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[インデックス 15536] ファイルの概要

このコミットは、Go言語の標準ライブラリ net/http/cgi パッケージ内のテスト TestCopyError を、特定の環境、具体的には darwin/386 (macOS 32-bitアーキテクチャ) 上でスキップするように変更するものです。これは、Goのビルドシステム (builder) 上でこのテストが不安定な挙動を示していた問題(Issue 4958)を一時的に解決するための対応です。

コミット

commit 83f59d0a4f5a52a1390e9eb6550532a0eddcd338
Author: Russ Cox <rsc@golang.org>
Date:   Fri Mar 1 12:00:24 2013 -0500

    net/http/cgi: disable TestCopyError to try to fix darwin/386 on builder
    
    Update #4958.
    
    R=golang-dev
    CC=golang-dev
    https://golang.org/cl/7434047

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/83f59d0a4f5a52a1390e9eb6550532a0eddcd338

元コミット内容

net/http/cgi: disable TestCopyError to try to fix darwin/386 on builder

Update #4958.

R=golang-dev
CC=golang-dev
https://golang.org/cl/7434047

変更の背景

この変更の主な背景は、Go言語の継続的インテグレーション (CI) システム、特に darwin/386 環境 (macOS 32-bitアーキテクチャ) 上で net/http/cgi パッケージの TestCopyError テストが不安定に失敗していた問題に対処するためです。

Goプロジェクトでは、様々なオペレーティングシステムとアーキテクチャの組み合わせ (例: linux/amd64, windows/386, darwin/amd64, darwin/386 など) でコードが正しく動作することを保証するために、多数のビルドボット (builder) を使用してテストを実行しています。

Issue 4958 (タイトル: net/http/cgi: TestCopyError fails on darwin-386-gce) は、TestCopyErrordarwin/386 環境のビルドボットで時折失敗するという報告でした。テストの失敗はCIパイプラインをブロックし、他の変更の検証を妨げるため、開発者は不安定なテストを特定し、修正するか、一時的に無効にする必要があります。

このコミットは、テスト自体の根本的な原因を特定して修正するのではなく、CIの安定性を確保するために、問題が発生している特定の環境 (darwin) でテストを一時的にスキップするという、より迅速な対応策として導入されました。これは、不安定なテストがCIを妨げ続けることを避けるための一般的なプラクティスです。

前提知識の解説

Go言語のテストフレームワーク (testing パッケージ)

Go言語には、標準ライブラリとして testing パッケージが組み込まれており、ユニットテストやベンチマークテストを簡単に記述できます。

  • テスト関数: Test で始まる関数名 (例: func TestCopyError(t *testing.T)) で定義されます。
  • *testing.T: テストの状態を管理し、テストの失敗を報告したり、テストをスキップしたりするためのメソッドを提供します。
  • t.Skipf(format string, args ...interface{}): このメソッドは、テストをスキップするために使用されます。指定されたフォーマット文字列と引数で理由をログに出力し、現在のテスト関数の実行を停止します。これは、特定の環境や条件でテストを実行したくない場合に非常に便利です。

runtime パッケージと runtime.GOOS

Go言語の runtime パッケージは、Goプログラムが実行されているランタイム環境に関する情報を提供します。

  • runtime.GOOS: 現在のオペレーティングシステムの名前を表す文字列定数です。例えば、Linuxでは "linux"、Windowsでは "windows"、macOS (旧称 Darwin) では "darwin" となります。この定数を使用することで、プログラムの動作をOSに依存させることができます。

net/http/cgi パッケージ

net/http/cgi パッケージは、GoのHTTPサーバーがCGI (Common Gateway Interface) プログラムを実行するための機能を提供します。CGIは、Webサーバーが外部プログラムと通信するための標準的な方法であり、動的なWebコンテンツを生成するために使用されます。このパッケージは、GoのHTTPハンドラとしてCGIスクリプトをラップし、HTTPリクエストをCGI環境変数と標準入力に変換し、CGIスクリプトの標準出力とエラー出力をHTTPレスポンスに変換します。

ビルドボットと継続的インテグレーション (CI)

