メソッド」と呼ばれます。Funcs
が「methods」と複数形で記述されていると、あたかもFuncs
という名前の複数のメソッドが存在するか、あるいはFuncs
が複数のメソッドを指す一般的な概念であるかのように誤解される可能性があります。しかし、実際にはFuncs
はtemplate.Funcs(funcMap FuncMap) *Template
というシグネチャを持つ、ただ一つのメソッドです。 -
「method」と単数形への修正の意義: この修正により、
Funcs
が単一のメソッドであることを明確に示し、ドキュメントの正確性が向上します。これにより、Go言語の慣習に沿った記述となり、読者の混乱を防ぎます。
このような小さなタイポの修正は、コードの動作には影響しませんが、Go言語の標準ライブラリのような広く利用されるソフトウェアにおいては、ドキュメントの品質が非常に重要です。正確なドキュメントは、開発者がライブラリを効率的かつ正しく使用するための基盤となります。
コアとなるコードの変更箇所
diff --git a/src/pkg/text/template/doc.go b/src/pkg/text/template/doc.go
index 10e0f7fc37..aa50ab97f6 100644
--- a/src/pkg/text/template/doc.go
+++ b/src/pkg/text/template/doc.go
@@ -244,7 +244,7 @@ Functions
During execution functions are found in two function maps: first in the
template, then in the global function map. By default, no functions are defined
-in the template but the Funcs methods can be used to add them.
+in the template but the Funcs method can be used to add them.
Predefined global functions are named as follows.
コアとなるコードの解説
変更されたのは src/pkg/text/template/doc.go
ファイルの245行目です。
元の行:
in the template but the Funcs methods can be used to add them.
修正後の行:
in the template but the Funcs method can be used to add them.
この変更は、Funcs
が単一の「メソッド」であることを明確にするために、「methods」(複数形)を「method」(単数形)に修正しています。これは、Go言語の text/template
パッケージにおける Funcs
の役割と性質をより正確に反映したものです。
Funcs
は *Template
型に定義された単一の公開メソッドであり、template.FuncMap
を引数として受け取り、テンプレートにカスタム関数を追加するために使用されます。ドキュメントにおけるこの小さな文法的な修正は、APIの正確な理解を助け、誤解を避ける上で重要です。
関連リンク
- GitHubコミットページ: https://github.com/golang/go/commit/43ad726f3466440239954c3afab7a2cfeb6e97b1
- Go Issue #3383: https://go.dev/issue/3383 (または
https://golang.org/issue/3383
) - Gerrit Change-ID: https://golang.org/cl/5891045
参考にした情報源リンク
- Go言語
text/template
パッケージ公式ドキュメント: https://pkg.go.dev/text/template - Go言語のドキュメンテーションの書き方に関するガイドライン (Go Doc Comments): https://go.dev/blog/godoc
- Go言語のIssueトラッカー (Go Issues): https://go.dev/issue
- Go言語のGerritコードレビューシステム: https://go-review.googlesource.com/
- Go言語のソースコード (GitHub): https://github.com/golang/go
[インデックス 12736] ファイルの概要
このコミットは、Go言語の標準ライブラリ text/template
パッケージのドキュメントコメントにおけるタイポ(誤字)を修正するものです。具体的には、Funcs
が単一のメソッドであることを明確にするため、「methods」という複数形を「method」という単数形に修正しています。
コミット
commit 43ad726f3466440239954c3afab7a2cfeb6e97b1
Author: Robert Griesemer <gri@golang.org>
Date: Fri Mar 23 11:31:29 2012 -0700
text/template: fix typo in package comment
Fixes #3383.
R=iant, bradfitz
CC=golang-dev
https://golang.org/cl/5891045
GitHub上でのコミットページへのリンク
https://github.com/golang/go/commit/43ad726f3466440239954c3afab7a2cfeb6e97b1
元コミット内容
text/template: fix typo in package comment
Fixes #3383.
R=iant, bradfitz
CC=golang-dev
https://golang.org/cl/5891045
変更の背景
この変更は、Go言語の標準ライブラリ text/template
パッケージのドキュメントコメントに含まれる誤字を修正するために行われました。具体的には、Funcs
メソッドに関する説明で「methods」と複数形になっていた箇所を、正しく「method」と単数形に修正することが目的です。
ドキュメントの正確性は、ライブラリの利用者にとって非常に重要です。誤った記述は混乱を招き、APIの誤解や誤用につながる可能性があります。このコミットは、Go言語のドキュメント品質を維持し、開発者が正確な情報を得られるようにするための、細かながらも重要な改善です。この修正は、GoのIssueトラッカーで報告された問題 #3383
に対応するものです。
前提知識の解説
Go言語の text/template
パッケージ
text/template
パッケージは、Go言語でテキストベースのテンプレートを生成するための機能を提供します。これは、HTML、XML、プレーンテキストなど、様々な形式の出力を作成する際に非常に便利です。テンプレートは、プレースホルダーや制御構造(条件分岐、ループなど)を含むテキストであり、実行時にデータが注入されて最終的な出力が生成されます。
主な機能としては以下のようなものがあります。
- テンプレートのパース: テンプレート文字列を解析し、内部表現に変換します。
- データの結合: テンプレートにGoの構造体、マップ、スライスなどのデータを結合し、最終的なテキストを生成します。
- アクション: テンプレート内でデータを表示したり、条件分岐や繰り返し処理を行ったりするための構文(例:
{{.Name}}
,{{if .Condition}}
,{{range .Items}}
)。 - 関数: テンプレート内で呼び出すことができるカスタム関数を登録する機能。これにより、テンプレート内で複雑なロジックを実行したり、データの整形を行ったりできます。
Funcs
メソッド
text/template
パッケージにおいて、Funcs
はテンプレートにカスタム関数を追加するために使用されるメソッドです。このメソッドは、template.FuncMap
型の引数を取り、テンプレートが利用できる関数群を登録します。template.FuncMap
は map[string]interface{}
のエイリアスであり、キーが関数名(文字列)、値が対応するGoの関数(interface{}
型)となります。
例えば、以下のように使用されます。
package main
import (
"os"
"strings" // stringsパッケージを追加
"text/template"
)
func upper(s string) string {
return strings.ToUpper(s)
}
func main() {
funcMap := template.FuncMap{
"upper": upper,
}
tmpl, err := template.New("example").Funcs(funcMap).Parse("Hello, {{.Name | upper}}!")
