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[インデックス 13741] ファイルの概要

このコミットは、Go言語のリポジトリにおける src/run.bat ファイルの変更に関するものです。具体的には、Windows環境で misc\cgo\stdio テストが誤って実行されないように修正し、ビルドエラーを回避することを目的としています。

コミット

commit 1a5cf867ce1b0c98e016ac4d4183ffd84c8fa291
Author: Alex Brainman <alex.brainman@gmail.com>
Date:   Mon Sep 3 10:33:48 2012 +1000

    run.bat: do not run misc\cgo\stdio test on windows (fix build)
    
    It is enabled by mistake and should be part of CL 5847068 instead.
    
    R=golang-dev
    CC=golang-dev, minux.ma
    https://golang.org/cl/6488073

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/1a5cf867ce1b0c98e016ac4d4183ffd84c8fa291

元コミット内容

run.bat: do not run misc\cgo\stdio test on windows (fix build)

It is enabled by mistake and should be part of CL 5847068 instead.

R=golang-dev
CC=golang-dev, minux.ma
https://golang.org/cl/6488073

変更の背景

このコミットは、Go言語のWindowsビルドプロセスにおける問題を修正するために行われました。misc\cgo\stdio テストがWindows環境で誤って有効になっており、これがビルドエラーを引き起こしていました。コミットメッセージによると、このテストは本来 CL 5847068 の一部として有効にされるべきものであり、今回のコミットは誤って有効化された状態を一時的に無効化することで、ビルドが正常に完了するように修正しています。

CL 5847068 は、Go言語のGerrit Change-IDであり、misc/cgo/stdio に関連する変更が含まれていました。このコミットは、その変更が完全に統合される前に、テストが誤って実行されることを防ぐための暫定的な修正として機能します。

前提知識の解説

  • run.bat: Windows環境でGo言語のテストやビルドプロセスを実行するためのバッチファイルです。Goプロジェクトのルートディレクトリにある src/run.bat は、様々なテストスイートやユーティリティスクリプトを呼び出す役割を担っています。
  • cgo: Go言語とC言語のコードを相互運用するためのGoの機能です。cgo を使用すると、GoプログラムからCライブラリを呼び出したり、CプログラムからGo関数を呼び出したりすることができます。misc\cgo ディレクトリには、cgo の様々な使用例やテストが含まれています。
  • stdio: Standard Input/Outputの略で、C言語における標準入出力(標準入力、標準出力、標準エラー出力)を扱うためのライブラリや概念を指します。misc\cgo\stdio テストは、cgo を介してC言語の標準入出力機能をGoから利用する際の挙動を確認するためのテストと考えられます。
  • errorlevel: Windowsのバッチファイルにおいて、直前に実行されたコマンドの終了コード(エラーレベル)を保持する環境変数です。通常、0 は成功、0以外 はエラーを示します。if errorlevel 1 goto fail は、エラーが発生した場合に fail ラベルにジャンプして処理を終了させる一般的なエラーハンドリングパターンです。
  • :: (バッチファイルのコメント): Windowsのバッチファイルでは、REM または :: を行の先頭に置くことでコメントとして扱われます。::REM よりも高速に処理されるという特性がありますが、技術的には :: は無効なラベルとして解釈されるため、厳密にはコメントではありません。しかし、その挙動からコメントとして広く利用されています。
  • CL (Change-ID): Goプロジェクトでは、Gerritというコードレビューシステムが使用されており、各変更セットには一意の Change-ID が割り当てられます。コミットメッセージに記載される CL は、Gerrit上の特定の変更セットを指します。

技術的詳細

このコミットの技術的な詳細は、src/run.bat ファイル内の特定の行をコメントアウトすることによって、misc\cgo\stdio テストの実行を無効化している点にあります。

元の run.bat には、以下の行が含まれていました。

echo # ..\misc\cgo\stdio
go run %GOROOT%\test\run.go - ..\misc\cgo\stdio
if errorlevel 1 goto fail
echo.

これらの行は、misc\cgo\stdio テストを実行し、もしエラーが発生した場合は fail ラベルにジャンプする処理を記述しています。

コミットによって、これらの行は以下のように変更されました。

:: TODO ..\misc\cgo\stdio
::echo # ..\misc\cgo\stdio
::go run %GOROOT%\test\run.go - ..\misc\cgo\stdio
::if errorlevel 1 goto fail
::echo.