  • ビルドボット (Builder): Goプロジェクトのような大規模なオープンソースプロジェクトでは、様々なOSやアーキテクチャの組み合わせでコードが正しくコンパイルされ、テストがパスすることを確認するために、自動化されたビルドシステムと多数の「ビルドボット」が運用されています。これらのボットは、コミットがプッシュされるたびに自動的にコードをビルドし、テストを実行します。
  • 継続的インテグレーション (CI): 開発者がコード変更を頻繁にメインブランチに統合し、自動化されたビルドとテストを実行することで、問題を早期に発見し、解決するソフトウェア開発プラクティスです。CIの目的は、ソフトウェアの品質を向上させ、開発プロセスを加速することです。不安定なテストはCIパイプラインを妨げ、開発効率を低下させるため、迅速な対処が必要です。

技術的詳細

このコミットは、src/pkg/net/http/cgi/host_test.go ファイル内の TestCopyError 関数に条件付きスキップロジックを追加します。

元のコードでは、windows 環境でのみテストをスキップする条件がありました。これは、TestCopyError がファイルI/Oやエラー処理に関連するテストであり、OS固有の挙動が原因で問題が発生する可能性があるためです。

今回の変更では、既存の windows 判定に加えて、darwin (macOS) 環境でもテストをスキップする条件が追加されました。具体的には、runtime.GOOS == "darwin" という条件が追加され、この条件が真の場合に t.Skipf("issue 4958 - skipping test on darwin") が呼び出されます。

この変更は、darwin/386 ビルドボットでの TestCopyError の不安定な失敗という特定のCI問題に対処するためのものです。テストの根本的なバグを修正するのではなく、CIの安定性を優先し、問題のあるテストを一時的に無効化することで、他の開発作業が滞るのを防ぐ目的があります。

t.Skipf を使用することで、テストがスキップされた理由がテストログに明確に記録されるため、後で問題の根本原因を調査する際に役立ちます。また、特定のOSでのみスキップすることで、他のOS環境でのテストカバレッジは維持されます。

コアとなるコードの変更箇所

--- a/src/pkg/net/http/cgi/host_test.go
+++ b/src/pkg/net/http/cgi/host_test.go
@@ -301,6 +301,9 @@ func TestCopyError(t *testing.T) {
 	if runtime.GOOS == "windows" {
 		t.Skipf("skipping test on %q", runtime.GOOS)
 	}
+	if runtime.GOOS == "darwin" {
+		t.Skipf("issue 4958 - skipping test on darwin")
+	}
 	h := &Handler{
 		Path: "testdata/test.cgi",
 		Root: "/test.cgi",

コアとなるコードの解説

変更は src/pkg/net/http/cgi/host_test.go ファイルの TestCopyError 関数内で行われています。

	if runtime.GOOS == "windows" {
		t.Skipf("skipping test on %q", runtime.GOOS)
	}

この既存のコードブロックは、GoプログラムがWindowsオペレーティングシステム上で実行されている場合 (runtime.GOOS"windows" と等しい場合) に、現在のテスト (TestCopyError) をスキップするように指示しています。t.Skipf は、テストがスキップされた理由をフォーマットされた文字列で出力します。

	if runtime.GOOS == "darwin" {
		t.Skipf("issue 4958 - skipping test on darwin")
	}

このコミットによって追加された新しいコードブロックです。これは、GoプログラムがmacOS (旧称 Darwin) オペレーティングシステム上で実行されている場合 (runtime.GOOS"darwin" と等しい場合) に、TestCopyError テストをスキップするように指示します。スキップの理由として「issue 4958 - skipping test on darwin」が明示されており、これはこのテストがmacOS環境で不安定であったGoのIssue 4958に関連していることを示しています。

この変更により、TestCopyError はWindowsとmacOSの両方でスキップされるようになり、特に darwin/386 ビルドボットでのCIの不安定性を解消することを目的としています。

関連リンク

参考にした情報源リンク

  • Go言語公式ドキュメント: testing パッケージ: https://pkg.go.dev/testing
  • Go言語公式ドキュメント: runtime パッケージ: https://pkg.go.dev/runtime
  • Go言語公式ドキュメント: net/http/cgi パッケージ: https://pkg.go.dev/net/http/cgi
  • Go言語のビルドシステムに関する情報 (一般的な知識に基づく)
  • GitHubのGoリポジトリのIssueトラッカー (Issue 4958の詳細確認のため)

[インデックス 15536] ファイルの概要

このコミットは、Go言語の標準ライブラリ net/http/cgi パッケージ内のテスト TestCopyError を、特定の環境、具体的には darwin/386 (macOS 32-bitアーキテクチャ) 上でスキップするように変更するものです。これは、Goのビルドシステム (builder) 上でこのテストが不安定な挙動を示していた問題(Issue 4958)を一時的に解決するための対応です。

コミット

commit 83f59d0a4f5a52a1390e9eb6550532a0eddcd338
Author: Russ Cox <rsc@golang.org>
Date:   Fri Mar 1 12:00:24 2013 -0500

    net/http/cgi: disable TestCopyError to try to fix darwin/386 on builder
    
    Update #4958.
    