if err != nil {
panic(err)
}
data := struct {
Name string
}{
Name: "world",
}
err = tmpl.Execute(os.Stdout, data)
if err != nil {
panic(err)
}
}
この例では、upper
というカスタム関数を Funcs
メソッドを使ってテンプレートに登録しています。
パッケージコメントとドキュメント
Go言語では、パッケージ、関数、型、変数などの公開された要素には、その目的や使い方を説明するドキュメントコメントを記述することが推奨されています。これらのコメントは、go doc
コマンドやGoの公式ドキュメントサイト(pkg.go.devなど)で参照されます。
パッケージコメントは、パッケージのソースコードの先頭に記述され、パッケージ全体の概要を説明します。このコミットで修正されたのは、src/pkg/text/template/doc.go
というファイル内のコメントであり、これは text/template
パッケージのドキュメントを生成するために使用される特別なファイルです。
技術的詳細
このコミットの技術的詳細は、非常にシンプルながらもドキュメントの正確性という点で重要です。変更は src/pkg/text/template/doc.go
ファイル内の1行の修正に限定されています。
元の記述:
in the template but the Funcs methods can be used to add them.
修正後の記述:
in the template but the Funcs method can be used to add them.
変更点は、「Funcs
methods」が「Funcs
method」になったことです。
-
「methods」と複数形であったことの問題点:
Funcs
は*Template
型に定義された単一のメソッドです。Go言語のメソッドは、特定の型に関連付けられた関数であり、通常は単数形で「メソッド」と呼ばれます。Funcs
が「methods」と複数形で記述されていると、あたかもFuncs
という名前の複数のメソッドが存在するか、あるいはFuncs
が複数のメソッドを指す一般的な概念であるかのように誤解される可能性があります。しかし、実際にはFuncs
はtemplate.Funcs(funcMap FuncMap) *Template
というシグネチャを持つ、ただ一つのメソッドです。 -
「method」と単数形への修正の意義: この修正により、
Funcs
が単一のメソッドであることを明確に示し、ドキュメントの正確性が向上します。これにより、Go言語の慣習に沿った記述となり、読者の混乱を防ぎます。
このような小さなタイポの修正は、コードの動作には影響しませんが、Go言語の標準ライブラリのような広く利用されるソフトウェアにおいては、ドキュメントの品質が非常に重要です。正確なドキュメントは、開発者がライブラリを効率的かつ正しく使用するための基盤となります。
コアとなるコードの変更箇所
diff --git a/src/pkg/text/template/doc.go b/src/pkg/text/template/doc.go
index 10e0f7fc37..aa50ab97f6 100644
--- a/src/pkg/text/template/doc.go
+++ b/src/pkg/text/template/doc.go
@@ -244,7 +244,7 @@ Functions
During execution functions are found in two function maps: first in the
template, then in the global function map. By default, no functions are defined
-in the template but the Funcs methods can be used to add them.
+in the template but the Funcs method can be used to add them.
Predefined global functions are named as follows.
コアとなるコードの解説
変更されたのは src/pkg/text/template/doc.go
ファイルの245行目です。
元の行:
in the template but the Funcs methods can be used to add them.
修正後の行:
in the template but the Funcs method can be used to add them.
この変更は、Funcs
が単一の「メソッド」であることを明確にするために、「methods」(複数形)を「method」(単数形)に修正しています。これは、Go言語の text/template
パッケージにおける Funcs
の役割と性質をより正確に反映したものです。
Funcs
は *Template
型に定義された単一の公開メソッドであり、template.FuncMap
を引数として受け取り、テンプレートにカスタム関数を追加するために使用されます。ドキュメントにおけるこの小さな文法的な修正は、APIの正確な理解を助け、誤解を避ける上で重要です。
関連リンク
- GitHubコミットページ: https://github.com/golang/go/commit/43ad726f3466440239954c3afab7a2cfeb6e97b1
- Go Issue #3383: https://go.dev/issue/3383 (または
https://golang.org/issue/3383
) - Gerrit Change-ID: https://golang.org/cl/5891045
参考にした情報源リンク
- Go言語
text/template
パッケージ公式ドキュメント: https://pkg.go.dev/text/template - Go言語のドキュメンテーションの書き方に関するガイドライン (Go Doc Comments): https://go.dev/blog/godoc
- Go言語のIssueトラッカー (Go Issues): https://go.dev/issue
- Go言語のGerritコードレビューシステム: https://go-review.googlesource.com/
- Go言語のソースコード (GitHub): https://github.com/golang/go
- Go's
text/template
package:Funcs
method vs methods on data: https://www.google.com/search?q=Go+text%2Ftemplate+Funcs+method+vs+methods