各行の先頭に :: が追加され、これらのコマンドがバッチファイルによって実行されないようにコメントアウトされています。これにより、Windows環境でのビルド時に misc\cgo\stdio テストがスキップされ、ビルドエラーが回避されます。

コミットメッセージには、別の misc\cgo テスト(misc\cgo\test)が「The filename or extension is too long.」というエラーで失敗するため無効化されているという TODO コメントも含まれています。これは、Windowsのファイルパスの長さに制限があることに起因する一般的な問題であり、このコミットの直接的な修正対象ではありませんが、関連する情報として記載されています。

この修正は、misc\cgo\stdio テストが CL 5847068 の一部として適切に有効化されるまでの暫定的な措置として機能します。

コアとなるコードの変更箇所

diff --git a/src/run.bat b/src/run.bat
index 4711926623..8c52e6ea54 100644
--- a/src/run.bat
+++ b/src/run.bat
@@ -70,10 +70,11 @@ go run %GOROOT%\\test\\run.go - ..\\misc\\cgo\\life
 if errorlevel 1 goto fail
 echo.
 
-echo # ..\misc\cgo\stdio
-go run %GOROOT%\\test\\run.go - ..\\misc\\cgo\\stdio
-if errorlevel 1 goto fail
-echo.
+:: TODO ..\misc\cgo\stdio
+::echo # ..\misc\cgo\stdio
+::go run %GOROOT%\\test\\run.go - ..\\misc\\cgo\\stdio
+::if errorlevel 1 goto fail
+::echo.
 
 :: TODO(brainman): disabled, because it fails with: mkdir C:\\Users\\ADMINI~1\\AppData\\Local\\Temp\\2.....\\go\\misc\\cgo\\: The filename or extension is too long.
 ::echo # ..\\misc\\cgo\\test

コアとなるコードの解説

変更は src/run.bat ファイルの70行目付近に集中しています。

  • -echo # ..\misc\cgo\stdio: この行は、misc\cgo\stdio テストの実行を示すメッセージをコンソールに出力するコマンドでした。先頭の - は削除されたことを示します。
  • -go run %GOROOT%\test\run.go - ..\misc\cgo\stdio: この行は、go run コマンドを使用して misc\cgo\stdio テストを実行するメインのコマンドでした。- は削除されたことを示します。
  • -if errorlevel 1 goto fail: この行は、直前のテスト実行でエラーが発生した場合に fail ラベルにジャンプするエラーハンドリングの行でした。- は削除されたことを示します。
  • -echo.: この行は、テスト実行後に空行を出力するコマンドでした。- は削除されたことを示します。

これらの削除された行に対応して、以下の行が追加されています。

  • +:: TODO ..\misc\cgo\stdio: :: はバッチファイルのコメントアウト記号です。この行は、misc\cgo\stdio テストに関する TODO コメントを追加しています。これは、このテストが一時的に無効化されていることを示唆しています。
  • +::echo # ..\misc\cgo\stdio: 元の echo コマンドがコメントアウトされました。
  • +::go run %GOROOT%\test\run.go - ..\misc\cgo\stdio: 元の go run コマンドがコメントアウトされました。これにより、misc\cgo\stdio テストは実行されなくなります。
  • +::if errorlevel 1 goto fail: 元の if errorlevel コマンドがコメントアウトされました。
  • +::echo.: 元の echo. コマンドがコメントアウトされました。

これらの変更により、misc\cgo\stdio テストの実行に関連するすべての行がコメントアウトされ、Windows環境でのビルドプロセスから除外されるようになりました。これにより、このテストが引き起こしていたビルドエラーが解消されます。

また、変更箇所の少し下には、別の TODO コメントが残されています。 :: TODO(brainman): disabled, because it fails with: mkdir C:\\Users\\ADMINI~1\\AppData\\Local\\Temp\\2.....\\go\\misc\\cgo\\: The filename or extension is too long. これは、misc\cgo\test が「ファイル名または拡張子が長すぎる」というエラーで無効化されていることを示しており、Windowsのパス長の制限に起因する別の問題を示唆しています。

関連リンク

参考にした情報源リンク