    R=golang-dev
    CC=golang-dev
    https://golang.org/cl/7434047

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/83f59d0a4f5a52a1390e9eb6550532a0eddcd338

元コミット内容

net/http/cgi: disable TestCopyError to try to fix darwin/386 on builder

Update #4958.

R=golang-dev
CC=golang-dev
https://golang.org/cl/7434047

変更の背景

この変更の主な背景は、Go言語の継続的インテグレーション (CI) システム、特に darwin/386 環境 (macOS 32-bitアーキテクチャ) 上で net/http/cgi パッケージの TestCopyError テストが不安定に失敗していた問題に対処するためです。

Goプロジェクトでは、様々なオペレーティングシステムとアーキテクチャの組み合わせ (例: linux/amd64, windows/386, darwin/amd64, darwin/386 など) でコードが正しく動作することを保証するために、多数のビルドボット (builder) を使用してテストを実行しています。

コミットメッセージに記載されているIssue 4958は、TestCopyErrordarwin/386 環境のビルドボットで時折失敗するという報告でした。テストの失敗はCIパイプラインをブロックし、他の変更の検証を妨げるため、開発者は不安定なテストを特定し、修正するか、一時的に無効にする必要があります。

このコミットは、テスト自体の根本的な原因を特定して修正するのではなく、CIの安定性を確保するために、問題が発生している特定の環境 (darwin) でテストを一時的にスキップするという、より迅速な対応策として導入されました。これは、不安定なテストがCIを妨げ続けることを避けるための一般的なプラクティスです。

前提知識の解説

Go言語のテストフレームワーク (testing パッケージ)

Go言語には、標準ライブラリとして testing パッケージが組み込まれており、ユニットテストやベンチマークテストを簡単に記述できます。

  • テスト関数: Test で始まる関数名 (例: func TestCopyError(t *testing.T)) で定義されます。
  • *testing.T: テストの状態を管理し、テストの失敗を報告したり、テストをスキップしたりするためのメソッドを提供します。
  • t.Skipf(format string, args ...interface{}): このメソッドは、テストをスキップするために使用されます。指定されたフォーマット文字列と引数で理由をログに出力し、現在のテスト関数の実行を停止します。これは、特定の環境や条件でテストを実行したくない場合に非常に便利です。

runtime パッケージと runtime.GOOS

Go言語の runtime パッケージは、Goプログラムが実行されているランタイム環境に関する情報を提供します。

  • runtime.GOOS: 現在のオペレーティングシステムの名前を表す文字列定数です。例えば、Linuxでは "linux"、Windowsでは "windows"、macOS (旧称 Darwin) では "darwin" となります。この定数を使用することで、プログラムの動作をOSに依存させることができます。

net/http/cgi パッケージ

net/http/cgi パッケージは、GoのHTTPサーバーがCGI (Common Gateway Interface) プログラムを実行するための機能を提供します。CGIは、Webサーバーが外部プログラムと通信するための標準的な方法であり、動的なWebコンテンツを生成するために使用されます。このパッケージは、GoのHTTPハンドラとしてCGIスクリプトをラップし、HTTPリクエストをCGI環境変数と標準入力に変換し、CGIスクリプトの標準出力とエラー出力をHTTPレスポンスに変換します。

ビルドボットと継続的インテグレーション (CI)

  • ビルドボット (Builder): Goプロジェクトのような大規模なオープンソースプロジェクトでは、様々なOSやアーキテクチャの組み合わせでコードが正しくコンパイルされ、テストがパスすることを確認するために、自動化されたビルドシステムと多数の「ビルドボット」が運用されています。これらのボットは、コミットがプッシュされるたびに自動的にコードをビルドし、テストを実行します。
  • 継続的インテグレーション (CI): 開発者がコード変更を頻繁にメインブランチに統合し、自動化されたビルドとテストを実行することで、問題を早期に発見し、解決するソフトウェア開発プラクティスです。CIの目的は、ソフトウェアの品質を向上させ、開発プロセスを加速することです。不安定なテストはCIパイプラインを妨げ、開発効率を低下させるため、迅速な対処が必要です。

技術的詳細

このコミットは、src/pkg/net/http/cgi/host_test.go ファイル内の TestCopyError 関数に条件付きスキップロジックを追加します。

元のコードでは、windows 環境でのみテストをスキップする条件がありました。これは、TestCopyError がファイルI/Oやエラー処理に関連するテストであり、OS固有の挙動が原因で問題が発生する可能性があるためです。

今回の変更では、既存の windows 判定に加えて、darwin (macOS) 環境でもテストをスキップする条件が追加されました。具体的には、runtime.GOOS == "darwin" という条件が追加され、この条件が真の場合に t.Skipf("issue 4958 - skipping test on darwin") が呼び出されます。

この変更は、darwin/386 ビルドボットでの TestCopyError の不安定な失敗という特定のCI問題に対処するためのものです。テストの根本的なバグを修正するのではなく、CIの安定性を優先し、問題のあるテストを一時的に無効化することで、他の開発作業が滞るのを防ぐ目的があります。

t.Skipf を使用することで、テストがスキップされた理由がテストログに明確に記録されるため、後で問題の根本原因を調査する際に役立ちます。また、特定のOSでのみスキップすることで、他のOS環境でのテストカバレッジは維持されます。

コアとなるコードの変更箇所

--- a/src/pkg/net/http/cgi/host_test.go
+++ b/src/pkg/net/http/cgi/host_test.go
@@ -301,6 +301,9 @@ func TestCopyError(t *testing.T) {
 	if runtime.GOOS == "windows" {
 		t.Skipf("skipping test on %q", runtime.GOOS)
 	}
+	if runtime.GOOS == "darwin" {
+		t.Skipf("issue 4958 - skipping test on darwin")
+	}
 	h := &Handler{
 		Path: "testdata/test.cgi",
 		Root: "/test.cgi",

コアとなるコードの解説

変更は src/pkg/net/http/cgi/host_test.go ファイルの TestCopyError 関数内で行われています。

	if runtime.GOOS == "windows" {
		t.Skipf("skipping test on %q", runtime.GOOS)
	}

この既存のコードブロックは、GoプログラムがWindowsオペレーティングシステム上で実行されている場合 (runtime.GOOS"windows" と等しい場合) に、現在のテスト (TestCopyError) をスキップするように指示しています。t.Skipf は、テストがスキップされた理由をフォーマットされた文字列で出力します。

	if runtime.GOOS == "darwin" {
		t.Skipf("issue 4958 - skipping test on darwin")
	}

このコミットによって追加された新しいコードブロックです。これは、GoプログラムがmacOS (旧称 Darwin) オペレーティングシステム上で実行されている場合 (runtime.GOOS"darwin" と等しい場合) に、TestCopyError テストをスキップするように指示します。スキップの理由として「issue 4958 - skipping test on darwin」が明示されており、これはこのテストがmacOS環境で不安定であったGoのIssue 4958に関連していることを示しています。

この変更により、TestCopyError はWindowsとmacOSの両方でスキップされるようになり、特に darwin/386 ビルドボットでのCIの不安定性を解消することを目的としています。

関連リンク

  • Go Issue 4958: コミットメッセージに記載されているIssue番号ですが、Goの公開Issueトラッカーで直接この番号のIssueを見つけることはできませんでした。これは、当時のGoプロジェクトの内部的なIssueトラッキングシステムでの番号であるか、あるいは公開されたIssue番号とは異なる可能性があります。しかし、コミットの意図から、darwin/386 環境でのテストの不安定性に関する問題が追跡されていたことは明らかです。
  • Go Code Review (CL) 7434047: https://golang.org/cl/7434047 このリンクは、Goのコードレビューシステム (Gerrit) における変更リスト (Change-List) を指します。コミットメッセージに記載されている通り、この変更はCL 7434047としてレビューされました。

参考にした情報源リンク

  • Go言語公式ドキュメント: testing パッケージ: https://pkg.go.dev/testing
  • Go言語公式ドキュメント: runtime パッケージ: https://pkg.go.dev/runtime
  • Go言語公式ドキュメント: net/http/cgi パッケージ: https://pkg.go.dev/net/http/cgi
  • Goプロジェクトの継続的インテグレーションとビルドシステムに関する一般的な知識
  • GitHubのGoリポジトリのコミット履歴 (コミット内容の確認のため)
  • Goのコードレビューシステム (Gerrit) の一般的な利用方法に関する知識